|概要|議案に対する態度と考え方|会派提案の意見書案|代表・一般質問|討論
|予算特別委員会|
委 員 中田 英一 議員(三田市)
理 事 橋本 成年 議員(宝塚市)
中田 英一 議員
財政状況 | 総務部・財務部・危機管理部 | 福祉部 | 保健医療部 |
橋本 成年 議員
企画部・県民生活部・部外局 | 産業労働部 | 公安委員会 |
<中田 英一 議員>
●財政状況
令和8年度予算特別委員会3月5日 財政状況
1 予算編成にあたっての知事との意思疎通について
2 金利上昇による財政圧迫の影響について
3 有識者検討会と事務事業見直しについて
4 投資事業の抑制について
(1)類似団体との比較について
(2)今後の投資事業の見直しについて
全文
令和8年度予算特別委員会 財政状況
質問日 令和8年3月5日(木)
質問者 中田 英一 委員(ひょうご県民連合)
1 予算編成にあたっての知事との意思疎通について (財政課(予算))
今日から始まる令和8年度の予算審議にあたり、ご答弁いただくのは、知事ではなく職員の皆様であります。記者会見や議会などで、知事が政策の詳細 まで把握されていなかったり、ご自身の思いや判断が県の判断と同義であると考えられているのではないかと感じる場面が散見されたりしますが、もしも 後からここでの答弁がひっくり返されるようなことがあっては、この場の正当性が失われることとなってしまいます。
今回の予算編成は、衆議院の解散・新政権の発足と重なり激動・混乱の さなかであったと思われますが、金利上昇によって県財政が厳しくなるこの 局面での、特に重要な予算審議に入る前提として、当局の皆さまが知事と密接な意思疎通を図ることができているか、確認させてください。
2 金利上昇による財政圧迫の影響について (財政課(財政企画))
先日の代表質問でわが会派の上野議員からも質問させていただきましたが、令和8年度予算案では、この間やっとの思いで令和7年度見込み236億円 まで積み上げた財政基金のうち、半分以上にあたる129億円を繰り入れる こととされています。
「ここが一番の正念場」と捉え、令和8年度以降の見通しに確実性が あれば、問題はないかとも思われますが、変更された県政改革方針の財政 フレームでは、令和10年度までの収支不足額は変更前の160億円から530 億円まで悪化しており、さらに令和11年度以降については、毎年約300億円の収支不足が見込まれるなど大変厳しい状況が続く見込みとなっており、 残った100億円程度の基金ではとても対応できる状況にありません。
さらに、令和8年度予算案の背景には、財政悪化の主な要因である長期 金利利率の上昇について過去投影ケースを用い、令和8年度2.3%をピークに下降するという試算がありますが、財務省の最新の試算で国債の利払い費に関して想定金利が2.1%から3%へ大幅に引き上げられている例を示し、 この試算の危険性を代表質問で指摘しましたが、知事答弁では、他の「成長移行ケース」や「成長実現ケース」で試算するより70億円程度不利な算定になること等を理由に、手堅い指標であるとの見解が示されました。
過去投影ケースは、過去の経済成長率や物価上昇率を基にしたシナリオで、経済の成長が過去の平均並み(実質経済成長率で0%台半ば)で推移するという仮定に立っていますが、これまでの金利上昇に経済成長が追い付いて こないような場合には、結果は大きくずれる恐れがあります。
収支・指標ともに昨年から大幅に悪化という予見できなかった状況に直面しているにも関わらず、今回の試算を手堅いと評価して本当に大丈夫なのでしょうか。
「22年ぶりに基金取り崩し」や「14年ぶりに起債許可団体へ転落」と県 財政の悪化を知らせるニュースに、県民が大きな不安と危機感を抱いているなかで、財政の見通しが厳しいとしながらも、基金を大幅に取り崩す予算 編成になっている点に違和感を感じています。
そこで、この金利上昇局面における県財政への圧迫をどのように評価 されているのでしょうか。合わせて、財政フレームに示されている試算 よりも収支・指標が悪化する危険性をどのように捉えておられるのか、当局の所見を伺います。
3 有識者検討会と事務事業見直しについて(財政課(財政企画)、県政改革課)
先日の答弁のなかで、知事は「これから事務事業の見直しにあたって、有識者の検討会でこれまでの県財政を検証もいただきながら方向性を見い出す」との認識を示されましたが、ここにも違和感を覚えました。
まずは、来年度1年間をかけて検討してから、見直しにあたるという スピード感から危機感が見えないということです。
そして、金利や経済動向については専門の有識者に頼るとしても、財政や 現場の事務事業については知事当局の皆様が専門家であり、ましてや 改革派を掲げられる知事の県政としては、スピード感と責任感ある決断が求められるタイミングではないでしょうか。
この対応を見ると、県立大の無償化などビルド予算にはスピード感をもって実行されたけれど、批判の矛先となり得るスクラップに関しては他者に責任をゆだねる姿勢、そのために基金を大幅に取り崩す予算になっているともとられかねないのではないでしょうか。
そこで、有識者検討会の内容と事務事業見直しとの関係や、スピード感に ついてご所見を伺います。
4 投資事業の抑制について (財政課(財政企画))
(1)類似団体との比較について
投資事業の抑制に関して、知事は2月12日の記者会見で、本県の投資 規模について埼玉県・千葉県・静岡県・愛知県・京都府・広島県・福岡県の7府県を挙げて類似団体とし、そことの比較で投資規模が大きかった ためこれから検証すると説明されていますが、逆にこれまでの予算編成 では意識されていなかったということに驚きました。
先の一般質問でも指摘されていましたが、私の認識でも、日本海から 瀬戸内海まで広大な自然を有する本県は、これら7府県と比べ河川や道路の総延長も長く、県土や県民生活のために同水準で整備しようとする ならば他より費用がかさむものと理解してきたからです。
当局として、どのような基準でこれらの府県と比較を行い、どの程度の水準が妥当であるとお考えなのか、ご所見を伺います
(2)今後の投資事業の見直しについて
兵庫県では、これまで重ねて行財政改革を行い、先の行革では職員定数を3割削減するなど、県職員や県民のご理解とご協力を得て11年間で1兆3千億円の収支改善を達成しました。
齋藤知事になってからも、依然として厳しい財政状況を踏まえ、2022年~2028年で約1,300億円の歳出削減を目指し、行財政改革に取り組まれてきましたが、この状況でさらなる歳出削減は避けられないものと考えます。
とはいえ、一般事務事業の大きな削減は現実的ではなく、投資事業を 中心に考えなければならないのではないでしょうか。
投資事業は、金額も大きく、この削減に着手できれば、県民の日常生活に直結するような事業についてはある程度水準を維持することもできると考えられます。
また、収支不足への対応が遅れるということは、その分将来世代へツケを回す借金、すなわち県債発行が増加するということであり、若者世代を応援する県の姿勢にもそぐわないこととなります。
先の代表質問でも、そしてこれまでからも我が会派が主張してきましたように、県庁舎の建て替え事業のさらなる見直し、こうのとり但馬空港や高規格道路整備事業の一部を凍結するというような大鉈をふるう覚悟が 必要であり、そのタイミングにあると考えますが、投資的経費の考え方について、当局のご所見を伺います。
●総務部・財務部・危機管理部
令和8年度予算特別委員会3月6日 総務部、財務部、危機管理部、企画部、県民生活部、部外局
1 公益通報者保護法における公益通報事案への対応について
2 パブリシティ活動の強化について
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【総務部・財務部・危機管理部】
質問日 令和8年3月6日(金)
質問者 中田 英一 委員(ひょうご県民連合)
1 公益通報者保護法における公益通報事案への対応について
令和8年度予算において、公益通報者保護法の施行事務を実施するため、196.2万円を計上し公益通報に関して、内部窓口および弁護士事務所に委託 して外部窓口を設置するなどの事務執行を予定されています。
ところが、本県は公益通報者保護法に関して、昨年、元西播磨県民局長の告発に関して自ら設置した第三者調査委員会の報告書で、公益通報者保護法 違反と認定されたにもかかわらず、この結論を否定し今なお適法性を主張するという異常事態にあります。
当初は、「公益通報であっても3号通報に体制整備義務は適用されないという専門家の意見もある」とし、公益通報に該当することは認めたうえで、通報者の探索行為および処分が3号通報には該当しないため、違法ではないと解釈しているように思えましたが、消費者庁からの技術的助言を受けるなどするなかで、「真実相当性の立証が伴わない限り、誹謗中傷性の高い文書として公益通報に該当しない」、すなわち「真実相当性の要件に欠ける」という立場に 立っていると思われます。
兵庫県は「権限を有する行政機関」に該当することから、いわゆる2号通報の通報先ともなっており、2号通報の保護要件としても3号通報と同様「真実相当性」が求められる場合もありますが、県がこれをどのように判断するかについては、通報者の明暗を分ける大変重要な点であります。
先の事案では、公益通報の対象でかつ処分権者である知事が「通報内容は真実でないから真実相当性の要件を満たさない」との判断を行っていますが、仮に来年度、県が法令上の処分・勧告等の権限を有し、監督する事業者の従業員から、「ある従業員が社長の法令違反等を告発したが、それを知った社長が虚偽であるから公益通報に該当しないとして、その従業員が処分されたことは、公益通報者保護法違反にあたる」との旨の告発が、2号通報として県に寄せられた場合、どのように判断されるのでしょうか。
通報対象者自身の判断で真実相当性がないと認定されるのであれば、これも公益通報に該当しないことになるのでしょうか。
仮定も含む個別の事案ではありますが、国会を含め日本中を揺るがした重大な事案であり、予算の審議にあたって確認しておくべき重要な点であると考えることから、真実相当性の判断を含め、県が処分・勧告等の権限を持つ所管課にどのような対応を求めていくのか、当局の所見を伺います。
