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第372回(令和7年9月)定例会 代表質問
質 問 日:令和7年9月24日(水)
質 問 者:北上 あきひと 議員(ひょうご県民連合)
質問形式:分割

〇動画URL(第372回9月定例会9月24日 質疑・質問(代表)):https://smart.discussvision.net/smart/tenant/pref_hyogo/WebView/rd/schedule.html?year=2025&council_id=116&schedule_id=924
1 県政の正常化に向けた取組について
(1)「秘密漏えい疑いに関する第三者委員会調査報告書」を巡る対応について
(総務部)
齋藤知事等の不正疑惑等を告発した元西播磨県民局長の私的情報が漏えいした問題を調べた第三者委員会は、本年5月に報告書を公表。「2024年4月に当時の総務部長が県議3人に対し、元県民局長の私的情報を漏えい」したことを認定し、その私的情報は「正に個人情報にあたり、地方公務員法上、保護されるべき秘密」だとしました。
報告書によれば、当該部長は「知事の指示と同調する前副知事の指示により、前県民局長の私的情報を漏えいした可能性が高いと判断せざるを得ない」と結論付けています。
県はこの第三者委員会の報告書を踏まえて、当該部長を停職3ヵ月の懲戒処分にしました。県当局の説明によると、当該部長が「知事から漏えいの指示があったと信じていた」ことも考慮したとのことであります。
8月18日に開催された総務常任委員会において、県当局は「ミスコミュニケーション」との言葉を用いて、あたかも知事が個人情報漏えいの「指示を行っていない」のに当該部長と当時の副知事及び理事が「指示があった」と信じたかのような見解を示したのです。
第三者委員会は、知事の「指示したことはない」との発言は「採用することが困難」と信用性を明確に否定し、知事からの指示により漏えいが遂行された可能性が高いと結論付けているのです。
報告書において「ミスコミュニケーション」との認識は全く示されておらず、県当局の認識は、第三者委員会の判断を否定しているに等しいと言わざるを得ません。
第三者委員会の要綱には「公平かつ中立な観点から専門的な知見を持つ第三者による客観的な調査等を実施する」と定められています。当該事案の核心である知事の関与について、県当局が報告書を恣意的に解釈するならば、本県は公平性も中立性も客観性もが損なわれた自治体となり、県民からの信頼を決定的に失うでしょう。
選挙で選ばれた知事は極めて大きな権限を有しているが故に率先した法令遵守に努め、職員や県民に範を示さなくてはなりません。今強く求められるのは知事に相応しい言動です。
県民からの信頼を回復し県政を正常化するには、知事が第三者委員会の報告書に基づき非は非として認め真摯な謝罪をすること、そして自身に厳正な処分を科すことが不可欠です。もしそれを拒むのであれば、知事が前総務部長を刑事告訴すること等によって自身への疑念を晴らすべきではないでしょうか。
非を認め謝ることもせず、真相を解明し疑惑を晴らすこともしないままに県民の膨大な個人情報を取扱う県政トップを続けることは社会正義にもとると考えますが、知事の所見をお伺いします。
(2)前総務部長の人事異動について
(総務部)
県人事課は8月27日、前総務部長の人事異動を発表しました。前総務部長は齋藤知事の内部告発問題で告発者の私的情報を県議に漏えいしたとして、5月27日付で停職3ヵ月の懲戒処分を受けていましたが、停職期間が満了し、9月1日付で県参事(県競馬組合副管理者)に異動されたのです。
百条委員会調査報告書では、前総務部長のプライバシー情報の漏えい問題は「県組織としてのガバナンス、マネジメントが適正に行われているのかという 疑問を抱く。この問題への対応に関しては、元県民局長への処分と比較してあまりに大きく異なっている」と指摘をされ「県として刑事告発も含めた厳正な対応を早急に求める」と記されています。
また、本年6月には県議会主要4会派の幹事長が、前総務部長を地方公務員法の守秘義務違反の疑いで刑事告発するよう県に申し入れました。これらの要請にも関わらず、未だ県による告訴はなされていません。
