議会の動き

25.12.05 迎山 志保 議員が代表質問を実施

概要 / 代表・一般質問 / 討論 / 議案に対する態度と考え方

代表質問 迎山 志保議員

〇動画URL(第373回12月定例会12月5日 質疑・質問(代表)): https://smart.discussvision.net/smart/tenant/pref_hyogo/WebView/rd/schedule.html?year=2025&council_id=118&schedule_id=1205

第373回(令和7年12月)定例会 代表質問
質 問 日:令和7年12月5日(金)
質 問 者:迎山 志保 議員(ひょうご県民連合)
質問形式:一問一答

1 県政運営に当たって大切にすべき価値観について

 県は、ひょうごの目指す姿として2022年3月にひょうごビジョン2050を策定した。策定に当たって2022年2月16日の本会議の提案説明で知事は大切にすべき価値観について、次のとおり述べられている。「あらゆる環境がめまぐるしく変化し、これまでの当たり前が当たり前でなくなる。そんな時代の中で、私たちが大切にすべき価値観とは何でしょうか。このほど県政の羅針盤としてまとめた『ひょうごビジョン2050』の案では、特に大事なものとして『包摂』と『挑戦』を掲げました。」続けて知事は「躍動する兵庫」は「包摂」と「挑戦」を両輪とすると明言されている。
 しかしながら、知事のこれまでの議会答弁や記者会見での対応を拝見すると、 知事が掲げる躍動する兵庫の柱とされている包摂の理念をどこまで重視されているのかと疑問に思わずにはいられない。

 「包摂」とは、知事ご自身が触れられているが、置き去りにされる人をつくらないということ。知事はご自身と違う意見に対し、「様々なご意見がある」「真摯に受け止める」「ご理解いただきたい」と度々言われているが、それでは対話が進まない。そのように知事から言われると、遮断されたように感じ、口をつぐんでしまう人もいるだろう。さまざまな価値観の人たちとの対話の先にこそ知事が目指すとされた包摂と挑戦が実現される社会がある。
 このような質問をすることで、それこそ様々な意見がSNSなどで飛び交うことだろう。なぜ私たちが今日このような質問をするのか。それは包摂と挑戦が実現されるような、希望に満ちた社会の実現に向けて、最も大きな影響力を持っておられるのは知事だからである。
 あの所信表明から3年半あまり、あの時に掲げられた兵庫県の将来の姿における理想像に対し、包摂の価値観は現在、どこまで今の県政において叶えられていると思われているのか、知事のご認識を伺う。

2 県庁舎建替に関する懸念について

 先般の第5回県庁舎のあり方等に関する検討会において、昨年8月から過去4回の議論を踏まえた新庁舎等の基本構想案が示され、従前計画との比較で整備面積を30%削減、実質負担額は1,010億円から560億円になる、との発表がなされた。

 事業費を半分程度に見直して実質負担を500億円程度にするという知事の公約が一見するとほぼ達成されるかに映る。しかしながら、よくよく実態を見れば、2019年時に見込まれた県庁舎に加え県民会館の建替事業費を含む700億円の事業費については活用が可能な国庫補助金などを控除せずに現時点の建築単価に換算し、従前計画を大幅な増額に見せる一方、現計画の数字については今回新たに必要となる分散庁舎への移転費や改修費など160億円を算入せず、また活用が未確定の国庫補助金90億円などを控除することで最小限に抑え込まれており、このような恣意的な数字をことさら強調した発信はミスリードを誘う不誠実なものではないか。

 また、検討会会長は物価や人件費高騰のトレンドが続く中、事業費の上振れが今後十分起こりうるとも言及している。総じて甘い見積もりになっていないか。 整備期間と重なる今後10年の県財政はこれまで以上に厳しい。分収造林事業や地域整備事業など一気に過去の清算をするタイミングで資金ショートしないか。県民実質負担額560億円が蓋を開けてみれば、では県民に説明がつかない。

 加えて、この整備計画では本庁機能が拠点分散によって約10年バラバラの状態となる。物理的な距離は部局間での課題や県政の目的意識の一体感を損ない、中堅職員の流出もみられる中、若手職員の人材育成も極めて困難な状況になるのではないか。

 現在、民間企業においてもコロナ禍で広がったリモートワークは限定的となり、主流は出社回帰である。ましてこのような状況下で南海トラフ地震などの有事が発生すればどうなるのか。