2 パブリシティ活動の強化について
来年度、戦略的な広報活動の推進を実施される予定となっていますが、そのうち「パブリシティ活動の強化」について、少し聞きなれない用語ですが、「パブリシティ」すなわち本県の政策や事業など広報したい情報をメディアに提供し、ニュースや記事として無料で報道してもらう広報活動のことかと思いますが、これを強化されるということであります。
言葉には新しい感じがありますが、この活動自体は、従来から県庁内にスペースを提供し、定期的に記者会見を設定することで、各社報道機関に県情報を提供し、長きにわたって広報活動の一端を担って頂いてきたという 実績もあります。
ところが、この間、記者会見での質疑応答について議論がかみ合わない場面が生じ、それが県民の目に入ることで、予期していない本県のイメージを発信してしまうという状況が生じてしまっているのではないかと危惧しています。
そのような中で示された当該事業の説明では、記者会見のほか、会議や視察などの積極公開、取材への積極対応などによって各種メディアとの信頼関係を構築するとあり、期待をしているところであります。
そこで、当該事業に込められた思いと、現状を踏まえた取組み内容について、当局のご所見をお伺いします。
●福祉部
令和8年度予算特別委員会3月9日 福祉部、保健医療部
1 社会福祉協議会の財政状況と役割について
2 医療的ケア児と家族を支える短期入所・レスパイトケアの確保について
(1)医ケア児等医療提供体制確保事業について
(2)入院医療機関における短期入所のさらなる受け入れ確保について
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【福祉部】
質問日 令和8年3月9日(月)
質問者 中田 英一 委員(ひょうご県民連合)
1 社会福祉協議会の財政状況と役割について (地域福祉課)
社会福祉協議会は、住民や福祉関係者と連携し、地域福祉の推進を担う民間の社会福祉法人で、相談窓口、ボランティア支援、高齢者・障害者支援 などを通じて、誰もが安心して暮らせる「福祉のまちづくり」を推進し、 緊急時の生活支援も行う「地域のコーディネーター」的な存在として、広く公的な役割も担っています。
ところが、令和5年度決算において、県内市町の社会福祉協議会の約70%が赤字状態に陥っており役割の維持はおろか、活動の存続についても危機的な状況に瀕しています。
社会福祉協議会の多くは、介護サービス事業等を展開し、その収益で地域福祉活動や支援等の経費を賄うという構造をとってこられましたが、高齢化や労働人口の減少による人手不足、物価高騰、報酬改定の三重苦などから介護サービス業界全体の業績悪化が深刻で、東京商工リサーチによると2024年から2025年にかけて倒産件数は過去最多を更新し続けているとのことです。
さらには、ボランティアや寄付といった善意の選択先も多様化し、自治体からの財政支援も減少傾向にあるなど様々な要因がこの状況に拍車をかけています。
各社協では組織基盤強化計画等を策定しコストカットや、ボランティア・寄付の募集、企業連携のなど新たな可能性の模索など、創意工夫を凝らして経営改善に努めていますが、財政基盤の脆弱化には歯止めがかからない状況です。
本県も県社会福祉協議会に「日常生活自立支援事業」(高齢者・障害者支援)など、地域福祉の向上に向けた多様な事業に対する補助を行っていますが、人件費や物価高騰も十分に反映できておらず、社協組織の弱体化によって こうした事業が成り立たなくなってしまう恐れもあります。
そこで、社会福祉協議会の地域福祉活動の在り方や果たしてきた役割についてどのように評価され、この先を見通されているのか、当局のご所見を 伺います。
2 医療的ケア児と家族を支える短期入所・レスパイトケアの確保について
(1)医ケア児等医療提供体制確保事業について (ユニバーサル推進課)
医ケア児とその家族を取り巻く環境の整備については、令和3年、国や自治体の責務に家族の支援も定めた「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が成立しましたが、昨年1月、自宅で医療的ケア児の長女(当時7歳)の人工呼吸器を外して殺害したとして、殺人罪で母親が逮捕され、懲役3年執行猶予5年の判決が言い渡される事件が発生して しまいました。「結果は重大だが、昼夜を問わない介護を5年以上続け、疲労の蓄積は察するに余りある」との裁判長の言葉が示すように、環境の整備はとても十分なものとはいえません。
そんな中、兵庫県が実施する「医療的ケア児等医療提供体制確保事業」では、済生会兵庫県病院で1床、姫路赤十字病院・加古川中央市民病院と兵庫あおの病院の輪番体制で1床を、通年で確保し短期入所が受けられるようになっていますが、令和8年度からさらに1床拡充する予算を計上 されています。
県下に約1,000人と推定される医ケア児の居場所、家族のレスパイト機会の確保にとって大変喜ばしいものであると評価しています。
この3つのベッドが100%、毎日稼働できるならレスパイト環境整備が推進されることになりますが、実際の稼働率は令和6年度全体で38.2%にとどまると伺いました。
さらに、居住地からの移動距離や日程調整等の障壁を考慮すれば、100%稼働というのは現実的ではありませんが、限られた予算や病院設備・人員のなかで、1日でも稼働を増やす工夫はできないでしょうか。
例えば、現在の制度はいわば病床の買い取りとなっており、稼働実績に関係なく委託費用が支払われているとのことですが、指定している病院のうちで、稼働実績の低い病院から実績や意欲の高い病院へ輪番の回数・比重を移すこと、制度は変えずに稼働率を向上させるといったことも検討すべきと思われますが、増加する1床の活用方法とあわせて、医ケア児と家族の環境整備に関する当局の所見をお伺いします。
(2)入院医療機関における短期入所のさらなる受け入れ確保について
(ユニバーサル推進課)
先の事業に関わらず、県が指定し病床などに空きがあれば医ケア児 および家族のためにレスパイトケアとしての短期入所が利用できる医療 機関のほか医療型障害児入所施設や介護老人保健施設などが県下に19施設あります。
この利用が増えれば、さらに医ケア児をとりまく環境の改善につながると考えますが、短期入所の利用は市町が支給決定し給付費も市町が支払うことから、利用実績について県はデータをもっていないと伺いました。
しかし、指導助言する立場にある県として、各自治体に実績の報告を求め、数値を把握し、これを公開することができれば、少しでも事業者に稼働インセンティブを与えることや、利用者への情報提供として利用の心理的ハードルを引き下げることにつながらないでしょうか。
あるいは、障害福祉サービスの本人負担分全部またはその一部について、福祉事業として予算をあてることができれば、本人負担の軽減にもなるし、事業主体として実績データを収集することとなるため、提案させていただいたような工夫にも挑戦することができると考えることから、各自治体との連携や新たな支援について、当局のご所見を伺います。
●保健医療部
令和8年度予算特別委員会3月10日 産業労働部、労働委員会、公安委員会
1 ドクターヘリの運行について
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【保健医療部】
質問日 令和8年3月9日(月)
質問者 中田 英一 委員(ひょうご県民連合)
1 ドクターヘリの運行について (医務課)
本県も参加する関西広域連合では、合計8機のドクターヘリを運用し、広大な県土のどこでも迅速にかけつけ、いち早く医療を開始、高次医療機関へ搬送することで、救命率の向上や後遺症の軽減につなげるなど、県民の 安心安全にとって非常に重要な位置付けにあります。
ところが、昨年夏頃より運航を委託する学校法人ヒラタ学園(堺市)の整備士不足に伴って、公立豊岡病院(豊岡市)を拠点とするヘリをはじめ各ドクターヘリが、毎月一部の期間を運航休止としています。先月27日にも、3月分の運行休止期間が示され、運休中は近隣のヘリや防災ヘリなどで応援体制を組んでカバーされるということでありますが、県民の安心安全が大きく脅かされることとなっています。
こうした状況下において、関西広域連合は、来年度の運航体制として、一部のドクターヘリで運航委託先を変更するほか、当面運航委託先が決まらないドクターヘリもあると発表していますが、本県を拠点とする2つのドクターヘリの現状と今後の見通しについて、ご所見を伺います。
●環境部
令和8年度予算特別委員会3月11日 農林水産部、環境部
1 栄養塩類増加措置の検証と今後の取り組みについて
2 水素政策について
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【環境部】
質問日 令和8年3月11日(水)
質問者 中田 英一 委員(ひょうご県民連合)
1 栄養塩類増加措置の検証と今後の取り組みについて
昨年末から瀬戸内海でカキの大量へい死が発生しました。
兵庫県は、養殖事業者等への支援を来年度予算にも計上し、その原因究明にも取り組む予定となっています。
自然界がもたらした現象の原因は、海水温の上昇や貧酸素、餌不足、降水量不足による塩分濃度の高まりなどが指摘されているものの、解明される には至っていませんが、原因の分析や対策を試行錯誤しながら、その解明に挑むことは重要であると考えます。
本県では、以前から、瀬戸内海におけるイカナゴ等の不漁や養殖ノリの色落ち被害などの深刻な課題が生じており、その要因のひとつとして、生態系の基盤である植物プランクトンの栄養となる栄養塩類の濃度低下が指摘 されていたことから、2019年に「環境の保全と創造に関する条例」を改正、2022年には「栄養塩類管理計画」を策定し、瀬戸内海の海域における良好な水質を保全し、かつ、豊かな生態系を確保する上で望ましい栄養塩類の海域濃度を定め、その実践として、工場や下水処理場での栄養塩類増加措置やかいぼり、海底耕うん、海域への施肥試験等を行ってきました。
栄養塩類管理計画の策定から3年が経過し、のりの生産量が日本一になる一方で、海域における栄養塩類濃度の数値はあまり上昇が見られないようにも見えますが、これまでの取り組みについての検証、すなわち海域における栄養塩類濃度と漁獲量との因果関係や、懸念されていた栄養塩類濃度の上昇による赤潮被害の状況など、成果と今後の取り組みについて、当局の所見を伺います。
