議会の動き

石井 秀武議員が質問(教育委員会)を実施

質問日:平成30年10月18日
質問者:石井 秀武 議員

1.多様な運動部活動を推進するための取組について

学校における運動部活動は、スポーツに興味・関心のある同好の生徒が参加する学校教育の一環で行われるものであるが、それが我が国のスポーツ振興を大きく支えてきたことは国も県も認めるところだと思う。

高校の運動部活動の状況を俯瞰できるデータに、全国高等学校体育連盟や日本高等学校野球連盟が加盟・登録状況を取りまとめたものがある。これを見ると、部員の多い競技とそうでない競技の差がはっきりわかる。平成29年度時点の全国の数値を見ると、野球部やサッカー部の部員数は共に16万人を超えており、他にバスケットボール部やバレーボール部、テニス部なども10万人を超えている。

その反面、国技である相撲は157校で935人、オリンピック競技種目である自転車競技は251校、2,017人など、部員の少ないものもあり、その差は歴然としている。特に、オリンピックなどの国際大会の競技種目であるスポーツに係る運動部が今以上に減少していくようであれば、全体の競技力は下がり、国際大会での活躍も見られなくなっていくのではないか、と懸念される。

私は、既にその傾向は現れているのではないか、と考えている。たとえば、学科再編等の影響で教員が減ったため、学校長の判断で部活動の顧問がつけられなくなり、新たな部員の募集を停止したという例を聞いたことがある。

もちろん、時代の要請や少子化の影響で学科再編等も必要となる場合があることは承知しているのだが、それが運動部の存廃に直接影響してしまうのはいかがなものかと考えている。限られた競技の部活動しかないよりも、多様な競技の部活動が揃っていることが、本県のスポーツの裾野を広げることにつながり、そしてそれが本県のスポーツ振興に寄与すると考えるからである。

そこで、県内で、多様な運動部活動が推進されるよう取り組んでいく必要があると考えるが、これまでどう取り組んできたのか伺うとともに、今後どう取り組んでいこうとしているのか伺う。

2.タレント発掘・育成事業について

次に、競技スポーツの推進に向けて、特に、タレント発掘・育成事業について伺う。

本県の競技スポーツのレベルをさらに上げていくためには、やはりトップアスリートが誕生して国際大会で活躍する、メダルをとって表彰台に上がる、その姿を見た県民の中からトップアスリートを目指す者が現れる、ということの繰り返しが多ければおおいほど、全体としてのレベルアップに効果的なのだと思う。たとえ、競技人口の少ない競技であっても、オリンピックの表彰台に立つ姿というのは、やはり感動を呼ぶものである。それが本県出身の選手だとすると、県内での盛り上がりはより一層大きなものになるだろう。

たとえば、今年スポーツ振興議連で調査を行った東京都のトップアスリート発掘・育成事業は、中学2年生を対象に2年がかりのカリキュラムを組み、高校進学後を見据えた育成を行っている。やはり本格的な発掘・育成に取り組むには、単にメニューを揃えたというだけでは足りず、ある程度の能力を持った子どもの適性をよく見極め、もっときめ細かな取組を進めていくことが肝要だと考える。

本県からも、ぜひ、国際舞台で活躍するトップアスリートを発掘し、その育成に力を入れていただきたいと考えており、タレント発掘・育成事業には期待しているところであるが、これまでの取組状況と、今後の取組について伺う。

3.高校生が考える県政150周年記念事業の成果の活用促進について

今年は県政150周年ということで、県内各地で様々な取組が行われている。

たとえば、先日の企画県民部の部局審査で県民の歌について質問したが、その答弁の中で、県立長田高校音楽部が県政150周年記念歌「カケル-dedicated to Hyogo-」を作詞・作曲及び合唱・伴奏し、ラジオ出演を果たしたほか、150周年記念式典のBGMとして活用されたと紹介された。同校は、ほかにも、この8月に長野県で開催された第42回全国高等学校総合文化祭に出場し、やはりこの記念歌を歌っているし、先月には、県立こどもの館とコラボして神戸そごう前でも披露している。

これは、県教育委員会の「高校生が考える県政150周年記念事業」として取り組まれた成果の一つであるが、他の県立高校等でもいろいろな取組が行われ、成果を挙げていると思う。この150周年という節目の年に、次代の兵庫県を担う高校生たちが来し方行く末に思いをはせ芽生えた、ふるさと意識を喚起する取組の成果を、今回だけのこととせず、その思いを将来につないでいってほしいと考えている。

そこで、そのためには県教育委員会としての強力なバックアップが必要と考えているのだが、所見を伺う。