概要議案に対する態度と考え方会派提案の意見書案代表・一般質問討論
|予算特別委員会|

第375回6月定例会6月5日 質疑・質問(代表)

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質 問 日 :令和8年6月5日
代表質問:橋本 成年 議員(ひょうご県民連合)
質問形式:一問一答

1 県財政の構造的な見直しについて
(1)改革を進めるにあたっての基本的な信頼関係の確保について
(2)「投資の意味の解像度を上げる」ための4つの視点について
(3)有識者の意見をどのように反映するのか
2 県営住宅におけるコミュニティ機能の維持について
3 産業廃棄物等の不適正な処理の防止について
4 依存症対策の包括的な推進について
5 在宅療養を支える訪問診療、訪問看護、訪問介護事業者等への駐車禁止規制について

1 県財政の構造的な見直しについて

(1)改革を進めるにあたっての基本的な信頼関係の確保について

 まず、県財政が大変厳しい状況にあるという現実を県民は理解できているだろうか。

 一昨年の知事選において知事はSNSなどを通じて、「改革により県財政は改善している」とPRしておられた。それ故、若者・Z世代応援パッケージのような大きな政策経費や投資的経費を伴う事業にも支持が集まっていたと理解している。また、県庁舎の建て替えをストップさせたことも、そうした「改革イメージ」の形成に一役買っていたと思われる。しかし、県庁舎の建て替えについては既に1・2号館の取り壊しと新庁舎の建設が決まっており、各部局の仮移転も進捗中である。ところが県民の多くは、「新庁舎は結局建てることになり、移転費など含むと現時点の見込みでも810億円程度の費用がかかる」という事実を理解できているだろうか。

 また、昨年2月に公表した令和7年度の県政改革方針の変更案において「令和10年度までの収支不足額は215億円から160億円に改善」とされ、昨年10月に公表した令和6年度決算においても「財政基金に18億円積立て145億円となり約30年ぶりの水準」との表現からは、財政は順調に健全化しているという発信が意図されていたと思われる。そうした中で、県立大学の授業料等無償化を目的とした基金の造成も正当化された側面もなかったか。

 しかし今年の2月に突然、今年度の県政改革方針の変更案において「令和10年度までの収支不足額は160億円から530億円に悪化」、さらには「令和7年度決算で起債許可団体に移行」と公表され衝撃が走る。しかし知事は、記者会見などで「県民生活への影響はない」と繰り返し発信しておられる。

 その状況で、はばタンPay+第5弾について26億円の予算流用による「全員希望口数当選」が知事のSNSから発信された。すでに産業労働常任委員会でも指摘があったが、12月補正予算の審査においては「予算を超える応募があった場合は口数の調整など必要な調整を行う」とされた当局の説明と明らかに矛盾する対応であり、議会の予算議決権を侵しかねない大変憂慮すべき事態である。いくら国の交付金が100%充当され県の実質負担がないとはいえ、流用により、当初の方針であれば他の事業に活用できた26億円の交付金を、はばタンPay+第5弾に充当することは、12月補正予算の議決に際して一切考慮されておらず、制度上、技術的に流用は可能だとしても、予算執行のあり方として、また議会との対話という意味でも不適切と言わざるを得ない。

 そこで、私が最も危惧しているのは、兵庫県政においては「言葉も数字も信用できないのではないか」と、多くの県民に疑われていることである。「想定外の金利上昇」や「想定以上の申し込み」があれば、簡単に前言が翻され、議決を経た予算の説明が反故にされ、健全化しているはずの財政が危機的状況になる。このような現状を知事はどのように認識しておられるのか、また改革をすすめるにあたり、県政への信頼、なかんずく知事の発言への信頼性をどのように担保していこうと考えておられるのか、ご所見を伺う。

(2)「投資の意味の解像度を上げる」ための4つの視点について

 私は、3月の予算特別委員会総括質疑で「投資の意味の解像度を上げる」というテーマで4つの視点を提案した。

 一つには「やむを得ず行う投資」。地域整備事業の進度調整地を県有環境林として取得するなど、財務上の止血のために行ういわば「過去への投資」である。

 二つには、「やめられない投資」。高規格道路など事業が超長期に及ぶため、過去の決定に基づき、あるいは既に事業が進捗しているため、止められなくなったいわば「過去の決定に対する投資」である。

