議会の動き

令和6年度当初予算案等に係る討論(一部反対・修正案に賛成)

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ひょうご県民連合 討論(中田 英一 副幹事長)

ひょうご県民連合議員団を代表し、ただいま上程中の予算関係、条例等に係る議案のうち、令和6年度関係の「第1号議案」及び「第49号議案」に反対、また、先ほど我が会派の迎山志保議員が提案説明を行った修正案に対して、賛成する立場から討論を行います。

今回の予算案について、齋藤知事は「若者・Z世代応援予算」と銘打ち、教育や子育て支援などに総額91億円を計上するなど、「若い世代が安心して学び暮らせる環境をつくることが兵庫の成長には不可欠だ」と強調されました。
予算計上額を見ますと、一般会計では、来年度は堅調な企業業績に伴い県税収入が増加する一方、新型コロナ関連の交付金事業等の減少が影響し、前年度比マイナス207億円、0.9%の減少で昨年度とほぼ同水準の規模となっております。

今後の財政状況については、税収の改善や経済成長率の上昇などにより、2028年度までに見込まれる収支不足が215億円と、前年度から40億円改善すると見込まれていますが、依然として収支不足が生じているほか、分収造林事業や地域整備事業会計など、新たな財政的な課題もあり、引き続き厳しい財政運営が求められます。
その中で、我が会派はこれまでから、県民の生命と生活に直結する医療・福祉、教育、治安等については、社会的に弱い立場にある方々に光を当てた公平感のある取組を繰り返し主張してきました。

 提案されている当初予算のなかでも、子育て支援の充実や奨学金返済支援制度の拡充など我々の提案が盛り込まれており、評価するところですが、ただ1点、より一層選択と集中が求められ、費用対効果を含めより慎重に施策を進めていかなければならないこの局面においては、若者Z世代支援の柱として提案される県立大学の無償化については、我々が修正提案を行う給付型奨学金の拡大こそが妥当であると考えます。

「県立大の無償化では、大学等に進学する県内高校卒業生のうち、裕福な家庭も含めて2.6%(約730人)にしか恩恵が及ばないのに対して、我々の提案する給付型奨学金であれば12%(3360人)の比較的経済状況の苦しい県民の学びを支援することができる」と主張すると、知事は「兵庫県に無償でいくことのできる大学があることが受験生の希望になるため重要」と言われますが、本当にそうでしょうか。

受験生からすれば「経済的にゆとりのない者は県立大に行けばいいだろう」と聞こえないでしょうか。若者への教育の機会を十分に提供できるといえるのでしょうか。兵庫の希望ともいえる彼ら彼女たちが夢を描く、将来への力を身に着ける大学は、学びたい分野、教授の元を自由に選択できるべきではないでしょうか。

多様性を認め、誰もが夢叶う兵庫の実現、誰ひとり取り残さないという知事の方針には、県立大の無償化ではなく、受験生の多様な夢を後押しできる給付型奨学金の拡大こそが最適であると確信しています。

よって、県立大学無償化が含まれる令和6年度関係の「第1号議案」及び「第49号議案」には反対を表明するとともに、我が会派が提案する予算の修正案、及び「兵庫県県政改革方針の変更」の修正案に賛成します。

なお、それ以外の議案に対しては、選ばれる兵庫を目指し、新時代に向けた希望が垣間見える提案になっていると判断し、賛成することを表明します。
また、4割出勤をめざした働き方改革や県庁舎整備のあり方については、あくまで現時点では検証を続けている段階であり、今後、将来的に県民サービスの維持向上や職員の働き方にとって最良の結果となるような、知事の判断を期待したいと思います。
さらには、今後とも、多様な県民の声を真摯に受け止めながら、バランス感覚を重視した県政運営にご精励いただくことを強く期待し、要望いたします。

最後に、私たちひょうご県民連合議員団は、県民の視点に立ち、議会が持つ行政への監視機能をしっかり担いつつ、めざすべき社会の実現に全力で取り組む決意であることを表明し、討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。