議会の動き

◆25年9月定例会 討論

概要議案に対する態度と考え方会派提案の意見書案代表質問一般質問討論
決算特別委員会

令和6年度決算(本会議)反対討論

質 問 日:令和7年9月24日(水)
質 問 者:小西 ひろのり(ひょうご県民連合)

〇動画URL(第372回9月定例会10月22日 委員長通告、討論〈小西議員部分20:21~32:45〉、表決、請願処理、その他、閉会):

https://smart.discussvision.net/smart/tenant/pref_hyogo/WebView/rd/speech.html?year=2025&council_id=116&schedule_id=1022&playlist_id=1&speaker_id=0

 ひょうご県民連合議員団の小西です。

 私は会派を代表し、上程中の決算認定議案のうち、認第1号議案「令和6年度兵庫県一般会計歳入歳出決算の認定」について反対し、以下その主な理由を述べます。

 ひとつには、文書問題に関する第三者委員会報告書の取扱いについてです。

 令和6年度は文書問題に関連して第三者による様々な調査がおこなわれ、各報告書が提出されました。監査委員事務局、法務文書課、人事課が設置した第三者委員会に対し、合計で4,856万円となっています。

 文書問題に関する第三者委員会は、元裁判官3人を含む6人の弁護士で構成され、客観性・中立性、公平性、透明性を備え、3,719万円もの多額の税金を投入し、知事自らが設置しました。その報告書の内容は、元県民局長の文書作成・配布行為を外部公益通報と認定しています。元県民局長に対して行った懲戒処分のうち、文書の「作成・配布行為」の部分を懲戒処分の対象にすることは「公益通報者保護法に違反する」と指摘されており、処分のうち、これを理由とする部分は無効、知事らの対応を「違法・無効」と認定しました。

 これら報告書の内容は、社会通念上100%受け入れなくてはならないものであり、受け入れができないのであれば調査費用を知事自身が負担するべきです。知事の報告書の受け止めに対して決算特別委員会の審査では、「報告書の指摘に対して説明責任を果たしていない」、「知事に都合のよいところだけを受け入れている」等の指摘があり、調査報告書に対する知事の受け止めを質しましたが、本会議や定例記者会見等と同様、「真摯に受け止める」、「反省すべきところは反省し、改めるべきところは改める」をはじめ、同じことばの繰り返しや、支離滅裂な受け答えが何度も繰り返されているだけでした。

 報告書の内容を受け入れ、県政推進のため、今後、具体的にどのように対応していくのかがまったく見えません。議論がまったくかみ合わない、コミュニケーションが成り立っていない受け答えに徹する知事の姿を県民はどのように見ているのでしょう。「真摯に受け止め」て、そのあとどのような行動をするのか、間違いを認め、自ら反省し、是正するべき所は是正することにも結びついていません。様々な疑義が残ったまま、県民から理解を得ることができない、おかしな対応に徹しているとしか思えません。

 決算特別委員会の知事答弁では、「しっかり調査していただいた」と答弁がありましたが、しっかりとした調査の結果を100%受け入れることができないのはなぜでしょうか。結果を受け入れない調査になぜ多額の税金を投入しなくてはならないのでしょうか。自分に都合のよいところだけを受け入れ、都合の悪いところは受け入れない姿勢は、公人としての資質を疑わざるを得ません。

 さらには、人事課が所管する秘密漏えい疑いに関する第三者調査委員会の報告書では、「元県民局長の公用パソコンにあった私的情報を元総務部長が県議会議員に漏洩した」と認定し、「知事及び副知事の指示のもとに行われた可能性が高い」と報告されています。この件においても、元総務部長が、3人の議員に元県民局長の私的情報を漏洩したことが認定されているにも関わらず、報告書の内容を受け入れることなく、元総務部長を懲戒処分のみとし、刑事告訴・刑事告発もおこなわないことについて疑念を抱かざるを得ません。

 人事に関する秘密情報でもある一個人のプライベートな情報について見せてまわることは、正当な業務にあたるはずもなく、大きな問題です。元総務部長の地方公務員法違反、守秘義務違反に対する刑事罰が科されておらず、県民が納得するていねいな事実説明もできていないことは、あまりにも不誠実です。