2 水素政策について
兵庫県では、平成31年に当時の企画県民部が「兵庫水素社会推進構想」を策定し、水素を日常生活や産業活動において利活用する「水素社会」の実現に向けて、先導的・網羅的に取り組みを進めてこられ、来年度予算でも中心的な政策の一つとして様々なメニューが計上されています。
2024年に「水素社会推進法」が成立するなど、変化する国の水素政策や社会の動向も踏まえるとして、本年、この構想の改定案を策定されましたが、改訂にあたりこれまでの取り組みについて検証はどのようになされたのでしょうか。
改定案で目につくのは、おそらく「県民の行動変容を促し、取組を一層加速させるために、将来の水素社会の姿を解像度高く示す」目的で、地域別に2050年の生活が水素エネルギーに置き換わっている様子がイラスト入りで紹介されている部分ですが、その多くは水素エネルギーである必要性が感じられないものとなっており、なかば強引に水素エネルギーで代替するための技術を寄せ集めて紹介しているという印象を受けてしまいます。
旧構想には、「燃料電池自動車(FCV)の普及促進」「水素ステーションの整備」「燃料電池(家庭用、業務・産業用)の普及促進」や「県有施設等への燃料電池の積極導入」「水素への理解向上に向けた普及啓発」などが掲げられていましたが、残念ながら十分に普及が進んでいる項目は少ないように 感じます。
その原因は、県民意識や行動変容が起きなかったからではなく、もっと物理的な、原料の調達コストや不確実性、インフラ整備コストなどにあったと考えますが、これらの課題がクリアにされず、また、ここまでの構想が充分に進められていないとしたら、不十分な基礎の上に理想的な水素社会は描けないのではないでしょうか。さらに、県財政の厳しい状況を踏まえれば、その打ち手は段階に分け、効果を見極めたうえで、限定的に出すべきと考えます。
まずは、既に普及が進んでいる電力より優位性のある部分、すなわち高出力性や貯蔵性を活かすことのできる産業分野、エリアも高い需要が見込まれるエリアに限定してスタートすべきと考えます。
たとえば、モビリティ分野においては、家庭用FCVや小型水素ステーションではなく、産業用のトラックやバスに特化するとともに、エリアも高い水素需要が見込まれている播磨~神戸地域に集中し、ある程度インフラの整った段階で、他の地域・分野に応用・展開していくようなことは検討できないでしょうか、当局の所見を伺います。
●土木部
令和8年度予算特別委員会3月12日 土木部、まちづくり部、企業庁
1 コウノトリ但馬空港の整備について
2 高規格道路の整備について
3 新西宮ヨットハーバーのビジターバースの活用について
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【土木部】
質問日 令和8年3月12日(木)
質問者 中田 英一 委員(ひょうご県民連合)
1 コウノトリ但馬空港の整備について
同空港に関連して令和8年度予算案では総額11.6億円、そのうち運航補助、赤字補填に2.95億円、「滑走路端安全区域」通称RESA に対応する用地を拡張するための設計費用として1億円が計上されています。
設計をするということは、当然その先にある工事が前提でありますが、その工事費は令和2年に開催された、コウノトリ但馬空港のあり方懇話会 第1回会議の資料に40億円との試算があり、土木建築費の高騰を考慮すればさらに高額になることが明白な状況となっています。
同空港は本県が誇る城崎温泉街などの観光地に近く、但馬地域の利便性・可能性を高める施設であるということ、これまで長年利用促進の努力を重ねられて、利用者数も徐々に伸びてきたことは認識をしていますが、但馬地域が観光で特に魅力を発揮する冬季は、雪や悪天候の影響で欠航が多くなってしまい、就航率は大きく低下、遠方からの旅行者ということになれば、代替交通手段も乏しく、状況が大きく改善される余地は少ない様にも思えます。
着手期限が令和8年度末に設定されているRESA対応は、本県にとってコウノトリ但馬空港政策の大きなターニングポイントであり、苦渋の決断ではありますが、厳しい本県の財政事情のなかで、一旦立ち止まることを検討するべきではないでしょうか。
また、RESA対応の方法で見れば、座席数の制限は伴いますが、国土交通省の指針によると現在の滑走路内側に安全区域を設定することでも可能であり、必ずしも用地拡張が求められていないというなかで、本当に用地拡張によるRESA対応が最適な手法なのでしょうか。今後の見通しを含めて、当局のご所見を伺います。
2 高規格道路の整備について
本県では「基幹道路八連携軸」と名付けて、長きにわたり県内の高規格道路網の整備に取り組んでこられ、次年度予算でも国直轄事業負担金を除いて総額76億円の関連費用が計上されています。
確かに、本県は、瀬戸内海から日本海まで広大な県土を有し、山間部も多く、県民の移動において道路網の果たす役割は大変大きいと認識しています。
また、臨海地域においては慢性的な交通渋滞が発生し、多くの県民や企業従業員の貴重な時間を奪っている状況があります。
しかし、こうした大事業は、長期に及び、ひとたび着手すれば完成まで黙々と進捗していくという性質があり、費用も膨大になることから、常に検証することが必要であると考えます。
この度、県財政の悪化により財政フレームの修正を提案されていますが、この状況を受けて、基幹道路八連携軸の計画について見直しはなされたのでしょうか。
当局のご所見を伺います。
3 新西宮ヨットハーバーのビジターバースの活用について
次年度予算のなかで、新西宮ヨットハーバーのビジターバースの改良費が計上されています。当局に確認したところ、総事業費は約2億円とのことでした。
昨年度の同施設の売上は、183隻の利用で約650万円ということでありました。本年度は速報値ですでに昨年度売り上げを上回っているということでありますが、1,000万円の売上であったとしても、経費を考慮すれば20年かけて回収できるかどうかという内容であり、現状のビジターバースの規模が必要とは思えません。改良費を抑える方法はなかったのでしょうか。
一方で、本県では「スーパーヨットの誘致」にも取り組まれており、これによりスーパーヨットの停泊が大幅に増加するということを目指しておられるのでしょうか。
ビジターバース使用料については、現在条例で船長に応じた設定がなされていますが、頻度の少ないスーパーヨットのために現状のビジターバース 規模を維持するという想定なのであれば、スーパーヨットの利用料は高く設定すべきとも思えますが、条例改定の検討はなかったのでしょうか。
ついては、新西宮ヨットハーバーのビジターバースの活用について、今後の見通しと現段階の検討状況について、当局のご所見を伺います。
●企業庁
令和8年度予算特別委員会3月13日 教育委員会、病院局
1 株式会社北摂コミュニティ開発センターについて
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【企業庁】
質問日 令和8年3月12日(木)
質問者 中田 英一 委員(ひょうご県民連合)
1 株式会社北摂コミュニティ開発センターについて
県の第3セクターである株式会社北摂コミュニティ開発センターが所有し、イオンリテールに貸与していたテナントビルの老朽化について、交渉の末、同社が敷地を借り、建物を建設して商業施設を継続することを前提に、ビルの解体に踏み切った。
しかし、同社が建設する新たなテナント内に、地元三田市の市民センターを併設する案が浮上し、それが議会で否決されると、同社は出店の可否を含め一旦白紙になるとの説明を三田市に行っている。
当該ビルの解体工事は、見たところ、イオンリテールへの賃貸を前提に 既に完了しており、引き渡し目前となっているが、仮に同社が撤退する場合、解体後に見込んでいた賃料収入が得られず、北摂コミュニティ開発センターには大きな損害が想定されることから、県として同社の動向を把握しているか、ご所見を伺います。
●病院局
1 県立病院の経営状況について
2 県立病院におけるメディカルツーリズムの試みについて
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【病院局】
質問日 令和8年3月13日(金)
質問者 中田 英一 委員(ひょうご県民連合)
1 県立病院の経営状況について
県立病院の使命は、広域自治体立病院として、高度専門・特殊医療を中心とした政策医療の提供と、中核となる医療機関がない地域において地域医療の確保の中心的な役割を担うことであるが、経営責任の明確化と自立性の拡大のため地方公営企業法の適用、すなわち独立採算が掲げられています。
政策医療および地域医療は、民間病院が展開しない、つまり採算が取りにくく赤字となりやすいサービスであるにもかかわらず、経営責任が常に厳しくチェックされるという、半ば矛盾を孕んだような非常に苦しい状況におられると感じています。
そんな中、昨年は第5次病院構造改革推進方策を改定され、政策医療や地域医療への大きな支障を抑えつつ、病床稼働率の改善策など更なる経営の改善に取り組まれています。
しかし、この3月に開催された「第12回地域医療構想及び医療計画等に関する検討会」で、厚生労働省が掲げた、新たな地域医療構想における必要病床数の算出に用いる病床稼働率は、高度急性期79%、急性期84%、回復期89%、慢性期92.5%ですが、高度急性期や急性期を中心とする県立病院は 既にこの水準を超えているのではないかと思います。にもかかわらず、多くの県立病院が赤字想定となっているのは何故なのでしょうか、当局の所見を伺います。
2 県立病院におけるメディカルツーリズムの試みについて
これまで管理者を先頭にムダを徹底的に排してこられた末のこのような 中で、更なる収支改善は困難とも思えますが、ひとつ無謀な提案をさせて下さい。県立病院発のメディカルツーリズムです。
メディカルツーリズム・医療ツーリズムに関しては、兵庫県議会でもたびたび議論に上っていますが、これを県立病院でできないでしょうか。
