2025.3.18
令和7年度予算特別委員会 修正動議提案 趣旨説明
(ひょうご県民連合)
【北上 あきひと 委員】
私は、令和6年度関係 第228号議案県立大学授業料等無償化基金条例に反対する立場から、
令和6年度関係 第225号議案 令和6年度兵庫県一般会計補正予算(第6号)、並びに令和7年度関係、第49号議案 兵庫県県政改革方針の変更の
県立大学授業料等無償化事業の財源にかかる修正案について、提案に至った理由を説明します。
我が会派は、均等な教育機会の保障は政治の責務であると考え、教育の無償化そのものを否定するのでは全くありません。教育への投資は未来への投資であり、教育予算の拡充はこれまで一貫して求めてきました。知事の教育に力を入れて若者を応援するという考えには大いに賛同致します。
しかし、若者・Z世代応援パッケージの主要施策である県立大学無償化については、県政改革調査特別委員会でも議論してきましたが「兵庫県の若者を支援する事業」というには、受益者があまりにも限定的で公平性に欠け、多額の予算を永続的に計上する必要がある施策にも関わらず、政策決定過程が拙速で透明性が全く確保されていないと考えます。加えて、しっかりとした事業目標の位置づけやKPIなどの指標の設置といった基礎的な事柄についての不安点も指摘せざるを得ない状況です。
4年前の行財政改革の際から、我が会派は竹内英明議員を先頭にして、「県財政の全体像の把握を困難としている様々な要因について整理するべきものは整理し、県財政の見える化への取組を進めるべき」と訴え、行財政の透明性を高め、県民に分かりやすく説明し、県民の共感を得つつ行財政改革を推進することを強く求めてきました。
県立大学無償化を主要施策とする若者・Z世代応援パッケージは、そうした反省や不公平感の是正が乏しく、行財政改革を推進するうえで不安が残ると受け止めています。一方、県立大学無償化は、令和6年度から事業が開始され、既に無償化を期待する学生が県立大学に進学しており、急な見直しは困難であるものの、当該事業の適切な成果指標の設定等を行い、県民に見える形での見直しができる体制を整えるべきだと考えます。
県政改革方針の変更案には、適切な成果指標の設定や効果の検証を行いつつ、5年程度ごとをめどに事業評価するとし、その評価までの間、各年度の事業費を安定的に確保するため、決算余剰金等を活用し、一定規模の財源を確保した基金を造成することになっています。
無償化事業のための中長期的な安定財源の確保を図るために、決算余剰金等を活用した基金を造成しようとしている訳ですが、目的を絞った基金では、他の事業に活用できず、柔軟な事業見直しを阻害する可能性があります。
県立大学無償化の財源に限定した基金設置ではなく、県民に説明できる見直しができるまでの間は、決算余剰を積み立てた財政基金を活用できることから、県立大学授業料等無償化基金条例の設置には反対します。
よって、兵庫県県政改革方針の変更での当該基金の記載を削除し、令和6年度2月補正時の県立大学授業料等無償化基金への積み立てを財政基金への積み立てに変更し、令和7年度予算は、基金繰入金の各項明細は、県立大学授業料等無償化基金繰入金から、財政基金繰入金に変更します。
議案ついて、
令和6年度関係は、第228号議案「県立大学授業料等無償化基金条例」には 反対を表明し、次のとおり、令和6年度関係、令和7年度関係の各々1議案の修正動議を提出します。
まず、令和6年度関係 第225号議案 令和6年度兵庫県一般会計補正予算(第6号)について
款:総務費のうち:1項総務管理費 5,000,000千円を追加し、
款:教育費のうち:6項大学費 5,000,000千円を削除するものです。
また、令和7年度関係 第49号議案「兵庫県県政改革方針の変更」には、
「Ⅳ 財政運営」の「4 公営企業、公社等の運営」の「(5)兵庫県公立大学法人」
の「③高等教育の負担軽減」にかかる内容について、
「ウ 無償化事業の安定的な財源確保」の項目及び説明のすべてを削除するものです。
私たちは、県立大学授業料等無償化は極めて重要な施策であり、よって多角的で丁寧な議論が求められると考えます。開かれた場での侃々諤々な議論を経てこそ、広く県民の理解を得ることが叶い、安定的に持続する強靭な制度となるのではないでしょうか。だからこそ、選挙で選ばれた知事、県民の代表である議員、所管事務に精通し、また現場の実情を熟知する県職員、専門的な知見を有する学識者、当事者である若者等を含め、改めてしっかりと議論することを求めます。
兵庫県政の未来に禍根を残さないために、真に「誰一人取り残さない社会」の実現に向けて、お一人お一人のお心に従ったご判断をお願いし、提案理由の説明とさせて頂きます。