概要議案に対する態度と考え方会派提案の意見書案代表・一般質問討論
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<第375回6月定例会6月11日 委員長報告、討論<北上議員部分06:04~20:15>、表決
兵庫県議会 議会中継 – 発言内容

第65号議案「令和8年度兵庫県一般会計補正予算(第1号)」の賛成討論及び第67号議案「知事及び副知事の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例」に係る継続及び条例案への反対討論

質問日:令和8年6月11日
質問者:北上 あきひと 議員(ひょうご県民連合)

第65号議案 令和8年度兵庫県一般会計補正予算(第1号)の賛成討論

第67号議案 知事及び副知事の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例の継続審議及び条例案への反対討論

第65号議案 令和8年度兵庫県一般会計補正予算(第1号)の賛成討論

 会派を代表し、ただいま上程中の議案のうち、第65号議案 令和8年度兵庫県一般会計補正予算(第1号)に賛成の立場から、また、第67号議案 知事及び副知事の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例については、継続審議及び条例案に反対の立場で討論いたします。

 先ず「第65号議案令和8年度兵庫県一般会計補正予算(第1号)」についてであります。
 今回の補正は、国による緊急経済対策が主な内容です。我が会派は物価高騰や様々な物資の供給不足への対策を講じることは喫緊の課題であり、県民生活や事業者の経営を支える施策が的確且つ充分に展開されなくてはならないと考えるところであります。よって、本議案には賛成をいたます。

 しかし、その一部に「はばタンPay(第5弾)」の予算に係る財源更正が含まれていることから、議会制民主主義や財政規律、運用の面から苦言を呈さざるを得ません。
 昨年12月議会における「はばタンPay(第5弾)」の補正予算額は102億85百万円であり、その枠内での執行を前提に議会は議決をしました。しかし、見込よりも多くの応募があり、県当局の判断で全員当選としたことにより、26億15百万円の不足が生じ、その不足額を(目)商業振興費、(節)貸付金から目間流用・専決したために、財源更正の必要が生じています。

 「はばタンPay(第5弾)」については、12月議会での提案説明においても、県民への募集の周知においても、応募口数がオーバーした場合は、当選者毎の口数を抽選によって調整し、あくまで予算の範囲内で行うとしていたにも関わらず、全員希望口数当選に急遽変更をされました。透明性や公正性が求められる県の施策執行において、俄かにルール変更がなされたことには、強い違和感を抱かざるを得ません。


 当該対応は確かに制度的技術的には許容されるものの、誰もが納得できる大義もないままに26億円強の流用・専決処分が行われたことは、議会制民主主義を形骸化する行為です。本年2月議会において、議員提案で、工事請負契約の変更について、その契約の1割を超えない範囲で可能とすることを知事の専決処分事項に追加指定した経緯があります。工事請負契約と今回の事案とは同質ではないものの、専決処分について、これまで当局と議会は互いの役割を理解し尊重したうえで、財政民主主義の観点から敢えて厳しい枷をかけてきたのではないでしょうか。

 本年4月16日の産業労働常任委員会で、当該対応について地域経済課長は「大変イレギュラーな形にはなるが、予算の流用をし、補正予算で財源の更正ということで対応したい」と述べられ、部長は「本当にこれが例外であると認識している」「あくまで例外であり、しっかりと議会の予算審議、議決を重視するというのは本当に大前提である」と答弁されました。しかし、本年6月5日の本会議において、我が会派の橋本なるとし議員の代表質問に対して知事は「制度上、流用は一定認められている」「金額的には大きいけれども、私としては正しい判断だと思う」「同じような状況であれば、同じように判断させていただきたい」と、真逆ともとれる発言されました。県の予算であるからには、たとえ確定した不用額であっても、知事及び県当局の裁量で自由に流用できるものではなく、自然災害の発生や感染症の蔓延等の緊急性のある特例を除いては、その扱いは議会での議決を経ることが原則であり、それが財政民主主義だと考えます。知事は選挙で選ばれた政治家です。本来ならば、民主主義を体現するべき立場にある知事こそが、制度上の瑕疵の有無にのみこだわるのではなく、二元代表制、議会制民主主義の原則に基づいた大局的な答弁をしていただきたいと願うところです。

 これまで、不用額については一年分をまとめて2月議会で補正をしてきました。制度上許容されることを理由に、同様の予算流用を繰り返す方針であるならば、その在り方を根本的に見直さざるを得ません。

 加えて、本年4月15日の記者会見において知事は、今回の流用・専決について「議会の理解を得た」と述べられましたが、これは事実とは異なります。県民をミスリードする不誠実な発言であり、看過することは出来ません。議員への何らかの事前説明があったとしても、それは議案の内容や当局の意図を議員が正確に理解し、議会での審議をより充実し、適切な議決・承認に寄与するためのものです。言うまでもなく、議案の事前審査は許されません。
 我が会派と致しては、補正予算案に賛成するものの、知事・県当局におかれては、只今指摘した点について真摯に省みていただきたいと存じます。

第67号議案 知事及び副知事の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例の継続審議及び条例案への反対討論