8月20日には、県内の大学教授による齋藤知事と前副知事、前総務部長に対する地方公務員法違反容疑の告発状が、同日これとは別に自民党県議による前総務部長の同法違反容疑の告発状が神戸地検に受理されました。そして「知事から漏えいの指示があったと信じていた」ことを前提とした当該部長への懲戒処分との矛盾が指摘され整合性が問われる第77号議案「知事及び副知事の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例」は目下継続審査中なのです。
これらに鑑みれば、当該部長を巡る問題に一定の区切りがついたとは到底言えず、現下の状況を一顧だにしない今回の人事異動には、強い違和感を覚えます。
当該人事は議会承認を要するものではないものの、県組織としてガバナンス、マネジメントが適正に行われているのか疑念を拭えず、このタイミングでの異動が適切であったのか、知事の所見をお伺いします。
(3)「文書問題に関する第三者調査委員会調査報告書」を巡る対応について
(総務部)
本年3月に公表された「文書問題に関する第三者調査委員会調査報告書」によると、10件の知事の言動について「パワハラに当たる」と認定し、さらに齋藤知事が元西播磨県民局長を「公務員失格」「嘘八百」等の言葉を用いて非難した件についても、パワハラ行為に該当するとしました。
告発文書の利害関係者である知事等が調査を指示し、処分決定過程に関与した県の対応は、公益通報者保護法やその指針の趣旨に反し極めて不当だとし、通報者探索行為は違法としています。元県民局長への告発文書の作成・配布行為を理由にした懲戒処分は違法、無効としました。
第三者委員会の報告書を真摯に受け止めるならば、元県民局長への侮蔑的な言葉や懲戒処分は撤回し謝罪するべきであり、知事自身への処分が科されなければなりません。
知事は本年6月県議会における我が会派の小西ひろのり議員と中田英一議員の質問に「元県民局長の作成した内容の調査や懲戒処分の検討に当たっては、弁護士に法的見解を得ながら、慎重に手続を進めており、初動対応から懲戒処分の実施に至る一連の県の対応は適切であったと考えている」と答弁されました。
しかし、当該事案について県特別弁護士に初めて相談したのが昨年4月1日であることは、百条委員会の調査で明らかです。知事が元副知事等に調査を指示されたのは3月21日、25日に元県民局長に対する事情聴取が実施され、知事記者会見は3月27日でした。即ち知事の答弁は後付けの強弁です。
加えて、県が発表した「職員処分手続への『弁護士』関与の問題点の有無(2024年5月29日付文書)に「そもそも弁護士に中立性は求められていない」と記述される通り、県特別弁護士への相談は中立性や客観性の根拠には当たらず、一連の県の対応が適切であったとの担保には成り得ません。だからこそ、第三者調査委員会が設置された訳であります。
今尚、報告書での指摘がまるで無かったような独りよがりの答弁を繰り返す知事の振る舞いを議員として看過することはできません。
県政トップへの違法、不当との第三者委員会からの指摘を見逃して県政を進めるならば、違法状態を是認することに繋がり、法治主義は破綻し社会正義は崩壊します。
よって、改めて「文書問題に関する第三者調査委員会調査報告書」に基づく是正措置を求めるものであり、知事の所見をお伺いします。
2 県庁舎建て替えについて
(総務部)
本県庁舎再整備の基本構想素案が今月8日に公表されました。現庁舎に比べ、職員の執務スペース等は約95%、県民会館の機能を引き継ぐスペースは約40%の床面積になり、全体で約15%削減となります。
齋藤知事が厳しい財政状況を理由に凍結された、前知事時代の2019年に策定された基本構想と比べると約30%の縮小です。
齋藤知事は、昨年の選挙で「コンパクトな庁舎建て替え」を公約に掲げられ、この度の検討会では事業費抑制を強調され、「コンパクトで機能的な庁舎をどのようにつくるか」と述べてこられました。
新構想案に基づく事業費は、今後示されますが、建物がコンパクトになっても、その事業費は有権者の期待通りに小さくなるとは限りません。旧構想案で見込まれた事業費は約700億円でしたが、資材高騰、人件費上昇等から大幅に増加することを危惧します。
