議会の動き

竹内 英明議員が質問(予算審査・企画県民部①)

予算特別委員会(部局審査・企画県民部①)

質 問 者   竹内 英明 委員(ひょうご県民連合)

1 県政150周年記念事業について

(1)初代県庁(旧兵庫勤番所=尼崎藩兵庫陣屋跡)を復元することの意義について

勤番所とは大阪町奉行出張所のことである。

最初に歴史的事実の確認をする。

天正8(1580年)池田恒興が兵庫城を築城

元和3(1617年)尼崎藩が支配し、兵庫陣屋とする

明和6(1769年)上知令により幕府直轄領となり勤番所が置かれる。

慶応4(1868年)5月23日(新暦では7月12日)

新政府、兵庫裁判所を廃し、兵庫県を設置(伊藤博文知事)

明治元(1868年)9月8日 明治に改元

同年  9月   坂本村(神戸市中央区橘通)新庁舎完成、移転

なお、旧暦新暦の転換は、明治5年12月3日付(明治6年1月1日)である。

このように、初代県庁は約4か月しか設置されず、すぐに新築の庁舎に移転したとの事実がある。それでも再現するつもりなのか?

(2)ソフト事業中心の展開への切り替えについて

慶応4(1868)年閏4.21に政体書公布=府藩県三治制となった。

これは、江戸幕府の直轄地に置かれていた裁判所を廃止し、城代、京都所司代、奉行の置かれていたところを府、その他を県として、藩はそのまま残すものである。

廃藩置県前の府県設置日について調べたところ、

近隣府県では、日付順に

1京都府  慶応4.閏4.24

2大津県  慶応4.閏4.25

3大阪府  慶応4.閏5. 2

4倉敷県  慶応4年 5.16

5奈良県  慶応4. 5.19

6兵庫県  慶応4. 5.23

7堺 県  慶応4. 6.22

8度会府  慶応4. 7. 6

9摂津県  明治2年 1.20

10生野県  明治2年 8.10

となっている。その他主な府県では、

箱館府  慶応4.閏4.24

江戸府  慶応4. 5.11

飛騨県  慶応4. 5.23

越後府  慶応4. 5.29

神奈川府 慶応4. 6.17

長崎府  慶応4年 5. 4

兵庫県が設置された時点で関西では京都府、大津県(滋賀県)、大阪府、奈良県が既に設置されていた。そして3年後には、廃藩置県があった。

明治4(1871)年7月 廃藩置県(直前に府3、県40、藩261)

このように、近隣の他府県に兵庫県政150周年の優位性があるとはいえないことは明らかである。政調会でも多くの議員から質問があったようだが、ハコモノには否定的な意見が多いことを踏まえ、県民に対するソフト事業を中心に実施すべきと思うがどうか?

2 地域祖父母モデル事業について

子育て世帯がちょっとした困りごとを他者に相談したり、手助けを求めたり

することができるよう、今年度から始まったこの事業だが、なかなか難しい点があるのではないかと感じる。

そもそも親が、保育園・幼稚園や親しい友人以外の他人に、自分の子どもを安心して預けられるに至る信頼感の醸成をいかに図るのか。また預けられる方も、ふだんどのような家庭環境で過ごしている子どもなのかという情報をあまり知らないまま預かることになっても、大いに戸惑うだろう。

さらに、一時預かり時等に、故意ではないにしても子供がケガ等をすることもあるかもしれない。そのように考えると、預けるときに不安も出てくる。そのような不安を解消する方法をどう考えているのか。来年度も引き続きこの事業を実施していくにあたり、今年度の課題を踏まえ、いろいろと検討されていることと思うが、考え方を伺う。

3 県内でテレビ東京系チャンネルが放映されない地域があることについて

地上波で、妖怪ウオッチやポケモンなど子どもに人気のある番組を放映するテレビ東京系チャンネルが放映されない地域が県内にある。神戸の人に話すと嘘でしょと笑われるのだが、実は姫路も大半の地域がそうである。民間放送なのでそもそも事業者が進出しなければならない話であるし、ケーブルテレビ等の有料事業者と契約することで視聴することも可能であるが、無料で視聴したいという声もある。どうにかならないか。

4 消費生活相談対応力の確保について

徳島県に消費者庁の機能の一部として、「消費者行政新未来創造オフィス(仮称)」の開設が決まったことで、徳島県が消費者行政のトップランナーであるかのような印象を持つが、実は兵庫県は、昭和40年に全国で初めて県立の「神戸生活科学センター」を設置するなど、消費者行政先進県と評価されている。市町でも相談体制の整備が進み、全国に先駆けて、平成22年にすべての市町に消費生活相談の窓口が設置されたこと等により、県下7地域で行われている県の相談機能の集約も含めた検討を行っていると聞いている。

市町は基礎的自治体、県は広域的自治体という本来の役割に沿って、相談機能の集約を行うことは必要であると考えている。しかし一方で、市町の相談体制の整備が進んだといっても、都市部と郡部では相談員の数や質に差がある状況の中、体制移行を円滑に行うには、多くの課題があるのは事実である。

そこで、消費生活相談対応力の確保のため、消費者行政先進県たる兵庫県が市町との関係において、今後、どのような役割を果たしていこうとしているのか、考え方を伺う。