 三つには、「選択できる投資」。施設の更新や建て替え、防災減災対策など比較的短期間で成果が出るため、事業の価値を評価しやすい投資。

 四つには、いわゆる「未来への投資」や「人への投資」。近年は、福祉や教育に係る政策経費も「投資」という言葉で語られることが多いが、これは本来の意味では、投資的経費には含まれない。

 これらの視点がどの程度妥当性を持つかは、専門家の議論にゆだねるとしても、一概に「投資的経費の抑制」というよりも、少なくともこれら4つの視点を前提に議論することで、少しでも解像度を上げて考えることができるのではないか。

 そこで、まず一つめの「過去への投資」だが、これはやらなければ財務上の出血が続くので速やかに実施せねばならない。この点は、進捗が見られることを評価している。

 二つめの「過去の決定に対する投資」は最も議論を要する部分で、これから高規格道路、特に播磨臨海地域道路のように計画段階にある事業については、慎重に進度調整も含めて議論せねばならない。また、我が会派から当初予算の修正案で提案した通り、「コウノトリ但馬空港」RESA対応についても、利用率向上のための補助金をゼロベースで見直したうえで本当に滑走路の拡幅が必要か、再度検討する必要があると考える。また、水素事業のように将来のインフラのあり方を予測してゼロカーボンを目指す取り組みについても、科学的な根拠に基づき計画の妥当性を批判的に検討する必要がある。

 三つめの「選択できる投資」については、今後、投資的経費を抑制するにしても、生活に密着した道路や河川の改修や維持管理こそ、重点的に予算を確保すべきと考える。一方この際、議場の再建こそ再考の余地があるのではないか。県公館での開催には年間1000万円程度の会場設営費が発生するが、財政難のいま、新たな議場の建設を決断するのは順序が異なるのではないか。議会の象徴と言える議場の再建は、県財政の再建が成ったときにこそシンボリックな意味合いを持つと考える。

 このように投資的経費の抑制には限界があり、実質公債費比率を抑えるために必須とはいえ、当面の収支不足額を補うには「投資的経費の抑制」だけでは対応が難しい。そこで安易な策として検討されやすいのが人件費の抑制だが、これは愚策と言わねばならない。というのも、昨今の兵庫県の人材流出や合格者辞退率の上昇に係る報道を見ても、将来の兵庫県を担う優秀な人材の確保のためには、相応の人件費を確保することはむしろ最優先に考えるべきこと。であれば他の県単独事業、例えば「県立大学の授業料等無償化」についても聖域化することなく見直し対象とすべきと考える。

 これからの議論になる部分も多いが、現時点で「投資的経費の抑制」と「政策経費も含めた収支不足の回避」の方向性について、知事のご所見を伺う。

(3)有識者の意見をどのように反映するのか

 今般、「持続可能な財政運営検討会」が設置され、5月29日に一回目の会合が開催された。今後、真摯な議論がなされて、県財政の再建を目指すための有意義な意見が出されることを期待している。そのためにも、県当局も十分に有識者と情報を共有し、なかなか身内には言えない厳しいご意見も率直に受け止めて、現実的かつ有効な公債費負担適正化計画が取りまとめられることを願っている。

 しかしながら、有益な提言があったとしても当局に受け入れられなければ意味がない。厳しいご意見であっても必要な改革であれば実行されるのか、これこそが問われている。例えば、「文書問題に関する第三者調査委員会」には、約3700万円が県費として支出されているが、知事はその報告書の内容を実行に移されたか。研修を受講しただけと言われても反論できないのではないか。

 また、我が会派の前田議員からは、2月議会一般質問でも取り上げられた通り、数々の財政健全化に資する提案がなされてきたが、一部を除いて実現には至っていない。県が保有する不動産や資金の管理について、マーケットに精通したプロに任せるべきではないのかといった助言も、この際真剣に検討してほしい。注目されにくいが、一時借入金利息だけでも年間数十億円が歳出予算に計上されている。一般会計における一時借入金については、県保有の基金からの借り入れが主であり、利息についても県内部で還流していると言えるが、県立病院も含めた公営企業では民間金融機関からの一時借入金も多いと聞く。企業会計での起債や借入れであっても、最終的な責任は県知事にあり、病院が単独で大幅な黒字を計上することも想定しにくいことから、財政再建を考える際には公営企業や外郭団体も含めた広い意味での、県有資産およびキャッシュフローの最適化についても視野に入れる必要がある。

