質問日:令和4年3月8日(火)
質問者:木戸 さだかず 委員
1 5~11歳のワクチン接種について
オミクロン株感染拡大の終息が見通せない中、いよいよ5歳から11歳のこどもたちへのワクチン接種が始まった。
こどもたちへのワクチン接種については、正直なところデータが十分とは言い難く、未だ賛否ある状況である。
2月9日に開催された「衆議院予算委員会」での後藤厚労相の答弁にあるように「オミクロン株については、5歳から11歳用の直接のデータは現時点では存在しておらず、『成人と同様の効果があると推測されている』」というのが実情で、接種に迷っている保護者は多いのではないだろうか。
10歳未満のこどもたちに関しては、コロナ感染者数は累計で55万人超に対して、3月1日時点の重症者は5人、死亡者はゼロで、こどもたちにとってコロナは大人ほど恐れる存在ではないことが明らかとなっている。
対して、ワクチン接種による副反応は、10歳以下のデータはない上、ファイザー社、モデルナ社ともに、心筋炎・心膜炎が疑われる報告事例は10代が飛びぬけて多くなっている。
国がこどもたちへのワクチン接種を努力義務としていないこともあり、自治体によっては、積極的に接種券を送付しないところも出てきている。泉大津市長はこどもへのワクチン接種そのものに反対されるなど、温度差が様々あるほどこの問題は判断が難しい。
厚労省は、副反応や感染状況など多くの情報をHPで公開しているが、ワクチンを「打つか、打たないか」迷う保護者がそういった情報にたどり着くのは容易でない。
そのような状況からも、子どもたちのコロナ感染によるリスクの現状、ワクチンの副反応の現状などが一目見てわかるようにデータ整理しHPで公開するなど、県民目線の発信に努めることが必要ではないかと考えるが所見を伺う。
2 スマートウォッチを用いた健康管理について
県では、一人暮らし高齢者等の体調管理や保健指導等を通じて高齢者の健康管理を支援することを目的に、令和2年度からスマホ、スマートウォッチを活用した健康管理支援を展開している。
先進的なウエラブルデバイスを活用した取り組みは今後の可能性も含めて大変有意な取り組みであると考える。
この事業は、ウエラブルデバイスを用いて、食事、運動、睡眠等を計測し、その結果をもとに保健指導等を実施するというものであり、令和2年度、3年度合わせて県下9市町で実施されている。総参加人数は264人とまだまだこれからの事業であるが、「特に特定保健指導対象者への活用の可能性を実感した、得られたデータは可視化されて有益」といった効果が報告されている。
こういった先進的な取り組みの裾野を広げていくためには兎に角続けていくことが大切で、ぜひ頑張って欲しい取り組みである。
そこで令和4年度の本事業の取組と今後の発展の可能性について所見を伺う。
3 訪問介護について
2月17日、「感染した人にも対応する介護の価値を高めて欲しい」と訴えて、訪問介護事業者の有志が「3回目のワクチン接種について在宅介護職員も優先接種にすることやコロナ感染者への訪問介護に報酬加算制度を設けること」を厚生労働省に要望された。
訪問介護のヘルパーは、利用者が陽性や濃厚接触者になっても介護を続けておられ、そうしたヘルパーに、感染リスクに見合った介護報酬、障害福祉サービス等報酬の加算を設けて欲しいという願いで、ウェブで呼びかけると3万7千人もの署名が集まった。
訪問介護は有効求人倍率が15倍、平均年齢50歳を超える慢性的に人手不足が深刻な状況であり、この要望、署名も「介護の価値を高めて欲しい」という痛切な声である。
一方、国においても、「新型コロナ感染症の患者等への対応等により、一時的に人員基準を満たすことができなくなる場合について、介護報酬、人員、施設・設備及び運営基準などについては、柔軟な取扱いを可能とする」旨の決定が下されているところである。
これらの状況をふまえても、訪問介護の価値を高めること、すなわち皆が働きたくなることは、結果、人材の確保にもつながり、まさに「誰も取り残さない」社会に直結する取組となる。
そこで、訪問介護の魅力向上に向けた取組みの現状を伺う。