決算特別委員会 [ 10月21日(水)(病院局・上野 英一委員 ]
1 利用状況について
平成26年度の14病院の利用状況を前年度と比較すると、(監査委員の公営企業会計決算審査意見書の10ページですが、)入院患者は116万9,080人で101.4%、外来患者は、148万538人で102.0%と順調に推移しています。
また、(11ページの病床利用率の前年度比較の表をみると)稼働病床数が許可病床数に達していない病院があります。光風病院では、許可病床495床に対して稼働病床286床で△209床、柏原病院では303床に対して184床で△119床、こども病院では290床に対して266床で△24床、がんセンターでは、400床に対して397床で△3床、姫路循環器病センターでは、350床に対して330床で△20床、リハビリテーション中央病院では、
520床に対して330床で△190床となっています。医療資源の有効活用の観点からは、許可された分は稼働させていくべきと考えますが、稼働していない病床がある理由についてお伺いします。
さらに、加古川医療センターでは、平成21年度に全面建替え整備し開院したにもかかわらず、許可病床利用率、稼働病床利用率ともに前年度を下回っています。入院患者が減少したものと考えますが、その要因について、あわせてお伺いします。
(答弁)
2 経営改善について
平成25、26年度の決算書を見ると、光風病院と柏原病院で、若干改善しているものの単年度赤字が続いています。
光風病院については、尼崎総合医療センターとの連携をしながらそれぞれの役割分担を図るとともに、認知症疾患医療体制の整備を進めていこうとされています。
また、柏原病院については、柏原赤十字病院との統合再編により医師不足の解消を図り、地域医療にかかわる人材育成病院の中核病院としての役割を果たし、丹波圏域において安定的・継続的に良質な医療を提供していこうとされています。
両病院が目指すビジョン・方向性の実現には経営改善は不可欠と考えます。
そこで、光風病院と柏原病院の経営改善について、今後の方向性や改善に向けた決意についてお伺いします。
(答弁)
3 財務比率について
平成26年度は、会計基準の改正に伴い、資本剰余金の一部を減価償却累計額及び繰延収益(負債)に振り替え、固定資産および剰余金が減少したことから、自己資本構成比率が低下するとともに、固定比率が上昇しており、借入資本金の一部を流動負債に振り替えたことから固定資産対長期資本比率が上昇するとともに、流動比率が低下した、と監査委員の決算審査意見書(18ページ)に記されています。
また、各々の財務比率は、
1.自己資本構成比率は、総資本に対する自己資本の割合を示すもので、この比率が高いほど経営の安定性が大きい(負債の比率が低い)とされているが、10.2%である。
2.固定資産構成比率は、総資本に対する固定資産の占める割合を示すもので、この比率が高いほど資産の固定化の傾向にあり、低いほうが良い(資産の柔軟度が高い)とされているが、87.1%である。
3.固定比率は、固定資本は自己資本で賄われるべきであるという原則から
100%が望ましいが、公営企業は企業債に依存するので高率になりやすいとされているものの、856.5%である。
4.固定資産対長期資本比率は、固定資産の調達が資本金、剰余金、固定負債及び繰延収益の範囲内で行われているかを示すもので、100%以下で低いほうが良いとされているが、103.0%である。
5.流動比率は、短期債務に対してこれに応ずべき流動資産が十分であるかどうか、その割合を示すものであり、少なくとも100%以上で高いほうがよいとされているが、83.6%である。
以上、同意見書への記載内容であります。記載内容だけみれば、いずれも悪化しており、加えて大きく悪化している指標もあり、気になるところですが、数字どおり評価していいのでしょうか。
そこで、資本の考え方について、あるいは企業会計と公営企業会計との違いなど、この指標を評価する上で、注意すべき点についてお伺いします。