 第三者委員会の報告で明らかとなった元総務部長の守秘義務違反について、議会側としても4会派でそろって申し入れをおこないましたが、知事は翌日の記者会見において「刑事告発しない」と即座に申し入れを受け入れない態度を表明されました。

 4,856万円という巨額の予算を費やした第三者調査委員会の報告を受け入れないだけでなく、議会や県民も軽視しているとしか思えない現状がある以上、決算の認定はできません。

 ふたつには、県立大学の授業料等無償化についてです。

 令和6年度にスタートした県立大学の授業料等無償化ですが、これまでの制度としてあった国の修学支援制度、県立大学独自の支援の約3億6,047万に加え、新たに授業料等無償化として約4億6,269万円の決算となっています。

 我が会派はこれまでから、社会的に厳しい状況や立場にある方々にこそ、自治体としての支援を充実させ、公平感のある取組を求めてきました。昨年度から始まった「県立大学の授業料等無償化」については、県政改革調査特別委員会でも議論してきましたが、「兵庫県の若者を支援する事業」というには受益者があまりにも限定的で公平性に欠けています。

 また、多額の予算を永続的に計上する必要がある施策にも関わらず、当時の政策決定過程が拙速であり、大学関係者も記者発表時まで知らなかったことも含め、透明性が全く確保されていなかったことも大きな課題として残っています。

 「若者支援」という理念は大切な観点ですが、県内に住む大学生でも限定的でわずかな  人数だけが受益者となっている本事業の現状に対し、取り残されてしまった県内の大学生を飛び越えて県外からの大学院入学生に兵庫県の税金が使われることに関しては、更なる不公平感が生まれ、「多くの若者の可能性が広がる支援」を行う内容とは到底言えません。

 物価高の影響を受け、困難な生活をしながら勉強や研究、部活動等に励んでいる学生は県立大学進学者に限らず、県内にたくさんおり、税金を使うのであれば公平感のある支援をおこなわなくてはなりません。

 制度完成以降は毎年23億円の予算が必要であり、「兵庫県立大学基金」の運用や授業料無償化の恩恵を受けて卒業した学生が県内で就職し、県の施策に大きな貢献をしてもらえるようなしくみづくりが早急に必要であると考えます。

 また、知事は予算審議の際に本会議をはじめ、様々な場面で「国の高等教育無償化の議論の先鞭となり、国の動きにつなげていきたい」と発言されていましたが、制度が始まって一年半、国に対しての要請や県立大学の実情について知事が自ら率先して国会議員や国の機関等へ要請した機会はあったのでしょうか。

 全国知事会がとりまとめた「令和8年度国の施策並びに予算に関する提案・要望」の一項目に「高等教育に係る教育費の負担軽減」について記載されていますが、子ども・子育て関係だけでなく、地方創生や人口戦略関係等、多岐にわたる膨大な要望事項のなかのひとつでしかありません。現段階で文部科学省が打ち出している内容は、令和7年度から始まっている、子どもが3人以上いる多子世帯への大学等の授業料等の無償化のみとなっており、すべての大学生が対象となるまでは先が見えない状況と言えます。

 現在おこなっている政党別の国会議員との懇談会を取りやめ、個別に懇談する方針を掲げておられますが、より積極的な要望活動が期待できるのでしょうか。

 兵庫県の環境や特性を生かし、学生が授業料を払ってでも県立大学で学びたいと思えるような、より魅力的なカリキュラムづくりに奮闘する現場の取組と歩調を合わせ、それに見合う予算措置を行うことこそ、若者・Z世代応援パッケージの趣旨である兵庫の若者が安心して希望する教育を受ける仕組みづくりにもつながるのではないでしょうか。無償化の制度がすでに始まっているとはいえ、卒業生の県内就職率、県内定住率の動向や志願者数の変化、学生の学びに対するニーズ等の当該事業の適切な成果指標の設定や効果の検証を行い、県民に見える形での見直しができる体制を整えるべきだと考えます。

 以上、実質公債費比率17.9%という「起債許可団体」となる寸前の状況である兵庫県において、文書問題に関する第三者委員会報告書の受け入れに対する知事の態度と調査委託料の執行のあり方、県立大学の授業料等無償化における予算執行のあり方について大きな疑義があることから、令和6年度決算の認定には賛同できません。

 議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。