議会の動き

◆20年9月定例会 議案に対する態度と考え方

概要  代表・一般質問  議案に対する態度と考え方

20年9月定例会

■請願(主なもの)

<請願番号>

第20号

<件名>

核兵器禁止条約への日本政府の署名と批准を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 2017年7月に核兵器禁止条約が採択されたが、核兵器保有国は交渉会議にも参加せず、特に、その一部の国々は共同で、条約に署名することも、批准することも、加入することも意図していない、という声明を出した。
2 我が国においても、平成31年1月29日の参議院本会議において、当時の安倍首相から改めて条約に参加しない旨の答弁があった。
3 確かに、核兵器保有国が参加しておらず、条約が発効しても北朝鮮の核の脅威に晒される我が国の安全が脅かされ続けるなど、条約の実効性を疑問視する意見があることは承知している。
4 一方で、我が国は、世界で唯一、核兵器による被爆国であり、二度とその悲劇を繰り返さないよう、核兵器のない世界の実現に向けて粘り強く努力を重ねていくことが日本の使命である。事実、我が国は、「核なき世界」の実現のために、2000年から継続して国連において核兵器廃絶決議を提出しているなどの取組を行っている。
5 さらに、なかなか進まない核兵器禁止に向け、我が国のこれまでの取組に加え、核兵器禁止条約に基づき、我が国が先頭に立って条約に否定的な核兵器保有国に働きかけるといったアプローチも探っていくことは有効な方策であると考える。
6 以上のことから、請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。

<請願番号>

第21号

<件名>

種苗法「改正」案の廃案を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

継続に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 農林水産省は、我が国で開発された優良な新品種の海外流出を抑止するための種苗法の一部改正案は、第201回国会において成立が見送られ、継続審議となった。
2 新品種は日本の知的財産であり、長年の努力で品種改良を積み重ねてきた国や自治体、生産者らの努力の結晶ともいえる。こうした新品種の海外流出を防ぐための法的措置を講じることに関しては必要であると考える。
3 今回改正される内容は、登録品種に限って農業者が自家増殖する場合に許諾を必要とするものである。これによって、登録品種の育成者権者は農業者による増殖を把握することができるため、海外流出を抑止することができる。一般品種、つまり流通するほとんどを占める品種は、これまでどおり自家増殖や利用に制限がない。
4 ちなみに、本県が奨励品種に指定している水稲品種の大半は一般品種であり、自家増殖に制限がない。以上を踏まえると、今回の法改正による大きな影響はないと考えられる。
5 しかしながら、種苗開発者が、農家に高額の許諾料を求めるのではないかとの懸念があり、法改正にあたり、当事者である農家の声を十分に聴くこともなく、全国各地における自家増殖による生産の実態と法改正による具体的な影響についての十分な説明が国からなされておらず、また、食糧安全保障の観点からも、国には慎重な対応が求められるところである。
6 県としては、こうした国の動向を注視して判断する必要性が一定程度あることから、本請願については、「継続」を主張する。
7 なお、継続が認められない場合は、現時点においても本請願の趣旨に賛同することが相当であると考えられるため、「採択」を主張する。

<請願番号>

第22号

<件名>

種苗法改定案の廃案を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

継続に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 請願内容が請願第21号と同旨のため、請願第21号と同様の理由で「継続」を主張する。
2 なお、継続が認められない場合は、現時点においても本請願の趣旨に賛同することが相当であると考えられるため、「採択」を主張する。

<請願番号>

第23号

<件名>

高等学校等に対する私学助成に係る国庫補助制度の堅持及び一層の充実を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

継続に賛成(採択)

<会派としての考え方>

1 私立学校は、各々建学の精神に基づき特色ある教育を展開し、公立学校とともに公教育の一翼を担ってきたところであり、あらゆる生徒の就学機会を確保するためには、私立学校の財政的支援が欠かせない。
2 現在、国では、私立学校の教育条件の維持向上や保護者の教育費負担の軽減及び学校経営の健全性の向上を図り、各学校の特色ある取組を支援するため、都道府県による経常費助成等に対し補助を行っている。
3 しかしながら、本格的な少子社会を迎え、更には新型コロナウイルス感染症への対応も求められる中、今後とも、私立学校が新しい時代の要請に応えていくためには、国庫補助制度の堅持はもとより、国によるより一層の財政支援が求められる。
4 よって、国へ私立学校に対する国庫補助制度の堅持と一層の充実を求める本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。

<請願番号>

第24号

<件名>

国の責任による「20人学級」を展望した少人数学級の前身を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