 県民への情報発信のあり方、本庁機能分散による想定される課題と対応策について伺う。

3 県職員による公益通報への対応について

 知事は今年2月定例会での、わが会派の上野議員による文書問題にかかる公益通報の認識についての質問に対して「3月27日までの間、当該文書が公益通報者保護法上の外部通報に当たらないとする法的な見解までは有していなかったわけですが、当該文書は誹謗中傷性の高い文書として対応したものであり、今回の一連の対応に問題はなかったものと考えております」と答弁された。

 つまり、当時は法についての理解はなかったが、結果として、誹謗中傷性が高い文書だったので対応は適切であるというお考えなのだと理解する。

 しかしながら、法解釈とはそのような解像度で行われるものなのだろうか。知事は司法判断とよく言われるが、法のプロフェッショナルによって構成された「文書 問題に関する第三者調査委員会」は、当該文書を3号通報に該当すると認めたうえで、まさに3月27日までの「利害関係者による調査の関与」「通報者の探索行為」を「極めて不当」「違法」との判断を下している。この第三者委員会の意見に対し、知事は「重く受け止める」と言われながらも、一連の対応を適正適法と主張し続けている。

 それならば、この法律の有権解釈権を持つ消費者庁はどのような立場を取っているのか。5月14日の参議院本会議で伊東担当大臣は、通報先が外部であっても不利益な取り扱いからの保護対象となるとの考えを示したほか、通報者の探索を防ぐ措置を取るといった体制整備を事業者に義務づけた法定指針の保護対象についても、外部への公益通報者も含まれると答弁。知事が示す保護対象に関する法解釈を否定し、消費者庁からは知事の発言を踏まえて技術的助言も受けるに至っている。

 しかし、この状況になってもいまだ知事は、文書問題の対応が適切適法との姿勢を変えていない。

 さて、これまで私が文書問題にかかる公益通報の対応について経緯を縷々述べた理由としては、文書問題の対応を適切適法とする知事のもとでは、今後、職員が不正を発見し、秘匿性が高い3号通報を考える際に、適切な通報者保護が行われるのか不安を感じ、通報をためらうような事態にならないかとの懸念があるからにほかならない。

 県ホームページを拝見すると、内部通報における「兵庫県職員公益通報制度」に内部窓口と外部窓口が併記されており、その下に「通報内容の取扱い」の記載がある。その内容は、「通報者が通報等をしたことにより、不利益な取扱いを受けないように通報者探索、範囲外共有、利益相反者による事案調査等は行いません」ということである。

 通報者探索、範囲外共有、利益相反者による事案調査等を行わないという「通報内容の取扱い」の記載が適用されるとのことであるが、これは外部通報にも適用される考え方なのか。

 公益通報者保護法の適切・適法な運用は知事ご自身が言及されている「風通しのよい職場」づくりに通底するものである。そして職員が発見した不正の通報による最大の受益者は県民である。

 そこで、県職員が今後外部通報をした場合は、消費者庁による体制整備義務の 観点を含め、どのような対応を取るのか、行政の長である知事の明確な答弁を求める 。

4 インターネット上の人権侵害防止条例について

 知事から今定例会に「インターネット上の誹謗中傷、差別等による人権侵害の防止に関する条例」案が提案されました。令和5年10月、知事がこの条例の制定検討を表明されてから2年余り、その間、県内外ではインターネット上の人権侵害に関する様々な問題が発生しました。

 また、ご自身の行動が誤った情報としてSNSを通じて数十万人の方に拡散される大変恐ろしい経験をされた知事は、特に強い思い入れをもって条例の検討に着手されたことでしょうから、感慨深いものがあるのではないかと思います。

 条例案の作成に当たっては、表現の自由に関わる問題でもあることから、昨年7月に弁護士や学識経験者からなる有識者会議を設置し、1年をかけて慎重な検討が行われました。

 また、本条例案に対する県民の関心も非常に高く、本年8月に実施した条例案に対するパブリックコメントには、153通347件もの意見が寄せられました。パブリックコメントの結果を受けて、条文に一部修正が加えられるなど、県民の意見も踏まえた内容となったのではないかと思います。この条例により、インターネット上の人権侵害を許さない社会の実現に近づくよう、期待します。