具体的には、患者数の多さや医師の技術などから、世界的にも高い水準にあるといわれるがん治療や、観光と組み合わせた長期滞在型のリハビリ治療について、それぞれ、県立がんセンターと県立リハビリテーション中央病院で検討できないでしょうか。
がんセンターの病床稼働率は第5次病院構造改革推進方策の令和7年度 想定で約73%であるのに対して、先の構想で示された急性期病院の目標は84%、リハビリテーション中央病院では、第5次病院構造改革推進方策の令和7年度想定で約83%であるのに対して、回復期病床の目標が89%と、県立病院の中でもこの2病院が稼働率想定において水準から大きく水をあけられている状況です。
メディカルツーリズムの問題点として想定される点は、①自由診療患者が優先になる恐れ、②治療費不払いリスク、③外国人患者への対応コストなどが挙げられますが、①の自由診療患者については、県立病院だからこそ、冒頭に掲げた使命が前提にあるからこそ、たとえば病床の10%以内といったルールを定めて厳格に実施することが可能となります。
また、②の治療費不払いリスクについても、公的病院という対外的な信頼性を背景に、治療費の先払い(預り金)制度を採用しやすいと考えます。
③の外国人患者への対応コストについては、慎重なコストと収益の想定をしなければなりませんが、県立病院という強みを活かして、国際交流協会など県関係機関の協力も受けながら進めることができると考えますが、県立病院発メディカルツーリズムの可能性について、当局の所見を伺います。
<橋本 成年 議員>
●企画部・県民生活部・部外局
1 水素社会推進構想について
2 水素社会を目指すための県民の理解促進について
3 ふるさと兵庫「すごいすと」情報発信事業について
4 シビック・リンク・プロジェクトについて
5 大規模災害ボランティア活動応援プロジェクトについて
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【企画部・県民生活部・部外局】
質問日 令和8年3月6日(金)
質問者 橋本 成年 委員(ひょうご県民連合)
1 水素社会推進構想について
水素社会推進構想について、現在は改定案のパブリックコメントが行われていると承知している。今回の改定案は、国における脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給および利用の促進に関する法律(通称:水素社会推進法)の制定など、社会環境の変化に対応して2019年に策定された構想を改定するものだが、改定案を見ると、法に規定する 「低炭素水素等」という用語が、改定案の本文にも記載がない。
用語の定義はとても大切であるし、そもそも水素社会の推進にどのような意義があるのかという根本的な問いを含むもので、なぜ記載がないのかと疑問に思った。
水素は、製造工程によっては低炭素とは言えない可能性もあり、県としても定義をはっきり記載すべきと考えるが、当局の所見を伺う。
2 水素社会を目指すための県民の理解促進について
水素社会を目指すために、県民の理解促進が必要というのは理解できるが、あまり水素エネルギーがあれば夢のようにハッピーというイメージを先行させるのはいかがか。
検討の過程での議論を拝見すると、「ストーリー仕立てで県民の興味を引く」といったコメントもみられたが、検討会構成メンバーにはメディアや広報の専門家が入っていないように見受けられた。主に産業界のメンバーで構成されており、少しバランスが悪いように感じた。
かつて福島第一原発の地元では、「原子力明るい未来のエネルギー」という標語が大きく掲げられていた。水素についても、経済合理性の観点や技術面の実現可能性、Well to Gateの環境負荷についても変動要素が大きく、イメージを先行させるのは抑制的であるべきではないかと考えるが、当局の所見を伺う。
3 ふるさと兵庫「すごいすと」情報発信事業について
ふるさと兵庫「すごいすと」情報発信事業について、これまで200組以上の取組を紹介されている一方で、こうした貴重な人材をどのように活用していくかが肝要であると考える。
実際に「すごいすと」に掲載されている友人から聞くと、交流会のお誘いがあったのは記憶しているが、リアルで参加することは日程的にできなかった、とのこと。SNS上でのグループなどで、それぞれの取組やイベントを紹介し合うコミュニティがあれば、興味があるものに参加したりコミットしたりできるのではないか。
また、本年度より実施しているインターンシップの取組はデジタル社会に生きる若者にとって、地域の課題や魅力を直接に味わうチャンスでもあり、魅力的である。こちらについてもそのようなコミュニティがあれば、気軽に若者を受け入れられると思うが、どうか。インターンシップの成果と併せて当局の所見を伺う。
4 シビック・リンク・プロジェクトについて
阪神・淡路大震災をきっかけとして、多くのボランティア団体が生まれ、のちにNPO法人格を取得するなど、民間の社会貢献や課題解決に取り組む団体は現在では一つのセクターを形成している。兵庫県は、全国でもNPO法人の育成など先導的に取り組んできたと認識しているが、現状は新しい打ち手が生まれにくい状況かと感じている。
来年度予算の新規事業であるシビック・リンク・プロジェクトについて、社会課題の解決に取り組むNPOなどを県として支援する取組は重要である。
一つには、ふるさと納税を活用した資金調達支援、二つには、スキルを提供するプロボノによる課題解決支援を実施する予定と聞いている。
プロボノの社会的な普及自体も重要なテーマだが、NPO側にとっては事業単体の支援よりも、組織運営など経営面のサポートが求められている面もあると認識している。
この取組はその部分への支援にもなり得るとすれば、非常に有意義だと感じるが、当局の所見を伺う。
5 大規模災害ボランティア活動応援プロジェクトについて
大規模災害ボランティア活動応援プロジェクトのような復旧期の支援は年齢に制限がなく私も活用させていただいた経験があるが、復興期の支援は35歳未満の学生や若者を主とした団体を対象としているなど、枠組みが制約的だと感じている。
能登半島、特に珠洲市の実情から言うと復旧期に限定されるスキームから、より復興に向けた移行期にも活用できるよう、柔軟化が必要ではないかと 考える。
例えば、県職員の派遣や、まちづくり部が実施しているひょうご復興まちづくりアドバイザー派遣事業との連携も含めて、兵庫や東北よりもさらに厳しい能登半島の復興期を応援し、人口減少期の復興というシビアな側面を経験したボランティア人材の育成も必要ではないかと考えるが、当局の所見を伺う。
●産業労働部
1 起業プラザひょうごにおける「スタートアップ支援機能の強化」について
2 産業立地促進補助金における重点支援分野の考え方について
3 事業承継推進事業について
4 ハラスメント対策等労務環境改善支援事業について
(1)事業実施の主体および対象について
(2)労務環境の改善を目指すうえで重要なテーマについて
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【産業労働部、労働委員会】
質問日 令和8年3月10日(火)
質問者 橋本 成年 委員(ひょうご県民連合)
1 起業プラザひょうごにおける「スタートアップ支援機能の強化」について
(新産業課)
現在まで起業プラザひょうごは、神戸、尼崎、姫路の3拠点体制で実施されてきた。しかし、我が会派の政務調査会でも指摘があったように、一つには拠点が分散することによる効率的・効果的な支援の難しさ、二つにはスタートアップの特性として出資を受けて事業拡大していくには金融など 一定の都市基盤が必要であること、などの理由により、神戸では順調に会員数の拡大が見られたものの、尼崎と姫路については、会員数も限定的で今後の伸びしろも見込みがたいことから、来年度中に2拠点を閉鎖して神戸に 機能を集約することとしている。
今後の方向性として、成長段階のスタートアップに対して、企業や自治体との連携窓口を活性化すること、海外展開への支援などを強化するほか、意識醸成ないしは起業段階の若者に対して、先輩起業家との交流やスタートアップ集中講座の開催などを予定しているとお聞きしている。
先日、起業プラザひょうごをお訪ねして、実情をお聞きしてきたが、8年ほどの実績を積み重ねてくる中で、ノウハウやネットワークの深化がある 一方、年とともに支援者も会員起業家も年齢を重ねることは事実であり、新しい感覚を持った若者や新規の起業家との交流は重要だとの認識は一致している。
例えば、県民生活部が取り組む「ふるさと兵庫すごいすと」と若者のマッチングによる地域でのインターンシップ事業とは、方向性を一にしていると感じている。実際、起業プラザの会員起業家にも「すごいすと」に選ばれている方がおられるともお聞きしている。
そこで、部局の壁を越えて、兵庫でスタートアップに関心のある若者が 社会参加と課題解決の実践に取り組むことを支援するのは重要であると考えるが、当局のご所見を伺う。
2 産業立地促進補助金における重点支援分野の考え方について
(地域産業立地課)
企画部の審査でもお聞きしたが、脱炭素社会を実現するための水素インフラの整備に一定の意義があることは認識するものの、産業立地条例における重点支援分野のうち、「新エネルギー・環境」分野の「次世代エネルギー」の項目の一つとして挙げられている「水素」にのみ着目して、重点支援業種の中でも特別に、設備補助率10%としていることには、やや違和感がある。
水素エネルギーは、現時点では経済合理性が伴わず、将来の基幹的なインフラになることを見越した先行投資の側面があると考えるが、技術的にも変動要素が大きく、既定路線になっているとまではとは言えないと考える。
そこで、産業立地の促進という観点から見た水素関連事業の優遇措置について、その波及効果と持続可能性、他の分野と比較してなお優位性を保っていると考えられるか、当局のご所見を伺う。
3 事業承継推進事業について (地域経済課)
高齢化の進展に伴い、主に中小零細企業において事業承継が課題となっている。特に本県においては、2024年の調査では黒字での休廃業が54.9%と過半数になっており、経営の厳しさとは別に、後継者への引継ぎの難しさに着目した施策が必要であることは理解できる。
本県では、国から委託を受けて神戸商工会議所が運営する事業承継・引継ぎ支援センターが、公的機関としてM&Aを含む事業承継を支援しており、県としての取組もそのネットワークの一環で行うものと承知している。
