令和元年度決算特別委員会(財政状況)
質問日:令和2年10月6日(火)
質問者:小池 ひろのり 委員
1.今後の財政運営と見通しについて
「今後の財政運営、見通し」という観点から質問をします。
1995年、阪神・淡路大震災が起こりました。多くの犠牲と壊滅的な被害を被った神戸・阪神・淡路地区の復旧・復興のため、兵庫県は約1兆3,000億円の震災関連県債を発行しました。そのために2007年度の実質公債費比率は、20.2%で全国ワースト2位、将来負担比率は、361.7%で全国ワースト1位という大変厳しい財政状況に陥りました。
その後、行革債や退職手当債の発行など特別な財源対策を行うと共に、県民の協力と県職員の人員や給与カット等の懸命な努力により、ついに震災から23年後の2018年度に収支均衡を達成しました。
そんな折、今回の新型コロナウィルスが流行。連日、コロナウィルスによる死亡数と感染した陽性患者数が発表され、国民挙げてのコロナ感染拡大防止策が取られました。そして、8月末までのGo To トラベルを利用した宿泊者数は1,339万人、昨年8月の外国人を除く国内宿泊者数5,374万人に遠く及ばず、お盆の時期のJRの特急、急行列車の利用者数は76%減少、飛行機JALグループ約67%、ANAグループは70%減となり、都市部の店舗は休業要請もあり、現在、経営の継続さえ困難に陥っている店舗も多数あります。更に、個人消費も冷え込み、GDPは4~6月期でー7.9%、年換算ではー28.1%となりました。企業業績も悪化し、経済はすっかり冷え込んでしまい、兵庫県でも20年度の県税収入は1,000億円もの大幅な税収減が予想される状況となってしまいました。
この状況で、国は景気の落ち込みに対し、Go To キャンペーンで経済復興を図ろうとしています。先日、「Go Toキャンペーンのお陰で、1泊8万円もするホテルに、1万円ちょっとで宿泊できた。」と喜んでいる人の声を聴きました。しかし、そもそも1泊10万~20万円もする高級ホテルを利用する等、贅沢を望む人にまで税をつぎ込むのは間違いです。医療従事者、大学生、中小企業、個人店主や、生活が困難になっている人たちに救いの手を伸ばし、医療体制を確保し全体的な底上げを図りながら、Go To キャンペーンの良い面は活用し、県独自の知恵を絞った経済復興対策と併せて消費喚起を図るべきだと考えます。
財政が厳しい状況であっても、個人消費や経済を元気づける対策に取り組まなければなりません。この相反する施策のために、県財政の舵をどのように取っていくのか、今後の財政運営と見通しをお尋ねします。