 ただ、条例を作っただけでインターネット上の人権侵害がなくなるわけではありません。この条例の実効性を担保するためには、条例をどのように運用していくのかが肝要です。

 条例案は、啓発等の実施、相談体制の整備、不当な差別への対応の3つの柱からなりますが、誹謗中傷等による人権侵害に適切に対処していくためには、特に、被害を受けた方への速やかな支援が重要であり、迅速な救済が行えるような相談 体制を整備していくことが必要です。

 さらに、条例案には、市町に対し、人権侵害行為防止・被害者支援施策の策定・実施を求める責務規定も置かれていますが、インターネット上の人権侵害の防止に向けては、県だけではなく市町とも連携を図りながら全県的に施策を進めていく必要があります。

 本条例の実効性を確保するためにも、以上申し上げた点を踏まえ、今後どのような施策を展開しようとされているのか、当局の所見を伺います。

5 県立通信制高校の今後について

 急激な少子化にあっても通信制に通う生徒は年々増加している。近年存在感が 増している広域通信制高校は公立通信制高校以上に多様なニーズの受け皿になるとともに、スポーツやデジタル教育に特化するなど積極的な打ち出しも奏功し、 コロナ禍を経て今や高校生の10人に1人が通信制で学んでいる。

 県立高校における通信制は、神戸地域に青雲高校、西播磨地域に網干高校通信制課程を設置しているほか、県下すべての地域に協力校を5校(阪神昆陽、柏原、洲本実業、西脇北、豊岡)設置しており、いつでも、どこでも学ぶことのできるセーフティネットの役割を果たしてきた。近年では、不登校(約6割)や中途退学の経験者、特別な支援を必要とする生徒、外国籍の生徒、学び直しの必要な生徒(20歳以上が12.4%)など様々な生徒が在籍。公立と広域を比べると選ばれるという意味では圧倒的に広域が優位に見えるが、その学費の高さ玉石混交の体制による退学率の高さは大きな課題であり、公立の役割、可能性も決して小さくはない。

 定時制との併学やスクーリングで学びがしっかりフォローされていることなど積極的な情報提供を行うことで学びのニーズを捉えていただきたい。

 ついては、広域通信制をはじめ様々な新しい受け皿が増える中で志願者が減少傾向にある県立通信制高校における課題認識と、網干高校通信制が令和9年度に単独校化すること等も踏まえ、これからの県立通信制課程をどのような形で運営していくのか、方向性について伺う。

6 県立病院の運営について

 県立病院が今、経営の危機に直面している。この状況はマスコミでも取り上げ られ、県民から驚きや困惑、不安の声が聞かれるようになった。先日、地元県立加古川医療センターを訪れた。今年46床が休止され、状況によっては3年後さらに41床を休止するとされている県立10病院の中でも収支の厳しい病院だ。

 近年、診療科の廃止などもあり、医師、職員のモチベーション維持も心配であったが、病院休床により閉鎖された6階病棟を近年急増しているパーキンソン病のリハ病棟、神経難病センターとして有効に活用するなど、現場で奮闘しておられる姿を拝見できた。

 しかしながら、感染症拡大時にはその持てる機能を最大限に発揮し、未曾有の危機を乗り越えてきた県立病院であるからこそ、こうした縮小均衡方針のみでは負のスパイラルを招きかねないとの強い危機感も抱く。

 我が会派からは病室や医療機器の貸し出し、自由診療への参入、救急車利用の有料化、保険適用外の診療報酬加算など収益増につながる取組も提案させていただいている。全体の収支からすれば微々たる益にしかならないと思えるようなことでも、疎かにできない実にシビアな現状である。

 2年ごとに改定される診療報酬は、長らく横ばい改定で収入面は頭打ちの一方、自助努力ではいかんともしがたい昨今の物価や人件費の高騰が経営改善による収益増を上回るコストプッシュ圧力になっている。このような状況は理解するものの県立病院の役割を考えれば、あらゆる手段を用いて経営改善に当たらねばならない。

「企業的に考えるならいくつかの病院を数年以内に閉じなければならない状態」杉村管理者の言葉である。大変な危機感をもって舵取りに当たられていると思うが、持続的に安全・安心な医療を提供できるよう、県立病院の運営をどのように行っていくのか、病院事業管理者の決意を伺う。