また、新構想においてコンパクトになるのは主に県民会館の機能を引き継ぐスペースですが、従来県民会館に入居していた県関係団体が他所へ移転し、移転先での家賃等を継続的に負担するのであれば、実質的にはコンパクトになったとは言えず、全体としてのコスト削減にも及びません。
加えて、旧構想案では完成した後に移転解体する予定だったため、本庁舎工事中の賃貸料が発生しませんが、新構想案に基づけば本庁舎建設までの間に多額の賃貸料が発生すると思われます。
物価高騰や感染症蔓延等の外的要因は理解するものの「職員4割出勤」案件を含め、庁舎建て替えを巡るこの4年間の対応に不合理な点はなかったのでしょうか。
地方自治法において、自治体は事務処理に当たって、最小限の経費で最大限の効果を上げるよう求められていますが、見直しに要した一連の事務に問題はなかったのか、知事の所見をお伺いします。
3 県政と国政の連携について
(企画部)
本年7月、県は県選出の国会議員との年3回の意見交換会について、今後は見直す方針を明らかにしました。
知事は「これほど多くの回数でやっているのは兵庫県だけ」。「業務改革の観点からの見直し」であり「しっかり事務方で個別に説明したり、関係省庁への要望に重点を移す」と述べておられます。
県の事務方が各省庁に具体的な要望を的確に伝えることは、必要なことです。
加えて、知事が国会議員と十分な意思疎通を図ることによって確実な連携があれば、より功を奏するのではないでしょうか。
そして、防災庁設置や高等教育無償化等の政治的課題については、政治家である知事が意見交換してこそ意味を持つと考えます。
また、県財政が厳しい状況のなかで、県民の安心安全な暮らしを守るには、国庫に負うところは少なくなく、地元国会議員の尽力は何より心強いのではないでしょうか。
各種メディアは「知事と国会議員との意思疎通の機会が減ることに懸念する声も上がる」と報じましたが、私も同様に危惧を抱きます。
今後は県政と国政の意思疎通や情報共有をどのように図り、連携を深めて行かれるのか、知事の所見をお伺いします。
4 介護人材の確保、育成について
(福祉部)
共同通信社が本年6月から7月に全国の知事と市区町村長に行ったアンケート調査では、介護保険サービスの提供体制の持続に危機感を抱く首長が97%。その理由は、「介護現場で働く人が減り、制度の支え手不足」が72%で最多でありました。
介護現場からは「ケアマネとして20年以上勤めているが月給は20万円に満たない。仕事に見合った処遇にしないと、若い人が介護業界に来なくなる。」との声が寄せられています。
また、総務省の2022年の調査によると家族の介護や看護を理由に過去1年間で離職した人は10万6千人であり、介護サービスの不足はあらゆる産業分野において介護離職を招く要因となっています。生産年齢人口が減少する中、介護人材の確保、育成は社会機能を維持するうえでの根本的な課題です。
本県においても全国的な動向と同様に、2040年頃に高齢世代がピークを迎えると見込まれ、65歳以上人口は、全人口の約37%にあたる177万人になると推計され、2025年と比較すると14万人の増加です。一方、生産年齢人口は2025年では309万人ですが、2040年には252万人へと57万人の減少が見込まれます。そのような中、2040年には11万2千人の介護人材が必要と推計され、現状から1万5千人の増員が必要なのです。
現下の危機的な介護人材不足を解決し、また将来の介護需要に応えるため、人材の確保、育成は何より強く求められています。
即効性のある取組として例えば、ケアマネに課せられる数年毎の法定研修は費用負担が重く離職のきっかけになっていますが、自己負担分を公費助成すれば離職防止や離職者の職場復帰に繋がります。
また、業務の効率化を図るケアプラン連携データシステムは、国が活用を推奨するものの、導入段階での業務負担が大きく普及が滞っており、導入時の伴走型支援が県に期待されています。
加えて、民間団体のアンケート調査では、訪問介護や移動支援を担うヘルパーの4分の3が「熱中症の症状を経験」しており、今夏の暑さで退職を考えた人は3割に上ることから、熱中症対策への行政支援は急務です。
