財政状況
質問日 令和7年10月3日(金)
質問者 小西 ひろのり(ひょうご県民連合)
1 令和6年度決算収支と今後の動向について
令和6年度決算の実質収支は県税等が過去最高となったことや歳出不用等により、78億5,900万円の黒字を確保し、国庫返納金等の精算を除くと58億2,800万円となっています。
しかし、震災関連県債等の償還が続く中、社会保障関係費の増加等の影響により、今後も大幅な収支不足額が発生する見込みであるほか、分収造林事業や地域整備事業会計、また病院事業会計の厳しい状況もあり、引き続き大変厳しい財政運営が求められております。兵庫県として、震災以降の行財政構造改革、平成20年に制定された「行財政構造改革の推進に関する条例」に基づく取組や行革プランをはじめ、職員のみなさんの努力もあり、県政改革を重ねてきましたが、さらなる財政再建策が必要です。
今後も、県内の中小企業も含めた経済活性化対策を積極的におこないながら、社会経済活動の動向や国際情勢等も注視し、県民に分かりやすい情報発信を通しながら県政を推進していくことが極めて重要です。
財政当局として今後の動向も含めて、令和6年度決算の総括をどのように捉えているのでしょうか。当局の所見をお伺いします。
2 財政指標と今後の財政フレームについて
非常に厳しい財政状況が続く中、収支均衡と将来負担の軽減、持続可能な行財政基盤を確立するためにも、県税収入の確保に向けた取組は極めて重要です。
令和6年度の県税等の歳入は9,735億円と過去最高となりましたが、本県は阪神・淡路大震災の影響もあり、実質公債費比率、将来負担比率などの財政指標をみると、非常に厳しい財政状況となっています。
実質公債費比率については、17.9%(3か年平均17.1%)となっており、県債を発行する際に国の許可を必要とする「起債許可団体」となる寸前の状況でもあります。さらに、今後も悪化する見込みで令和10年度には21%程度の目標となっています。
一方で、将来負担比率は改善していく見込みとなっており、令和5年度の323.4%から、令和6年度の311.3%、令和10年度は305%程度へ改善する目標が掲げられています。
実質公債費比率と将来負担比率の二つの指標の動きのちがいも含め、財政運営目標の達成に向けた見通しや具体的な取組について、当局の所見をお伺いします。
3 県庁舎の再整備について
喫緊の課題のひとつである県庁舎の再整備をめぐっては、令和4年3月に県政改革方針で一旦凍結されました。感染症の影響もありましたが、私たちの会派が「業務の推進は不可能」と主張し、反対していた4割出勤を基本としたモデルオフィスが推進される時期もありました。しかし、対面コミュニケーションの重要性が再確認され、質の高い行政サービスを提供するための新庁舎における働き方や庁舎機能・執務環境等を早急に具体化していくことの必要性が令和7年2月に発表された県政改革方針の変更案や県庁舎のあり方に関する検討会でも確認されています。
大規模地震に対する安全性基準を満たしていないことが判明している現庁舎で職員が働き、県民が利用している状況は安全面を最優先に考え、早急に改善されなければなりません。
県政改革方針では「機能的でコンパクトな新庁舎整備」と掲げられており、県庁舎のあり方に関する検討会でも議論がすすんでいますが、「コンパクト」が具体的に意味する内容が分かりません。また、建設費や資材、人件費の高騰等を踏まえた予算編成も同時に議論が必要なはずですが、全体の事業費については未だ公表されていません。
阪神・淡路大震災を経験し、復興に取り組んできた兵庫県だからこそ、十分な防災拠点機能、災害時の受援スペースや職員の執務スペースを兼ね備え、一人ひとりの職員が安全で安心して働くことができる環境づくりを早急に整備しなくてはならないと考えます。県庁舎再整備の全体構想とその事業費について、当局の所見をお伺いします。
4 公営企業会計(病院事業)について
神戸新聞において県立病院の現場実態、医師・看護師の役割や使命、患者のみなさんの声について9月18日から特集が組まれていました。「断らない救急、「収支よりも命」」という現場の使命感、「この病院が遠かったとしても通い続ける」という患者の声等が掲載されていました。そこには医療の現場で県民の命を守るために奮闘し、患者やその家族の不安を払拭するために日々懸命になっている様子が伝わってきました。
一方で、経営面の課題は深刻なものとなっています。
令和6年度の病院事業会計の経常収益は、前年度まで交付されていた新型コロナウイルス感染症にかかる病床確保料がなくなったものの、患者数の増加や診療単価の向上によって入院収益、外来収益ともに増加したことなどから、前年度比約60億3,900万円増の1,691億4,000万円となりました。