継続に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 現在の学校現場の状況を見ると、子どもたちの基本的な生活習慣、規範意識、学習意欲・態度などに課題があり、いじめ等の問題、指導が困難な児童生徒や特別支援教育の対象となる児童生徒への対応など、子どもたち一人一人に目の行き届いた指導を行うことがより一層求められている。
2 文部科学省の調査(「今後の学級編制及び教職員定数の在り方に関する国民からの意見募集」)では小中高生の保護者の約8割が30人以下の学級規模を求めており、少人数学級を望んでいる。
3 我が国の教育環境は、個別の教育課題に対応するための教職員配置の充実により改善されてきているものの、1学級当たりの児童生徒数は国際的に見て依然低い水準(小:日本27人 OECD平均21人 中:日本32人 OECD平均23人)。
4 また、新型コロナウイルス感染症対策として生徒間の物理的距離を確保する必要があり、当面は新型コロナウイルスと共存していかざるを得ず、また、新たなウイルスの出現・感染拡大の可能性もある以上、これまでの学級編制では対応できないことが見込まれる。
5 一方、少人数学級の実施にあたり、相応の予算確保が必要となるが、新型コロナウイルス感染症対策では、臨時休業の長期化や段階的な学校再開を見据え、退職教員や教職課程の学生をはじめとする大学生等、幅広い人材を雇用し緊急的に追加配置し、子供たちを誰一人取り残すことなく最大限に学びを保障するため、318億円の令和2年度第2次補正予算案が可決されている。県としては、こうした国の動向を注視して判断する必要性が一定程度ある。
6 また、学級の規模については、20人以下であると少なすぎると約半数の教員が感じたとする意識調査もあり、また、「社会性の育成」の観点からも「20人学級」が適正であるかどうか、十分な検証が必要であり、県としては、こうした検証結果を注視して判断する必要があることから、本請願については、「継続」を主張する。
7 なお、継続が認められない場合は、国の動向や「20人学級」の適正性に対する検証結果を注視して判断する必要があることから、現時点において直ちに本請願の趣旨に賛同することはできず、「不採択」を主張せざるを得ない。

<意見書番号>

第44号

<件名>

医療的ケアを要する子ども達の教育を受ける権利を保障するための支援等を求める意見書

<会派態度(委員会での議決結果)>

賛成

<会派としての考え方>

今、超未熟児や先天的な疾病を持って生まれNICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引等の医療的ケアが日常的に必要な子ども達が1万8,000人以上いる。
我が国では、憲法第26条、教育基本法第4条において教育を受ける権利、教育の機会均等が明示されており、子ども達は誰もが差別を受けることなく、地域社会の構成員として教育の場に完全かつ平等に参加することが保障されている。
障害者基本法では、可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮を行うことが示されており、インクルーシブ教育の観点からも、地域の子ども達と同じ場で教育を受けることのできる環境を整えていくことは行政の責務である。
ところが、現状、医療的ケアの提供体制が整っていないという理由から医療的ケアを要する子ども達は特別支援学校に入学するケースがあり、地域の子ども達との交流ができていないという状況も生じている。
また、特別支援学校に通う子ども達の中でも、医療的ケアを要する場合はスクールバスに乗車することができず、人工呼吸器が必要な子どもが通学するには、万が一のトラブルに備えて保護者が終日付き添う必要があるなど、医療的ケアの提供体制がないことは、子ども達の自立に向けても大きな壁となっている。
よって、国におかれては下記の措置を講じられるよう強く要望する。
                記
1 医療的ケアが各学校において「合理的配慮」として提供されるべきことを明確にし、環境整備とその実現に必要な財政措置を行うこと。
2 医療的ケアを要する子ども達がスクールバスに安全に乗車することができるよう、制度および環境の整備とその実現に必要な財政措置を行うこと

<意見書番号>

第45号

<件名>

地方財政の充実・強化を求める意見書

<会派態度(委員会での議決結果)>

賛成

<会派としての考え方>

地方自治体では、医療・介護など社会保障への対応、子育て支援策の充実、地域交通の維持・確保など、昨今の増大・複雑化する行政需要への対応が求められている一方で、公的サービスを担う人材不足の深刻化・職員の疲弊といった問題が生じている。
さらに、新型コロナウイルス感染症対策や多発する大規模自然災害への対応など、緊急な対応を要する課題に直面しており、これらの抜本的解決に向けて、更なる地方財政の充実・強化が不可欠な状況となっている。
よって、国におかれては、2021年度の政府予算と地方財政の検討にあたっては、歳入・歳出を的確に見積もり、地方財政の確立を目指すよう強く要望する。
              記
1 社会保障、感染症対策、防災、環境対策、地域交通対策、人口減少対策など、増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保を図ること。
2 とりわけ、子育て、地域医療の確保、介護や児童虐待防止、生活困窮者自立支援など、急増する社会保障ニーズへの対応と人材を確保するための社会保障予算の確保および地方財政措置を的確に行うこと。
3 新型コロナウイルス対策として、新たに政府が予算化した「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」や「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」については、2020年度の補正予算にとどまらず、感染状況や自治体における財政需要を把握しつつ、2021年度予算においても、国の責任において十分な財源を確保すること。
4 2020年度から始まっている会計年度任用職員制度における当該職員の処遇改善に向けて、引き続き所要額の調査を行うなどして、その財源の確保を図ること。
5 依然として4兆5,000億円強と前年度を超える規模の財源不足があることから、中期的には地方交付税の法定率を引き上げ、抜本的に臨時財政対策債に頼らない地方財政を確立すること。