同支援センターでは、相談があった場合に、現在の経営者である被承継者と若手の承継者を直接マッチングすることもあるとのことだが、他府県や民間とも連携して対応しているとお聞きしている。
一方で、民間金融機関などでも事業承継は重要な事業分野となっており、ネットで検索すると広告を含めて多数の仲介事業者の情報がアップされる。中には、M&Aに伴う詐欺まがいの手法も報道されており、私の友人でも実際に被害にあった実例を聞いている。
民間の経営判断という自由度の高い領域であり、規制にはなじみにくい 部分もあるだろうが、公的機関がお墨付きを与えるような捉え方をされることには十分留意すべきだと考える。
来年度の新規事業として、ポジティブイメージの醸成をテーマに、承継者と被承継者の双方に対して好事例を紹介する動画を作成して、セミナーを開催する方針とのことだが、前述のような留意事項も踏まえて、注意すべき点や失敗事例についても紹介し、慎重かつ健全な判断を促す内容が望ましいと考えるが、当局のご所見を伺う。
4 ハラスメント対策等労務環境改善支援事業について (労政福祉課)
(1) 事業実施の主体および対象について
来年度の新規事業として、各種ハラスメントや同一労働・同一賃金への対応など、労働問題の発生を未然に防ぎ、労務環境の改善を図るため、労働関係法令の改正を踏まえた企業及び従業員向けのセミナー兼相談会の開催や、企業への個別支援を実施するとお聞きしている。これは従来、同一労働・同一賃金への対応をテーマとしていた事業を、スクラップ& ビルドにより立ち上げられたものと承知している。
これらの事業の実施主体となる連携先については、兵庫県経営者協会と兵庫県社会保険労務士会を想定されているとお聞きしているが、やや経営側に偏っているようにも感じられる。
ご承知のとおり、労働政策は経営者と労働者のバランスが重要だが、社会保険労務士は中立的な立場だと考えるにしても、労働組合など労働側にも連携協力を促すことが必要ではないだろうか。
また、この事業の支援先となる企業または従業員は、どれくらいのボリュームを想定しておられるのだろうか。ハラスメント対策など労務 環境を改善し、労働問題の未然防止を図る趣旨は重要だが、その目的に向かう今後の打ち手としてどのような想定をしているのか、当局のご所見を伺う。
(2)労務環境の改善を目指すうえで重要なテーマについて
労務環境の改善を目指すうえで、ハラスメント対策や同一労働・同一賃金が大切なことは言うまでもないが、他にも取り組むべき重要なテーマは多くあるように思う。ここでいくつか指摘をさせていただくので、ぜひ取り組んでいただきたい。
まず、労働安全衛生だが、その基本理念はまさに労使対等である。使用者側に労働災害の防止や従業員の健康管理について責任があることはもちろんだが、一定規模以上の事業場に設置が義務付けられている安全 衛生委員会などの委員の半数は、過半数労働組合または労働者の過半数を代表する者が推薦した者となるよう定められており、委員会の設置が義務付けられていない事業場でも、安全衛生に関して従業員の意見を聞く場を設けることが事業者に義務付けられている。
さらに、事業場が扱う業務によって様々な規制がある。例えば、病院では夜勤を伴う業務や化学物質を扱う業務、放射線関係の業務があり、それぞれにおいて、作業に関する責任者を定めているか、守るべき規制が守られているか、より安全に配慮した手順はないか等、危険を予知したり安全面の工夫を重ねるためには、現場を熟知した労働者の声を反映することが必須と言える。事務的な業務を行う事業場でも、長時間労働の防止やメンタルヘルス対策など、働く者の心身が健康であることは、生産性を向上させるための必要条件と言える。
もう一つの分野は、採用や求人に関するテーマだ。平成28年3月に施行された若者雇用促進法の規定により、新卒者の募集を行う企業に対して、職場情報の積極的な提供が努力義務とされた。これは、新卒段階でのミスマッチによる早期離職を解消し、若者が充実した職業人生を歩むことが できるよう、労働条件を的確に伝えることに加えて、平均勤続年数や研修の有無及び内容といった就労実態等の職場情報を提供する仕組みを創設 するもので、応募者等から求めがあった場合には、例えば直近3年度の新卒採用者数・離職者数といった情報の提供を企業に対して義務付ける 内容も含まれている。
これら労働関係の法制度は、規制も細かく、企業にとっては負担に感じることもあるだろう。しかし、働く者の安全・安心を守ることは、社会経済の基盤である。来年度の事業において、これらのテーマを周知する広報啓発にも取り組んでいただきたいが、当局の所見を伺う。
●公安委員会
1 交通違反取り締まりの時期や場所の選定について
2 反則切符の供述書欄への押印または指印が任意であることの周知徹底について
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【公安委員会】
質問日 令和8年3月10日(火)
質問者 橋本 成年 委員(ひょうご県民連合)
1 交通違反取り締まりの時期や場所の選定について
日夜、県警察の皆さんには、県民の安全・安心のためご尽力くださっていることに敬意を表します。特に、現場で犯罪捜査や交通違反取締に従事する警察官は、市民県民と直接に接する業務であり、予期せぬ事件や事故に対応する必要もあることから、大変重たい責任を負っていただいていると感謝しています。
さて、交通違反の取り締まりについては、一般の市民県民からは嫌われることも多いのではないかと推察いたします。例えば、私が社会人になって間もない2000年ごろには、まだ飲酒運転に対する社会の意識は低く、2007年の道路交通法の改正により飲酒運転罰則の引き上げなどが行われ、一気に 「飲んだら乗るな」という社会規範が確立したように感じています。ただ、法改正のみでそうした社会規範が確立される訳ではなく、飲酒運転の取り締まりなど現場で実際に適切な法執行が確保されることで、初めて市民県民の意識改革にまで至るものと思います。飲酒により気が大きくなった違反者に、逆ギレされることなども日常茶飯事だったかもしれません。
佐藤議員の代表質問でも取り上げられましたが、現在は交通事故の約7割が発生する交差点近辺での安全を確保するため、信号無視や一時停止違反、横断歩道の歩行者妨害などを重点的に取り締まっているとのことでした。しかしながら、市民の素朴な感想として、「警察官に反則金のノルマがあるの ではないか」とか「年末や年度末に取り締まりやすい交差点でネズミ捕り しているのではないか」といった残念な意見もしばしば聞かれます。実際 には、反則金は国庫に一旦納付され、そこから交通安全対策特別交付金として各自治体に交付されるため、直接に県の収入となるわけではなく、また交付金は一般財源として信号機やガードレールといった交通安全対策に活用されていると承知しています。
そこで改めて、県警察としてどのような方針で交通違反取り締まりの時期や場所を決定しているのか、またその本来の目的についてもご所見を伺います。
2 反則切符の供述書欄への押印または指印が任意であることの周知徹底について
先日、普段通らない道に進入した際に、通学路のため時間を定めた進入禁止区間であったことに気づかず、反則金を支払う破目になってしまいました。大変反省しております。
一方で、以前から市民の声としてお聞きしていた反則切符への押印または指印を警察官から求められるという運用が、まだ現場では続いていることを確認いたしました。
交通反則通告制度においては、反則行為をしたものに対して、行政処分として県警本部長が反則金の納付を通告し、任意で反則金を納付した場合には刑事事件としての公訴が提起されない、とする制度であり、反則切符の供述書欄に本人が署名することは、現認された反則行為の内容を認める意思を確認し、刑事手続きでいうところの証拠能力を確保する意味があると認識いたしました。
すでに、警察庁が公表している説明資料にも「供述書欄への署名及び押印(指印)は、任意で求めるものであり、強制ではありません」と明記されていますが、免許証で本人確認をしたうえで署名があれば、証拠能力としては十分でないかと思われ、そもそも押印または指印を求める必要性はないの ではないかと考えます。実際、供述書欄に「印」というマークは印刷されておらず、制度的にも署名のみで足りるという趣旨ではないでしょうか。
そこで、反則切符の供述書欄への押印または指印を求める行為について、現在の運用と課題認識を伺います。
●農林水産部
1 農林水産ビジョン2035におけるにぎわいのある農村の創出について
2 人と環境にやさしい農業・農村振興条例における「環境負荷の低減に資する農業」について
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【農林水産部】
質問日 令和8年3月11日(水)
質問者 橋本 成年 委員(ひょうご県民連合)
1 農林水産ビジョン2035におけるにぎわいのある農村の創出について
令和2年度に策定された農林水産ビジョン2030を改定し、今議会で議決 された農林水産ビジョン2035についてお尋ねする。
このビジョンは、高齢化と人口減少の加速、食料安全保障、気候変動の影響など急速に変化する環境へ対応し、農林水産業と農山漁村を環境との 調和がとれた形で次世代へ繋ぐ、という重要な課題に取り組む意欲的なものと承知している。
具体的には、兵庫県が先進的に取り組んできた「環境創造型農業」や「有機農業」などを、「人と環境にやさしい農業」と再定義するとともに、収益性の高い農林水産業の実現、担い手や働き手の不足、地域協働体制を担う多様な人材の確保、食の安定供給と農山漁村の地域活性化など、いずれも喫緊の課題を的確にとらえて対応を模索しているものと評価している。
そのような中、都市部から農村部へ移住した者の実感として、移住者が生活の充実のため、にぎわいのある農村の創出に向けた取組を行う際には、農村特有の人間関係に向きあわなければならないと感じている。この解決に向けては、移住者は過去から脈々と築き上げられてきた農村コミュニティのルールを理解し、都市部での生活とのギャップをどう乗り越えていくか、受け入れる農村部では移住者の溶け込みのハードルを下げることが必要と感じている。