長期的には、特に若い世代の参入が進むようカスタマーハラスメント防止や処遇向上を含む抜本的な労働環境の改善、専門知識や技能の習得機会拡充を含む業界全体のイメージアップ、小中高生を含む若者が介護の魅力や意義を体感する機会の提供等が必要です。
介護人材の確保、育成に、あらゆる手段を尽くして頂きたいと切望しますが、当局の所見をお伺いします。
5 多文化共生社会の構築について
(1)県内公立学校の外国籍教員の処遇について
(教育委員会)
現在、県内公立学校で働く外国籍教員は26名です。その全員が、日本国籍の教員と同様に教員免許を所持し、教員採用試験に合格し、教育活動に当たっておられます。
しかしながら、外国籍であるが故に教諭としてではなく、任用の期限を附さない常勤講師としての扱いであり、主幹教諭等に就くことは出来ません。
私は過去2回、「外国籍教員の処遇について」代表質問を致しました。教育長の答弁によれば、現行の処遇の根拠の1つは、1991年3月の「公の意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を有する」との内容を含む旧文部省教育助成局長通知です。
しかし2000年4月に施行された地方分権一括法では、国が自治体に指示できるのは法令に根拠がある場合に限られ、当該通知は助言に過ぎません。
2つ目の根拠は2005年1月の最高裁における「外国人が管理職に就任することについては、我が国の法体系の想定するところではない」との内容を含む判決です。
しかしこの「想定の法理」は「法には想定されておらず、管理職への昇任を認めるかどうか任用権者である自治体の判断である」との趣旨であり、現に東京都、川崎市、さいたま市では、教諭として任用され、東京都においては外国籍教員を主任教諭、指導教諭、主幹教諭に任用をしています。
また、大阪府、鳥取県、大阪市、堺市では、教諭(指導専任)として任用し、大阪府においては、指導教諭や主幹教諭相当級である特2級への昇級を認めているところです。
加えて、県内でも、尼崎市立高校で、外国籍教員が2000年度から2003年度に教諭として勤務した実績があります。
2012年3月の日弁連から文科省への人権救済勧告では「教育現場における管理職に外国籍教員が就任することが、国民主権原理と両立しないとは考えられない。このような差別的取扱は憲法14条が定めた法の下の平等及び憲法22条が保障する職業選択の自由を侵害するものである」とされました。また、労働基準法では「労働者の国籍を理由として労働条件の差別的取扱をしてはならない」と明確に定めています。
本年6月に改正された給特法によって、教諭級と主幹級の間に位置づけられる主務教諭の設置が可能となり、本県においても今後検討されると思います。法改正の契機となる2024年8月の中教審答申には「教師の意欲を高め、学校全体の組織力の向上につなげていくためには、教師の能力と業績を適正に評価し、その評価結果を人事管理に活用していくことが重要」と記されていますが、適正な評価とそれに基づく人事管理から外国籍者を排除する合理性はありません。
国籍を問わず全職員がその力を存分に発揮することは、本県教育の向上と子どもの最善の利益に資すると考えます。
よって、外国籍教員の処遇改善を求めますが、当局の所見をお伺いします。
(2)「文化的言語的に多様な背景を持つ外国人児童生徒」への支援について
(教育委員会)
昨年3月、本議会は「外国人児童生徒等への教育支援を求める意見書」を全会一致で可決しました。
県教委の資料によると、昨年度の県内公立学校に在籍する外国人児童生徒は、一昨年度より約200人増の4,239人であり、ここ数年微増傾向が続いています。
また、日本語指導が必要な児童生徒は前年度より約100人増の1,940人であり、ここ数年の増加傾向は顕著です。
県は、児童生徒の母語を話すことができる人材を子ども多文化共生サポーターとして県内市町組合立学校に最長1年、県立学校に最長2年派遣しており、昨年度の派遣先は現在271校であり、一昨年度より55校増加しています。