 直視しがたい現実を受け入れて、厳しい意見を大切にしてこそ、本当の信頼が生まれると考える。県財政の再建は、厳しい状況をしっかりと受け止めて、県民に対しても議会に対しても真摯に説明し、理解を求めることでしか実現はおぼつかない。今般の財政運営検討会で知事にとって耳に痛い提言がなされたとき、それをどのように受け入れて県財政の再建を進めるのか、知事の覚悟を伺う。

2 県営住宅におけるコミュニティ機能の維持について

 現在、多くの県営住宅で高齢単身世帯が増加しており、自治会などのコミュニティ活動が難しくなっている。防災の観点から、あるいは平時においても、高齢化が進む県営住宅では「遠くの親戚より近くの他人」の言葉がリアリティをもって響く現状がある。

 例えば、独居の高齢者や障がい者が、住宅内で倒れていたとしても、遠くに住む家族は助けに来られないが、日々顔を合わせている近隣の住人が危機を察知して救助を求める、あるいは指定管理者とも連携して対応に協力する、といった事例は枚挙に暇がないほどである。

 現在は、新規の入居者も独居高齢者の割合が増えている現実があり、若い子育て世代の入居者についてもシングルであったり、共働きであったりしてコミュニティ活動に協力する余裕がない世帯が多い。実際には70代80代の方が主力を担って自治会活動が何とか維持できているというのが実態だろう。

 そうした中で、親と同居している40代50代の居住者は、長く住んでいることも多く、コミュニティの事情にも通じた貴重な人材といえる。だが今、彼らにとって一番の心配は親亡き後の入居承継問題なのだ。

 実際にある事例をご紹介したい。同居する母親の認知機能の衰えが進み、仕事を続けることが難しくなって介護離職を選択した50代の男性がいる。同じ就職氷河期世代としてよくわかるのだが、非正規雇用など厳しい環境で過ごす中で、メンタル不調など様々な要因で親との同居を選択しているケースも多い。いわゆる8050問題の一類型ともいえる。しかし、こういった方も親御さんが亡くなられると、入居承継の条件である①配偶者、②60歳以上の高齢者、③障がい者手帳所持者のいずれかに該当しなければ、一律に退去を迫られる。

 これら3条件は、平成17年の国土交通省住宅局長通知に基づくものであるが、この約20年の間に、高齢化の進展や家族形態の変化、地域コミュニティに対する認識は大きく変化していると考える。

 一方で、震災復興期に整備されたUR借上県営住宅においては、入居後20年を超える継続入居希望者について「UR借上県営住宅継続入居等判定委員会」の審査を経て、個別に継続入居の可否が判断されているとお聞きしている。

 また、令和3年度から12年度の10年間の方向性を示す「ひょうご県営住宅整備・管理計画」には、「入居承継制度の柔軟化」が掲げられている。公営住宅であるからには、現在の入居者だけでなく将来の入居希望者との公平性にも目配りする必要があることは十分理解できるが、国の通知においても「高齢者、障がい者等、特に居住の安定を図る必要がある者」という表現からは、自治体において主体的かつ柔軟に判断することが求められていると考える。

 そこで、この「入居承継制度の柔軟化」について、現代的な課題を踏まえ、従来の承継要件の見直しや弾力的な運用をどのように検討しているのか、知事のご所見を伺う。

3 産業廃棄物等の不適正な処理の防止について

 廃棄物の処理については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」)のほか、県において産業廃棄物等の不適正な処理の防止に関する条例を定め、県内市町や県警とも連携しながら対応している。しかし、法の隙間や組織の盲点をつくような形での不適正な管理が後を絶たず、近隣の住民からの苦情も絶えない。場合によっては、実質的な不法投棄となるばかりか、刑事罰に相当する場合であっても事件化するのに、当局側の時間や手間がかかりすぎるため、業者から足元を見られている実態もあると考える。

 阪神北県民局管内だけでも、不適正な保管事例が20か所以上に及ぶと聞いている。一つ一つの対応に非常に手間がかかるうえ、刑事罰が科されても廃棄物を除去する目的は達成できない可能性があるため、行政指導によって事業者の対応を促すことを優先する取扱いとなっている。マニフェストを提示して、「少量ずつでも搬出する努力をしている」と主張されると、違法性を指摘できない事例もあると聞く。

 現在、環境省においても法改正を準備しており、今国会に廃掃法の改正が上程されている。これは、使用済みの金属やプラスチックの保管や再生を行う事業を県の許可制にするなど、「ヤード」の規制を強化する制度が盛り込まれ、立ち入り検査の権限も県に付与される見込みである。現在、多くの事業者が廃棄物でなく「有価物」として規制の枠外で事業を行っているのに対して、規制の網をかけることになり、一定の効果が見込まれる。しかし、施行までに一定の期間を要すること、また罰則として罰金や拘禁刑が科されるとしても、事件化する労力は同じであり、実効性を担保できるか疑問が残る。

