18年6月定例会
■請願(主なもの)
<請願番号>
第61号
<件名>
国民健康保険財政への国庫支出金を増やすよう求める意見書提出の件
<会派態度(委員会での議決結果)>
継続に賛成(不採択)
<会派としての考え方>
1 誰もが安全で必要な医療を受けられるようにする国民皆保険制度を守り、持続可能な制度とするためには、特に構造的な課題を抱える国民健康保険制度の改革は必要である。
2 しかし、国の見直しでは、法定外一般会計繰入や保険料収納率など国保固有の課題の改善は十分でなく、被用者保険関係5団体からも、国の財政責任を被用者保険の負担増に転嫁するものとの批判が出ている。
3 国民健康保険制度を将来にわたって堅持するためには、財政基盤の安定化、負担の公平化、医療費適正化などについて抜本的な改革に取り組むことが必要であるが、国民健康保険の都道府県単位化など始まったばかりの取組の動向を見極める必要もある。
4 以上のことから、本請願については「継続審査」を主張するが、継続が認められない場合は、請願が国庫支出金の増額を国に求める趣旨であり、それだけでは今後も国庫支出が増加していくだけで、根本的な解決にはつながるかわからないことから、「不採択」を主張する。
<請願番号>
第62号
<件名>
「働き方改革一括法案」の廃案と国に長時間労働の是正を求める意見書提出の件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に反対(不採択)
<会派としての考え方>
1 長時間労働は、健康的な生活の確保や、仕事と家庭生活との両立を困難にし、少子化や女性の社会参加、男性の家庭参加を阻む原因となっている。また、健康とワーク・ライフ・バランスを確保しながら働き続ける環境を確保し、社会問題となっている過労死をなくすためにも、長時間労働の対策は喫緊の課題である。
2 しかしながら、時間外労働の法的上限の設定については、例えば季節的要因等により業務量の変動の大きい業務や人手不足が深刻な企業への影響も大きいことから、労使間の合意や働く人の命や健康等を踏まえた規制とすることが必要である。
3 また、⻑時間労働の是正は、単に労働時間の上限を決めるだけで済む問題ではなく、労働の仕組みの変化や⽣産性向上の取り組みなどと同時に変えていくことが重要である。
4 以上のことから、請願の趣旨には賛同できず「不採択」を主張する。
<意見書案番号>
第94号
<件名>
AYA(思春期・若年成人)世代がん患者の妊孕性温存への支援を求める意見書
<会派態度>
賛成
<会派としての考え方>
AYA世代のがん患者は、治療時期が進学や就職、結婚、出産等と重なるなど世代特有の社会的・心理的問題を抱えており、こうした心身的負担を軽減し、罹患しても尊厳を持って安心して学び、働き、子供を持てる社会生活を営むことを可能とするため、積極的な支援が必要である。
AYA世代がん患者に対するがん治療を開始した場合、妊孕性が失われる可能性があると指摘されており、がん治療の前に、将来の妊娠に備えて卵子や精子等の生殖機能を温存する医療が注目されつつある。
日本癌治療学会が2017年7月に発表した診療ガイドラインでは、がん治療による妊孕性の消失が予想される、40歳未満で治療を開始した全てのがん患者に対し、医師は妊孕性に関わる告知と妊孕性を温存するべく適切な処置をすることを求めている。
本県の県立病院においても、AYA世代のがん患者を中心に治療前の生殖機能の温存に関する情報提供を行い、希望する患者には、卵巣等の採取・保存を実施する兵庫県がん・生殖医療ネットワークに紹介する取組を行っている。しかし、治療に伴う生殖機能等への影響など、世代に応じた問題について、医療従事者が患者に対して行う治療前の正確な情報提供は十分とは言えない。
また、情報不足やがん治療に加えて生殖機能を温存するための費用がかかるなど、経済的負担が大きいため、将来の妊娠に備えて卵子や精子等の生殖機能を温存する医療を受けられない患者があることから、その対策は急務である。
よって、国におかれては、AYA世代がん患者の妊孕性温存に係る支援を充実・強化するため、下記の事項に取り組まれるよう強く要望する。
記
1 生殖機能を温存する医療に要する費用の助成制度の創設など経済的支援を整備すること。
2 生殖機能を温存する治療に係る情報提供や相談支援が適切に行われるよう対策を講ずること
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