第312回2月定例会 予算特別委員会質問(企画県民部1)
2012年3月5日(月)
NPO法が改正され、新寄付税制が整いNGO/NPOへの期待が、益々高まってきている。昨年の12月議会での私たちの会派の迎山議員、今議会での前田議員が、この流れの中での兵庫県の方向性についてお訊ねしているが、慎重なご答弁をいただいているところだ。
一方で、改正法の施行に向けて、兵庫県-神戸市間では、スムーズなスタートに向けて、情報交換や具体的な手続きの方法など、調整を進めていただいている。
今の動きには、新たな雇用の創出、行政では手が届きにくい部分へのサービス提供、間接的ではあるもののNPOへの寄付という形で税金の使途を選ぶといった、様々な期待が寄せられているところである。
そこで、地域の課題解決の担い手として期待されるNPOや市民活動への支援のあり方について、質問を行う。
1 ひょうごボランタリー基金のあり方について
(1) 県民ボランタリー活動助成について
県民ボランタリー活動助成は、平成14年に創設された「ひょうごボランタリー基金」の運用益を原資として、県内において継続的にボランタリー活動を行う、法人格を持たないボランティアグループ・団体に助成を行うもの。
1グループ・団体あたり3万円が上限の全団体一律同額助成で、対象経費も幅が広く、活動側からすれば、とても使い勝手がよく、ありがたい制度で、制度創設以来7年間にわたって活用されている。
平成22年度実績では、総額95,381千円を3,289団体に、各2.9万円ずつ助成。
草の根の活動が活発になる事は、地域の活力につながり、大切に育てる必要がある。
支援制度に眼を向けてみると、県民ボランタリー活動助成制度を作ったときに比べ、県民局や各市町、あるいは県の部局において、それぞれに草の根の市民活動を支える助成制度がある。
(タイプは違うが、県民交流広場も。県民局では夢推進事業。(財)兵庫県生きがい創造協会のシニアカレッジなど)
★そこで質問!
私は、県民ボランタリー活動助成はその役割を終えつつあると考えているが、県民ボランタリー活動助成の必要性をどのように捉えているか、ご説明願う。
(2) 社会の課題解決の取組を支援する事業の助成について
チャレンジ事業助成は、2年間にわたり、NPO法人等の活動を支援して事業確立をサポートするもの
平成22年度からは、フロンティア事業助成、同じ趣旨で助成を行っており、総額773万円を9つの団体に助成している。
ところが、平成21年度のチャレンジ事業助成の採択事業8件のうち2件が採択後に辞退している。
それぞれ辞退も致し方ない事情があったようだが、人材や資金面で脆弱なNPOであるだけに、せっかくの事業チャンスを逃してしまうのはもったいないこと。
地域社会から見れば、社会の課題解決のきっかけが開けなかったということ。
チャレンジ事業助成やフロンティア事業助成に手があがってくる事業は、本当に地域社会にとって必要とされ、事業継続が臨まれる事業であるべきだと思う
★草の根の活動、ボランティア活動を育むことも大切だが、課題解決型の組織の発掘も必要。そこで、チャレンジ事業助成やフロンティア事業助成において、事業採択や事業実施中のサポートが、どのような基準で、どのような視点で行われているのか、教えて。
2 県民活動の支援のあり方について
最後に県民活動の支援のあり方についてお訊ね。
(1) 寄付文化の醸成について
冒頭に申し上げたとおり、NPO法の改正や新寄付税制の整備により、兵庫県は3号条例の制定に慎重とはいえ、NPOが活躍していく環境が整いつつある。
しかし、制度だけが整えば良いと言うことではなく、兵庫県全体の気運づくりも深めていかなければ、せっかくの制度も十分に活用されにくい。
★そこで、NPOが活躍できる環境整備の両輪である兵庫県全体の気運づくりをどのように進めるのか。
活動に参加していく人を増やそう!という点では、県内各所に拠点が設けられたり、セミナーが開催されるなど、参画の機会も新しい市民活動も増えていると思うので、とりわけ、寄付文化の醸成についての考えをお聞きしたい。
(2) 戦略性のある活動助成について
先に質問したとおり、私自身は、県民ボランタリー活動助成は役割を終えていると考えている。
これからのNPO等に期待されるのは、ボランティアベースの期待から、その専門性を活かした課題の解決へと比重が大きくなる。
どのようなテーマの課題が、どの地域で、どのくらい必要とされていて、そのニーズに対して、どれだけの供給がされているのか、という考え方が必要になる。
逆に言えば、供給が大きく不足していて、その充足のためにNPOの存在が必要なのであれば、戦略的に育成をしていくような仕掛けも必要である。
★そこで、NPOの戦略的育成や助成のあり方について、どのようにお考えか教えて。
<コメント>
草の根的な活動を支えるのは、その活動の姿が見えている市町が適当だと思う。
一方で、パイロットケースの展開や広域にまたがる活動、あるいは協力機関が多く必要になったり、特殊な能力が必要となる活動は、県の方が支援者として適当だと思う。
戦略性のある活動助成の切り口として、市町と県の役割分担、スケールメリット、テーマ設定などが上げられると思う。