経常費用については、給与費や材料費、経費の増加により、1,819億8,800万円となり、その結果、経常損益は128億4,900万円、当期の純損益は132億8,300万円となっており、厳しい状況となっています。
県民と地域から信頼され、安心できる県立病院づくりを推進するためには、病院局が基本方針として掲げている「医療の質の更なる向上」、「変革する医療への的確な対応」、「収支構造の最適化」、「運営基盤の強化」を確実にすすめていかなくてはなりません。
今後、県立西宮総合医療センター(仮称)の開院、県立がんセンターの建替も確実にすすめるにあたり、厳しい経営環境も踏まえながら、兵庫県病院事業の財政運営の課題と今後の運営方針について当局の所見をお伺いします。
5 県立大学の授業料等無償化について
令和6年度にスタートした県立大学の授業料等無償化ですが、制度が始まった初年度の実績、関係者の声等、一年目の総括を踏まえ、この事業の現状と課題についてお伺いします。
これまでの制度としてあった国の修学支援制度、県立大学独自の支援の約3億6,047万に加え、新たに授業料等無償化として約4億6,269万円の決算となっています。
我が会派は、これまでから社会的に厳しい状況や、その立場にある方々にこそ自治体としての支援を充実させ、公平感のある取組を求めてまいりました。 令和5年度の予算特別委員会でも意見を申し上げましたが、兵庫県の若者を支援する事業というには受益者があまりにも限定的で公平性に欠けております。 さらには、このような非常に厳しい財政状況であるにもかかわらず、確実に持続可能な事業なのか、十分な検証がないまま県立大学無償化に限定された50億円もの基金も設置されています。
当時、知事も答弁されていましたが、高等教育に責任をもつ国に対してのはたらきかけはどの程度されているのでしょうか。制度が始まって一年半、国に対しての要請や県立大学の実情について意見した機会はあったのでしょうか。
また、この事業に関して議論する機会や時間が十分に確保されないまま制度が始まりましたが、恩恵を受けている学生や保護者からは歓迎されていますが、一方で県内の他大学、そこに通う同学年の県内学生、受験生を抱える県内高校の意見や想いに寄り添っていただけているのでしょうか。
物価高の影響を受け、困難な生活をしながら勉強、研究、また部活動等に励んでいる学生は、県立大学進学者に限らず、県内にはたくさんいます。
県立大学の授業料等の無償化だけでなく、今後の県立大学の運営、県内の他大学に通う学生や若者全般への支援について、当局の所見をお伺いします。
企画部、県民生活部、部外局
質問日 令和7年10月6日(月)
質問者 小西 ひろのり(ひょうご県民連合)
企画部、県民生活部:20分
1 インターネットや携帯端末によるSNS等への依存状態に対する対策について
今、日本では全国的に「ネット依存症」となる人の割合が年々増加しています。兵庫県立大学の竹内和雄教授らの調査によると、中高生のおよそ4人にひとりがネット依存傾向となっているという結果が出ています。また、10歳以上の青少年のインターネット利用時間が平日の1日平均で初めて5時間を超えたことが、こども家庭庁の「令和6年度青少年のインターネット利用環境実態調査」で分かりました。おとな世代でも利用時間が増加し、視力の低下や心理的不安の増大、人間関係の形成等、日常生活への影響も広がっています。
総務省では「スマホサミット」を開催し、SNS使用の法規制についての賛否を議論したり、インターネット・リテラシーについて参加者同士がともに考え、学んだりしながら安全な利用につなげていく取り組みがすすめられています。
兵庫県では「子どものスマホ適切な利用推進プロジェクトチーム」を設置し、医療関係アドバイザーの参画のもと、過度なネットの利用が子どもの心身の健康に与える影響やその対応策を検討し、その成果を「家族で実践できる健康的なスマホの使い方」としてガイドラインにまとめられています。
また、公益財団法人兵庫県青少年本部が実施した「令和6年度『ケータイ・スマホアンケート』及び『ネット夢中度調査』結果報告書によりますと、ネット依存傾向にある子どもの割合が高い水準で推移しており、就寝時刻や朝食の習慣、さらには自分や友だちへの満足度にも大きな影響を及ぼしていることが分かります。
各機関がさまざまな形でデジタル化がすすむ現代社会における重要な課題について啓発をし続けていますが、最終的には情報モラルも含めた一人ひとりの人権感覚によるところが大きく、今後の社会形成にも影響していくのではないでしょうか。
これらの課題を解決するためには、難しい局面も多々あり、単にネットの利用を禁止すればよいという状況ではありません。インターネットやSNSへの依存を減らし、利点を活用しながら明るい社会を形成していくために、兵庫県としてどのような対応が必要であるとお考えでしょうか。当局のご所見をお伺いします。
2 差別、偏見、誹謗中傷等の人権侵害への対策強化について