 そこで私は、県当局に行政指導よりも罰則を伴う行政処分を発動しやすくすることで、より主体的に正規の廃棄物処理ルートへと誘導する手段を与える提案をしたい。例えば廃掃法では、産業廃棄物の不適切な保管などの法違反が認められる場合に、行政処分としての改善命令を行うことができるが、その改善命令を行う判断基準を明確化し、速やかに命令できるようにすれば、県当局の対応が強い実効性を発揮するのではないかと考える。また、その前段として事業者から報告を求めたり、現地で調査を行うことについても、法に基づく立入検査や、行政処分としての報告徴収をより積極的に活用し、強い行政意思を示す必要があるのではないか。

 本来、廃棄物処理に関する事業は、適切なルートに乗せることで貴重な資源回収の役割を担う静脈産業であり、真っ当に事業を行う事業者を守るためにも、県当局は与えられた権限を最大限に活用し、取り組みの強化が必要不可欠ではないかと考えるが、知事のご所見を伺う。

4 依存症対策の包括的な推進について

 私は、昨年度の兵庫県競馬組合議会の議員に選任され、2月の組合議会において、「兵庫県競馬組合ギャンブル依存症対策推進条例」を議員提案させていただいた。これは、いわゆる公営競技である地方競馬を開催する主体として、競馬組合にはギャンブル依存症に対する一定の責任があるという前提に立ち、組合に対して(1)職員に対する研修の実施、(2)来場者及びインターネット利用者に対する広報啓発、(3)相談窓口に関する情報提供、(4)ギャンブル等依存症の予防及び早期発見に資する環境整備を、主体的かつ積極的に行うことを求め、また構成自治体や関係団体と協力して取り組むことを規定していた。審議の結果は可否同数となり、議長採決で否決されてしまったが、その反対意見の中で「ギャンブル依存症対策の推進は県が取り組むべき課題」というものがあったため、改めて議論を呼びかけたいと思う。

 そんな中で先日、各種依存症者の回復及び社会復帰を支援する一般社団法人神戸ダルクヴィレッジの主催で開かれた依存症セミナーに参加した。薬物依存当事者でもある代表による自らの体験をベースにした講演と、神奈川県立精神医療センター所長の小林桜児(おうじ)先生による「愛着障害と依存症」という講演の二本立てで、大変中身の濃いセミナーであった。小林先生によると、依存症の本質は「感情、行動、対人関係の幅広い領域でのコントロール障害」であり、その背景には小児期における逆境(トラウマ)体験と慢性ストレス反応があるとのこと。同センターでの依存症外来初診患者への調査によると、15歳までの小児期逆境体験の有無について、逆境体験ゼロと回答した者の比率がアルコール依存では16.5%、ギャンブル依存では11.3%、薬物依存では6.4%であるのに対して、比較対象となる一般住民への調査では逆境体験ゼロが68.1%と明らかに有意な差が見られた。小児期の逆境体験は対人不信を生み、対人不信はストレス対処能力を大幅に損ない、ストレス対処能力が低くなるほど依存症の重症度が上がるという綺麗な相関関係が示された。

 つまり、依存症とは本質的に自己調整機能障害であり、言い換えると「感情の海を上手に泳げない」ことと言える。依存症は溺れかかっている人にとっての浮き輪であり、無理に浮き輪を奪い去っても、近くにあるドラム缶や木片にしがみつくというクロス・アディクションを生み出す。そこで、依存症者への回復支援で重要なことはトラウマインフォームドケア、つまり逆境体験に気付き、理解し、安心と安全と納得性を確保しながら対応し、自己決定権を尊重しつつ回復を信じて見守るという、とても息長く、手間暇のかかるケアの実践なのだと説明された。いわば「感情の海の泳ぎ方」をゼロから学ぶプロセスに同伴するということである。

 県では、神戸市と共同で「ひょうご・こうべ依存症対策センター」を兵庫県精神保健福祉センター内に設け、総合的な依存症への相談対応や学習会の開催、支援者のネットワークづくりなどに取り組んでいる。とても素晴らしい取り組みだと思う。一方で、やはり手間暇のかかる医療であることから、精神医療の現場で依存症者の受け入れが進んでいるとは言い難い。

