議会の動き

迎山 志保議員が質問(予算審査・教育委員会)

令和2年 令和元年度予算特別委員会(教育委員会)

日 時:令和2年3月13日(金)

質問者:迎山 志保 委員

1 新型コロナウィルス感染症対策に係る学校の一斉休業について

昨日、県では新型コロナウィルス感染症対策本部が開かれ、県立学校の休業は3月16日以降春季休業日の前日である3月23日まで継続し、市町組合教育委員会にもその旨要請することとなった。この決定により、学校は実質2週間の休業となり、より多方面に影響が出ることになる。そこで、県内の多くの学校で始まった3月3日からの一斉休業の考え方や今後の学業に係る課題への認識について伺う。

(1)一斉休業に係る考え方について

新型コロナウィルス感染症の発生拡大に伴い、国からの学校等における一斉臨時休業の要請を受け、県教育委員会でも、3月3日から3月15日まで、県立学校の一斉休業を決定するとともに、市町組合教育委員会に対し一斉休業を要請した。しかしながら、国からの要請では、休業期間は3月2日から春季休業の開始日までの間となっていたため、県教育委員会が当初の休業期間を決定するにあたりどのような議論がなされたのか伺う。

また、県内では早々に国の要請通りの決定をした自治体もあったが、当初休業しない決定をした小野市をはじめ、県下自治体によって休業期間が異なっている(もちろん学校保健安全法第20条によって学校の設置者に決定権限があるとされているので問題はないが)。しかし、このような緊急事態においては学校だけでなく企業や公的施設や民間施設など全方位に様々な協力要請を行うわけであり同じような体制をとるほうがベターではないかと考えるが、学校現場や基礎自治体、県民などから今回の県下の対応状況について何か声が届いていればご披露願う。

加えて、昨日発表された16日以降の休業継続の考え方及び市町組合教育委員会へどのように要請を行うのか、方針を伺う。

(2)休業期間中の学業面での補填について

このたび、休業を県の要請通りに行うと、実質2週間の休業となり、その後春季休業に入ることとなる。気になるのは今回の措置で、児童生徒が履修できなかった学習内容への対応である。今回の緊急措置により発生した、小・中学校及び県立高校で履修できなかった学習内容と、それらへの対応についての所見を伺う。

2 教職員の勤務時間の適正化について

(1)勤務実態の把握等について

来月1日から教職員の勤務時間や業務量の管理を求める「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」、いわゆる改正給特法が一部施行開始となる。これに伴い、県教育委員会では規則を制定した。

県教育委員会ではこれまでも教職員の勤務時間適正化に取り組んでこられたが、今回の規則に実効性を持たせるには勤務実態の客観的な把握が不可欠である。そこで、県内小・中学校及び県立高校での教職員の勤務実態の把握方法及び、今般の法改正に伴う、さらなる実態把握の徹底について所見を伺う。

(2)教職員が実力を発揮しやすい環境づくりについて

教職員の勤務実態をどこまで厳格に把握できるのか、また「月45時間、年間360時間」の時間外勤務の上限を守れる業務量や業務内容となっているか。これらの課題に対応するため、県教育委員会では、これまで様々な業務改善を積み上げられ、来年度新たにデジタル採点システムを導入するほか、引き続き県立学校に業務支援員を配置するなど、教職員が子どもと向き合う時間の確保に一層取り組まれるが、来年度にはまた新学習指導要領がスタートし、新たな負担も生じるだろう。

そのような状況の中、今回規則で示される上限時間の範囲で、教職員の力を発揮できる環境は整っているといえるのか。整っていないならば、現状の人員と業務量の関係が妥当でないということになるが、これを解決するための抜本的なメスの入れどころはどこだと認識されているのか、所見を伺う。

3 不登校の児童生徒へのさらなる支援について

不登校への対応について、県教育委員会では早期発見、早期対応に取り組んできたものの、残念ながらその数は減少傾向にはない。全ての児童生徒の学びを保障するという教育機会確保法の趣旨を踏まえるという意味では、中長期的には不登校児童生徒への遠隔授業実施の可能性や、フリースクールへの財政的な支援、高校入試での不登校生徒の不利益をなくしていくことに取り組んでいくことも、今後の検討課題と考える。

そのような状況の中、この度、県教育委員会が、不登校の児童生徒がフリースクールを活用しやすくするため、「民間施設に関するガイドライン」を策定されることは不登校児童生徒への支援策として、大きな一歩であると評価している。

そこで今回のガイドライン策定を通じて得られた様々な声をもとに、民間施設とどう連携し、これからの不登校対策に活かしていくのか、所見を伺う。