議会の動き

栗山 雅史 議員が一般質問を実施

質問日:令和5年2月21日(火)

質問者:栗山 雅史

質問方式:一問一答

1 JR赤字ローカル線地域の最適な公共交通のあり方について

この件については、我が会派の上野議員からも質問がありましたし、過去にも多くの議員が質問してきましたが、私から改めて重要な観点の質問をさせていただきます。

その前に、第3回JRローカル線維持・利用促進検討協議会の新聞記事をご紹介させてください。記事によりますと、県や沿線市町が日常利用の促進や誘客イベントの充実などを対策として取りまとめたという記事がある一方、路線の維持・活性化にとどまらず、別の交通機関への転換など、地域交通の幅広い議論を求めてきたJR西日本の國弘兵庫支社長が「維持することだけが目的の議論に違和感と既視感を覚える。現実直視で、未来志向で議論して欲しい」と指摘されたとありました。両者の温度差や溝が浮き彫りになったと報道されていました。なぜそうなっているのでしょうか。兵庫県の考え方は、一貫して「路線の維持、利用促進・活性化」という方向性のみです。それが原因ではないでしょうか。

私は、このようなすれ違いの状況をとても心配しています。ですので、兵庫県の考え方として、まだ聞いていないいくつかの点について質問したいと思います。

1つ目です。この問題の本質的に議論すべきところは、赤字ローカル線がなぜ赤字続きなのか、なぜ市民・県民に利用されないのか、そのあたりの分析をする中で、地域にとってその鉄路はお役に立っているのか、本当に必要なのか、地域にとって最適な公共交通とは何か、ということを考えることではなかったかということです。しかし、その点には触れてはいけないことかのように、または避けているように 「維持・利用促進」ばかりで対策をまとめているように見えます。しかも、これらの対策で、赤字路線の目安とされている1日2千人の利用客数に、この先近づけるのかと考えると、正直なところ厳しいのではないかと感じざるを得ません。

今のその判断や考え方が、逆に県民・市民の明るい近未来を奪ってはいないか、もっと前向きで快適な公共交通の可能性があるかも知れない、その近未来を閉ざしてしまってはいないかと、私は危惧しています。

なぜ問題の本質的なところを議論しようとしないのか、その点についてお伺いします。

2点目です。日常利用の促進などの取組は、過去にもやってきたことではないかと思います。まさにこれが既視感と呼ばれるものかと思います。担当課に過去の利用促進の取組について資料でご報告いただきましたが、姫新線では良い結果を生み出したと言える実績もありましたが、全体的な印象としては、一時的な利用者増はあったものの定着せず、抜本的な改善には至らず、今のような状況になっていると認識しました。その過去があるにも関わらず、路線は維持が前提だと、利用促進だと打ち出すのは、やはり無理があると思います。その点についてはどうお考えでしょうか。

3点目です。上野議員に対する知事からの答弁にこうありました。「JRさんは黒字に転換したというところですから、いろんな路線を赤字であっても黒字であっても、地域全体のために維持していくということが私はJRの責務であると思う」と。その答弁を聞いた時、そのように一瞬思えて勘違いしそうになりましたが、でもよく考えてみると、これはスゴイことを言っているなと思いました。

JRは公共交通機関であり、公益的な使命ももちろんあるかと思いますが、民間企業であり、営利企業です。これを異なる業種の民間企業に当てはめてみますと、不採算の部門があるけれども、他の部門で黒字なんだったら、それで補完できるんだから続けなさい、と言っているようなものです。そんなこと普通の企業に言うでしょうか。

他の公共交通機関である阪急や阪神、山陽などの私鉄だったらどうかとも想像しました。不採算の路線があって苦しいと言われたときに、いや何とか維持してくれと言いたくなるのはわからないでもないですが、今に始まったことではなく、過去から長い間ずっと不採算でどうしようもないのなら、一定の時点では、もう「やむを得ない」という判断に共感してあげないといけないのではないでしょうか。広域的な路線を持つJRだから、そして以前は国鉄だったからこのような発想になってしまうのかも知れませんが、民間企業としての悲痛なる訴えをまともに受け止めていないのではないかと思いました。