また、農村部に入ってみると、農業振興などによる農地保全だけでなく、高齢者の生活支援など多くの課題を抱えていることを認識したところである。その課題解決にあたり、農林水産省の施策のみならず、総務省や国土交通省など他省庁の施策も多く存在し、それらの施策を所管する県の担当組織も 分かれているから、制度及び補助金の活用や組み合わせに際して、誰に聞けばいいのか、どのように事業に取り組めばいいのかが分かりにくく、それが地域活性化の妨げになっているように感じる。
そこで、高齢化や人口減少が進展している中、農林水産ビジョン2035の実現に向けて、農村コミュニティの維持・発展について、どのように取り組まれていくのか、当局のご所見を伺う。
2 人と環境にやさしい農業・農村振興条例における「環境負荷の低減に資する農業」について
今定例会に上程されている「人と環境にやさしい農業・農村振興条例」の意義についてお尋ねする。
先ほどの質問でも述べた通り、「人と環境にやさしい農業」の推進を図り つつ、従来型のいわゆる「慣行農法」とも調和して、地域での協力を促進していくという理念は素晴らしいと思う。
私の友人で、田畑を耕さずに作物を栽培する「不耕起栽培」に取り組んでいたものの、地域での理解が得られなかったケースを聞いている。「不耕起 栽培」は地中に炭素を貯留できることから条例に規定する「環境への負荷の低減に資すると認められる農業」と言える。
条例では、「人と環境にやさしい農業の生産活動において環境への負荷の低減が促進されるよう、家畜排せつ物等の有効利用による地力の増進、生物の多様性の確保、温室効果ガスの排出の抑制等に取り組む」ことが謳われている。
そこで、例えば「不耕起栽培」のように環境への負荷を低減する農業を進めることについて、どのような思いを持ってこの条例を制定しようとしているのか、ご所見を伺う。
●まちづくり部
1 ひょうご復興まちづくりアドバイザー派遣事業について
2 宝塚市の中山台ニュータウンにおけるオールドニュータウン再生の取組について
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【まちづくり部】
質問日 令和8年3月12日(木)
質問者 橋本 成年 委員(ひょうご県民連合)
1 ひょうご復興まちづくりアドバイザー派遣事業について (都市政策課)
阪神・淡路大震災から30年以上の年月が過ぎ、当時手探りで復興まちづくりに取り組んでこられた都市計画やまちづくりの専門家も、相当に年齢を重ねられています。
そこで、能登半島地震の被災地へ、ひょうご神戸の復興まちづくりに取り組まれたベテランと若手の支援者をペアないしはグループで、カウン ターパート先である珠洲市へ派遣して、復興への道を歩む被災地で新たなまちづくり協議会の立ち上げなど、成果を上げておられるとお聞きしています。
また、ベテランと若手を組み合わせることで、経験ノウハウの継承を進め、来るべき兵庫の災害への対応力を上げることも目的だと認識しています。
一方、県民生活部の審査でもお尋ねしたのですが、珠洲市においては阪神・淡路や東日本、熊本などの地震被災地と比べても、極端に進んだ人口流出と高齢化によって復旧・復興の歩みはより厳しいように感じています。そのため、いわゆる復旧・復興期のボランティア活動も継続されている中で、まちづくりの将来像が見えにくいまま、国民的な関心は薄まってきたように危惧しています。
しかし、能登半島では極端な形で表れていますが、人口減と少子化・高齢化の進展は関東圏や一部の大都市部を除けば全国で進んでおり、そのような環境での復興まちづくりに、より幅広い人材に携わっていただくことは、南海トラフ地震をはじめとする災害に備え、兵庫のレジリエンスを高める ことにつながると考えます。
そこで、県民生活部のひょうご若者被災地応援プロジェクトや、危機管理部のひょうご防災リーダー養成講座との連携を進めることで、多様な人材の参加を促すことも検討してはいかがでしょう。また、民間レベルの人材を被災地域のコミュニティに派遣する取組は、防災先進県たる兵庫の特色ある取組だとお聞きしています。カウンターパートの珠洲市にとどまらず、復興の歩みを続ける能登半島被災地に幅広く協力の輪を広げることも、意義深いと考えますが、当局のご所見を伺います。
2 宝塚市の中山台ニュータウンにおけるオールドニュータウン再生の取組について (住宅政策課)
県においては、県内各地に広がるいわゆるオールドニュータウンの再生を図るため、商業施設等空き区画活用支援事業の対象となる団地を定め、私の地元である宝塚市でも3つの地域が対象になっています。
しかしながら、現時点では宝塚市においては具体的な補助事業が立ち上がっていないため、同支援事業は活用されていない現状だと認識しています。
今般、対象地域の一つである中山台ニュータウンにおいて、パナソニックホームズ株式会社と宝塚市が包括連携協定を締結し、①エリアマネジメント活動の推進、②住宅流通促進、③地域情報の発信、④地域コミュニティ活性化、⑤公共空間の利活用、⑥モビリティ事業の推進、⑦地域を担う人材の育成、といった内容を軸に多世代の住民の相談やニーズに応えながら、付加価値創出型のエリアマネジメントの展開を目指すものとされています。
また、同事業の目的、趣旨に賛同する企業・団体と「中山台エリアプラットフォーム(仮称)」を立ち上げ、将来的には「中山台エリアマネジメント組織」へと発展させる方針、とお聞きしています。
このような動きがある中で、県としてもオールドニュータウン再生の実践事例として、ぜひとも応援していただきたいし、具体的に関わっていただきたいと希望するのですが、当局のご所見を伺います。
●教育委員会
1 教育委員会における学校ガバナンスのあり方について
(1)学校ガバナンスは機能しているか
(2)公益通報制度の意義について
(3)県立学校における寄宿舎の位置づけと管理のあり方について
(4)ふるさとひょうご寄附金を活用した「県立学校環境充実応援プロジェクト」について
2 県立高校入試におけるインターネット出願システムについて
3 学校における働き方改革推進体制構築事業について
全文
令和8年度予算特別委員会 部局審査【教育委員会】
質問日 令和8年3月13日(金)
質問者 橋本 成年 委員(ひょうご県民連合)
1 教育委員会における学校ガバナンスのあり方について
昨年12月議会の一般質問において、私は「県立高校部活動における不祥事の防止について」として何点か指摘をさせていただき、それぞれ真摯に取り組んでいただけるとの答弁がありました。
しかしながら今月、3月12日号の週刊新潮において県立高校に関する記事が掲載され、それについての県教育委員会としての見解がホームページに掲載されています。(パネル資料)この資料によると、「公益通報事案との指摘があったが、公益通報の個別事案については、公益通報者保護法の趣旨を踏まえ、受理しているか否かも含め、説明できません」としています。
私としては、今後しかるべきタイミングで説明責任を果たすことを求めたいと思いますが、予算特別委員会という性質上、来年度の事業ないしは予算の執行上での課題認識を問う趣旨で、以下4つの小問についてお尋ねいたします。
(1)学校ガバナンスは機能しているか
ガバナンスという言葉の意味は、統治や管理、あるいは支配といった意味合いもある言葉ですが、この場合の「学校ガバナンス」とは、多様な立場のステークホルダーがコントロールしあう開かれた学校、を意味しています。つまり、言葉を変えれば、透明性と公正性は十分に確保されていますか?誰が見ても公正な学校運営は確保されていますか?という問いになります。
学校において、残念ながら不祥事が絶えない原因。それは、閉じられた空間、固定した権力関係、透明性や公正性よりも過去からの因習を重んじる風潮、場合によっては強豪といわれる部活動の数々の栄光も、本来あるべきガバナンスを機能しなくさせる要因となりえます。
なぜここで、あえてこのような問いを立てるかというと、それはここが兵庫県だからです。ご存じのとおり文書問題の一連の過程を通して、兵庫県は法の支配や法治主義、あるいは人権のあり方も問われる事態となっています。その一例が、この予算委員会でも質疑があった公益通報者保護制度です。教育委員会は知事部局から独立した組織ではありますが、教育委員会では制度の趣旨がきちんと理解され、通報者の権利と安全は守られ、通報者の探索ではなく指摘された事項への調査と事実究明、そして公正性の回復がなされているのか、そのことに我々議員も多くの県民も、疑問と、また期待も持っているのです。教育委員会ないし教育長の決意と覚悟を伺います。
(2)公益通報制度の意義について
つい先日、3月9日付の毎日新聞で、都道府県警察における内部公益通報が十分に機能しているかを問う記事が掲載されました。全国の12県警が5年間で一度も公益通報を受理しておらず、7府県警が5年間で1件だけ だった中で、兵庫県警は受理件数、是正件数ともに突出して多く、通報された83件すべてを受理し、うち42件で是正措置が取られたとのことです。
消費者庁のコメントでは、1年間の通報件数が1件もない場合は、多くの職員が通報に不安を感じている可能性がある、としています。あるいは、やっても意味がないと諦められてしまっているかもしれません。そのような組織では、風通しの良い職場をイメージすることはできません。
一方で県教育委員会の公表資料によると、職員公益通報制度の受理件数は令和2年度に1件、令和3~5年度は0件、令和6年度に1件とのこと。うち令和6年度の1件は、次年度へ継続して調査中であります。この件数自体についてはここでコメントはいたしませんが、職員にとって本当に意味のある通報制度となるよう、ガバナンスが十分に機能するまで不断の見直しが必要だと考えます。
教育委員会では、内部公益通報制度実施要項が今年1月1日付で改正されています。その中で、外部窓口の設置や調査に従事する者の指定についてもきちんと規定されていますし、調査の全部または一部を外部専門家に委任することができるとの規定もあります。一定、これらの改正は前向きな動きとして評価したいと思うのですが、制度を作っても魂が込められて いなければ、まさに絵に描いた餅となります。
そこで、この度の要綱改正を通じて実現しようとした公益通報制度の意義について、当局のご所見を伺います。
