議会の動き

◆21年12月定例会 議案に対する態度と考え方

概要  代表・一般質問  議案に対する態度と考え方

21年12月定例会

■請願(主なもの)

<請願番号>

第53号

<件名>

選択的夫婦別姓の導入へ、一日も早い民法改正を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 選択的夫婦別姓の導入については、法務大臣の諮問機関である法制審議会から、1996年に選択的夫婦別姓の導入を提言され、これを受けて法務省は1996年と2010年に国会への提出を目指したが、いずれも提出が見送られている。

2 選択的夫婦別姓制度の議論は、我が国で四半世紀に渡って議論が尽くされており、2018年の内閣府調査の結果をみても、世論も導入を支持するに至っている。

3 同請願は「選択的」という言葉のとおり婚姻に際し夫婦の一方に改姓を強制せず、それぞれの希望に沿った姓の選択の自由を認めることを求めるものであり、我々も姓の変更を強制されない基本的権利を全ての個人が享受すべきと考えることから、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。

<請願番号>

第54号

<件名>

社会福祉事業に関わる職員配置基準等の抜本的引上げを求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

継続に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1.福祉人材については、今後も後期高齢者の増加に伴う介護人材の不足が見込まれることや、保育士不足による待機児童の問題など、福祉人材の確保に向けた取組が必要となっている。

2.介護職員等の配置基準については、国が各サービスに対して一定の質を保つために必要な人員を定めたものであるが、福祉人材が不足する中、職員の配置基準を引き上げたとしても人材の確保は難しく、まずは人材確保のために福祉の仕事に対するイメージアップやICTの活用による業務改善なども進めながら、環境整備を進める必要があると考える。

3.また、処遇改善については、介護報酬では3年ごとに実態調査を踏まえた介護報酬額の見直しがされていること、障害福祉サービスでは手厚い配置に対して加算評価があることなど、国においてもその重要性を認識し、一定の改善が行われてきている。

4. 現在、政府は11月9日に「公的価格評価検討委員会」の第1回会議を開き、看護師や介護職員、保育士、幼稚園教諭の賃金引上げに向けた議論を開始しており、年末までに中間整理を取りまとめるとしている。

5.そのため、請願の趣旨は一定理解するものの、国において財源も含めて議論が進められているところであるため、結論を出さず「継続」を主張する。

<請願番号>

第55号

<件名>

来年の75歳以上医療費窓口負担2割導入の中止を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 窓口負担増により最も懸念されているのは、受診控えによる健康悪化であり、受診控えにより重症化し、返って医療費が上がるケースがあるのではないかということである。

2 本県においても、令和2年12月定例県議会において、「75歳以上後期高齢者医療の窓口負担2割への引き上げの慎重な対応を求める意見書」を採択し、後期高齢者の窓口負担増は、少なくとも新型コロナウイルス感染症が収束するまで慎重に対応するよう要望している。

3 現在、新たな変異株の感染拡大の懸念も広がっており、新型コロナウイルス感染症の収束は当面見通せない状況である。コロナにより既に受診抑制は起きているが、感染の収束及び社会不安の解消がなされない現時点で引き上げるということは、受診抑制に拍車をかける可能性が高い。引上げの施行時に感染が収束しているという目処はなく、収束していたとしても、感染の影響が継続している可能性がある。

4 以上のことから、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。

<請願番号>

第56号

<件名>

国民皆保険制度を基盤とした持続可能な社会保障制度の確立を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(採択)

<会派としての考え方>

1.診療報酬は診療所や病院において、医師や看護師等の医療スタッフの人件費をはじめ、医薬品・医療材料の購入費、施設の維持・管理に使われており、その改定は医療機関の経営にとって大きな影響を与えることとなる。また、原則2年に1度改定され、来年度は改定の年度であることから、現在、国において診療報酬改定に向けた議論が行われている。

2.医療費の削減のため診療報酬が抑制されれば、医師不足や偏在が進むことで地方では病院や診療所の閉鎖が増える可能性があり、都市部では医師不足で勤務が過酷となっている救急医療や産科・小児科の診療停止につながる可能性がある。

3 一方、11月8日の財政制度等審議会の資料によれば、「医療・福祉などの女性・非正規の方々が多い分野において国による分配機能を強化し、処遇の改善を図ることには意義がある」とされており、単に診療報酬の改定率の議論にとどまらず、高齢化等により拡大する市場の中での分配をいかに医療従事者の処遇改善など必要な課題に振り向けていくかの観点も含め改定の議論を行うことが適当である。

4.いずれにせよ、社会保障制度の安定性・持続可能性を確保するためには、医療費の削減だけではなく、適切な財源の確保についても検討が必要と考える。

5.よって、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。

<請願番号>

第57号

<件名>

18歳以下への10万円相当給付をおなかの赤ちゃんにも適用することを求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(採択)

<会派としての考え方>

1.政府が2020年に実施した10万円の特別定額給付金の対象は「基準日である令和2年4月27日時点で住民基本台帳に記録されている者」とされ、基準日にお腹の中に存在していても、基準日以降に生まれた新生児は対象外であったため、県内でも多数の市町が独自で、「新生児特別給付金」等の名称で基準日以降に生まれた新生児にも給付金を支給し、不公平感を和らげ、コロナ禍での子育て世帯を支援する施策を行った。

