第310回9月定例会 決算特別委員会質問 (企画県民部2)
2011年10月11日(火)
今回の台風12号、15号の災害に関しては、本会議においても一般質問がなされておりましたが、県下で一番被害の大きかった高砂選出の県会議員として、触れない訳にはいかず、これまでの対応実績とあわせて質問をさせて頂きます。
1 本県における災害対策について
(1) 市町の行う避難勧告への支援について
今回の台風災害に対しては、一般質問でも、知事から「県として、市町による避
難勧告等の具体的な発令基準のガイドラインを整備するほか、市町に対してよりきめ細かな情報を提供できるよう、県下全河川の氾濫予測システムを前倒し整備するなど、迅速かつ的確な避難勧告等の発令を支援して、県民の安全・安心の確保に努める」「兵庫県独自の災害援護金の支給を実施」といった前向きな答弁を聞きました。
職員の皆さんの日頃からのご努力により、比較的迅速な対応であったと感じております。
しかし、今回の災害では我々としても反省すべき点は多いと思っています。
特に、災害の発生する可能性が明らかに高まった際に行われた、避難勧告の緊急放送について、豪雨による災害で、家の中にいる人も多く、窓をしめていたことからも、緊急放送を聞く事ができなかったという話を聞きました。
高砂市では、各戸に防災ラジオを一部補助する形で配布しようかという動きがあるとも聞いていますが、防災先進県としての兵庫県として、県下全域の基礎自治体のこうした取り組みに対する助成を含めた支援を検討していくことも必要ではないでしょうか。
そこで、県がこれまで市町に対して取り組んでこられた避難の円滑化に向けた支援の実績をお伺いするとともに、その課題と申し上げた支援のあり方をどのように考えておられるか所見を伺います。
(2) 被災住民への対応について
次に、災害にあってしまった住民への対応について伺います。
今回の台風災害については、床上浸水の住宅に対し、5万円の見舞金が県からは出ておりますが、当然のことながら、被害額を補填できる金額ではない事は明らかです。
例えば岡山県では、平成21年台風9号災害の際には、県と美作市で支援金150万円/半壊、50万円/床上という補助を実施しており、単純に兵庫県の10倍の金額を支援されております。
何故、他の自治体にこのような英断ができ、防災先進県である我が県において、その英断がなされないのか疑問であります。
本県には、住宅再建支援制度、いわゆるフェニックス共済が存在しており、これを利用して欲しいという県の答弁が想像出来ますが、平成17年度に始まった同制度の加入状況は昨年度末で8%と、未だ高い水準とは到底言えず、大規模災害が発生した場合に被災者への給付がカバー出来るのかという心配もあります。
そこで、今回の12号、15号台風を含めた過年度の主な災害で被災された方々のうち、どの程度の方々が、当共済に加入しておられ、またどれだけの給付実績があるのかをお示し戴くとともに、その実績をもって、同制度が抱える課題、とりわけ普及のあり方や支給率をどのように認識しておられるのかと併せ、被災者の救済に関する県としての総合的な対応のあり方について所見を伺います。
(3) ひょうご防災ネットの運用実態について
兵庫県では、携帯電話のメール機能やホームページ機能を利用して、災害発生時等の緊急時に、緊急情報や避難情報等をいち早く県民や市民の方々に発信するシステムである「ひょうご防災ネット」を運用しています。
かつての阪神・淡路大震災では、通常の50倍の通話が集中し、6日間もの不通状態が続いたことや、新潟県中越地震の際では、広範囲の土砂崩れと道路崩壊に伴って最大4500回線が使用不能となった実態がありました。
さらに、本年3月の東日本大震災では、固定通信に関しては、通信設備を設置するビル自体とビル内の設備の損壊・水没、中継伝送路の切断、電柱の倒壊、約190万回線のサービスが影響を受けるとともに、移動通信に関しても、携帯電話基地局の倒壊・流失や、光ファイバ等のエントランス回線の故障・切断、商用電源の途絶の長期化による非常用電源の枯渇により、約2万9千の基地局が停波しました。
勿論このような大規模地震と今回の台風災害を同列に論じることはできませんが、大災害等の緊急時に、いち早くその情報を県民・市民の方々に伝達する取り組みとして、防災ネットの役割と活用のあり方は、一層重要視されてくるのではないでしょうか。
そこで、ひょうご防災ネットの概要とこれまでの運用実績、特に最近の災害時における利用実態をお示し戴くとともに、それを踏まえた改善点や、あるべき展開について所見を伺います。
(4) 地域防災計画について
東日本大震災を受けて、県では地域防災計画の見直しを進めておられるとのことですが、今回を含めた台風災害が激しさを増している近年の状況を踏まえれば、市町との連携のあり方なども一層改善していくべきではないかと考えます。
平成22年度においても関連資料の一部が修正されるとともに、一昨年の台風第9号災害を教訓に、県の防災体制や市町・防災関係機関との連携のあり方、市町が実施する避難対策に対する県の支援のあり方などに関する検証委員会の提言を受けた、地域防災計画の見直しなどが行われてきたと聞いていますが、主な見直し内容を具体的にご説明戴くとともに、現時点の課題や方向性について伺います。
2 行政手続のオンライン化について
私は、相当、ズボラな性格で、銀行の振込や、行政手続きが本当に苦手です。
当選して、一人親方になると、煩雑な業務が山積し、それに日々追われる状況の中で、ネットバンクを本格的に利用し始めたのですが、とにもかくにも便利です。
銀行に行って振込をしてという時間コストがかなり低減する上に、振込手数料が、無料に近いという劇的なソリューションという事に、改めて気づかされました。
振込手数料が、無料に近いのは、営業戦略もあるのですが、物理的なオフィスコストや、人件費を抑制出来るため、手数料を軽減しても、ビジネスとして成立するのです。
しかし、納税に関しては、窓口までいかなくてはならない振込手続きで、ネットバンクの良さを、一気に打ち消してくれております。
本県では、約800の行政手続きを、自宅のパソコンから申請できるオンラインシステムを運営するとともに、イベントの申請なども行える申請システムを運営されるなど行政手続きのオンライン化を進めてこられましたが、今、申し上げました通り、住民の皆さんの時間コストや、行政側の運営コストも低減でき、税金であれば、徴収漏れも少なくでき、正確にもなることが期待されると思います。
このようにメリットのあるシステムと私は評価したいと思っていますが、申し述べてきたように費用対効果をしっかりと見据えた取り組みでなければなりません。
そこで、同システムを開発するに際してのプロジェクトコストと、現在までの利用件数の推移、その利用者が感じる利便性などを鑑みた上での課題やこれからの拡充の動向を、事業評価の観点から伺います。