(3)県立学校における寄宿舎の位置づけと管理のあり方について
次に、寄宿舎の位置づけと管理のあり方を問いたいと思います。兵庫県立学校では11校に寄宿舎があり、うち2校については特定の部活動に所属する生徒専用の寮と位置付けられているとお聞きしています。
寄宿舎は、全県から生徒が集まる職業系の学校や特別支援学校に整備されており、その位置づけは学校の管理下にあるものと承知しています。具体的には、入寮者からは寮費を集め、教職員が宿日直業務を行い、日々の生活が営まれているのだろうと思います。つまり公的な施設の中で、プライベートな営みもなされているという意味で、公営住宅と似ているかもしれません。しかし、寮母さんや舎監業務の存在を考えると、より公的な管理が強い施設と言えるでしょう。
ある学校の寄宿舎収支決算によると、寮費は一人月額44,000円で、収支 決算額は変動があるものの、年間で1,158万円から1,560万円にものぼります。しかしこのお金は、公営住宅のように公金として使用料が徴収され、必要な支出は歳出予算に計上されるものではなく、毎年使い切りのような形で雑費や大会参加費、体育館使用料、トレーニング指導費などにも充当されています。
また、聞くところによると、一部の学校では優待制度のような趣旨で、特定の生徒の寮費を減額ないしは免除している、といった証言もあるのですが、収支決算からはそのような制度が存在しているとは見受けられません。もし、証言が事実であるならば、会計報告自体が不正ということになるため、調査が必要ではないでしょうか。
そもそも、このような疑惑がもたれる会計は、年間1,000万円もの収支を扱う公的な施設の会計処理として適切なのでしょうか。誰が見ても透明性、公正性が確保されているでしょうか。
私は本来、現在審査中の予算案に公有財産使用料などの費目で歳入予算を計上し、必要な支出については歳出予算を確保して、議決を経る必要があるのではないかと考えます。そうしたプロセスを経ることで、疑問を持たれる支出は精査されるでしょうし、特待制度が必要ならばしっかり議論して制度化を図るべきです。
そこで、寄宿舎収支の会計処理の現状と、公金化をしない理由について、学校ガバナンスの観点から適切なのかどうか、当局のご所見を伺います。
(4)ふるさとひょうご寄附金を活用した「県立学校環境充実応援プロジェクト」について
いわゆる「ふるさと納税制度」を活用し、学校ごとの特色を生かした取り組みを支援する「県立学校環境充実応援プロジェクト」についてお尋ねします。
この事業のスキームは、まず各学校において事業計画と目標金額を設定し、ホームページ等で広報します。寄附は財務部総務課、教育委員会財務課または学校で受付し、それぞれで歳入調定を行い「ふるさとひょうご寄附基金」に積み立てます。目標額を達成した場合、各学校から財務課へ予算令達を依頼し、その予算で事業を実施したうえで実績報告書を財務課へ提出する、という流れです。
目標金額を達成した場合に執行されるということになりますが、令達された予算が各学校で適切に管理されなければなりません。実際の事業の収支会計は別に存在しているケースが多いのだろうと思うのですが、それらの資金は適切に管理されていますか?という問いが生まれます。まさに学校ガバナンスの問題です。
私は12月議会で、内部管理制度について指摘しました。教育委員会においては、歳入歳出予算に計上された会計しか内部管理の対象となっていないとのことですが、教育長からは内部管理の対象を拡大することについて、前向きなご答弁をいただきました。
学校では、公金以外にも学校徴収金、部費や個別の事業のための収支会計が多く存在します。そのすべてを公金化することは、事務の執行上も無理があることは理解できます。そこで、あらためて確認しますが、そういったいわばグレーゾーンにしっかりとガバナンスを効かせることが、不祥事を 未然に防止し、開かれた学校を作るうえで肝要なのではないかと考えますが、当局のご所見を伺います。
2 県立高校入試におけるインターネット出願システムについて
今年度から本格的に移行した県立高校入試におけるインターネット出願システムについて、2月20日に行われた2月選抜(いわゆる推薦入試・特色選抜)のオンライン合格発表について、アクセスが集中したことにより合格発表直後から3時間ほど閲覧できない状態になったとの報道がありました。
紙ベースでの出願や受付業務は、長年にわたって続けられてきたものですが、郵送やデータの取り扱いにも手間暇がかかることから、教職員の負担軽減の ためにもオンライン化は時代の流れだといえます。
しかしながら、合格発表時にはアクセスが集中することは予想されたことであり、受検生や保護者にとっては不安な時間を過ごさせることになったと思われます。結果的に、各学校のホームページでの発表に切り替えることになったと聞きますが、3月選抜(いわゆる一般入試)は更に受検者数も多いことから、原因究明と再発防止に万全を期す必要があります。
ついては、インターネット出願システム導入の目的と、今回のトラブルの原因究明、再発防止について、当局のご所見を伺います。
3 学校における働き方改革推進体制構築事業について
公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律(いわゆる「改正給特法」)の成立に伴い、教育職員の服務を監督する教育委員会は、業務量管理・健康確保措置実施計画の策定・公表が義務付けられています。
県教育委員会では、学校における働き方改革の推進体制をより強固に構築し、実効性ある取り組みとするため、一つに「学校における働き方改革全県推進会議」を設置し、二つには県内5校程度を対象に「働き方改革伴走支援事業」を実施することとしています。
伴走支援事業は、教員経験者等で構成する専門家からなる民間サポーターを派遣して校内ワークショップを開催し、働き方改革の担い手を育成して学校における取組みを支援するものとされていますが、学校における働き方改革が進まない原因をどのように捉え、民間サポーターが介入することでどのような効果を想定しているのでしょうか。
働き方改革の本旨には、可能な限り子ども達と向き合う時間を確保するために、調査や会議といった間接業務を減らすことが含まれると考えますが、働き方改革を推進する全県会議を新たに設置することは、働き方改革の本旨と矛盾しているようにも感じられます。
そこで、「学校における働き方改革推進体制構築事業」が働き方改革に逆行することなく、実効性のある取り組みとなるために、その目的と手段、アウトカムとなる成果目標はどのように想定しているのか、会議のための会議とならないようにどのような工夫をするのか、当局のご所見を伺います。
●総括審査
令和8年度予算特別委員会 ー 3月17日 総括審査
1 財政の持続可能性に関する認識
(1)長期金利の動向把握について
(2)財政健全化への道筋をどう見出すのか
2 「投資」の意味の解像度を上げる
3 信頼の回復とオープンな対話
(1)過去の言動を振り返る
(2)公益通報者はなぜ保護されねばならないのか
4 未来への責任について
(1)水素政策を追求したことの意味
(2)専門家の意見をどのように受け止めるのか
全文
令和8年度予算特別委員会 総括審査
質問日 令和3年3月17日(火)
質問者 橋本 成年 委員(ひょうご県民連合)
(はじめに:対話の精神について)
私は昨年2月定例会の一般質問において、混乱する兵庫県政を前に「対話の技術、対話の精神」を学ぶべきだと呼びかけました。
いま、私は令和8年度予算審議の総括審査を前に、改めて斎藤元彦知事、あなたに対話の精神を呼び掛けたいと思います。我々は今、大きな時代の分岐点におります。知事がよく仰っているように、未来世代への責任を果たすため、公人たる我々に課せられた責務は極めて大きなものがあります。
やむを得ないことだったとはいえ、この予算案を提案するに際して、県財政の危機的状況を公表されたことについては、私はむしろ積極的に評価したいと思います。確かに過去から積み残された隠された負債、分収造林事業や地域整備事業の整理に一定の道筋をつけられたことは、斎藤知事の大きな成果だと理解しています。
しかし、ここからが正念場なのです。いよいよ日本は、長期のデフレ経済からインフレ経済へと転換し、長期金利の上昇局面を迎えました。将来を正確に予測することは誰にもできません。だからこそ、異なる意見をしっかりと闘わせて、可能な限り客観的な将来見通しのもと合理的な打ち手を見定め、着実に実行していかねばなりません。そのために、何よりも大切なのは、信頼に基づく誠実な対話です。
この質疑における知事と、そして当局の皆さんとの議論が、その一助となることを願い、4項目7問の質疑を行います。
1 財政の持続可能性に関する認識
(1)長期金利の動向把握について(財政課)
まず、財政の現状及び持続可能性について知事の認識を伺います。
昨年度の県政改革方針の変更では、令和10年度までの収支不足は「250億円から160億円に改善」とされていましたが、今年度は「160億円から530億円に悪化」とされています。当局の説明では、想定以上の金利上昇で公債費が増加したことが主な要因として挙げられています。
この間の長期金利の動向を見ますと、2024年3月のマイナス金利解除、同年7月と2025年1月の政策金利引き上げなど、2024年以降は金利が上昇局面に入ることを示唆するイベントが続いており、実際に10年債利回りはほぼ一貫して上昇曲線を描いています。
しかし、2025年2月に提案された県政改革方針の変更案では、公債費の動向を大きく左右する名目長期金利の想定を、令和8年度から11年度まで1.3%で据え置き、令和12年度以降は1.4%と想定しています。これは、国の「中長期の経済財政に関する試算」における過去投影ケースを反映しているとのことで、一定やむを得ないといえますが、実際の長期金利は昨年夏には1.5%を超える水準となり、年末には2%を超えるという急激な上昇を見せています。
そこで、知事にお尋ねいたします。この経済情勢の変化が財政状況に及ぼす影響を、どの時点で認識したのでしょうか。議論の前提となる現状認識の一環としてお聞かせください。
(2)財政健全化への道筋をどう見出すのか(財政課)