SNSの不適切な利用により、個人情報をネット上で拡散させたり、インターネット上の不確かな情報が拡がったり、その不確かな情報に基づいて全く関係のない人たちを誹謗中傷する書き込みがされたりしています。誹謗中傷やデマ、個人情報などが不特定多数の人々に拡がり、人の尊厳を傷つけ、社会的評価を低下させてしまうなど、被害の回復が困難となり、重大な損害を与える危険もあるため、このような書き込みを早急に削除させ、名誉回復等の措置をとる必要があります。
現在、「インターネット上の誹謗中傷、差別等による人権侵害の防止に関する条例(案)」の制定に向けた取組がすすめられています。インターネット上の課題だけでなく、「部落差別の解消の推進に関する法律」に基づく部落差別の解消に向けた取組、「兵庫県人権教育及び啓発に関する総合推進指針」に基づく障がい者、在日外国人、性的マイノリティとされる人等に対する差別や誹謗中傷等、様々な人権課題についても対策を強化しなければなりません。
兵庫県において差別の禁止、人権侵害救済の観点を明確に位置づけ、すべての県民が安全で安心して生活できるよう、わが会派から重要政策提言としても要望した「差別・偏見等の人権侵害のない社会づくり条例」(仮称)の制定が必要であると考えますが、当局のご所見をお伺いします。
3 パートナーシップ制度について
兵庫県では令和6年4月1日に「兵庫県パートナーシップ制度」がスタートしました。
この制度によって当事者である県民一人ひとりの安心感に寄与し、生活の困りごとや不安が解消されるなど、心豊かな暮らしにつながっています。当該制度への県民の理解が一層深まることにより、誰もが人間としての誇りをもって安心して暮らせる社会づくりがいっそう推進されないといけません。
このパートナーシップ制度の運用にあたっては、県内市町や他都道府県との連携・調整や制度への不安を抱く県民への周知啓発等が課題となっていますが、この制度の現状と課題、今後の取組について当局のご所見をお伺いします。
産業労働部
質問日 令和7年10月8日(水)
質問者 小西 ひろのり(ひょうご県民連合)
産業労働部30分
1 「労働施策総合推進法」の改正にともなうカスタマーハラスメント対策の強化にむけて
厚生労働省は令和4年2月に、カスタマーハラスメントを想定した事前の準備、実際に起こった際の対応など、カスタマーハラスメント対策の基本的な枠組みを記載した「対策企業マニュアル」、リーフレット、ポスターを作成し、あらゆるハラスメントの撲滅に向けた啓発をおこなっています。
このような動きに呼応する形で、企業だけでなく、各自治体においてもハラスメント対策に関する方針やマニュアルを作成していますが、現在でもいたるところで過剰なクレームや脅迫、強要事案が発生しており、職場環境をおびやかす社会問題となっています。
今年4月1日からは、全国ではじめてとなるカスタマーハラスメント防止条例が、東京都や群馬県、北海道等で施行されました。三重県桑名市では、警告後も十分な改善がない場合、行為者の氏名を公表できると他の条例よりも一歩踏み込んだ対応について定めています。
日本労働組合総連合会(以下:連合)による「カスタマーハラスメントに関する調査2022」の結果によりますと、勤務先において、研修等の対策がとられていないという意見が67.6%もあり、生活上で生じた変化として、「出勤が憂鬱になった」、「心身に不調をきたした」、「仕事をやめた・変えた」等があげられ、職場の人材不足にも大きな影響を及ぼしていることが明らかになっています。
本年6月にカスハラ対策の雇用主への義務化を含む改正「労働施策総合推進法」が公布されたものの、カスハラ問題は依然として重大な社会的課題となっています。顧客・就業者・事業者等、どの立場になっても、安全に安心して働き、生活できる環境を社会全体でつくっていくことが必要です。一刻も早く兵庫県として対策を打ち出すことが急務であると考えますが、これまでの取組と今後の対策について当局のご所見をお伺いします。
2 外国人労働者の雇用と生活上の支援策の充実について
「外国人雇用HYOGOサポートデスク」のホームページにも公開されていますが、令和6年10月末時点における「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、兵庫県の外国人労働者数、外国人を雇用する事業所数はともに増加し、それぞれ66,165人、11,235事業所となっています。
兵庫県では、外国人の受け入れが進む中、多文化共生を推進する先進県として、外国人が安心して就職・定着できるよう、外国人を雇用する県内企業の取組をチェックリスト方式で見える化し、外国人雇用に関する企業認定制度を創設予定と聞いており、また、兵庫県経営者協会と外国人雇用HYOGOサポートデスクが主催するセミナーを開催したりする等、外国人労働者が積極的に活躍できる環境づくりを推進しています。
