平成30年度決算特別委員会 県土整備部 質問原稿
質問日:令和元年10月15日
質問者:上野 英一 委員
1 播但連絡道路について
播但連絡道路は、県の幹線道路網「高速道六基幹軸」のうちの「播磨但馬軸」として、また国道312号線のバイパス道路の位置づけで有料道路事業として、1970年より建設が進められ2000年に完成しました。
1973年11月1日に砥堀ランプ福崎北ランプ間が初めて供用開始し、その後6度にわけて、あわせて、全線65.1kmが開通となりました。ETCも2017年3月31日に全料金所に導入されました。また、基本料金の値下げや、様々な料金割引きも行い、利用者へのサービス向上に取り組まれています。
一方、平成30年度実績では、料金収入が51億67百万円、維持管理費等が34億4百万円、償還準備金が767億78百万円、借入金等が1,817億54百万円、要償還額が1,049億75百万円となっています。
播但連絡道路の現状は、経年劣化の進展及び過酷な使用環境などにより、大規模な修繕等が必要となっており、その必要額は大規模修繕費約90億円、橋梁耐震対策費約80億円、あわせて約170億円と聞きます。
有料道路制度は、利用者負担を原則としているため、現行の有料道路制度では考慮されていない大規模修繕費等に、国や県からの補助金・交付金等を活用できなく、独自で対策費用を確保する必要があります。
そこで、大規模修繕等に対する今後の進め方について伺います。
2 ひょうごインフラ・メンテナンス10箇年計画について
本県では2014年度から「ひょうごインフラ・メンテナンス10箇年計画」に着手し、施設の安全性確保と総コストの低減と予算の平準化を図り、計画的・効率的な老朽化対策を進められています。
最初の5年間では、約2,430億円の内約940億円38.6%の実施となっていますが、これは多額の費用を要する下水道施設、排水機場の電気設備等で事業費が確保できていなかったとのことであり、今後の予算確保に努力をお願いいたします。
具体的な取組をみますと、まず、点検・評価としては、特A、Aなど4段階があり橋梁、トンネルなどの土木構造物は5年ごと、排水機場、水門、電気設備などは毎年の点検となっています。そして新計画では、早期対策特Aは無いことになっていますが、この5年間の対策では特Aの対策ばかりだったのか、要対策Aも含まれていたのか伺います。
次に、排水機場、水門、電気設備などに問題があれば取り換えることができますが、橋梁・トンネルなどの土木構造物ではそうはいきません。新幹線の台車や飛行機などで金属疲労が言われましたが、どのような点検・対策をとっているのか疑問として浮かびます。
パンフレットには、橋桁の事例として、「コンクリートの損傷が大きく、深い位置までの剥離が進行した状態、また鉄筋が露出し腐食した状態」の損傷状況に対して、「炭素繊維の接着、鋼板をあてがうことによる補強」を行うと対策例を挙げていますが、鉄筋の腐食は強度において致命的な損傷と言えるのではないでしょうか。具体的な修繕方法について伺います。
3 日常の道路・河川の維持管理について
道路の除草については事務所によっても異なりますが、年2回のところでも苦情がきますが年1回のところはどうしようもない状況になっています。過去にも何回か言いましたが国道428号は見れたものではありません。画一的に整備をした道路構造にも問題があります。
また、小規模河川の除草もなかなか対応できていません。
例えば、福崎町から姫路市に流れる平田川があります。姫路市内はブロック積がなされていますが、福崎町内は土羽であります。しかも河床幅が狭いために草が伸びると河川断面すべてが草に覆われる状態になっています。
立ち木が生い茂ると流れを阻害するために土木事務所は対応してくれますが、草は流れを阻害しないことになっていますので事務所は対応してくれません。地元で管理といっても、株が年々大きな塊となって人の手にはなかなか負えないのが現状です。
昨年・今年と土羽部分の草刈りを地元の土建屋さんに重機で、それもサービスで対応頂きました。その後、河床部分の株除去を事務所で対応頂きました。
また市川本流ですが、土砂が堆積して葦が生い茂り、その上に洪水で流れてきた葦やごみが覆い被って大変な状況になっています。またそこは獣の巣となっており、獣害のもととなっています。一度だけ極わずかの部分の撤去を事務所で対応頂きましたが、単年で終わりお茶を濁しただけであります。
これらは1例に過ぎず、また事務所の維持管理予算がないこともよく理解をしています。これが県下各事務所の現状と思いますが、アドプトなど県民との協働も踏まえて所見を伺います。