 次に第67号議案「知事及び副知事の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例」について継続審議及び条例案に反対する理由を申し述べます。
 当該議案は、県が設置した二つの第三者調査委員会において、県保有文書がインターネット等に漏洩したことや県幹部職員が秘密漏えいを行ったことが認定されたため、保有文書を適正に管理するべき立場にある組織の長としての責任を取り、知事の給料月額の減額割合を3ヶ月間、現行の30%から50%にするために所要の整備を行うものです。
 同様の議案は昨年6月議会に初めて提案され、3度の継続審議、本年2月議会での取り下げを経て、今回、知事一人を対象として改めて提案されました。これまで継続審議とされてきた理由は、知事の管理・監督責任を問うだけの内容で、第三者委員会で指摘された、情報漏えいへの知事の関与が何ら問われていないこと、知事の説明責任が果たされていないこと等であります。

 知事が問われるべきは、組織の長としての管理監督責任に留まりません。第三者調査委員会報告書において「当時の総務部長が、元県民局長の私的情報を漏えい」したことが認定され、当該部長は「知事の指示と同調する前副知事の指示により、前県民局長の私的情報を漏えいした可能性が高い」と結論付けられました。このことこそが、県政崩壊すら招きかねない核心的な問題です。
 県は昨年5月27日、第三者委員会の報告書を踏まえて、当該部長を停職3ヶ月の懲戒処分にしました。「懲戒処分指針」では「職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職又は停職とする。この場合において、自己の不正な利益を図る目的で秘密を漏らした職員は、免職とする」と規定されているものの、県当局の説明によると、当該部長が「知事から漏えいの指示があったと信じていた」ことを考慮し「停職3ヶ月」にしたとのことであります。よって、この懲戒処分と当該議案とに整合性は無く、その矛盾は明らかです。
 昨年8月18日に開催された総務常任委員会において、県当局は「ミスコミュニケーション」との言葉を用いて、あたかも知事が個人情報漏えいの「指示を行っていない」のに当該部長と当時の副知事及び理事が「指示があった」と信じたかのような見解を示しました。しかし第三者委員会報告書は、知事の「指示したことはない」との発言は「採用することが困難」と信用性を明確に否定しているのです。

 第三者委員会の要綱には「公平かつ中立な観点から専門的な知見を持つ第三者による客観的な調査等を実施する」と定められています。県当局が第三者委員会の報告書を恣意的に扱うならば、本県は公平性も中立性も客観性もが失われた自治体となり、県民からの信頼を決定的に失うでしょう。そして日本社会における第三者委員会制度の意義そのものを棄損することに繋がります。
 第三者調査委員会で委員長を務めた工藤涼二弁護士は、各地の地裁や高裁で裁判官を務めてこられた方でありますが、報告書公表後のインタビューで「知事の指示」について「報告書で断定はしなかったが、元裁判官の経験から民事の判決だったら10割認定してもおかしくなかった」「県が内部調査をしても部下が上司を調べることは難しいということで、県から委託された。何の利害関係もない我々が、十分な時間をかけて調査した結果。尊重していただけなければ、制度として意味がなくなる」と述べておられるのです。

 本年3月27日、神戸地検は、係る事案において地方公務員法守秘義務違反容疑で書類送検された当該部長について、漏洩行為があったことを認定した上で、諸般の事情を考慮し起訴猶予処分としました。また、当該部長に漏えいを命じたり唆したりしたとして同法違反容疑で告発された知事については、「嫌疑不十分」を理由に不起訴処分としました。よって、知事の容疑について、司法の場での真相解明や審判は差し当たっては無くなった訳であります。だからこそ、知事には法廷以外の場において県民への然るべき説明責任を果たすことが、いよいよ迫られているのです。また我々県議会においては、一連の問題への責任追及が一層強く求められていると考えます。

 「個人情報漏えいに知事の指示があった可能性が高い」との指摘は、知事と政治的に対立する者が針小棒大に騒ぎ立てる噂話の類ではなく、知事が承認し県が公費をかけて設置した第三者委員会が調査を経て導き出した結論です。報告書の公表から一年以上が経過しましたが、その結論の重みや事柄の深刻さは、時間の経過とともに薄れていくものでは決してありません。 
 知事は、第三者委員会の調査結果について、言葉では「真摯に受け止める」と言いながら、実際には、ご自分にとって都合の悪い指摘に対しては、それがまるでなかったかのような態度に終始し、説明責任すら果たしておられないのではないでしょうか。知事が、県民の膨大な個人情報を取扱う県政トップを続けるおつもりならば、それに適う振る舞いが当然に求められます。知事給与月額の減額割合を引き上げることによって問題の幕引きを図ることは到底許されず、第67号議案には反対するものです。

 私たち議員には、県民からの県政への信頼を回復すること、また県職員が住民福祉の向上に専念専心できる環境を醸成することが、使命として課せられています。この2年余の一連の状況に鑑みれば、県政正常化への道のりは、険しく困難なものだと感じざるを得ません。しかし、徒労感や虚しさに苛まれて、沈黙したり筋を違えることは、許されないと考えます。ひょうご県民連合議員団は、あらゆる機会を通じて真相解明を図り、法秩序と社会正義が通用する真っ当な県政を築くために、全力を尽くす決意を表明し討論といたします。