議会の動き

北上 あきひと議員が質問(企画県民①)を実施

令和2年度決算特別委員会 【企画県民①】

質問日:令和3年10月7日(木)

質問者:北上 あきひと 委員

1.コロナ禍での自然災害対応について

本県が、昨年5月に発表した「新たな生活様式ひょうごスタイル」には、自然災害と感染症との複合災害への備えが盛り込まれ、また、同年6月には、全国に先駆けて「新型コロナウイルス感染症に対応した避難所運営ガイドライン」を策定しました。同年9月には尼崎市内での「兵庫県・阪神地域合同防災訓練」において、同ガイドラインに対応した避難所設置・運営訓練が実施され、私も参加をしたところです。

コロナ禍での自然災害対応については、県民から不安の声が寄せられています。特に安全、安心な避難所の開設・運営が担保できるのかどうかを危惧する声が多いのが実情です。県議会においても、真摯な議論が活発に続けられてきました。

コロナ禍での自然災害対応においては、避難所での感染やクラスター発生を防ぐための対策が求められ、新型コロナ感染症と診断された自宅療養者、自宅待機者や濃厚接触者、帰国者専用の避難所の事前準備も必要です。県内市町では、ガイドラインに基づく「感染症対策マニュアル」が作成され、行政職員の訓練や住民への周知等の取組がなされているものと推察します。避難先の事前振り分け、避難所受付でのトリアージ、設営における飛沫・接触感染予防の環境づくり、運営における状況に応じた感染予防策等、多くの課題があるのではないでしょうか。

本県では、防災と福祉関連分野との連携について、避難行動要支援者の個別避難計画作成等、その充実に鋭意努めてこられました。障がい者や独居高齢者に関する情報を防災施策に反映することについて、かつてはプライバシー保護の観点から様々な障壁があったものと認識します。今後は防災と保健関連分野との連携について、如何に課題を克服し大きく進めて行くかが問われているのではないでしょうか。

コロナ禍での自然災害対応において、県民への周知や実際に避難所の開設・運営を担う市町と県との連携、防災と保健関連分野との情報共有について、その進捗状況や今後の取組みをお伺いします。

2.コロナ禍における県職員の在宅勤務等の実態と課題について

本県においては「兵庫県庁ワーク・ライフ・バランス取組宣言」に基づき、仕事と、子育てや介護、自己啓発等が両立できる働きやすい職場環境づくりをめざし、全国に先駆けて職員の「在宅勤務制度」を導入するとともに「勤務時間弾力化制度」等を推進してきました。

昨年度からは、新型コロナウイルスの感染拡大防止策の一環として、人と人との接触機会を減らすため、感染症対策業務に従事する職員を除き、在宅勤務等の活用により、出勤者数の原則7割削減をめざす取組を進められ、第一波とされる昨年4月から5月の対象期間中において出勤者を本庁で約7割、全体で約6割削減することができたと聞き及ぶところです。

「在宅勤務制度」の利用の実績は、一昨年度においては56名でしたが、昨年度は4925名に急増しました。そもそもは、職員の自主的な意思に基づいてワーク・ライフ・バランスを図るために活用する制度が、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からにわかに大きく普及したものです。

在宅勤務は、多くの職員にとって初めての経験であり、全庁的なアンケートが行われたと聞き及んでいます。今後、職員のワーク・ライフ・バランスの推進、県民サービスの維持向上、感染症の感染拡大防止等の観点から、その効果や課題を丁寧に検証し、職員の心身の健康と勤労意欲に寄与する、より働きやすい職場環境づくりを推進して頂きたいと考えますが、当局のご見解をお伺いします。

3.若者の投票率向上について

2015年6月に選挙権を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公職選挙法改正がなされました。かねてより若者の投票率が中高年世代と比べて低調であることが、社会的な課題として指摘をされていますが、法改正後も依然として著しい改善はありません。前回(2019年)の兵庫県議会議員選挙において、投票率は過去最低の38.64%、特に10歳代で23.49%、20歳代で19.92%であり、若年層の投票率が低い傾向は明らかです。

一方、若者が政治的な課題に関心が低いかと言えば、そうではないように感じます。例えば、世界の若者たちが気候危機への早急な対策を求める「世界気候アクション」が、この9月に世界150カ国以上で一斉に開催されましたが、日本でも若者を中心にしたアクションが全国各地で活発に行われました。OECDが昨年に発表した資料によると、「政治に関心がない」と答えた日本の若者(15歳~29歳)は11%であり、ドイツ、デンマーク、スウェーデン等に続いて6番目に少ない数字になっています。これは、加盟国全体の平均である24%よりも、かなり低い数字です。また、NHKが行った若者対象の世論調査(2016年)では「政治にある程度関心があって、将来が、より良くなって欲しいと思うが、選挙や投票に行くのは不安」という若者像が示されています。「政治離れ」ではなく「選挙離れ」が若者の特徴だと言えるのではないでしょうか。政治家自身が、その姿勢や政策を一層洗練して行かなくてはならないと、痛感するものです。

さて、先進的な自治体や民間団体が取組む「選挙手帳」「選挙パスポート」は、選挙で投票した際に押印したり投票済み証を添付する役割だけではなく、選挙に対する自身の想いを記入し、その後の社会がどうなったのかを振り返るための手帳であり、若者への配布は、政治的な関心を選挙に繋げるきっかけになると考えます。人生80年として投票機会は約100回。選挙毎に情報収集し自分の考えを記すことは、生涯にわたっての選挙への関心に繫がります。本県において、「選挙手帳」「選挙パスポート」の導入を研究して頂きたいと存じますが、如何でしょうか。