一方で、日本では少子高齢化による労働力人口の減少、働き方改革やワーク・ライフ・バランスの理念がひろがり、労働に対する価値観が変わってきていると同時に、日本社会における外国人に対する差別や偏見が多いということも実態です。
「ダイバーシティ&インクリュージョンの推進」については、「ひょうご経済・雇用戦略」や、「ひょうご多文化共生社会推進指針」にも位置付けられていますが、今後、外国人労働者がさらに増えていくことが想定されることも踏まえ、真の共生社会、インクルーシブ社会の構築にむけた取り組みをさらに進めていく必要があります。
そこで、外国人労働者やその家族も含めた支援策について、これまでの取組の成果と今後の課題について当局の所見をお伺いします。
3 中小企業経営改善・成長力強化支援事業について
中小企業経営改善・成長力強化支援事業は、コロナ等の影響でゼロゼロ融資を受けた中小企業や小規模事業者への経営改善フォローアップを行う金融機関に対して、1事業者あたり新規案件は10万円、継続案件は7万5千円の補助金を行うものです。本事業の第3期となる令和6年度実績のうち、支援実績と支援対象事業者についてお伺いします。
まず、支援実績について、令和6年度の常任委員会資料には、第1期、第2期の事業者への支援として、各金融機関が1事業者あたり年間それぞれ平均18回、21回の訪問相談などを実施しており、訪問・電話相談支援の内訳の記載もあります。しかし、今年度の資料では、第3期の支援内容として、月平均訪問等回数1.84回との記載であり、訪問・電話の内訳も不明であるため、第3期の実績の詳細についてお伺いします。
次に、支援対象事業者についてですが、本事業は令和4年度から始まった事業で、支援事業者数の実績として、第1期新規約12,000事業者、第2期新規約2,000事業者、継続約8,000事業者となっています。令和6年度に実施された第3期は、合計4,191の支援事業者の内訳として新規3,392事業者、継続799事業者となっています。随分と新規が多い印象であり、第3期における新規ニーズの掘り起こしには大変なご苦労があったのではないかと推察しますが、令和6年度の新規支援の対象となった事業者の類型と新規支援事業者に対する非金融支援のおおまかな内容について伺います。
環境部
質問日 令和7年10月9日(木)
質問者 小西 ひろのり(ひょうご県民連合)
環境部:15分
1 有機フッ素化合物(PFAS)への対応における現状と課題、今後の対策について
有機フッ素化合物(PFAS)汚染問題が急拡大しています。令和6年5月にさわやか提案箱に寄せていただいた県民からのご意見には、「PFASの危険性や各河川におけるPFASの分析結果など、現状や県の取り組みを県民に対して周知してほしい」という要望も出されています。
PFAS汚染問題は水道水に限らず土壌汚染による作物への被害や汚染水が海に流れることによる海産物等の食品への影響、さらにはPFASを取り扱っている発生源現場の労働者及び発生源周辺の大気汚染の影響による健康被害についても深刻化する懸念があります。
今年9月、大手化学メーカー「ダイキン工業」が過去にPFOAと接する業務にあった従業員に血液検査を行い、アメリカ学術機関指針値の500倍以上となる濃度のPFASを検出していたことが明らかになりました。「健康への影響は確認されていない」というものの、極めて高い数値であり、専門家は「労働との因果関係が疑われる」と指摘しています。
また、同社の工場がある大阪府摂津市では、地下水から国の指針値であるPFOS及びPFOAの合計値で1リットルあたり50ナノグラムを大幅に上回るPFASが検出されています。今年6月には近隣住民らの血液検査で「7割近くの人がアメリカ学術機関指針値を超えた」との結果を市民団体が公表しています。
兵庫県の令和6年度予算においては、県内全域の河川や地下水での監視地点の拡大、モニタリング調査の強化といった「調査」に対して1,102万7,000円の予算が計上されています。一方で、PFAS汚染に対する不安から県民の自主的な血液検査の動きがひろがっており、実際に神戸市、明石市、西脇市、尼崎市に在住する県民が自費で血液検査を行い、結果として海外の機関が示す指針を超える高い数値も多数出ています。さらに、岡山県吉備中央町では、2024年11月から12月にかけて住民の希望者に対して公費で血液検査を行っています。
環境部の対応としては、何よりも汚染源を断つことが求められます。そのためには、河川や地下水などを常時監視する環境調査が必要になります。前述した大阪府摂津市の事例にもありましたとおり、地下水からPFASが検出されており、つい最近では神戸市西区神出町田井の簡易水道でも暫定目標値を超えるPFASが検出されました。よって、環境変化の監視についても重要な役割があると考えます。今後は、早期対応の観点からも、地下への浸透水の状況を把握するためにボーリング調査などを行うことで監視地点をさらに増やすことに加え、県民に対して積極的かつ正確な情報発信等、さまざまな対策を強化しなければならないと考えますが、これまでの取り組みの成果と今後の課題について当局のご所見をお伺いします。