現場からは、多様な言語への対応が求められる状況から、人材確保が叶わないこと、また子ども多文化共生サポーターと担任、そして児童生徒支援教員(日本語指導)の限定的な加配のみでは支援が困難であること等の声が寄せられています。県教委が作成した「外国人児童生徒等のための受入れハンドブック」では、子どもたち各々の現状把握と全教職員での情報共有が必要だと指摘されています。行政の部局連携をより密にするとともに、全公立学校において、ハンドブックに基づく取り組みを組織的、計画的に展開できる体制づくりが求められるのです。
また、公立高校入試における「外国人生徒にかかわる特別枠選抜」は現在6校で実施され、今年度の志願者は29名で合格者は18名でした。但馬・北播磨等、実施校のない地域でも外国人生徒は増加しており、全ての地域への枠校設置の検討が必要です。本県では渡日3年以内の生徒にしか受検を認めておらず、また高校入学後の日本語指導期間は1年間に限られ、2年生以降に学習面で大きな困難を抱えるケースが多いと聞き及ぶところですが、例えば 大阪府では受検資格を在日期間6年以内とし、在学3年間の日本語支援体制を整えており、また府内で特別枠選抜を実施している高校は8校、合格者は100人以上に上っています。
特別枠拡充と在校中の日本語支援が、外国に繋がる子どもの進路保障として強く求められる状況です。同時に、文科省はもちろん多くの文献でも指摘されるように外国に繋がる子どもが持つ多様性を「長所・強み」として着目し、全ての子どもにとってものの見方や考え方を広げ、国際化する社会で活躍する力を高める機会にすることが 重要ではないでしょうか。
本県における、外国に繋がる子どもたちへの支援充実と特別枠拡充について、当局の所見をお伺いします。
6 部活動の地域展開における県の役割について
(教育委員会)
本県においては、県内市町における部活動の地域展開への積極的な支援が期待されていると存じます。
県民からは、特に受け皿となる地域クラブ活動や指導者の確保、活動の参加費用や活動場所への移動費用負担、府県や市町域を越えた取組や中体連・文化芸術団体等の大会への参加要件、安全性やモラルの担保等について、不安の声が寄せられています。働き方改革の観点からは、教職員が周囲の要望や同調圧力によって指導者受託を押し付けられることを防いだり、兼職兼業における諸条件整備等が求められるところです。
文科省の示す改革推進期間が今年度末に終了し、いよいよ新年度より改革実行期間に移ります。県内市町各々の地域力が存分に発揮され、家庭環境や障がいの有無等による格差なく、あまねく子どもたちがスポーツや文化芸術活動を継続的に親しむことが出来る環境の構築を切に願うものです。
より豊かな活動を円滑に展開するためには、県の果たす役割は大きいと認識しますが、当局のご所見をお伺いします。
第372回(令和7年9月)定例会 一般質問
質 問 日:令和7年9月26日(水)
質 問 者:黒田 一美 議員(ひょうご県民連合)
質問形式:一問一答

〇動画URL(第372回9月定例会9月26日 質疑・質問(一般)):https://smart.discussvision.net/smart/tenant/pref_hyogo/WebView/rd/schedule.html?year=2025&council_id=116&schedule_id=926
1 兵庫県議会第371回定例会における議員の一般質問になぜ答弁をしなかった のか、その理由について
地方自治体の二元代表制について、憲法第93条では、県知事と県議会議員は住民が直接選挙するとされ、対等の関係で行政を進めると規定され、地方自治法の法律にも明記されている。兵庫県政においてももちろんのことである。
知事と県議会は、どちらも県民から選挙で選ばれた県民の代表であり、対等の立場で県民福祉の向上を目指して県政を運営しなければならない。
昨年の知事選後、初めての定例会となる令和6年12月定例会において、齋藤知事は、議会と知事が車の両輪として、ともに歩みを進めていけるよう、真摯に議論、対話を積み重ねていく所存であるとの所信を表明している。
知事は、二元代表制の一翼を担う県議会を軽視してはならず、真摯に議論をすることが県民のための県政を進めるための基礎となりますが、齋藤知事はこのことを本当に認識しているのか疑問に思う出来事がありました。
