第343回定例県議会 予算特別委員会 <県土整備部>
質問日:平成31年3月8日
議員名:向山 好一委員
1 北神急行電鉄の市営化について
(1)兵庫県としての支援策について
長年経営が厳しく兵庫県も神戸市と協調して支援をしている「北神急行電鉄」を神戸市が市営化するという新聞報道が昨年暮れにあった。その後、神戸市会でも議論がなされ、その内容は報道もされているが、久元神戸市長のコメントとして「今年の3月中には阪急電鉄とも合意を得て市営化に向けて早期の実現を図っていきたい」ということも明らかになっている。「どこに行くにも交通費が高い」という北区の最大の課題が1つ大きく前進する話なので確実に実現させて頂きたいと思っている。
しかし、課題も多く存在している。その1つに、神戸高速鉄道が保有しているトンネル施設等も含め、簿価約400億円に対し借入金約650億円、つまり債務超過に陥っているという財務状態がある。
つまり、税金の持ち出しが必要になる可能性が高いということである。
そこで、お聞きしたいのは、報道でも久元市長は「兵庫県にも支援を要請したい」と仰っている。この市営化に対して兵庫県としてどのような支援策があるのか、支援をする・しないではなく制度的にどんなものがあるのかを伺いたい。
(2)北神急行電鉄への支援策の継続について
これまで北神急行電鉄への支援策として、「安定運行対策費補助」で神戸市と協調して毎年1億3千5百万円の支援を行っており、平成31年度からも3年間の継続支援が予算化されている。
この支援策は、市営化されても継続して頂けるのか伺う。
2 神戸電鉄への防災・減災支援について
昨年は7月豪雨、8月の台風20号、9月の21号と記録的な大雨や暴風雨が発生したが、そのたびに有馬街道、新神戸トンネル、六甲山トンネルと神戸の北部へ向かう道が通行止めになるばかりではなく、神戸電鉄も運転見合わせとなり、北神急行電鉄は終日通常運行を続けていたものの、神戸市北区は文字通り「陸の孤島」となった。それには高校生はもちろん小・中学生も含まれた。これは生命を守るとの観点からも大問題である。道路は神戸市の管理下におかれているため、から県土整備部は直接関与できないらしいので、せめて神戸電鉄の防災・安全対策について県の支援を要請したい。
その神戸電鉄の運転見合わせとなった原因は、もちろん沿線での土砂崩れである。それは、箕谷・谷上間、花山・大池間、鈴蘭台西口付近、西鈴蘭台・藍那間、鵯越・鈴蘭台間とあちこちで発生した。懸命の応急措置や復旧工事で短期間の運転見合わせですんではいるが、北区では運転見合わせ自体が致命的なのである。
そこで、県民の生命の安全確保の観点から何らかの行政支援はできないものだろうか。せめて、現在赤字路線にのみ適用となっている「鉄道軌道安全輸送設備等整備事業費補助」を、このような路線に限ってでも黒字路線にも適用拡大できないか、ご所見を伺う。