意見書案 第76号
学校施設への空調設備の整備促進を求める意見書
近年、全国各地で記録的な暑さを更新するなど、夏の暑さが厳しくなっている。子供たちが学校内で熱中症になる事例も多く、2018年には文部科学省から都道府県教育委員会に対し、必要に応じて夏休みの延長や臨時休業日の検討を求める通知が出された。
また、新型コロナウイルス感染症対策のため、子供たちが長時間を過ごす学校内においてもこまめな換気や温度調節が求められており、特別教室を含む空調設備の早急な整備が不可欠となっている。
学校施設は、子供たちが長時間過ごす場であると同時に、災害時の地域の避難所ともなる重要な施設である。また、文部科学省の調査でも、空調設置やトイレ改修後に教育環境の向上が見られるとの結果が出ており、学校施設の整備は今や必要不可欠である。2020年9月現在の全国の小中学校への空調設備の設置率は、普通教室では92.8%となり相当程度進んでいるが、特別教室は55.5%、体育館においては5.3%と非常に低くなっている。兵庫県は、普通教室では100%であるものの、特別教室では68.8%、体育館では3.9%にとどまっている。
文部科学省は、空調整備を含む大規模改造事業の補助率を3分の1としているが、補助率の低さからも設置が進まないのが現状である。
よって、国におかれては、子供たちが安全で安心して学校生活が送れるよう耐震化、老朽化対策、防災対策等と同時に、全ての学校において空調設備の整備が進むように補助率を引き上げることをはじめ、支援強化を強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年6月9日