第308回2月定例会 予算特別委員会質問(企画県民部2)
2011年3月2日(水)
1 パワーハラスメントの防止対策について
昔から「いじめ」「嫌がらせ」の問題は、人の集まるところや組織の存在するところ、洋の東西を問わず、また内容やことの大小如何にかかわらず、何らかの形で存在してきました。
古い話で恐縮ですが、私自身、昔県職員の時代に身をもって体験してきたこともあり、実際その立場に直面したときの深刻さは、人権や健康面への問題のみならず、執務環境の悪化や業務遂行への悪影響等、はかり知れないものがあります。
それ以降、県議会に出てからも、直接・間接に関心を持つとともに、関わりをもってきた課題でありましたが、平成19年度に人事院が実施した調査で、国家公務員の苦情相談のうち、パワハラに関するものが全体の約10%を占めていた実態等を踏まえて、この課題は社会問題としての対応が求められるようになっていました。
そのような中、本県では平成21年2月に全国的にも比較的早く、パワハラに特化した指針を作成し、県庁内の各部局課室長と各地方機関の長あてに防止に向けた取り組みの徹底を図るよう通知が出されました。
当時、取り組み指針の作成の早さには敬意を表するとともに、その機能が充分発揮されることを期待したところでありました。
指針が出されて約2年弱が経過し、その後の実態を把握したいと思っていた矢先に起きた今回の県幹部によるパワハラ事件については、私の地元住民からも何件かの意見が寄せられましたが、中には昨今の「いじめ」「虐待」等の世相の反映としてとらえた厳しいものもあり、県政に対する県民の信頼を損ないかねない状況を招いたことを残念に思っています。
今回の処分は、県が独自に作成した指針に基づく初めてのケースとなりましが、処分を受けた当事者やその部下にとっても影響が少なくない事案でもあり、指針の取り組みが活かされなかったことの困難さを改めて痛感しています。
また、今回の件は氷山の一角とも見聞されますが、本件を契機に、改めて全庁的な取り組みを進めることや、今後のためにも本件の充分な検証が必要ではないかと考えます。
しかしながら、今後の対策にあたっては、とりわけ管理職に対してパワハラ防止に関する厳格な指示を出すことは重要ではありますがが、一方で、管理職が萎縮してしまい、当たり前の指導すらできなくなるようでは本末転倒でもあり、管理職に対しては、あらためて正当な指導の範囲について共通認識をもつことが必要だと考えます。
そこで、取り組み指針が作成されながら、何故未然防止ができなかったか、当事者の上司はどのように認識していたのか、パワハラに対して周辺職員や上司はどう対処していたのかといった実情の確認とともに、問題の本質を踏まえた今後の取り組みについての所見を伺います。