どうしても行政が鉄路に拘るのであれば、もはや行政として、財政的な面を中心に、全面的に支えるしかないのではないでしょうか。そのような覚悟はないのでしょうか。その点についてお聞きします。

4つ目です。利用促進策等がまとまった今、DCや大阪・関西万博を見据えて、「今後の3年間は大切にしていきたい」との発言が協議会で服部副知事からあったようですが、3年後にはどのような結果になるのか、その検証をしっかりとするべきだと思います。結果によっては、これら地域の公共交通について、今度こそは待った無しで見つめ直すということを決めておくべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。

以上4点、質問します。

2 ガールズバー等の客引き行為防止に関する法整備と取組について

この件につきましては、これまで県議会本会議等で公式に質問、議論はしたことはありませんでしたが、西宮北口の地元商店街、地元住民の皆さんから「あのガールズバーの客引きで立っている女性たちを何とかして欲しい」、そういった相談と要請がありまして、長きにわたって取り組んできた事案であります。

ガールズバー等の客引き行為等に関しては、兵庫県では平成27年4月から、公道等における通行人の往来に支障を来す客引き行為等を禁止する、全国的に見ても都道府県ではあまり存在しない「客引き行為等の防止に関する条例」を公布、施行するなど、客引き行為等の防止に関して強い姿勢で臨んできた経過、歴史があります。平成27年10月からは、特に快適な環境を確保する必要がある地域については知事がこれを指定し、現在は三宮の北部地区だけですが、当該地域における客引き行為等の違反者には、5万円以下の過料やその他、氏名等の公表する運用をしています。

そんな中、私の地元西宮北口の駅北西地区にあたる「にしきた商店街」の地区内においても、特にガールズバーの客引きと思われる女性たちが、最初は少数でしたが駅前の公道や公園に立ち始め、多い時で20人以上の女性たちが立ち、時にはしつこく声をかけ、通行人につきまとい、お店への誘導と思われる行為をするなど、まさに「客引き行為」と思われる行為も散見され、これまで健全で風紀の良かった街が、どんどん何かいかがわしい雰囲気の街へと変化してきたと感じるようになりました。また、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、あの狭い道路に多くの客引き行為等を行う女性たちが立つことで、シンプルに歩きにくいという声も多数聞かれるようになりました。

こういった状況を憂い、商店街の皆さんが声を上げられ、地元の住民の皆さんにもアンケートを取るなど、「この街を何とかしたい」と行動を起こされました。警察や兵庫県の生活安全課、西宮市などに対して何とかならないかと相談され、お願いされ、勉強会も開催し、県議会議員である私や市議会議員の方にも、問題の解決に向けた様々なアプローチをされてきました。私もその想いを理解し、同じくするものとして、ある時には商店街の副会長さんとともに、営業時間に支障のない時間帯に、地区内にある多くのガールズバーを訪問して、客引き行為等についてどう思われているか、どのように実施されているのかなどをヒアリングし、後日、昼間に商店街の皆さんとの意見交換会を開催するのでぜひ参加して欲しいとお願いに回ったこともありました。そして、後日意見交換会を開催し、私も陪席しましたが、ある店は「お店の売り上げに関わるのでやめるつもりはない」とか、「他店がやっているので、うちもやらないわけにいかない」などと、街の在り方や通行人の苦情等には耳を傾けることなく、今でも客引き行為等をする女性を立たせています。

私はこの間、客引き条例を所管する県の生活安全課には何度も「何とかならないか」、「禁止地区の指定はできないか」など問合せしてきましたが、「客引き行為とまではいえない状況だ」とか、「客引き行為等をする人数が少ない」などと言われ、指導するとか、地区指定するとか、強い姿勢で取り組んでもらえず、今もこの状況は続いており、何も変わっていません。

(1)迷惑防止条例の改正について

そんな中、昨年の7月、大阪府警が繁華街で横行するガールズバー等の客引き行為を刑事罰の対象に加える改正迷惑防止条例を施行し、取り締まりを強化しました。これまで、キャバクラや性風俗店、ホストクラブなどへの客引き行為は禁止し、取り締まることができましたが、苦情が増えてきたガールズバーなどについては条例の対象に入っていないことから、取り締まることができませんでした。しかし、今回の条例改正でガールズバーやメイドバーなど多くの業態が新たに取り締まりの対象となり、規制が強化されることになりました。