今年6月9日、兵庫県議会第371回定例会における我が会派の中田英一議員の一般質問で、「公益通報者保護法違反を認定した第三者調査委員会の調査報告書と、知事の適法であったという見解が反しており、知事は知事の主張が正しいと言われているが、この第三者調査委員会の報告書の誤っている部分、事実認定の部分なのか、法令解釈の部分なのか、どこが間違っているのかという具体的な箇所を教えてください。」との質問に対して、「第三者調査委員会の指摘は真摯に受け止めつつ、いろんな考え方がある。」「我々としては、私としては、県としては、県の対応については、適切だったというのが見解です。」と答弁したのみです。
中田議員の「どこが間違っているのか」との県議会での質問に一切答えていません。二元代表の一翼を担う県議会の質問になぜ答えなかったのか、その理由を伺います。
2 知事は秘密漏えい疑いに関する第三者調査委員会最終調査報告のどこが間違っていると認識しているのか
「秘密漏えい疑いに関する第三者調査委員会最終報告書」では、こう記載されています。
「前総務部長は、知事からの指示及びこれと同調する元副知事の指示により、 元県民局長の私的情報について、議会の各会派のうち乙会派及び甲会派の執行部に対し、『根回し』の趣旨で前記認定の情報開示(漏えい)を行った可能性が高いと判断せざるを得ない。」と記載されています。
知事は、「前総務部長に指示をしたことはございません。」と6月議会で答弁をしています。これは「秘密漏えい疑いに関する第三者調査委員会」からの報告とまったく相反します。
では、知事は「秘密漏えい疑いに関する第三者調査委員会最終報告書」に記載されている「前総務部長は、知事からの指示及びこれと同調する元副知事の指示により、元県民局長の私的情報について、議会の各会派のうち乙会派及び甲会派の執行部に対し、『根回し』の趣旨で前記認定の情報開示(漏えい)を行った可能性が高いと判断せざるを得ない。」との記載は、間違っていると認識しているのか、お聞きします。
3 児童発達支援管理責任者研修及びサービス管理責任者研修の在りようについて
障害を持つ子どもの支援は重要でそのニーズは、高まっています。私の住んでいる地域にも、複数の放課後等デイサービス等の障害児通所支援事業所があり、配置を義務付けられた児童発達支援管理責任者が、子どものニーズを把握し、個別支援計画を作成して活動しています。
兵庫県では、児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者、両方の資格を取得するための県委託による研修が実施されていますが、基礎研修年1回、実践研修上半期、下半期年1回と回数が少なく、人数枠が少なく、応募しても受けることができないとの声があります。
県の委託研修機関は1ヵ所しかなく、指定している指定研修機関のうちR7年度に研修を実施しているところが1ヵ所ありますが、その受講料は、県の委託研修機関の実践研修は12,500円、指定研修機関では33,000円と格差があります。
新たに公的な福祉団体に研修機関を指定し、研修受講の機会を増やしてはどうかと考える。
大事な資格であることから、格差のない、県民のニーズにあった研修体制の充実を求めますが、当局の所見を伺います。
4 兵庫県が今年新しく開発した水稲新品種「コ・ノ・ホ・シ」の兵庫県民への地産地消に向けた広報戦略について
地球温暖化が進む中、夏の暑さによりお米が白く濁るなど、品質低下が問題となる中、JAグループ兵庫と兵庫県が共同研究契約を締結し、夏の暑さに強く、おいしい水稲新品種の育成が平成28年から始まった。
令和5年度に設立したひょうごの水稲オリジナル品種普及推進協議会においては、新品種の育種だけでなく、消費者に円滑に届けられるよう、生産、流通、販売に関わる関係者が一丸となって協議がなされていると伺っている。
そのような中、9年かけて1万種の中から選定され、新しい水稲が誕生した。令和7年からデビューするキヌヒカリに替わる品種の名称が「コ・ノ・ホ・シ」に決定され、令和7年度は約150haの栽培が行われているとのことである。
