議会の動き

◆23年2月定例会 議案に対する態度と考え方

概要  代表・一般質問  議案に対する態度と考え方 討論

23年2月定例会

■請願(主なもの)

<請願番号>

第81号

<件名>

消費者被害を防止、救済するため、特定商取引法の抜本的な法改正を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(採択)

<会派としての考え方>

1 特定商取引法は、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めており、2016 年の法改正の際、いわゆる5年後の見直しが定められた。

2 2021 年(令和3年)版消費者白書によれば、65 歳以上の高齢者の相談では、特商法の対象取引分野のうち訪問販売の割合が13.0% 、電話勧誘販売の割合が8.9% であり、65 歳未満の割合の2倍を超えている。

3 2022 年(令和4年)版消費者白書によると、インターネット通販に関する相談が世代全体の27.4% と最多となり、トラブルが増加しているが、事業者や勧誘者を特定できない事例も多くなっている。

4 マルチ取引は、2 0 代において高い比率を占めており、2022 年(令和4年)4月の成年年齢の引下げにより、18 歳から19 歳を狙ったマルチ被害の増加も予想される。

5 よって、これらに被害に対処するためには、法改正により各種規制の強化が必要であり、本請願については、「採択」を主張する。

<請願番号>

第82号

<件名>

消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 2023 年(令和5年)10 月導入予定の適格請求書等保存方式(インボイス制度)については、消費税免税事業者が取引過程から排除される可能性があるなど、農業者、フリーランス、小規模事業者、派遣労働者、シルバー人材センターなどにも影響様々な業種に影響が見込まれる。
また、登録しなければ、消費税分が報酬から引かれる可能性や複雑な実務を行わなければならないなど負担も大きい。

2 本県でも、2021 年(令和3年)9月定例会で「シルバー人材センターの安定的な事業運営のために適格請求書等保存方式導入にかかる適切な措置を求める意見書」を提出しており、制度導入に伴う会員への負担増について適切な措置を取るよう要望している。

3 現時点では、これらの課題について改善の見通しが立たず、コロナ禍の影響を受けた小規模事業者等がインボイス制度導入によって更なる苦境に立たされることが危惧されるため、本請願については、「採択」を主張する。

<請願番号>

第83号

<件名>

「ジェンダー平等」推進のため、「男女共同参画課」あるいは、「ジェンダー平等課」の独立した部署を確立することを求める件

<会派態度(委員会での議決結果)>

不採択に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 兵庫県の取組では、1979 年(昭和54 年)に「婦人生活課」を設置して以降、所管は「男女共生推進室」「男女共同参画推進室」「男女家庭課」そして、2022 年(令和4年)度の組織改正で「男女青少年課」に改称されるなど変遷してきている。

2 従前は、「男女共同参画推進室」など独立した部署が設置されていたが、組織改正などを経て、現在は、「男女共同参画」の独立した部署がなくなった。

3 男女共同参画の独立した部署の廃止は、単に組織名の問題にだけに限らず、ジェンダー平等推進が後退したのではないかと県民に危惧を頂かせるものである。

4 よって、本請願については、「採択」を主張する。

<請願番号>

第84号

<件名>

経口中絶薬の承認審査に慎重な判断を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

結論を出さないことに賛成(審議未了)

<会派としての考え方>

1 衛生行政報告例によると2021 年(令和3年)度の10 代の人工妊娠中絶件数は250 件(9,093 件)、人工妊娠中絶実施率(女子人口千対)は2.0(3.3)となっている。※( )は全国

2 経口中絶薬「メフィーゴパック」は、2023 年(令和5年)1月27 日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で承認が了承されたが、本剤は社会的関心が極めて高いことから、2023 年(令和5年)2月1日から2月28日の間、厚生労働省において、パブリックコメント手続きを行い、当該品目の承認及び製造販売後の管理方法に関して広く、意見の募集を行っているところである。

3 国の部会において、慎重な議論、審査の上で承認され、また、パブリックコメントも実施されていることから、現時点では、国の動向を注視すべきであり、結論を出さないことに賛成する。なお、表決をする場合には、「不採択」とせざるを得ない。

<請願番号>

第85号

<件名>

子どもの医療費を所得制限なしに高校3年生まで無料にすることを求める件

<会派態度(委員会での議決結果)>

結論を出さないことに賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 子どもの病気の早期発見、早期治療を支え、すべての子どもの健やかな成長を保障するためには、医療費の不安を失くすため、こども医療費制度は重要である。

2 現在、県下41 市町のうち中学3年生まで通院・入院が無料なのが、神戸市以外の40 市町で、高校までになると16 市町となっている。

3 住む地域により格差が生じるのは望ましくなく、県内、どこに住んでいてもすべての子どもに必要な医療が保障されるのが望ましい。しかしながら、兵庫県の厳しい財政状況を踏まえると、所得制限なしに高校3年生まで医療費を無料にすることは難しい面があると言わざるを得ない。
よって、本請願については、結論を出さないことに賛成する。
なお、表決をする場合には、「不採択」とせざるを得ない。

<請願番号>

第86号

<件名>

学校給食への公的補助を強め、給食無償化を推進することを求める件

<会派態度(委員会での議決結果)>

結論を出さないことに賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 児童生徒の望ましい食習慣の形成を図ることは重要であり、県では学校における食育を組織的・計画的・継続的に推進するとともに、家庭・地域と連携しながら食育の実践に取り組んでいる。

2 しかしながら、学校給食法第4条は、「義務教育諸学校の設置者は、学校給食が実施されるように努めなければならない。」と定めており、学校給食の実施は、学校設置者である市町の努力義務とされている。そのため、学校給食は、学校給食法に基づき、学校設置者である市町が地域の実情や、教育的効果等を総合的に判断して実施されるべきものである。

3 また、保護者が負担している給食費については、給食の材料費に充てられるものであり、経済的に困窮している世帯に対しては、各市町が就学援助による助成を行っている。県がさらに財政負担を行うことは、厳しい財政状況に鑑みれば、慎重な検討が必要であるので、本請願については、結論をださないことを主張する。

4 なお、結論をださないことが認められない場合は、現時点において直ちに本請願の趣旨に賛同することはできず、「不採択」を主張せざるを得ない。

<請願番号>

第87号

<件名>

生徒・保護者、地域の声を尊重し、県立高校統廃合計画の見直しを求める件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に反対(不採択)

<会派としての考え方>

1 県立高校の発展的統合については、少子化による生徒数減少に伴う学校規模の縮小が、高校での多様な学びに支障を来している中、魅力ある教育活動を維持するには学校の規模を確保する必要があるとして、再編が決められたものである。

2 本計画の策定に当たっては、これまで、小中学校PTA や、市町等学校関係者対象の説明会や意見聴取をはじめ、統合対象校の公表に際しては、学校毎にPTA や生徒、保護者への説明や周知等、丁寧に行ってきた。

3 更に、統合校の特色や想定設置場所については、統合対象校毎に公開による検討委員会を開催し、教職員による議論や生徒アンケートをはじめ、地域関係者等への説明や意見聴取を丁寧に行ってきている。引続き、丁寧な取り組みが求められているものと認識する。

4 学校全体の生徒数が増えなければ、活気ある学校行事や活発な部活動などの維持は難しく、配置できる教職員数も限りがあるため、多様な学びを展開することも難しくなる。以上のことから、本請願については賛同することはできず、「不採択」を主張する。