2 地球温暖化、気候変動適応策の推進について
今年の夏は兵庫県内でも最高気温が40度を超える日やその地点が複数観測されました。
気象庁の調査によりますと、2024年の日本の年間平均気温は平年(2020年までの30年平均)を1.48度上回り、1898年の統計開始以来、最も高い値となり、2023年に続き2年連続で最高記録を更新しました。平均気温が高くなっているのは2019年から2024年の6年間に集中しており、地球温暖化が進行していることが改めて明確になっています。
2023年7月には、国連事務総長が「地球沸騰化」という表現を用い、気温上昇による夏の酷暑やゲリラ豪雨をはじめとした気候変動等、私たちの日常生活にも危機的な影響が及んでいることに強い警鐘を鳴らしています。
総務省消防庁ホームページでは、「災害情報」として熱中症による救急搬送人員の推移を発表しています。マスコミも含め、熱中症の危険度や外出を控えることへの強い呼びかけもありますが、搬送者数は高止まり状態となっており、熱中症による救急患者を受け入れる医療機関もその対応に追われています。
兵庫県における地球温暖化対策として、県内の気温や降水量等の将来予測及び各分野に及ぼす影響を把握し、県独自の「気候変動適応策」を推進しています。具体的には「気候変動に立ち向かうひょうごづくり」を目指し、「ひょうごの多様性を活かした気候変動適応を推進」、「県民・事業者・団体・行政等が危機感を持ち、ともに気候変動適応に取り組む」、「情報基盤を整備し、あらゆる関連施策に気候変動適応を組み込む」の3つの方針を策定し、関係部局と連携協力の下、関連する施策に「適応」の観点を組み込み、全庁体制で適応策を推進しています。
「2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ」の実現に向け、一人ひとりの県民へのさらなる啓発とより広い発信等、兵庫県としての取り組みを進めているところですが、先ほど申し上げた危機的な状況を踏まえ、さらなる具体的な取り組みが必要であると考えますが、当局のご所見をお伺いします。
まちづくり部
質問日 令和7年10月10日(金)
質問者 小西 ひろのり(ひょうご県民連合)
まちづくり部:15分
1 空き家対策の現状と今後の課題について(住宅政策課)
令和5年12月13日、空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)が施行され、所有者の責務強化に加え、国や自治体の施策に協力する努力義務が課されました。
使用目的のない空家が増加の一途をたどり、(1998年の182万戸から2018年の349万戸、20年で1.9倍)2030年の見込みでは、470万戸まで増加すること、空き家の適切な管理を総合的に強化する必要があることがその背景にあります。
「令和5年住宅・土地統計調査」によると、兵庫県内の使用目的のない空き家数は約17.3万戸となっています。県の深刻な人口減少に連動して、県内の空き家数は年々増加し、地域の活力、居住環境及び地域経済に影響を及ぼしています。
適正に管理されていない空き家は、周辺の住環境にも悪影響を与えます。本県では、空き家等の活用を特に促進する必要がある区域を空家活用特区に指定するなど、空き家等の活用を促進する市町の取組を支援し、予防・利活用・適正管理の3つの観点で空き家対策が講じられています。
兵庫県では、平成26年2月に兵庫県住宅審議会から「空き家対策にかかる提言」が出され、提言に基づき様々な取組をすすめておられます。一方で提言が示されてから10年が経過しますが、この間の状況も深刻なものとなっており、空き家の増加を踏まえた新たな方針や提言の改訂が必要であると考えます。また、これまでの取組から、県内各市町へ拡げられる可能性のある事例等を共有することも必要と考えます。これらについて当局の所見をお伺いします。
2 公共交通バリアフリー化促進事業における実績と課題について(都市政策課)
兵庫県では、だれもが地域社会の一員として支え合い、安心して暮らし、元気に活動できるユニバーサル社会の実現に向け、道路や施設のバリアフリー化等の「ハード整備」や社会活動への参画などの「ソフト事業」に取り組む「ユニバーサル社会づくり推進地区」を指定し、市町への支援も含めて重点的に取り組んでいます。
また、福祉のまちづくり条例や基本方針の整備目標に基づき、公共公益施設や住宅等が誰にとっても安全で安心して快適に利用できるものとなるよう、整備基準を定めて規制や誘導等を行っています。
