18年12月定例会
■請願(主なもの)
<請願番号>
第65号
<件名>
消費税増税中止を求める意見書提出の件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に反対(不採択)
<会派としての考え方>
1 消費税は平成31年10月1日から10%に引き上げられるが、消費税を10%に引き上げる背景には、国、地方共に財源不足がある中で、今後の安定した社会保障財源の確保をはじめ、赤字国債の発行抑制や少子化対策の充実といった喫緊の課題への対応が求められていることがある。
特に、今後も持続可能な社会保障制度を維持していくためには、制度
の抜本的な改革はもとより、いわゆる逆進性対策にも配慮しつつも、これを支える安定財源の確保のための消費税を増税することが必要であると考える。
2 以上のことから、請願の趣旨には賛同できず、「不採択」を主張する。
<請願番号>
第66号
<件名>
日米地位協定の抜本改定を求める意見書提出の件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に賛成(継続審査)
<会派としての考え方>
1 いわゆる日米安全保障条約に基づく日米地位協定は、昭和35年に締結されて以来、58年間一度も改正されていない。その間、平成27年の環境補足協定、平成29年の軍属補足協定といった法的拘束力のある補足協定が締結されたほかは運用のあり方を在日米軍と調整する運用改善で対処されてきている。
2 しかし、平成15年に兵庫県議会として提出した「日米地位協定の見直しを求める意見書」において指摘した、米軍人等による事件・事故、航空機による騒音、振動等諸問題に対して、現在までの間、根本的な改善には至っていない現状があることを鑑みると、国民の生命・財産と人権を守り、米軍基地に起因する諸問題の解決を促進するためには、日米地位協定の抜本的な見直しが必要だと思われる。
3 日米地位協定の改定を求める動きは、この7月に全国知事会及び全国都道府県議会議長会が国に対して提言等を行っているほか、米軍提供施設等が所在する15都道府県で構成する渉外関係主要都道府県知事連絡協議会も「基地対策に関する要望書」を提出している。また、都道府県議会レベルで4道県(北海道、長野県、和歌山県、宮崎県)ほか、札幌市、福島県郡山市等の市議会レベルでも意見書を提出するという動きにつながるなど、基地が所在するか否かに関わらず、自らの身に置き換えてこの問題に真摯に向き合おうとする姿勢を打ち出している。
4 以上のことから、請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。
<請願番号>
第67号
<件名>
「子ども・子育て支援新制度」に関わる学童保育に対する意見書提出の件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に賛成(不採択)
<会派としての考え方>
1 いわゆる学童保育については、平成29年12月に閣議決定された「平成29年の地方からの提案等に関する対応方針」において、従事する者及びその員数に係る「従うべき基準」を、子どもの安全性の確保等一定の質の担保をしつつ地域の実情等を踏まえた柔軟な対応ができるよう「参酌化」することについて、平成30年度中に結論を得ることとされた。現在、国と地方の協議の場において、検討が進められている。
2 学童保育の趣旨は、保護者が就労等により昼間家庭にいない児童が、放課後等に児童厚生施設等を利用して安全で安心な生活ができるよう、適切な遊び及び生活の場を提供し、その健全な育成を図るものであり、児童の安全・安心を確保するためには、児童を見守る職員の体制が万全である必要がある。
3 しかし、「参酌化」により人員が1名でも可となると、その体制を維持することが困難となり、安全性の低下につながる恐れがあると考える。このことは、埼玉県、福岡県、札幌市などの議会からも同じ趣旨の意見書が提出されているなど、同様の懸念は広く存在している。
4 また、国の財政負担については、県では既に様々な機会を使って国へ要望を行っているほか、学童保育の質の確保のための研修の実施や、放課後児童支援員の人材確保のための県独自の賃金の上乗せ制度の創設等の支援を行うなど、積極的に取り組んでいるところである。
4 以上のことから、請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。
<請願番号>
第68号
<件名>
障害児の豊かな教育を求める件
<会派態度(委員会での議決結果)>
継続に賛成(不採択)
<会派としての考え方>
1 障害のある子供たちが、豊かな教育を受けられるよう教育環境の充実を求める請願の趣旨については、概ね理解できる。
2 県では、これまでも「兵庫県特別支援教育第二次推進計画」に基づき、学校の新設や建替え、老朽化した施設や設備の改善に加え、寄宿舎を置く学校においては危機管理のマニュアルの見直しや警察との連携、交通事情にあわせたスクールバスの選定など改善を行ってきた。
3 しかしながら、教育環境の充実を図るには大きな財政的負担が必要となる。そのため、特に義務教育段階においては、日本全体における教育環境の公平性も考慮した上で、国が財政支援を行うべきである。
4 今後、国の予算の状況を踏まえて、さらなる支援の充実が必要であるか判断する必要があることから、本請願については、「継続」を主張する。
5 なお、継続が認められない場合は、状況を的確に見極めて判断する必要があることから、現時点において直ちに本請願の趣旨に賛同することはできず、「不採択」を主張せざるを得ない。
<請願番号>
第69号
<件名>
全ての子供たちへの行き届いた教育を目指し、35人学級の前身、教育の無償化、教育条件の改善を求める件
<会派態度(委員会での議決結果)>
継続に賛成(不採択)
<会派としての考え方>
1 県の責任による小・中・高35人学級の実施については、全国的な方向性として理解できるが、35人学級をすべて県の責任で、しかも高校も含む全ての学年で実施することは、現時点の厳しい財政状況の下では困難と考える。
2 しかしながら、すべての子供たちの教育環境の充実を求める請願の趣旨については、概ね理解できる。
3 一方、文部科学省においては、新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革に向けて、教職員定数の改善を推進するため、来年度予算の概算要求を行っているところである。
4 また、国では、今年度から給付型奨学金が本格実施されており、来年度予算においても本制度の着実な実施に向けて増額要求となっている。県としては、こうした国の動向を注視して判断する必要があることから、本請願については、「継続」を主張する。
<請願番号>
第70号
<件名>
教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に賛成(不採択)
<会派としての考え方>
1 私立学校は、各々建学の精神に基づき特色ある教育を展開し、公立学校とともに公教育の一翼を担ってきたところであり、あらゆる生徒の就学機会を確保するためには、私立学校の維持発展が欠かせない。
2 現在、国では、私立学校の教育条件の維持向上や保護者の教育費負担の軽減及び学校経営の健全性の向上を図り、各学校の特色ある取り組みを支援するため、都道府県による経常費助成等に対し補助を行っている。
3 しかしながら、保護者の深刻な学費負担を軽減し、私立学校が新しい時代の要請に応えていくためには、私立学校への支援の一層の充実が求められる。
4 よって、私立学校に対する支援の充実を求める本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。