2 11月19日に閣議決定された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」において、子育て世帯について、我が国の子どもたちを力強く支援し、その未来を拓く観点から、0歳から高校3年生までの子どもたちへの10万円給付が明記されたところである。
  基準日以降に生まれる新生児に対しても、同様の観点からの支援は必要であり、また住む自治体によって不公平が生じないよう、国として対応する必要がある。

3 以上のことから、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。

<請願番号>

第58号

<件名>

兵庫県が「気候非常事態宣言」することを求める件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 近年、世界規模で地球温暖化の影響とみられる災害が相次ぎ、国内でも甚大な災害が頻繁に発生するなど、気候変動がもたらす影響は深刻さを増しており、地球温暖化対策は、喫緊の課題である。

2 今年11月に開催されたCOP26で採択されたグラスゴー気候合意の成果文書には「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑制するよう努力することを決意」「削減対策の取られていない石炭火力のフェーズダウン、非効率な化石燃料補助金のフェーズアウトの加速に努める」との文言が盛り込まれ、電力の約3割を石炭火力に頼っている日本への世界からの圧力は今後強まると予想され、国内での取組強化が求められる。

3 そのような中、全国では、異常気象への危機感を反映し、温暖化対策に取り組む決意を示す「気候非常事態宣言」をする自治体が急増しており、全国で少なくとも89、兵庫県内では明石市、尼崎市、加古川市が宣言している。

4 気候非常事態宣言を行うことで、気候変動に対する現状認識と危機感を県民と共有し、本県が「兵庫県地球温暖化対策推進計画」に基づいて推進する取組を一層促進できるものと考えられることから、請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。

<請願番号>

第59号

<件名>

全ての子供たちへの行き届いた教育を目指し、35人以下学級の前進、教育の無償化、教育条件の改善を求める件

<会派態度(委員会での議決結果)>

継続に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 現在の学校現場の状況を見ると、子どもたちの基本的な生活習慣、規範意識、学習意欲・態度などに課題があり、いじめ等の問題、指導が困難な児童生徒や特別支援教育の対象となる児童生徒への対応など、子どもたち一人一人に目の行き届いた指導を行うことがより一層求められている。

2 我が国の教育環境は、個別の教育課題に対応するための教職員配置の充実により改善されてきているものの、1学級当たりの児童生徒数は国際的に見て依然低い水準である。

3 また、新型コロナウイルス感染症対策として生徒間の物理的距離を確保する必要があり、当面は新型コロナウイルスと共存していかざるを得ず、また、新たなウイルスの出現・感染拡大の可能性もある以上、これまでの学級編制では対応できないことが見込まれる。

4 ただし、学級の規模については、20人以下であると少なすぎると約半数の教員が感じたとする意識調査もあり、また、「社会性の育成」の観点からも「20人学級」が適正であるかどうか、十分な検証が必要であり、県としては、こうした検証結果を注視して判断する必要がある。

5 その他の請願項目については、税収の大幅な減少に伴い、県の財政が一層逼迫することが予想される中でも、その実現に向け、県が取り組むべきものであると考えられ、概ね趣旨に賛同する。

6 以上のことから、県としては、状況を注視して判断する必要があることが含まれることから、本請願については、「継続」を主張する。

<請願番号>

第60号

<件名>

コロナ禍の中で3密を避けるためにも小学校5年生・6年生・中学校の35人学級実現を求める件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 現在の学校現場の状況を見ると、子どもたちの基本的な生活習慣、規範意識、学習意欲・態度などに課題があり、いじめ等の問題、指導が困難な児童生徒や特別支援教育の対象となる児童生徒への対応など、子どもたち一人一人に目の行き届いた指導を行うことがより一層求められている。

2 文部科学省の調査(「今後の学級編制及び教職員定数の在り方に関する国民からの意見募集」)では小中高生の保護者の約8割が30人以下の学級規模を求めており、少人数学級を望んでいる。

3 我が国の教育環境は、個別の教育課題に対応するための教職員配置の充実により改善されてきているものの、1学級当たりの児童生徒数は国際的に見て依然低い水準である。

4 また、新型コロナウイルス感染症対策として生徒間の物理的距離を確保する必要があり、当面は新型コロナウイルスと共存していかざるを得ず、また、新たなウイルスの出現・感染拡大の可能性もある以上、これまでの学級編制では対応できないことが見込まれる。

5 以上のことから、県としては、一人一人の児童生徒に向き合う時間を十分確保するとともに、きめ細やかな指導が展開できるよう、また、感染症対策の観点からも義務教育における35人学級実現を推進する必要があること等から、本請願については、「採択」を主張する。

<請願番号>

第61号

<件名>

教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 私立学校は、各々建学の精神に基づき特色ある教育を展開し、公立学校とともに公教育の一翼を担ってきたところであり、あらゆる生徒の就学機会を確保するためには、私立学校の維持発展が欠かせない。

2 現在、国では、私立学校の教育環境の維持向上や保護者の教育費負担の軽減及び学校経営の健全化の向上を図り、各学校の特色ある取組を支援するため、都道府県による経常費助成等に対し補助を行っている。

3 しかしながら、保護者の深刻な学費負担を軽減し、私立学校が新しい時代の要請に応えていくためには、私立学校への支援の一層の充実が求められる。

4 よって、私立学校に対する支援の充実を求める本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。