議会の動き

石井 健一郎議員が質問(予算審査・企画県民部②)

予算特別委員会部局審査(企画県民部②)

質 問 者   石井 健一郎 副委員長(民主党・県民連合)

今回の予算特別委員会では、今後ますます必要性が高まる市町との連携に着目し、質問を行う。

1 フェニックス防災システムの運用支援について

昨年、芦屋市において豪雨災害時にフェニックス防災システムへの入力遅れがあり、避難準備情報の伝達が遅れたと新聞報道されたことは記憶に新しい。その入力遅れの原因として、担当職員が市民からの問い合わせに忙殺されていたことが挙がっていたが、私には今後も同様の事態が起こるのではないかという懸念がある。特に規模の小さな自治体で、夜間に災害に見舞われた場合、その場にいる職員のうちシステムに入力できる職員が1人だけであるのに、その職員が住民やマスコミ対応に追われ、避難勧告や避難指示を速やかに入力できなくなるという事態も十分想定される。また、システムの操作に不慣れな、異動したばかりの職員が、入力作業に時間がかかることもあるだろう。

そこで県においては、災害発生時に、市町防災部局の特定の職員だけにシステム入力の負担がかからないようにすること、災害発生市町へのマスコミからの問い合わせをできるだけ減らすような方策を講じること、そして他の自治体と比べ災害発生時の職員の負担が大きいと予想される市町への支援はもとより、フェニックス防災システムが県民の信頼に応えられるよう、さらなる支援を行っていくことが必要だと考えるが、当局の見解を伺う。

2 消防広域化の推進について

今年1月に、阪神・淡路大震災20年を迎えたが、あのときに活躍した消防隊員を主人公にしたドラマがいくつか放映されていた。

さて現在、県内の消防職員の充足率は、76.0%であり、全国平均76.5%とほぼ同じであるが、人口減少と高齢化が進展していく中、今後発生が予想される大規模災害に対して、より効率的な消防活動の実現が求められることは言うまでもない。

県においては、このような事態に対応すべく、平成21年6月に、広域化に向けた具体的な協議を行う市町の組み合わせ等を定めるための「消防広域化推進計画」を策定し、これに基づき、阪神、北播磨、西播磨、但馬の市町を中心に広域化を推進しているところである。特に人口減少率が高い郡部における広域化は速やかに進める必要があると考えるが、現時点での進捗状況と課題、今後の方針について、当局の見解を伺う。

3 南海トラフ巨大地震対策について

(1)市町における津波災害対応への支援について

県では一昨年から南海トラフ巨大地震による津波浸水想定図を、地区ごとに公表している。綿密な想定の下、大変精緻な想定図を作成されていると思うが、今後大切なのは、この想定図を見て、実際の避難計画の策定をする市町との情報共有・連携である。

県においては、津波被害対策を市町と連携して推進するため、「市町津波災害対応マニュアル作成の手引き」を平成20年3月に策定しているが、東日本大震災の発生を受け、来年度同手引きの改訂を行うこととしている。東日本大震災の教訓を踏まえ、多くの事項について改訂を検討されていることと思うが、現在どのような視点で改訂しようとされているのか、当局の見解を伺う。加えて政令指定都市である、神戸市との連携における課題について伺う。

(2)津波災害時の沿岸工業地帯の危険物について

東日本大震災では工場タンクから漏れ出た重油や車のガソリンなどによる津波火災が多く発生し、沿岸の危険物対策の必要性が高まった。

現在、県の津波浸水予想地域における工業地帯の危険物の把握や指導については、消防法に基づき、地元市町が対応している。県としても、さらに現状の把握に努め、適宜石油コンビナート等防災計画の見直しなど県の施策に反映していくべきと考えるが、当局の見解を伺う。

4 市町への権限移譲について

最後に市町への権限移譲についてお聞きする。現在、人口減少社会に対応するための地方版総合戦略の策定に向け取組みが進められている。市町において、創意工夫を凝らし、地域の特性を活かした魅力ある施策を実現させるためには、市町における主体的な権限と実行力が必要となる。

地方分権については、これまでも、地域主体の取組みが可能となるよう国や県から基礎自治体である市町村に一定の権限が移譲されているところではあるが、人口減少社会への対策が新たなステージへと移り、地方創生の取組みを積極的に推進していくためには、市町の更なる権限移譲が重要になってくると考える。

知事が地方分権を提唱する本県では、これまでも市町への県独自の権限移譲を順次進めてきたところであるが、これまでの取組み成果と今後の方向性について、当局の見解を伺う。