今年度の変更による県政改革方針の財政フレームでは、令和8年度から10年度の3年で県債発行額は2965億円から3555億円に590億円の増、歳出面で行政経費は3兆4005億円から3兆1315億円に2690億円の減、投資的経費は4900億円から5840億円の940億円の増となります。ありていな言い方をすると、借金を590億円増やし、政策経費は2690億円減らしても、依然として収支不足が370億円も増えるということです。
その中で、投資的経費が940億円も増額となっていることには、自然と注目が集まります。当局の説明によると、これは令和7年度で終了が予定されていた防災・減災国土強靭化加速化対策事業や緊急防災・減災事業などの国制度が、令和8年度以降も延長されることが判明したため、その延長期間の事業を反映した、とのことです。財政フレームを実態に近づける意味で正しい判断ですが、逆に言うとこれまでは、制度延長が判明するまでは実質的な事業費の反映が遅れ、正確な見通しを示せていなかったと言えます。
投資の判断には、将来の社会像をしっかりと見据えたビジョンを共有する必要があります。一番わかりやすく予測可能なのが、人口動態でしょう。
昨年3月に策定された兵庫県将来人口推計では、2050年の推計人口を低位推計で435万人、高位推計でも461万人と見込んでおり、25年間に70~100万人も減少する見通しです。
こうした状況を鑑みると、投資的経費の抑制こそが財政健全化の最重要課題だと考えますが、知事のお考えを聞かせてください。
2 「投資」の意味の解像度を上げる(企画部)
知事は、「未来への投資」という言葉をよく使われます。しかしながら、この言葉が持つイメージと、財政運営上の「投資的経費」は必ずしも一致しません。そこで私なりに、「投資」という言葉の意味を分析して、もう少し解像度の高い議論の土台としたいと思います。
まず、一つ目は「やむを得ず行う投資」です。例えば、地域整備事業の進度調整地を県有環境林として取得するなど、ある意味で過去の負債を整理するため、やむを得ず行うものも投資的経費には含まれます。これは、未来への投資ではなく、いわば「過去への投資」といえるでしょう。
二つ目は「やめられない投資」です。これは、典型的には高規格道路の整備など、過去に決定された計画に基づき、あるいはすでに事業が始まっているから、やめられなくなった投資です。事業は長期にわたるため、環境の変化への対応が難しく、いわば「過去の決定に対する投資」ともいえるでしょう。
三つめは「選択できる投資」です。これは現在や未来のニーズに基づき行われる投資で、老朽化した設備や機器の更新、県有施設の建替え、防災減災対策など、比較的短期間で成果が見えるのですが、維持管理のためには将来世代の負担も発生しますので、注意が必要です。
最後に、いわゆる「人への投資」も「未来への投資」という言葉には含まれます。知事の最も大事にされている政策である「若者・Z世代応援パッケージ」には、学校設備のリニューアルといった投資的経費と、不妊症対策といった政策的経費が混在しています。さらに言うと、例えば「若者支援」という言葉がイメージする福祉的な政策と、県立大学無償化基金への拠出というように将来の選択肢を絞ってでもリスクを取る投資的な政策の違いについても、解像度を上げて検討しなければなりません。
これら「4つの投資」に共通することは、過去から未来への時間軸の中で、現在取りうる最適解を検討するという、知的な営みが背景にあることです。
「やめられない投資」を止める勇気も必要かもしれませんし、将来世代の負担を抑え、自由度を上げるため「賢い投資」を見極める知恵も求められます。
一人の人間である知事に、これらすべての徳を求めることは酷であることは重々承知の上で、あえてお尋ねいたします。投資の意味を見極め、賢明な政策判断を行うために、最も必要なことは、どのような姿勢や態度だとお考えですか。知事のご所見を伺います。
3 信頼の回復とオープンな対話
知事の標榜する「躍動する兵庫」を実現するために、県民と、特に若者世代との意見交換を大切にされていることは、重要な取り組みだと思います。そして、文書問題以降に知事自ら研修等を受講され、職員とのコミュニケーションにも意を用いておられることは承知しております。
しかし、コミュニケーションの場には二種類あります。それは、答えを出す場と、答えを出す必要がない場です。県庁における意思決定のように答えを出す必要のある場では、立場の違いは重要な意味を持ちます。しかし、オープンな対話とは、答えを出す必要がない場で、立場を超えて多様な意見と交わることを意味します。信頼がなければオープンな対話は生まれず、またオープンに対話することで信頼が醸成されます。鶏と卵の関係です。どこから始めればよいのでしょうか。そこであえて、過去の言動を振り返ることから始めたいと思います。
(1)過去の言動を振り返る(企画部)
知事は覚えておられるでしょうか。もう5年前となりますが、2021年の県知事選を前にX(当時はTwitter)を賑わせた斎藤元彦予定候補者の投稿です。
「兵庫県、恥ずかしい」そんな声が出ないよう、全ての県民が「兵庫県が大好きで、誇りに思っています」と必ず言ってもらえるようにします。
大変力強い約束です。県民の多くが期待を寄せたことも当然でしょう。
しかしながら、肝心なのは約束ではなく実行です。もちろん、この間には文書問題という激動の日々があり、知事ご自身も多くの傷を負われたことだと思います。ですから、約束が実現したか否か、その責任を問うつもりはありません。しかし、事実は事実として、可能な限り客観的に認識すべきだし、それを可能とするのは、やはり信頼関係に基づく多様な意見が交わる言論空間においてでしょう。
そこで知事にお尋ねいたします。現在、冒頭に引用しました知事ご自身の約束は実現したと思われますか。もしまだ実現できていないとすれば、どうすれば実現するとお考えでしょうか。仮説で結構ですので、知事の次なる打ち手を教えてください。
(2)公益通報者はなぜ保護されねばならないのか(財務部)
私は、全ての政治的な事象には、ポジティブな側面とネガティブな側面が、あたかもコインの表裏のように併存していると考えています。ある時はどちらかが表になり、またある時はもう一方が上になります。政治的な風は右にも左にも吹き、時に強く大きく吹き荒れます。
これまでの予算特別委員会の審査においても、公益通報者保護制度について様々な議論がありました。それは、来年度以降に取り組まねばならない行財政改革の厳しい局面において、必ず必要となってくる県政への信頼の確保という課題における最重要テーマであるからです。
いわゆる文書問題と呼ばれる問題にも、もちろんポジティブな側面があります。それは、SNSをはじめとする新たな言論空間において、それまで政治に無関心だった層が、大きく関心を寄せたことです。また、それまでマニアックな領域であった公益通報という制度の存在が大きくクローズアップされ、1号通報だの外部通報だのと言った専門用語を多くの人が耳にしました。
これは、公益通報者保護法という法律があるから実現したことではなく、文字通り命を懸けた闘いによって、この制度には組織の健全化を促す極めて重要な意義があると、多くの人が認識させられたからです。
そこでお尋ねいたします。知事は、なぜ公益通報者は保護されねばならないとお考えでしょうか。この際、具体的な事例を離れ、法的な解釈の問題もいったん脇において、例えば知事が属しておられた官僚機構において、または警察や病院、あるいは学校や金融機関において、メーカーや商社やサービス事業者で、つまりはあらゆる組織において、不正や腐敗を目にした人がどのように行動を選択するか、その現場に想像力を働かせてお答えいただけたらと思います。
4 未来への責任について
これまで議論してきたことは、今回提案されている県政改革方針の変更案や当初予算案が実態を正しく反映しており、また来年度に有識者会議の議論を経て作成される「公債費適正化計画」も含めて、付託議案が兵庫県の未来を託すに足るものか、その信頼性を測る貴重な情報を提供してくれます。
そこで、わが会派が付託議案に対してとる態度を決めるにあたって、これまでの本会議や予算特別委員会での議論も踏まえて、「未来への責任」をいかに果たすべきかをテーマに、議論を深めたいと思います。
(1)水素政策を追求したことの意味(企画部・産業労働部・環境部)
部局審査において、中田委員と私は、しつこいほど水素政策について追及してきました。また、丸尾委員からも重要な指摘があったと認識しています。これは、策定中の水素社会推進構想の改定案が、今後の投資判断を決めるという意味で、「過去の決定への投資」を促すものだからであり、またその決定過程が真に開かれた、多様な意見を反映した客観的で合理的な議論に基づいているのか、そこに疑念が生じかねないテーマだからです。
あえて、部局審査の議論を繰り返すことは致しませんが、企画部、産業労働部、環境部にまたがる水素社会の推進という政策の中身が、これから求められる投資的経費の抑制局面において、真に客観的で合理的だといえるのか、大局的な見地から知事のご所見を伺います。
(2)専門家の意見をどのように受け止めるのか(財務部)
先ほどの議論は、自らが望む答えを与えてくれる専門家を重宝してしまうという人間の弱さを表しているようにも思えます。しかし、自分の意見や解釈にこだわり過ぎることは、大きな罪を生むこともあり得ます。本当の専門家とは、自らに厳しい意見をあえて直言してくれる人のことをいうのではないでしょうか。そしてその厳しい意見をどのように取り入れて、どう生かすのか、そこで政治家の度量が試されるのだと思います。
今定例会の一般質問で前田議員は、金融や不動産の資産運用について、実務経験が豊富な本当の専門家に任せるべき、さらには長期金利の上昇に備えて超長期債の発行を増やすべき、との過去の質問での意見が取り入れられなかった経緯を明らかにされました。
その意味で、これから開かれる本県の財政構造を検証し、今後の財政運営のあり方を検討する有識者会議の構成は極めて重要ですし、そもそも専門家が出した意見を政治がどのように受け止め、どう判断を下すのか、ということがまさに「未来への責任」を左右するとても重要な課題になります。
そこで、知事はこの有識者会議を組織するにあたって、どのような見地から選任を行い、またその意見をどのように政策に反映されるのか、現時点での想いをお聞かせください。