令和6年度においてもさまざまな観点で事業がすすめられていましたが、特に、公共交通バリアフリー化促進事業における鉄道駅舎のバリアフリー化(エレベーターやスロープの設置)とノンステップバスの導入の実績や課題、今後の方向性について当局のご所見をお伺いします。
教育委員会
質問日 令和7年10月14日(火)
質問者 小西 ひろのり(ひょうご県民連合)
教育委員会:30分
1 「学校における働き方改革」の推進にむけた具体的な方策について
本県では、働きがいのある学校づくりの推進、勤務時間の適正化に向けて「教職員の勤務時間適正化対策プラン」を始めとしたプランを策定し、平成29年4月には、各学校の先進的な取組50例を取りまとめた先進事例集「GPH50~ GOOD PRACTICE in HYOGO 50~」の発信などの取組を進めてきました。今年度4月までに、先進事例は「GPH200」にまで増えています。
また、令和6年8月には中教審答申にも『「働きやすさ」と「働きがい」を両立し、日々活き活きと児童生徒と接することができる環境の整備が必要』と打ち出され、学校における働き方改革の更なる加速化について、「国、都道府県、市町村、各学校など、それぞれの主体が自分事としてその権限と責任に基づき主体的に取り組むことが極めて重要であること」と提言されました。兵庫県教育委員会においても「学校業務改善に関するガイドライン」の策定、学校における働き方改革「県・市町の共同メッセージ」をはじめ、様々な取り組みをすすめています。
さらには、「働きがいのある職場づくり推進本部」の設置や、「モデル実践校における業務改善推進事業」において、教職員の意識改革や教育課程の編成の見直しなど、各校の実態に応じた具体的な取り組みがすすめられています。
一方で、令和6年度の県立学校における長時間勤務の実態について、時間外在校等時間がひと月でも月80時間を超える教員の割合は13.3%、月45時間を超える教員の割合は46.4%と約半数となっています。
長期間にわたり、ここまで取り組みをすすめているなかで改善が図られている部分もありますが、「学校で働きたい」人の減少、「教職員の未配置問題」等、新たな課題への対応もせまられ、根本的な課題が解決していないのではないでしょうか。
教育委員会でのこれまでの働き方改革における取り組みの総括、今後の勤務時間の適正化、学校業務の削減にむけた具体的な取り組みについて、当局の所見をお伺いします。
2 部活動の地域展開について
本来、部活動は教育課程の外に位置づけられており、そのあり方については各学校で議論されてきました。中学校、高等学校においては、部活動の指導も教職員の多忙化の大きな要因の一つとなっています。
現在、「部活動の地域展開」にむけ、地域のスポーツ・文化振興団体、推進委員、民間団体等、さまざまな機関との連携や調整を早急にすすめられています。県内各市町においては、それぞれの環境や進捗状況のちがいも大きく、重大な課題となっており、10/3の神戸新聞朝刊の記事によりますと2026年度内に移行するのは16市町、県内市町の約4割となっています。
大きな課題として、指導者の不足、活動場所の確保、生徒の移動方法の確保、会費等の保護者の金銭的負担をはじめ、多岐にわたっています。また、現在の中学1年生やその保護者に対して、早ければ来年度の年度途中で学校での部活動が地域活動に変わることへの周知不足、小学校6年生の児童に対しては中学校生活のイメージ化に対して大きな課題があるとされています。
部活動の地域展開は、令和4年12月にスポーツ庁・文化庁において「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」が策定され、地域の実情等に応じて可能な限り早期の実現を目指すこととしています。国発信の大きな改革にもかかわらず、その具体的な内容を示すのに大きな課題を抱えています。当事者にとっては重要な課題です。
このような状況ですが、運動部、文化部の別関係なく、今後の部活動の地域展開にむけた具体的な取り組みについて、当局の所見をお伺いします。
3 自然学校の現状と課題について
阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、子どもたちが「生きる力」を身に付けられるよう、小学校における「環境体験事業」、「自然学校推進事業」、中学校で実施する「わくわくオーケストラ教室」、「トライやる・ウィーク」、高等学校においては、「高校生地域貢献事業~トライやる・ワーク~」を中心に兵庫の学校現場では体験活動を展開してきました。
とりわけ自然学校では、命やなかまを大切にすること、自己認識や自尊感情の向上等、普段できない貴重な経験ができる活動プログラムを通して子どもたちが大きく成長できるとして、本県が大切にしてきた事業でもあります。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、体験活動も一時的に中断せざるを得ない状況もありましたが、その中でも現場教職員や指導員の工夫もあり、可能な限りの体験活動が推進されてきました。
