意見書 第45号
地方財政の充実・強化を求める意見書
地方自治体では、医療・介護など社会保障への対応、子育て支援策の充実、地域交通の維持・確保など、昨今の増大・複雑化する行政需要への対応が求められている一方で、公的サービスを担う人材不足の深刻化・職員の疲弊といった問題が生じている。
さらに、新型コロナウイルス感染症対策や多発する大規模自然災害への対応など、緊急な対応を要する課題に直面しており、これらの抜本的解決に向けて、更なる地方財政の充実・強化が不可欠な状況となっている。
よって、国におかれては、2021年度の政府予算と地方財政の検討にあたっては、歳入・歳出を的確に見積もり、地方財政の確立を目指すよう、以下の事項の実現を強く要望する。
記
1 社会保障、感染症対策、防災、環境対策、地域交通対策、人口減少対策など、増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保を図ること。
2 とりわけ、子育て、地域医療の確保、介護や児童虐待防止、生活困窮者自立支援など、急増する社会保障ニーズへの対応と人材を確保するための社会保障予算の確保および地方財政措置を的確に行うこと。
3 新型コロナウイルス対策として、新たに政府が予算化した「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」や「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」については、2020年度の補正予算にとどまらず、感染状況や自治体における財政需要を把握しつつ、2021年度予算においても、国の責任において十分な財源を確保すること。
4 2020年度から始まっている会計年度任用職員制度における当該職員の処遇改善に向けて、引き続き所要額の調査を行うなどして、その財源の確保を図ること。
5 依然として4兆5,000億円強と前年度を超える規模の財源不足があることから、中期的には地方交付税の法定率を引き上げ、抜本的に臨時財政対策債に頼らない地方財政を確立すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年10月22日