質問日:平成30年10月16日
質問者: 迎山 志保 議員
1.災害廃棄物処理計画について
7月の西日本豪雨では、地元東播磨地域も風向きの関係で港湾に大量の廃棄物が打ち上げられたり、水位の下がった加古川では、中洲や橋脚に驚くほどの量のゴミが滞留していた。
また、被害が大きかった倉敷市を訪れたのだが、そこでは、土砂にまみれ、重くなったゴミ処理の大変さを目の当たりにした。ガラスの破片や鋭い木片がそこかしこにあり、壊れた家具は凶器と化し、酷暑の中、異臭がただよい、汚水に混じった菌で破傷風の罹患も確認された。
災害ゴミは、生活再建の大きな妨げになることを実感した。
まずは、仮置き場の確保、大型収集車の配備、その後ゴミを選別、粉砕する2次仮置き場へ、といった一連のスムーズな誘導ができる状況にあるか。地域から広域処理への円滑な移行が効率よい処理につながる。のであり、そのためにあらかじめ策定しておくのが災害廃棄物処理計画である。
しかし、本県においては、31市町が災害廃棄物処理計画の策定がなされていないとのことである。
今年のように台風が続けて上陸したり、長雨による災害が起こることなどは、今後もありうることだ。県は、市町の計画策定支援とともに、市町間、また、災害規模によっては府県間の融通まで含めて準備することが肝要かと思う。
県は27年から3ヵ年にわたって、水害や地震などテーマを設定し、災害廃棄物処理に関する研修を行っている。
これまでの市町職員の参加状況と人材育成、意識啓発などの成果を伺う。
2.カワウ対策について
本県では、平成28年2月にひょうご内水面漁業振興方策を策定し、内水面水産資源の回復、漁場環境の再生に取り組んでいる。生産量はピーク時の2割程度にまで落ち込んではいるものの、最近は下げ止まりの傾向も見られる。これは本県だけではないが、アユ等の稚魚の放流活動に積極的に取り組むなど、各所の努力の成果だと思うのだが、そのような努力を無にする存在の一つがカワウである。カワウは、全国に15万羽も生息するとされ、養殖場の魚や河川で放流後の稚アユ等を大量に捕食するため103億円もの漁業被害が出ているという。本県内にはその内約6千羽がおり、年間約3億7千万円もの被害が出ていると推定されている。年間の生産金額が4億円程度であるから、被害の大きさに驚くほかない。
私が4年ほど前にカワウ被害について、その対応を確認した折には、具体の対策を講じることが難しいとのことであったが、年々増える被害、漁業関係者の悲鳴に近い声もあり、カワウ被害対策協議会が昨年度設置され、被害対策について検討が行われてきた。
しかし、カワウの数は県内の個体数が約6千羽で減少傾向にもないと聞いているため、より一層の対策をとる必要があるのではないだろうか。
空気銃を使用した一斉捕獲やねぐらとなる立木伐採など、新たに取り組まれたカワウ対策の効果について伺う。
3.女性の就農支援について
全国的に農業の担い手確保は課題となっているが、それは本県でも同じである。ひょうご農林水産ビジョン2025を見ても、若者、女性、高齢者などの多様な担い手の確保・育成が農業の競争力強化、持続的発展のための大きなテーマとして設定されている。その中で、私が注目しているのは女性の就農支援のための取組である。
そもそも女性は農業を目指すのか、という疑問を持つ方があるかもしれないが、たとえば、県立農業高校の農業学科の生徒数を見ると、1年生から3年生までの116人の在籍者のうち50人、およそ半数が女子生徒である。特に3年生は39人中22人、実に半数以上となっているなど、農業に魅力を感じている女性は少なくないことがわかる。
本県においても、女性の就農を支援するため、農業分野での女性向け就業応援セミナーや女性農業者ネットワーク交流会、キャリアデザインの形成支援、農業女子との交流会、女性農業者向けの経営力向上研修会等々に取り組まれているが、なかなか新規就農に結びついていない、と聞いている。
私が就農している女性から伺ったところでは、まず、女性が農業分野で起業するのはハードルが高く、どちらかと言うと、法人等への雇用を希望する方が多い反面、人を雇用できるほどの経営体が本県には少ないことが挙げられる。また、農業を基礎から学ぶ環境、それは先程例に挙げた県立農業高校のような学校以外の専門学校などでもよいのだが、それがあまりないことなどが挙げられていた。
つまり、こうした課題を一つ一つクリアしていかなければ、なかなか女性の就農は増えていかないのではないかと考えている。
そこで、まず女性の就農状況を踏まえたこれまでの取組についての認識を伺うとともに、今後、法人経営体の強化や農業を学ぶ場の整備などを含めた総合的な対策の必要性について所見を伺う。