議会の動き

前田ともき議員が質問(予算審査・健康福祉部)を実施

予算特別委員会質問(健康福祉部)

平成25年3月7日(木)

1 兵庫県健康増進計画の評価と今後の取り組み方針

国民の健康の増進の総合的な推進を図るための指針が昨年7月に示された。いわゆる、健康日本21の第二次版である。高齢化社会による社会保障費の増大が進む中で、これからの10年間にわたって取り組んでいく非常に重要な指針であり、それに対応して兵庫県健康増進計画の次期計画の策定も最終段階に入っていると思う。北浜委員の質疑でPDCAはどの部局がしているのかという指摘があった。我々議会もその一翼を担っていると思う。そこで、まずはこれまでの本計画のC、チェックをさせていただきます。

(1)本年3月で12か年計画が終了する、兵庫県健康増進計画の取り組みをどう評価しているのか。

(2)110指標のうち約1/3が悪化となったが、その主な指標と要因分析は。また、今後の計画にどのように生かすのか伺う。

2 健康寿命の延伸に向けた取り組み方針

高齢化社会を迎え、今後更なる医療・介護費用の増加が見込まれ、中長期の財政圧迫懸念が高まっている。高齢者の増加に伴い、要介護認定者数は、平成12年218万人から平成23年508万人と10年で約2倍と大幅に増加した。

介護給付に対する県費負担の推移は平成19年度403億円、平成23年度490億円と4年で80億以上増加、医療給付に対する県費負担の推移は国保と後期高齢者の総計で平成20年度761億円から平成23年度は919億円と158億円増加した。

介護・医療費の削減・効率化には在宅化やジェネリックなど多くの議論・対策がなされているが、最善の削減策は介護・医療の世話にならない時期を伸ばすこと、すなわち健康寿命の延伸である。

国立社会保障・人口問題研究所

「日本の将来推計人口」によると、将来推計で2060年の平均寿命が男性84歳、女性90歳と現状から4歳程度伸びる予想がされる中、平均寿命の増加分を上回る健康寿命の延伸が、逼迫する財政と高齢者社会を迎え、更に増加する社会保障費を賄うためには重要な課題である。

また、社会保障費抑制の観点のみならず、ご本人のQOL向上や年間14万人以上とされる家族介護を理由とした離職や老老介護を防ぐためにも、重要な観点である。

(1)健康寿命1位を目指すべきでは?どのような方法で健康寿命の延伸を図っていくのか。

(2)健康寿命延伸によるコスト削減効果を明示し、積極的な予算投入を図るべきではないか。

3 ロコモ運動の推進

健康寿命の延伸の対策としては、従来はメタボや認知症対策が中心であった。

今回は新しく、ロコモ対策の強化を提案したい。

ロコモとは、ロコモティブシンドローム、運動器症候群とも称される、日本整形外科学会が2007年に提唱した概念。定義は運動器の障害により、要介護になるリスクの高い状態とし、トイレや入浴など日常生活動作が一人でできるかがどうかが重要な点です。

厚生労働省の平成22年度「国民生活基礎調査」によると、介護が必要になった理由の1位は脳卒中、2位が認知症、3位が高齢による衰弱とくるが、4位関節疾患と5位骨折・転倒は運動器、すなわちロコモに関連するものであり、合計すると21.1%。1位21.5%に迫る要因であり、早急な対策が必要です。

ロコモは筋量・神経活動の低下、骨量の低下、関節・軟骨の低下が原因とされ、骨粗しょう症や変形性関節症などが疾患です。東京大学22世紀医療センター調査によるとその推計人口は4700万人。高血圧の4000万人、糖尿病の2210万人、メタボの1400万人を超える、隠れた国民病ともいれる状況です。しかし、認知度は17%とメタボの認知度9割と比較すると非常に低く、ロコモの危険性の認識や日々の生活で実行可能なロコモ対策が適切に行われていない可能性が極めて高い。

(1)・ロコモに対する現状認識と今後の対応方針は

4 医療費適正化計画の評価と今後の取り組み方針

国民医療費は平成元年の19.7兆円から平成22年の37.4兆円とおよそ2倍に増加し、国民所得に対する比率も6.1%から10.7%と負担感は増大。本格的な高齢化社会を迎え、先ほど申し上げた介護・医療の予防も大切だが、医療費自体の効率化も喫緊の課題。

医療費の問題はどこの都道府県も大した差異は無い、と思いきや。一人あたりの医療費で1位高知県39万円、47位千葉県24万円と約6割も違い、兵庫県は26位の30万円となっている。

原因はいろいろあろうが、取り組み次第では1人あたりの医療費削減も十分に可能であるという証左であると思う。

(1)平成25年3月で5か年計画が終了する、兵庫県の医療費適正化計画の評価は。

(2)第二期の医療費適正化計画をどのような方針で取り組むのか。

(3)目標に関して、平成29 年度全保険者が差額通知を実施とあるが、前倒し実現すべきでは?呉市や協会けんぽでは多くの成果をあげている。逆に2年でできない要因はなにか。また、政府は後発医薬品の安心使用促進のためのアクションプログラム目標H24で30%としていた。ジェネリック数量シェアの目標値を再度設定すべきではないか?