 また、現状ではアルコール依存、ギャンブル依存、薬物依存への対策は、それぞれアルコール健康障害対策基本法、ギャンブル等依存症対策基本法、麻薬及び向精神薬取締法や覚醒剤取締法といった具合に根拠法が分かれており、ゲーム依存、摂食障害や自傷行為などについてはこれらを直接の対象とする個別の法律は整備されておらず、主として精神保健福祉施策の中で対応が図られているのが現状である。一方で県において関連する部局も、保健医療部、福祉部、県民生活部、県警本部という広範囲にまたがっているうえに、予算措置も限られることから十分かつ包括的な支援体制が構築されているとは言えない。このため、包括的な依存症対策を進めるために条例を制定すべきではないかと考えるが、ご所見を伺う。

 さらに、依存症は、当事者と家族や関係者の人生に大きな影響を及ぼすだけでなく、犯罪や経済的な困窮といった社会問題をもたらす複合的な課題である。またお隣の大阪で、IRの稼働が目前に迫り、ギャンブル依存症対策の更なる推進も待ったなしの状況である。そして付言すべきは、競馬組合の構成団体として県には一定の責任がある、ということも忘れてはならない。近年では10億円以上になる競馬組合からの配分金の一部を、依存症に取り組む関係機関への支援などの財源とすることも含めて、ご所見を伺う。

5 在宅療養を支える訪問診療、訪問看護、訪問介護事業者等への駐車禁止規制について

 超高齢社会を迎え、入院や施設入所ではなく、在宅で療養生活を送り、あるいは終末期を迎える方も増えつつあると認識している。また、認知症があっても可能な限り、住み慣れた地域で生活できるように支えていくことが地域包括ケアの基本的な考え方だと理解している。

 しかしながら、そのような地域で療養生活や終末期を迎える高齢者等を支える医療介護人材は不足しており、更なる経営の効率化や生産性の向上が求められている。病院や施設での医療や介護とは異なり、それぞれの生活の場へ出向く在宅療養への支援については、自動車や二輪車での移動が必須となっており、住宅街の中など近隣で駐車場が確保できない場合も多い実態がある。

 そうした中で、現在は訪問診療に携わる医師や訪問看護に携わる看護師について、緊急時については「駐車禁止除外」の取り扱いが可能であり、ケアマネージャーやヘルパーも含めて緊急時以外は事前に「駐車許可」を申請することで、駐車禁止規制場所での駐車が許可される運用だとお聞きしている。

 また、同様の駐車禁止除外および駐車許可の取り扱いは、物流に携わるトラック運送や宅配事業者でも課題と認識されている。

 一方で、従来は兵庫県道路交通法施行細則の規定により認められていた「許可期間が7日未満の申請」について口頭での申告も可能であった取り扱いは、昨年11月に廃止され、各警察署の取り扱いを統一することも含めて、全国的に申請書の様式が統一されていると聞いている。これは許可申請のオンライン化が進められていることを背景にしているとのことだが、現時点ではオンライン申請は県内でも相当程度に普及しているのだろうか。

 令和6年6月21日付で閣議決定された「規制改革実施計画」には、「訪問診療等の用に供する車両に対する駐車許可に関し、令和7年3月31日付警察庁交通局交通規制課長の通達「駐車許可の運用の見直しにおける留意点について」に基づき、駐車日時については「訪問診療等事業所の業務時間内及び緊急訪問時」とし、また駐車場所については、申請に係る訪問先を特定した上で「訪問先付近」とするといった「ある程度柔軟に駐車場所を選択できるよう配慮すること。」との記載もあるが、実際にはピンポイントでの駐車場所や訪問時間の指定を求められ、認められないケースも多いとの声も寄せられている。

 駐車禁止除外については、一定の制限がなければ緊急時以外にもオールマイティで路上駐車されてしまうなど、悪用される恐れがあるとの認識も理解できる。一方で、ケアマネージャーなど介護事業者についても契約前の相談時など許可申請の暇がない緊急時に準じる事例は日常的に発生しており、介護事業者への対象拡大も検討課題と考える。

 以上、デジタル化によるオンライン申請への対応と全国的な様式や基準統一化の要請があり、一方で現場の警察署では道路事情などの地域特性の兼ね合いから、様々に複雑な要因があることは理解できるが、超高齢社会を支えるインフラである医療・介護事業者および物流事業者の生産性向上と処遇改善にも繋がるテーマであり、福祉的および経済的な観点からの検討も必要と考えるが、県警本部長のご所見を伺う。