私はこの報道を受けて、なるほどこの手があったか!と思いました。同時に、大阪府警の本気度を感じましたし、大阪府警に出来て、兵庫県警に出来ないことはないんじゃないかと思いました。一筋の光が見えたような気がしました。

そして、私は兵庫県警に、大阪府警のこの迷惑防止条例の改正をならって、兵庫でも条例改正できないかと問い合わせしましたが、残念ながら、今のところ良いご返答はいただいておりません。

地域の皆さんは、法の整備による規制強化、そして警察力に大いに期待をしていますが、兵庫県警のご所見と今後の方向性についてお尋ねします。

(2)兵庫県の「客引き行為等の防止に関する条例」の運用について

「客引き行為等の防止に関する条例」を所管する生活安全課に再度、この西宮北口の現状をどのように改善できるのか、お聞きしたいと思います。

改めて申し上げます。条例には、「すべての人が公共の場所を安心して通行し、利用することができるよう、公共の場における客引き行為等について、規制対象とする行為、規制手法等について定める条例を制定した」とあります。規制対象とする行為には、「客引き行為、勧誘行為、客待ち行為」があり、まさにこの地域でやっている行為は「客待ち行為」が多いと思いますが、これは「たたずんだり、たむろする等して客引き又は勧誘の対象となる通行人等を待つ、通行人等を客引き又は勧誘の対象とすべく物色する等の行為」とありますが、この行為を何とか取り締まって欲しいのです。

新たに禁止地区の指定はできないのか、または現条例での運用において、取り締まりをさらに強化することはできないのか。それができなければ、この条例を制定した時のように、県民市民が大変困っているこの状況を解消するべく、強い気持ちを持って新たな条例を検討するなど、新たな視点での法整備による取り締まりができないのか、その可能性も含めて、今後の取組についてのご所見をお伺いします。

3 地方公務員の副業・兼業について

働き方改革が進むにつれて、民間では従業員の副業を容認・推奨する企業が増えてきました。その背景には、政府による「働き方改革実行計画」で副業の推進が決定され、2018年、厚生労働省が、企業の副業・兼業の内容を改正した「モデル就業規則」を例示したことなどがあります。

一方、国家公務員や地方公務員は、兼業による収入を得ることが法律によって制限されていますが、こちらも2019年3月、国家公務員が公益的活動等を行うための兼業に関し、円滑な制度運用を図るための環境整備が進められることとなり、兼業許可の基準が明確化されて各府省に通知が発出されました。地方公務員もこれに準拠して兼業許可の基準の設定・明確化をするよう促されています。

総務省は、地方公務員の兼業について、地方公務員法第38条において、国家公務員と同様に、副業・兼業は許可制としていて、人口減少に伴い、各地域などにおける人材の不足等を背景として、公務以外での活動を期待しているところです。

地方自治体では既に先進的に取組んでいるところもありまして、例えばご当地の神戸市では、「地域貢献応援制度」として、職員が勤務時間外で、社会性・公益性の高い地域貢献活動について、報酬を得て従事することを許可しています。

福井県においては、「現場で輝け!福井県地域ビジネス兼業促進制度」を創設し、職員が積極的に地域貢献事業に参加し、自らの行政経験を活かして県内の団体・企業とともに、現場の課題解決に取り組むことを推奨しています。県庁を離れて現場に赴き、行政経験や知見を地域課題の解決に役立てることが期待されるとともに、職員にとっては組織外の兼業で得られるスキルや地域とのネットワークを、政策立案や実行に繋げるため、積極的に地域ビジネスに参画することを推進しています。

2018年のデータですが、都道府県の社会貢献活動に係る兼業許可件数は1,355件あり、平均で約29件でした。しかし、兵庫県の許可件数は令和3年度で12件、令和4年度で8件と、やや低調ではないかと感じる状況となっています。許可内容としては、大学の非常勤講師、こども向け塾講師、自治会役員、障碍者スポーツ指導員、有害鳥獣駆除活動などがありました。

