議会の動き

10年6月定例会

神戸淡路鳴門自動車道、阪神高速道路の新料金案の見直し等を求める意見書(案)

 高速道路の料金について、現在の割引制度が、持続可能な制度でない、内容が複雑、特定日、時間の交通集中の原因となっているなどの課題があることから、国においては、半年にわたる見直し検討を行った結果、本年4月9日に、徹底した簡素化、地球環境への配慮等を基本方針とした新たな料金割引制度を導入すると発表した。
 これにより、神戸淡路鳴門自動車道は引き続き他の高速道路と比べ高い料金が設定されるとともに、阪神高速道路は対距離を基本とする新たな上限料金制度などを導入することとなり、より多くの利用者の負担が増加することとなる。
 両道路は、京阪神都市圏と淡路島、四国地方の連携や交流、物流や経済活動等を支える重要な路線であり、同地域の成長を支える重要な社会基盤であるが、従来から他の高速道路より高い料金設定となっているほか、複数の高速道路会社等よる異なる料金体系が利用者の利便性を低下させており、それらが同地域の交流や発展を阻害する一因ともなってきた。
 よって、国におかれては、関西都市圏が一体的に成長、発展していくためには、高速道路ネットワークの強化とともに、地域振興や利用者の視点から適切な料金制度とする必要があることを踏まえ、地方自治体の意見を十分に聞き、下記項目を実現するよう、強く要望する。

1.神戸淡路鳴門自動車道の料金体系をNEXCO路線と同様にすること。
2.阪神高速道路について、現行料金に比べ利用者の大幅な負担増とならないような料金体系とするとともに、将来的には、都市圏の高速道路等の運営主体間で異なる料金体系を解消し、地域の実情を踏まえた対距離料金制導入による一元化した料金体系を実現すること。
3.一般道路等の渋滞や環境問題を軽減するため、阪神高速道路について、短距離利用に配慮した料金体系とするとともに、5号湾岸線の環境ロードプライシングや池田線端末平日通勤時間帯割引などの政策的な割引制度を継続すること。
4.新神戸トンネルの連続利用割引を継続するとともに、新料金導入に合わせて新神戸トンネル、ハーバーハイウェー等の阪神高速道路ネットワークへの組み入れを実現すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

地方自治体における獣医師の確保対策等を求める意見書(案)

人々の生活が多様化、高度化していく中で、社会において獣医師が担う責務が増大するとともに、高度な専門知識と技術が要請されている。特に、地方自治体における獣医師は、公衆衛生分野では食肉・食品の衛生監視・検査業務、狂犬病等の人畜共通感染症の予防業務等に、また家畜衛生分野では家畜伝染病予防法に基づく防疫措置、畜産物の衛生管理指導、動物用医薬品の適正指導等に取り組むなど、地方自治体が果たすべき重要な業務を担っているところである。
 そういう状況の中で、近年、獣医師免許新規取得者を中心に継続的な小動物診療分野への高い就職志向が続いていることなどにより、地方自治体勤務を希望する獣医師が減少していることから、各自治体においては各大学等でのPR活動を行うなど確保対策に懸命に取り組んでいるが、自治体間での争奪戦となっている現状があり、国全体での公務員獣医師の処遇改善等の就業誘導策が求められる。
また、宮崎県で発生した家畜伝染病「口蹄疫」への対応では、牛や豚等の殺処分やワクチン接種を行う獣医師が不足し、全国都道府県やボランティア等の獣医師が応援を行っているものの、業務は多忙を極めており、緊急時においては官民一体となった国全体での対応が不可欠である。
よって、国におかれては、家畜伝染病発生時等の緊急対応を含め、地方自治体における獣医師の確保等を図るため、下記項目を実現するよう、強く要望する。

1.家畜伝染病発生時等の早急な緊急対応を図るため、日本獣医師会との協力体制を構築するなど、国全体での緊急時の応援体制を整備すること。
2.大学におけるカリキュラムの改善等を通じ、公衆衛生、家畜衛生分野において獣医師が果たしている公的役割や必要性に関する教育を充実させること。
3.地方自治体における獣医師を取り巻く環境改善に資するため、国においても公務員獣医師の勤務環境の改善を行うこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。