議会の動き

26.03.23 第1号議案 令和8年度兵庫県一般会計予算に対する修正動議 提案説明(迎山 志保)

概要 / 代表・一般質問 / 討論 / 議案に対する態度と考え方

(第374回2月定例会3月23日 委員長報告(8年度関係議案)、修正動議提案説明〈迎山議員部分16:20~27:10〉

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第1号議案 令和8年度兵庫県一般会計予算に対する修正動議提案説明

質 問 日:令和8年3月23日
質 問 者:迎山 志保 議員(ひょうご県民連合)

第374回(令和8年2月)定例会 予算修正動議提案説明

2026.3.23

 ひょうご県民連合議員団の 迎山 志保 です。

 ただいまより、知事から本議会に提案されました第1号議案令和8年度兵庫県一般会計予算のうち県立大学授業料等無償化事業及びコウノトリ但馬空港に関する財源について、具体的には県立大学授業料等無償化事業予算8割削減と但馬空港整備事業費1億円の財源となる県債発行等の削減を求める修正案について、提案に至った理由を説明いたします。

 「未来へつなぐ躍動予算」と銘打った令和8年度当初予算案が知事から本議会に提案されました。先人が積み重ねてきたバトンを未来へ引き継ぐべく、就任以来知事が最も力を入れてこられた将来を担う若者に光を当てるという意識が強く打ち出されたものと認識しています。

 しかしながら本会議開会に先立つ2月12日、県が当初予算案とともに明らかにしたのは14年ぶりに起債許可団体に移行するという大変厳しい兵庫県の懐事情でした。当初予算編成の時点で不足する129億円については財政調整基金を取り崩すことで乗り切ることとしていますが、この対応も22年ぶりのことです。取り崩す貯金があったことは幸いであるとも考えられますが、長期的な視点で将来負担削減を考えるのなら、近年、財政調整基金残高を増やすことを目標に掲げ、また成果ともされてきましたが、財政調整基金に積むよりも交付税措置のない行革債の発行を抑制し減額に努めるべきではなかったのか、また、私たちも長年にわたって求めてきた分収造林事業や地域整備事業の破綻処理についても待ったなしの必要な対応ではありましたがその処理計画は財政への影響を考えての最善策であったか、シーリングが適用されず財政規律がゆるむ原因となる補正予算に関してチェックが甘かったのではないか等々、ここ数年、当局と我々議会が進めてきた財政政策について省察する本議会でした。

 この財政危機について知事は、来年度には公債費負担適正化計画を策定することで「県民生活に影響はない」「財政運営には支障をきたさない」と発言されていますが、この調子で切り崩せば早々に底をつく財政調整基金からの繰り入れを少しでも削減するために、厳しい査定を経て予算措置された一般事業であっても目一杯使い切るという意識を捨てて節約に励まなければいけない状態であり、すでに今支障をきたしている状況なのだという現実を受け止めなければなりません。まずは危機意識の共有と財源を生み出すための具体策を練り、着手できるものから取り組んでいくスピード感が求められます。

 そこで私たちが今、ただちに出来ること、なすべきこととしてわが会派がこれまで一貫 して事業の適切な見直しを求めてきた以下2事業について修正案を提案します。

 まずは、先日自民党会派からも今後の事業計画について財政状況を考慮した丁寧な協議を求めて当局に申し入れもなされましたが、今もってその納得感のなさで議論百出の県立大学等無償化事業です。「兵庫県の若者を支援する事業」と打ち出された本事業ですが、 500万円以上の支援を受ける若者がいる一方、同世代のその他98パーセントの若者への支援は1円もないというあまりにも不公平な事業であり、我々は当初から一貫して反対してきました。また事業が実施され、基金が造成された際も、その都度、事業の問題点を指摘し、絶えず適切な成果指標の設定や効果の検証を行うことで県民に見える形で不断の見直しが可能な体制を整備することを求めてきました。本事業を真の兵庫県の若者支援事業とするには経済的理由で学びを断念することがないように、所得制限を講じ、成績なども加味して2割程度の予算に圧縮、他大学への進学者も対象とする奨学金を充実させて幅広く支援するべきです。苦渋の決断かと思いますが本事業開始時点での楽観的な財政見通しが今や空論となってしまった現在の危機的状況からやむなしと考えます。

