質問日:平成30年10月11日
質問者:石井 秀武 議員
1.消防団活性化に向けた取組の推進について
消防団は、消防組織法に基づいて設置されているれっきとした消防機関であり、その団員は非常勤特別職の公務員に位置づけられている。
常備消防と比べると、地域密着性、要因動員力、即時対応力の点で特徴を持っているとされている。
確かに、消防団員は、その地域で居住又は勤務している人が団員となっているので、地域とのつながりが深く、また、地域の実情をよく知っていることから、災害現場で、より的確な判断や対応が可能となる。また、常備消防の職員数と比較して、人数が多いので、特に大規模災害時や林野火災時、行方不明者の捜索には、その動員力により大きな力を発揮する。さらに、消防団員は、日頃から教育訓練を受けており、消防についての技術と知識を習得していることから、災害現場ですぐに活動ができる。
こうした特徴を現場で最大限生かすことが出来れば、地域防災力は維持できると思う。
しかし、現在、消防団員数は全国的に減少傾向にある。総務省のまとめたデータを見ると、全国で平成29年度に85万人いたものが6,670人減り、平成30年4月1日現在84万4千人ほどになっている。本県は全国1の消防団員数を誇っているわけであるが、減少傾向は同様である。全国的な少子高齢化がこれからも進展していくことから、団員の高齢化や数の減少傾向は、続いていくものと思われる。
数が減れば、要因動員力や即時対応力も低下し、ひいては地域の防災力低下につながっていくわけであるから、消防団員の減少を食い止めるか、それに変わる対策を構築する必要がある。
私は、この消防団員の減少の原因は、休みが取りにくい勤め人が増えたこともあるとは思うのだが、それ以外に、消防団活動への理解や共感が少なくなってきている現れではないかとも考えている。たとえば、会派として海外の先進事例を調査するためドイツを訪れたことがあるのだが、ドイツでは住民が消防団に敬意を払い、非常に信頼感を持っているという。先程、我が国の消防団員数は85万人を切ったと申し上げたが、ドイツは100万人を超えているという。ドイツの人口が我が国の6割程度ということを考えると、非常の数が多いと言うことであるから、ドイツの住民の消防団に対する意識の高さが伺える。我が国、あるいは本県において住民がそこまでの思いを消防団に持っているようには思えない。
今後、南海トラフ巨大地震を始め、台風や豪雨災害等々、様々な災害に対する地域防災力が課題とされていることを踏まえると、消防団の存在は非常に重要であるため、消防団員の減少を食い止めるか、それに変わる対策を講じていく必要がある。
国では、東日本大震災等を踏まえ、「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」を制定し、地域防災力の強化に着手しているが、このことは、消防団活性化に向けた取組を進める上で追い風になるのではないかと考えている。
そこで、本県として消防団活性化に向けて、もっと活動を広く県民に周知する取組や、消防団に加入しやすい環境づくりなどに取り組んでいく必要があると思うが、これまでどのような取組を行ってきたのか伺うとともに、今後どういう点に重点を置いて取組を進めていこうと考えているのか伺う。