令和2年度決算特別委員会 【企画県民部①】
質問日:令和3年10月7日(木)
質問者:石井 健一郎 委員
1.新型コロナウイルス感染症に対応する防災部局の体制について
昨年3月1日に県内で初めて新型コロナウイルス感染者が確認された際、ちょうど令和2年度の予算審議が行われていたが、その時点において新型コロナ対策にかかる予算措置については、ほとんど配慮されてはいなかったと思う。その後、県内でも新型コロナウイルスの感染が拡大し、様々な対応が講じられることになった。
令和2年度の予算編成時には想定していなかったことも数多くあり、これまで普通にできていた様々な事業も延期や中止を余儀なくされるなど、各部局で相当なご苦労をされたのではないかと思う。
特に、防災部局におかれては、これまで自然災害や大規模事故等の危機事案への対応、地震・津波対策等の推進、地域防災力の向上など様々な業務に従事されている中で、令和2年度からは新型コロナウイルス感染症への対応も加わり、どうやって通常業務を回しておられるのかというのが率直な感想である。
例えば、健康福祉部であれば、感染等の段階に応じて「感染症対策課」や「ワクチン対策課」等を新たに設置し、兼務も含めて職員の増員を行っているが、防災部局の組織体制を見ても新たに強化されたようには感じられない。実状としては、防災部局内での職員の融通や、他部局からの応援等で緊急的にしのいでいる部分が多いのではないかと思う。
そこで、新型コロナウイルス感染症対応の負担増による他の業務への影響を伺うとともに、防災部局の体制は十分なものとなっているのか、見解を伺う。
2.関西広域連合における府県間の連携強化について
平成22年12月に設立された関西広域連合は、府県域を超える関西全体の広域行政を担う責任主体として、国と地方の二重行政の解消を通じ、地方分権改革の突破口を開くため、広域行政の推進に寄与してきた。処理する広域事務として、防災、観光・文化・スポーツ振興、産業振興、医療など大きく7分野の事務を担ってきたが、個人的な感想としてはあまり一体感が感じられずにいた。
しかしながら、コロナ禍により、構成団体の対策や知見の共有、看護師の府県間の応援、患者の広域受入や4府県知事による共同メッセージの発出など、以前と比べると府県間の連携がとれてきているように感じられる。ただし、まだまだ一体感に欠ける面も多く、更なる連携強化が望まれる。
そこで、関西広域連合における府県間の連携についての現状に対する評価を伺うとともに、更なる連携強化に向けて兵庫県として今後どのようなことができるのか、見解を伺う。
3.広報における県職員の意識改革について
県では、平成30年度から広報官等を設置して以降、現在でも広報アドバイザーや広報プロデューサーなどを設置し、県広報の発信戦略の企画立案、広報刊行物等のデザイン品質向上に取り組むなど、戦略的広報の推進に取り組まれている。
しかしながら、一見進んでいるように見える県広報であるが、私個人の感想を申し上げると、兵庫五国連邦プロジェクトによる広報もそれほど話題になっているようには思えないし、知事の県政広報番組への出演についてもさほど変わっていない印象を受ける。その他、広報紙の県民だよりひょうご等についても大きな変化は感じられず、県広報全体を見るとまだまだ刷新の途中であるように思う。
特に、全庁広報力の充実強化の一環として、県職員の意識改革・スキルの向上による広報パーソンの育成に取り組まれているが、まだまだその成果は見えておらず、県職員に対して完全に意識づけをするところまで至っていないのではないかと思う。
そこで、広報における県職員の意識改革について、令和2年度の取組成果とその中で見えた課題を伺うとともに、広報パーソンの育成に向けた今後の具体的な取組について、見解を伺う。
4.フェニックス共済の加入率向上について
令和2年度予算特別委員会でも質問したが、フェニックス共済の加入率向上についてお伺いします。
フェニックス共済は、阪神・淡路大震災の教訓を活かし、住宅所有者間相互の「共助」の仕組みとして、平成17年9月1日に制度が創設されました。これまで県内の自然災害で合わせて約6億9千3百万円を支給し、被災者の住宅再建の一助を担ってきています。
しかしながら、これまで加入状況の改善に向けて取り組みを続けてきたものの、近年の住宅再建共済制度の全体加入率についてはほぼ横ばいの状況です。令和2年度予算特別委員会の際に述べましたが、今後のフェニックス共済の加入率向上には抜本的な見直しが必要であり、より効果的な取組が必要ではないかということで見解を伺いました。
その際の答弁では、「これまでの取組に加え、ターゲットを絞って集中的な普及啓発活動を実施する。県内45社のマンション管理会社と連携したマンションでの加入促進や、不動産事業者との連携による新規住宅購入者への附帯販売の強化、ハザードマップを掲載したリーフレット等による土砂災害警戒区域等の災害リスクの高い居住者への広報などを集中的に実施」と答弁されていました。
しかしながら、結果として、令和元年度末で加入戸数170,801戸、加入率9.6%だったものが、令和3年8月末にはそれぞれ169,375戸、9.6%ということで横ばいもしくは減少している状況です。
この実態をどのように認識し、今後どのようにフェニックス共済の加入率向上を図っていこうとされているのか、見解を伺います。
5.人と防災未来センターについて
令和2年度予算特別委員会でも質問しましたが、人と防災未来センターについてお伺いします。人と防災未来センターは、平成14年4月に設置されて以降、世界的な防災研究の拠点として、また災害全般に関する有効な対策の発信地として、阪神・淡路大震災の記憶の継承や防災意識の向上に貢献するなど、重要役割を果たしてきました。
開館から15年以上が経過して、展示の一部が陳腐化していることもあり、令和2年度には東館3階の改修を行い、今年6月に「BOSAIサイエンスフィールド」としてリニューアルオープンされました。
VR映像や座席の振動装置による災害の疑似体験や避難行動シミュレーションなど体験型展示を導入し、来館者が楽しみながら学べる仕組みも充実していると言えます。
しかしながら、このコロナ禍で昨年度から外出自粛が続く中、思うように来館者が増えているのか、施設が有効に活用されているのか、気になるところです。
そこで、東館を含めた人と防災未来センターの活用状況を伺うとともに、今後の更なる有効活用に向けてどのようなことをお考えか、見解を伺います。