 次にコウノトリ但馬空港関連予算です。これまで地元はじめ多くの関係者が利活用の促進を懸命に進めてこられたことは承知しています。しかしながらパイロットの「2030年問題」や航空業界全体の「エアライン危機」も指摘される中、小型路線維持がますます困難になる状況を踏まえ、過度な期待をベースにした議論、取組を進めることで、廃止等も含めた適切な意思決定ができなくなってしまうことのないよう過去から私たちは強く求めてきました。

 この度の予算案では空港の機能向上を目的とした予算1億6000万円が計上されています。私たちはそのうちRESA実施設計費用として計上されている1億円について反対します。県は空港に求められるRESA対応について用地拡張が唯一の手法であるとし、はなから他の可能性を排除していますが、国土交通省の指針では、座席数の制限は伴うものの、現在の滑走路内に安全区域を設定することは可能であり、必ずしも用地拡張を求めているわけではありません。この道しかないという硬直した考え方は思考を停止させることになります。そして更に大きな問題として、今回この設計費用を認めてしまうと翌年度以降には約40億円といわれる追加投資が既定路線となり、来年度に行われる「財政構造の検証および財政運営のあり方検討」において最重要課題になると思われる「投資的 経費の抑制」の観点から好ましくありません。

 そもそも本当に用地拡張は必要不可欠なのでしょうか。予算委員会で当局は大規模災害時の支援機能を発揮する目的であることを強調されました。しかしながら現状でも非常時において自衛隊輸送機は離発着可能ですし、機動性の高い防災ヘリや大型ドローンが輸送手段として有用であったといわれる近年の被災地の状況からも災害緊急輸送拠点としての役割は十分果たせる状況です。また幸いなことに但馬コウノトリ空港公園が隣接していますので輸送ヘリの離発着拠点としても、また救急・救命活動拠点としても活用が可能であり防災拠点としてパスラインは確保されていると考えます。また同委員会では用地拡張しなければ座席数が制限され需要に応えられない状況が起こりうるとのご答弁がありましたが、現状、運賃助成や学生向け運賃無料キャンペーンなど多額の公費投入によって搭乗率を維持している状態です。運賃補助をやめた場合の需要見込みや用地拡張を行った場合の利用者増による収益向上見込みなど精緻な分析・想定はなされておらず、今の財政危機にあって経済合理性を再優先に考慮すれば空頼みベースの本予算計上を認めることはできません。

 ついては、次のとおり第1号議案の修正を提案します。

 まず歳出予算のうち、款8:土木費、項5:港湾空港費の計上額を1億円減額し、款10:教育費、項6:大学費の計上額を16億5,217万1千円減額します。

 また、それに見合う歳入予算、款9:国庫支出金、項2:国庫補助金の計上額を    4,000万円減額、款12:繰入金、項2:基金繰入金の計上額を16億5,237万1千円減額し、款15:県債、項1:県債の計上額を5,980万円減額します。

 以上、合計17億5000万円余の減額提案であり、県財政全体への削減インパクトは   ごく限定的です。しかしながら財政と県民生活の持続性を考えた時、真の危機は根拠なき 楽観、危機感の欠如です。将来長きにわたる責任を負う私たち議会の判断は重たいものです。負債を未来につなぐ予算になってはなりません。今なすべきことは将来世代にツケを  回さないこと、これ以上財政的体力を落とさないことに尽き、これこそが将来を担う若者に光を当てた「未来へつなぐ躍動予算」だと考えます。

 以上、議員お一人お一人に本修正案へのご賛同をお願いして、提案説明といたします。