今秋には量販店を通じて県民の皆さんの食卓に届くこととなり、「コ・ノ・ホ・シ」は、キヌヒカリと同等の収量があり、食味はそれ以上の特性を持つとされていることから、その出来栄えや味に期待するものである。
今後は作付面積をさらに広げ、キヌヒカリからの全面転換を目標としていると聞き及んでおり、また、並行してヒノヒカリ、コシヒカリの後継品種の育成も行われているなど、今後の展開に更なる期待が高まる。
兵庫県は米の消費量が生産量を上回っており、半数程度は他府県産の米に依存している状況であることから、「コ・ノ・ホ・シ」が県内量販店、学校給食等に供給されるなど、県民に親しまれるよう、地産地消に努めていただきたいと考える。
そこで、県民の皆さんに「コ・ノ・ホ・シ」を認知いただき、手に取り、購入いただき、食べてもらうための県民への広報戦略について、当局の所見を伺う。
5 マダコの資源回復に向けた取組について
本県瀬戸内海のマダコは古くから地域特産の水産物として有名であり、特に「明石ダコ」はその品質の高さと味の良さで、全国にその名が知られている。マダコを漁獲する漁法や料理法も多様で、美味しい食材としてはもちろん、その特徴的な姿も含めて、多くの人に愛されている水産物である。
私の地元の垂水の海でも、子どもの頃はマダコが多く獲れ、各家庭の食卓では、頻繁にタコ料理が供されていた。神戸市や明石市などではマダコを主な漁獲対象とする漁業者の方も多く、加工品も多く生産されている。イカナゴと同様に地域の水産業や食文化を支える極めて重要な水産物であると言える。
しかし、近年、マダコの資源も減少傾向にあり、この20年で漁獲量は約5分の1にまで減っている。瀬戸内海の貧栄養化などの影響から、マダコの餌となるエビ類や貝類が減少したことが原因だと言われている。瀬戸内海におけるマダコ資源の回復は、本県の漁業者はもちろん、水産加工業者や消費者にとっても非常に重要かつ関心が高い喫緊の課題である。
このような状況の中、今年の7月から8月にかけて、明石市の大蔵海岸や淡路市の江井漁港などで、兵庫県栽培漁業センターが生産した稚ダコ約5,700匹が試験 放流された。マダコの種苗生産は技術的にも難しく、種苗放流は全国でも事例がほとんどない画期的な取組であると聞いている。マダコ資源の減少に対して、これからも積極的な種苗放流の実施により、資源回復に取り組んでいくことが重要であると考える。
そこで、マダコの資源回復に向け、今後どのように取り組んでいくのか、当局の所見を伺う。
6 クビアカツヤカミキリの被害防止対策の推進について
まさに「日本人の心」とも言うべき、日本人の心のよりどころであるサクラ。本県では、このサクラを始めとしたウメ、モモなどのバラ科の樹木へのクビアカツヤカミキリによる被害が拡大している。
本県では、令和4年6月に明石市の公園で初めて発見されて以来、県市が連携して被害防止に向け取り組んでいるにも関わらず、昨年度までは5市での確認であったところ、今年度に入り、新たに4市で発生が確認された。
神戸市においても、北区や灘区、西区においてはこれまで確認されていたが、今年度に入り、新たに東灘区や中央区で発見され、我が地元垂水区でも、今年6月に発生が確認されたところである。
こうした被害拡大の背景には、クビアカツヤカミキリの産卵数の多さにある。成虫は500個から1,000個の卵を産み、孵化すれば幼虫が木の内部を食い荒らし枯死させてしまうという非常に厄介な特定外来生物であり、産卵数の多さゆえに 被害の拡大も早く、早期の対策を求められるゆえんでもある。
本県では、こうしたクビアカツヤカミキリを始めとした特定外来生物の被害拡大を受け、今後必要となる対策等について全庁横断的に検討するため、新たに「兵庫県特定外来生物対策本部」を8月に設置し、対策を強化することとした。対策本部のもとには、地域の実情を踏まえた対策を実施するため、発生確認地域では必要に応じて地域部会を設置し、取組を進めることとされている。
今後は対策本部が司令塔となり、クビアカツヤカミキリの被害がこれ以上拡大しないよう対策を強化していただきたいと考えている。
そこで、クビアカツヤカミキリの被害がこれ以上拡大するのを未然に防ぐため、対策本部のもと、今後どのように対策を進めるのか、当局の所見をお伺いする。


