予算特別委員会部局審査(企業庁)
質 問 者 石井 健一郎 副委員長(民主党・県民連合)
1 ひょうご情報公園都市について
(1)第1工区の分譲について
先日、平成15年3月から分譲を開始していたひょうご情報公園都市の第1工区について、すべて売却先が決まったとの新聞報道があった。ひょうご情報公園都市は、山陽自動車道三木東インターチェンジに隣接していることから、生産・物流拠点としての優位性をアピールし、分譲を始めてから12年、ここに運送業や飲食関係など20社が立地することになるわけだが、造成当初の見込みと現状との比較、またそのことに対し、どのような評価をしているのか伺う。
(2)第2~第4工区の今後の方針について
今年度策定された企業庁経営ビジョンであるが、その中に、ひょうご情報公園都市については「平成30年度までに既開発用地の分譲完了を目指す」との表記がある。先ほどの質問でも触れたとおり、第1工区の分譲完了まで、12年かかった。そしてひょうご情報公園都市には平成25年度末時点で造成を行っていない第2~第4工区、いわゆる事業進度調整地が約215haあるとお聞きしている。この区域については、同じく経営ビジョンに、「県民・企業ニーズや事業の採算性を考慮の上、環境林や企業ニーズを踏まえた利活用を検討」とあるが、現状及びこれまでの地元自治体との協議も踏まえた、今後の方針についてもあわせてお聞きする。
2 播磨科学公園都市における住宅地分譲の今後の取り組みについて
現在企業庁が開発した住宅地の分譲済率は、潮芦屋、神戸三田国際公園都市(カルチャータウン)ともに69%、播磨科学公園都市が35%と、地域差が歴然としてある。潮芦屋と三田の分譲が進んでいるのは、アクセス面だけでなく、潮芦屋については阪神間における湾岸地区の立地という開放的なイメージの活用、神戸三田国際公園都市では、洋風の住宅が立ち並ぶ郊外の街並みや電線の地中化等により景観を大切にする街といったイメージの形成にある程度成功したためだと考える。
企業庁経営ビジョンによると、潮芦屋については、マリーナの良好な景観と調和した施設の整備などにより平成30年度を目処に分譲を完了、三田は平成30年代前半に、都心では味わえない環境や、余裕ある敷地を有する住宅の整備を進めることにより、「まちの熟成を図る」こととなっており、現在のイメージに沿った分譲の推進を目指している。そして、播磨科学公園都市については、そこまでの数値目標を打ち出さず、道の駅やコンビニエンスストアの開設、サッカー場の整備などを進め、交流人口の拡大を目指すほか、現在姫路や相生に下宿している県立大学の学生を呼び込む仕掛けを検討するとお聞きしている。
しかしながら、人口減少に伴うコンパクトシティ化の推進が進む中、立地的に不利な播磨科学公園都市の住宅地分譲の促進には、訴求力のあるイメージづくりなど今少し踏み込んだ仕掛けが必要だと考えるが、どのような方針を検討されているのか伺う。
3 地域整備事業の土地評価について
地方公営企業会計基準の見直しがあり、平成26年度当初予算から土地の評価損の計上が義務づけられることとなった。それに伴い当局が土地の時価評価を行ったところ、地価の変動等に伴い、播磨地域においては35億円、淡路地域では101億円の時価評価損が発生したことになっている。一方、評価益の計上に関する規定は基準にはないが、平成26年度補正予算において、阪神地域での116億円の評価益が計上されている。
つまり昨年度からは評価損については規定通り、評価益についてもいわば自主的に公表資料に記載されている訳だが、金額が金額であるだけに、県民への分かりやすい説明が必要だと考える。そこで、なぜこのような数値になったのか、今後の各地域の整備事業に影響はないのかなど、この度の土地評価について当局の見解を伺う。