子どもたちからは、「活動の中で、友だちと協力することの大切さを感じた」、「自分の力で解決できることが増え、成長を感じた」等の肯定的な意見が多く、保護者からも子どもたちが「楽しむことができた」、「共同生活の楽しさや大変さを前向きに捉えることができた」とこの事業に対する評価があります。また、子どもや保護者が希望する自然学校の日数については4泊5日以上が多くありました。
一方で、学校が答えたアンケートによると、子どもたちにとって理想的な宿泊日数と現実問題として適当な宿泊日数が「4泊5日」よりも「2泊3日」が多く、この事業の根本的な部分において議論が必要であると感じます。また、物価高騰の影響も受け、バス代や活動費、食費が値上がりし、保護者からの徴収金の積立額を変更する等、保護者負担が増えている現状や宿泊施設の老朽化等による閉鎖等の課題は学校の努力だけでは解決できないことも増えています。
子どもたちの食事に対するアレルギー対応、不登校等配慮を要する子どもたちの参加のあり方、体調不良時における保護者への迎え(遠方までになる)の依頼等、子どもたちや保護者にも関わる内容については、近年大きな課題となっており、学校としても苦しい状況にあります。時代や社会の大きな変化にともない、現在の学校現場においては、子どもたちの置かれている現状も多様化し、さまざまな課題を抱えた子どもたちや配慮を要する子どもたちが増え、それぞれの課題にどう立ち向かうか、学校現場では議論がおこなわれています。
これまで述べてきた課題の解決も含め、「誰ひとり取り残されない」観点からみると、宿泊日数を中心にこの事業自体の見直しについて議論が必要なのではないかと考えますが、当局のご所見を伺います。
4 インクルーシブ教育の推進について ともに生き、ともに学ぶ社会をめざして
ともに生き、ともに学ぶ教育の推進についてお伺いいたします。
おとなの社会では特に近年、様々な価値観や多様性が認められ、共生社会の形成が声高に叫ばれており、外国人留学生や労働者、性的マイノリティ等、さまざまな生活背景や個性、特性のある人々がいっしょに同じ空間で仕事をし、活動することが推進されています。
障害者差別解消法の改正に伴い、令和6年4月1日からは、民間事業者においても合理的配慮の提供が義務化されました。
子どもたちの世界ではどうでしょうか。外国にルーツのある子ども、性的マイノリティの子ども、生活環境の厳しい状況の子ども、様々な生活背景のある子どもが通ってくる学校で子どもたちは子どもたちの関係性のなかで学びあい、認め合いながら生活しています。
子どもであっても自分で「こうしたい」と自分の想いを表現し、ひとりの人として、おとな社会と同じ場で学び、生活したいという一人ひとりの子どもたちの想いや希望に応じた対応ができるように環境を整備することも教育委員会の責務であると考えます。
子どもたちの声として、「学校では『取り出し』と言われ、みんなとちがう場所でひとりで勉強する。私は分けられるのがいやだ」そこにはその子の「なんで」が存在し、その疑問が解決せず、本人も納得しないまま、個別の授業が始まります。
兵庫の教育においてこれまで大切にしてきた、ともに生き、ともに学ぶことを基本理念とした教育施策を更に推進していくことが必要であると考えます。本人や保護者の希望を尊重することは当然のことでありますが、障害があるからという理由だけで、別の場所で生活や学習をするのではなく、学校においても様々な個性のある仲間の多様性を互いに認め、尊重し合う環境をつくらなくてはならないと考えます。
兵庫県特別支援教育第四次推進計画における、ともに生き、ともに学ぶ教育の推進についての考え方、参考資料として記載している国連障害者権利委員会からの勧告におけるインクルーシブ教育、合理的配慮について、当局の見解をお伺いいたします。
病院局
質問日 令和7年10月15日(水)
質問者 小西 ひろのり(ひょうご県民連合)
病院局:30分
1 「第5次病院構造改革推進方策」における県立病院の役割について
令和6年3月に「第5次病院構造改革推進方策」が策定されました。「県民と地域から信頼され安心できる県立病院」を基本理念に、「医療の質の更なる向上」、「変革する医療への的確な対応」、「収支構造の最適化」、「運営基盤の強化」の4つの柱を基本方針とし、令和10年度までの5年間の計画となります。
第5次方策における県立病院の役割について3点お伺いします。
(1)働き方改革の推進について
第5次方策では、「運営基盤の強化」として、働き方改革の推進が掲げられています。県立病院で働く職員は現在、人員不足という大きな課題を抱えながらも患者のニーズに応えるため必死で働いています。その結果、日常的な超過勤務が続き、疲弊している状況にあり、勤務環境の整備は喫緊の課題となっています。
