議会の動き

中田 英一議員が質問(財政状況)を実施

令和元年度決算特別委員会(財政状況)

質問日:令和2年10月6日(火)

質問者:中田 英一 議員

1.県税等の収納率向上について

令和元年度の未納税額は前年より減少したとはいえ86億円にものぼっています。

未納となっている原因は様々であり、無資力者から無理に取り立てるというものではなく、「資力があるにもかかわらず支払われないケース」を減らすことが重要です。

このうち、「絶対に支払わない」と誓っている県民は少なく、「なんとなく後回しになっているケース」や「うっかり忘れていたというケース」も往々にしてあると予測されます。

まず、「なんとなく後回しになっているケース」については、自分にとって使い勝手のいい支払方法があれば、後回しにせず適時に支払い手続きをしてくれるのではないかと考えます。

総務省が実施したキャッシュレス決済のキャンペーンやコロナの影響によって非接触型決済が普及するなど多様な支払い方法が選択できるようになり、個々に使い勝手のいい支払方法なるものができつつあるように感じます。

例えば、日経新聞では、昨年5月までにLINEのスマホ決済「LINEペイ」を導入する自治体が90、ヤフーの同様のサービスについては180を超え、全国の1割の自治体をカバーしている、とあり、そこから各社続々と参入しています。クレジットカード納税については従前から自動車税種別割において導入されていますが、対象税目の拡充や、その他のキャッシュレス納税手段の導入等支払いの多様化対応について、その進捗および展望を伺います。

次に、「うっかり忘れていたというケース」は、納付書が郵送されても、新聞を取っていなかったり、手紙のやり取りが少なくなっていたりすることから、郵便受けを見る習慣の少ない県民が見落としているような場面も想像されます。

しかし、このような世帯は固定電話もなく、携帯電話・スマートフォンの番号を登録番号に使っていることが多く、直接、携帯電話・スマートフォンにメッセージを送ることができるため、SMSを使った督促を東京都などが開始し、成果を上げていると聞きますが、わが県においてはどのようにお考えでしょうか。

各種述べてきたが、実際に最もありがたいのは口座振替やクレジットカードの登録により、毎回自動的に収税できることだと思う。そこで、思い切った優遇措置を提示して、県民に口座やクレジット登録をしてもらう強力なインセンティブを与える方法はとれないでしょうか。徴税方法毎の平均的なコストが算出できれば、差額をディスカウントする形で誘導できると考えます。

以上、令和元年度の未納税額の状況と、収納率向上のための新たな取組についての所見をお伺いします。

2.ふるさと納税について

平成30年度の兵庫県のふるさと納税に係る寄附受入額と住民税控除による減収分の差引は56億円の赤字となり、6月からは返礼品の基準が厳格化されたが、それでも令和元年度も56億円の赤字となっています。減収分の75%は地方交付税で措置されるとはいえ、コロナ禍による厳しい財政状況や県内事業者のことも考えると、本年も黙って赤字を垂れ流すわけにはいかないのではないでしょうか?

そこで、1つには、これまでのスタンスには反するものの、期間限定で返礼品を充実させるという方法が考えられます。コロナ禍において、農水省が実施する「品目横断的販売促進緊急対策事業における地域の創意による販売促進事業」を利用したふるさとチョイスのニコニコエール品が注目を集めています。

もう1つは、やはり返礼品競争には加わらず、けれども減収は食い止めつつ別の目的を達成するという方法です。

先日、佐賀県で、ふるさと納税をNPO法人の寄付集めに利用し、NPOがより有利に寄付金を集めることができる制度を視察させて頂きました。そこで平成30年度は5億3100万円を集めた実績を持っていると伺いました。わが県が行っている、「特定のプロジェクトを応援したい気持ちを集める」という趣旨に親和性があり、NPOの盛んな本県においてこの制度を参考にすることはできないか所見を伺います。

3.狩猟税について

狩猟税は昭和38年に税額が法律で定められた地方税です。

これは一定税率と解釈され、地方自治体で独自に変更することは難しいが、制定当時の時代背景と現状とが食い違っているように感じます。すなわち、狩猟は趣味であるという考え方が根底に流れているように思います。

山林農村部ではイノシシとシカが増頭し、林業・農作物被害が著しい状況です。農家がやむを得ず、自衛手段としてわな免許を取得しているケースも多いです。実際に県や市町もそういった免許の取得に対しての補助制度を設けています。

しかし、狩猟税額は「猟銃1種16,500円 猟銃2種は5,500円 罠は8,200円」である。わな猟は第2種の空気銃より高い税額となっています。

さらに税制改正で、改正鳥獣保護法で新たに、シカやイノシシなどの駆除を専門に行う認定捕獲事業者と、鳥獣被害防止特措法で市町村から任命される対象鳥獣捕獲員について、狩猟税を全額免除、有害鳥獣駆除に協力するハンターは半額免除となったものの、鳥獣捕獲員は数年の狩猟経験を持つ猟友会員がなるのが通例で、この免除方針で負担が軽減するのは経験を積んだハンターだけ。

つまり、自衛のためにわな免許を取得したようなハンターに優遇がなされない状況です。

猟師登録をするには、このほかにも、猟友会費、支部会費、保険料、証紙代などが必要で、私の場合は第2種とわなで合計36,700円となる。シカを3頭以上捕獲できれば報奨金も得られますが、初心者にすぐ捕まえられるほど猟は簡単でなく、免許を取得する人が増加しても続かなければ狩猟者全体は縮小し、獣害も減らすことができません。

このアンバランスの是正措置については、後日農政環境部のところで質問させて頂けたらと思いますが、税制としてのずれを国に指摘すべきと考えますが所見をうかがいます。