進行する人口減少下において、県内各地域の自治会やNPO法人などの非営利の活動を含め、農業や介護、あるいは教員、クラブなどのスポーツ指導員など、あらゆる分野において、人材が不足している課題を、まさに県職員や自治体職員などの公務員の皆さんの力で解消できる可能性が幅広くあるのではないかと私は感じていますが、兵庫県では、職員の副業・兼業についてどのように考えているのか、今後の方針も含め、明らかにしていただきたいと思います。

4 子育て中の働く親をはじめとした県職員の休憩時間のあり方について

昨今、異次元の少子化対策だとか、県の新予算でも新婚世帯に最大60万円の補助を行うとか、不妊治療等の助成の所得制限を撤廃するとか、県立学校の環境整備に今後6年間で300億円投資するとか、その他18歳までの医療費の無償化や保育所・学童保育の待機児童対策など、国も兵庫県も、世の中全体的にも、子どもや子育て、教育などの分野に多くの税財源を振り向けて、力を入れて施策を推し進めているように感じています。

そんな中、私は子育てをする共働きの県職員さんや、いろんな職種に就いているパパ友ママ友との会話で、日々忙しくされている働く親の皆さんが今一番望んでいるものは何かと尋ねると、多くの方が「自分の時間が欲しい」というのです。それは私もスゴクよくわかりますし、切実な想いを持たれているんだろうなと感じています。

「自分の時間の確保」。日々の仕事、そして家に帰れば家事・育児で目まぐるしい共働きの夫婦の皆さんは、「毎日、本当にギリギリでやってる」なんて声を聞きます。今のままでは、自分の時間なんてなかなか取れないと思います。でも、どうにか「自分の時間」をつくってあげられないかと私は考えまして、行きつくところ、可能性があるのは「昼休み休憩の延長・拡大」ではないかと思いました。

今、昼休みは1時間ですよね?これが仮に1時間半や2時間だったら嬉しくないでしょうか?休憩時間が少し長ければ、その間にゆっくりと食事もとれるでしょうし、「お昼寝」もできると思います。加えて、散歩をしたり、買い物もできるかもしれません。「自分の時間」を勤務中に確保することができるのです。

ここで、「昼寝」のことを、特出ししてお話させてください。

実は、私は「昼寝の効用」について、昔インターン学生たちと研究したことがありました。昼休みに昼寝を取り入れると、睡眠不足の解消だけではなく、午後の集中力向上や脳と体のリフレッシュ、さらに病気の予防にも効果的とされています。

実は皆さん、厚生労働省では「健康づくりのための睡眠指針」というものを作っていて、働き方改革の一環として「午後の昼寝」を推奨しているんです。福岡市でも、あの布団で有名な西川株式会社とコラボして、企業や市民に、昼寝はサボりではなく「チャージ」なんだとして「昼寝」の導入を呼びかけています。民間などでは昼寝をするための休憩室をつくっているところもあります。

ここにおられる皆さんも、「昼寝の効用」については、実体験として意味があることをご理解されていると思います。しかし、県職員さんは昼寝をするほどの十分な時間がお昼休みには取れないのではないでしょうか。もちろん、現状の1時間でもサッとお弁当を食べてお昼寝する人もいるかとは思いますが、仮に1時間半の昼休みがあったら、かなり余裕が生まれると思うのです。

昼休みを拡大するとなると、始業時間を早めたり、終業時間を遅くするなど労働時間を確保する必要がある、なんてことは言わないでください!始業・終業の時間はそのままでいいんです。労働時間を短縮したって大丈夫なんです。労働基準法では、労働は1日8時間を超えて労働させてはいけないとしているだけですし、8時間なら1時間以上の休憩を与えなければならないとされています。思い切って1時間以上、1時間半とか、長い休憩時間に変えてみませんか?公務員の皆さんだけでなく、日本人はみんな働き過ぎだと私は思うんです。休憩時間を少し延長・拡大する改革をしても、誰にも咎められないと思います。

休憩時間の延長・拡大は、共働きの働く親である県職員さんだけでなく、すべての県職員さん、すべての勤労者に関わる、実は結構大事なテーマではないかと私は思っています。「自分の時間」を生み出し、「昼寝」もできて労働生産性も向上し、今までと違う消費も生まれるかもしれない。良いことづくめの「休憩時間の延長・拡大」について、知事をはじめ、ここにおられるすべての皆さん、いかがでしょうか?