令和6年4月より医師の時間外労働の上限規制がなされましたが、実態はいかがでしょうか。また、同じ病院現場で働く看護師、栄養士、臨床検査技師等の医療技術職、また事務職員をはじめ、医師以外の職員の勤務環境の整備についてもその現状は改善されているのでしょうか。
「働き方改革」というスローガンが掲げられているため、その理念は伝わっているようですが、その実態としては「超過勤務が依然として多い」、「休憩時間が取れない」等、数多くの厳しい現場の声を聞いております。
病院事業の今後の収支見込みが非常に厳しい状況の中、県立病院で懸命に働く職員にとって働きやすく魅力的な病院となるよう、どのように取り組んでいかれるのか、当局の所見をお伺いします。
(2)病院DXの戦略的展開について
第5次方策では、「変革する医療への的確な対応」として、病院DXの戦略的展開、統一的な病院DXの推進が掲げられています。その取組として、診療機能の高度化・医療安全の向上、働き方改革への対応等、患者サービスの向上の3観点を中心にすすめられています。
DXを推進することは社会の流れでもあり、業務の効率化、職員の業務縮減にもつながることも想定されますが、同時に、機器を介することで、スタッフ間のコミュニケーションが困難となり、例えば、システムへの入力ミスによる薬の受け渡しにおけるトラブルにつながらないか懸念する場面も想定されます。真の業務の効率化は機器だけに頼るのではなく、職員同士による対面での相互確認も必要です。医療スタッフどうしのコミュニケーションの醸成と共通理解を通して、患者への安心感の提供にもつながるのではないでしょうか。最終的には、県立病院へのさらなる信頼にもつながると考えます。
社会の変化に対応するために、DXを推進することが必要であることは理解します。先ほど述べた課題等を踏まえ、これまでのDX導入による成果と、今後どのように病院DXを進めていくのか、当局の所見をお伺いします。
(3)へき地医療の実態について
第5次方策では、「医療の質の更なる向上」として、診療機能の高度化の一つとしてへき地医療が掲げられています。兵庫県は県土が広く、県立病院のない地域におけるへき地医療のニーズはますます高まっています。現状、姫路・丹波・淡路をへき地医療拠点病院とし、様々な工夫のもとで遠隔医療をおこない、医療の維持、医師の養成・派遣に貢献しています。
社会全体の高齢化も相まって、地元の病院や医療・介護施設等との連携が必要不可欠となりますが、特に医師の人財確保、一人ひとりのきめ細かなケアがどこまでできるのか等の課題もあると思います。
そこで、へき地医療の充実において、重要な役割を担う県立病院として現状と課題について、当局の所見をお伺いします。
2 西宮総合医療センター(仮称)の開院にむけて
令和8年7月1日の開院をめざし、西宮総合医療センター(仮称)の整備がすすめられています。高度急性期・急性期医療の提供や、救命救急センターとしての役割等を基本方針とし、多くの県民が安心して受診することができ、職員にとっても働きやすい新病院の整備が期待されています。
一方で、同じ公立病院とはいえ、異なる2つの病院を統合再編することは容易ではありません。それぞれの専門性を十分に発揮し、チーム医療を提供していくためにも、新病院で働くすべての職種の職員の勤務環境の整備も重要であると考えます。一人ひとりの職員にとって働きやすく魅力的な病院づくりを進めることが、結果的に患者やその家族にも安心感を与えることにもつながります。
病院事業の収支状況が非常に厳しい状況の中、医療現場の厳しい実情もありますが、西宮総合医療センター(仮称)の円滑な開設に向けたこれまでの取組の総括と今後の方策について当局の所見を伺います。
3 収支構造の最適化、抜本的な経営改革に係る取組について
令和6年度の決算における県立病院全体の純損失は133億円となり、病院事業全体で経常損益の赤字基調が継続しています。
病院別の経営実施計画や数値目標の設定、病院運営の一層の効率化、物価高騰等による経費等のコスト上昇への対応等を通して経営改革・改善策を展開していますが、厳しい経営状況が続いています。
令和7年3月にとりまとめられた「兵庫県立病院経営対策委員会報告書」では、加古川、淡路、がんセンターの3病院で合計130床を一時休止、さらに必要な収支改善がなされない場合は令和10年度に加古川で41床を一時休止するとされています。病床を休止することもひとつの方策ですが、県立病院の総病床における休止病床の率は、仮に加古川で追加休止があったとしても全体の4%程度にとどまります。その効果額まで考えた時に、病院全体を考えた収支改善策としてはあまりにも規模が小さいのではないでしょうか。
令和13年度の収支の黒字転換に向けては、病棟の一時休止だけでなく、収益増加・費用削減の両面からの抜本的な対策が必要と考えるが、当局の所見を伺います。


