第308回2月定例会 予算特別委員会質問(企画県民部1)
2012年3月5日(月)
1 パブリックコメントについて1
(1) パブリックコメントの実施状況について
パブリックコメントは、1999年の閣議決定「規制の設定又は改廃に係る意見提出手続」が契機となって、各自治体において導入が始まり、本県においても、2002年4月10日に「県民意見提出手続(パブリック・コメント手続)実施要綱」を制定し、県行政の基本的な事項を定める計画、方針等の立案段階において運用されているところである。
しかしながら、本県のホームページ上で公開されている最近実施したパブリックコメントの実施結果を見ると、少子高齢社会福祉ビジョン5人・13件、兵庫県健康づくり推進プランは18人・32件、総合治水条例は18人・123件で、兵庫県高齢者居住安定確保計画に至っては意見の提出が1件もなかった。
そこで、まずは最近のパブリックコメントの実施状況について伺う。
(2) パブリックコメントのあり方について
ただいまの答弁にもあったように、県民生活と密接に関わる一部の事例を除けば、意見の提出状況は、決して芳しいとはいえない。
パブリックコメント手続実施要綱に規定する実施目的として「県政への積極的な県民の参画の促進」が掲げられているが、その目的からはかけ離れた寂しい結果となっており、これでは、県民の声を県政に反映したとはとても言える状況になく、県当局にとって、「パブリックコメントを実施し、県民からの意見も聞いている」というアリバイ作りになっている。
「県民の声を県政に反映した」というためには、それなりの提出意見の件数があってしかるべきであり、県民に関心がないから提出件数が少ないというのでは、パブリックコメントを実施する意義は薄く、県民に対する情報公開となっているにすぎない。
パブリックコメントを実施する以上、意見の提出が一定行われるような工夫を施していくべきである。例えば、ホームページや県民だよりひょうごなどの広報媒体による発信に加え、地域団体・自治会や児童・生徒の保護者への配布など紙媒体による直接配布を行うことや、計画の内容はその概要であってもわかりにくいことから、県民に読んでもらえるよう「何を目指して作るのか」「作る必要性」など紙1枚に収まるよう要点を簡潔にするなどの工夫を行っていくべきである。
また、説明会等や地元説明会の場で意見提出をその場で求める工夫も行うべきである。
そこで、現在のパブリックコメントの意見提出状況を踏まえ、パブリックコメントを実施する意義について、どのように認識しているのか、所見を伺う。
2 地域の夢推進事業について
(1) 戦略的な事業配分について
地域の夢推進事業は今年度から、従来の地域戦略推進費を発展させる形でスタートした。ソフト事業に限られていた地域戦略推進費とは異なり、ハード事業の実施も認められることとなった。
運用方針を見るとハード事業は、①交流拠点の整備、②生活道路整備など生活環境の整備、③特産品の生産拠点など地場産業の振興などが事業の実施例として示されているが、現在の実施状況を伺うと小規模投資事業の補完という印象を持っている。そこで、平成23年度に実施したハード事業について、戦略的な事業に重点配分を行った事例について伺う。
(2) 「地域の声」の事業への反映について
今定例会の内藤議員の一般質問に対して、地域の夢推進事業は、そこに住み活動している皆さんの地域づくりへの提案を実現していくことが目的の一つであると答弁された。
しかしながら、実施状況からは、事業名に“地域の夢”を謳うのであれば、児童・生徒や障害者、高齢者の意見を広く訊いて県民が将来に希望を持つことができる社会の実現に向けた予算として実施すべきものであるが、“地域活性化”というフレーズはよく聞くが、肝心の“地域の夢”というフレーズが聞こえてこない。
そこで、県民局において事業内容を決定していくにあたって、地域住民の地域づくりへの提案、すなわち地域の夢を事業化するにあたって、どのように地域の声を取り入れているのか、その状況について伺う。
(3) 企画県民部の役割について
地域の夢推進事業は、先ほども申したように「県民が将来に希望を持つことができる」予算であると認識している。行革の取り組みを行うなかで、一般財源の15億円という金額の大きさの意義を改めて感じて欲しい。
事業決定にあたり、現地の課題解決に向けて、県民局で事業決定していくのが、本事業の特徴であるが、本庁の所管部局としての企画県民部は県民局に対して、方針を示すとともに、県民局への指導も必要に応じて行うべきものである。
そこで、地域の夢推進事業を推進していくにあたり、所管部局としての企画県民部の役割について所見を伺う。
3 県民運動の実際と構築に向けた取り組みついて
県民運動の構築については、これまで何度も質問しているが、改めて伺う。
先日、交通安全対策委員会に出席したが、ストップ・ザ交通事故県民運動の成果もあり、事故による死者が、平成3年の489人から昨年は198人に減少している。その一方で、自殺者数は1300人前後で推移している。自殺対策についても、交通事故と同様、県民運動として取り組んでいくべきである。
県民みずからが、県政課題の解決に立ち向かう県民運動の構築、意識の醸成についてどのように認識しているのか県民運動の実施状況とあわせて所見を伺う。