議会の動き

上野 英一議員が一般質問を実施

平成25年9月 第319回定例県議会 一般質問要旨案

質 問 日:2013年10月1日(火)

質 問 者 : 上野 英一 議員

質問形式 : 分割方式

1.公平・公正性、透明性を持った社会基盤整備の推進について

(1)社会基盤整備プログラムの見直しについて

「第2次行革プラン3年目の総点検における課題と検討方向」には、「平成25年度当初予算における収支不足額は未だ735億円に上っている。30年度までの収支均衡に向け、まさにこれからが正念場である。一方、兵庫の将来を見据えて対応すべき課題や危機に対して解決への道筋を定め、計画的に対策を選択と集中の徹底で進めていかなければならない。」と記されています。

そのような中で社会基盤整備については、平成14年度から約10年間、平成20年度から平成30年度までの約10年間を県民局単位で社会基盤整備プログラム、いわゆる「社基プロ」が策定され、現在、平成26年度から平成35年度までを新たな計画期間として、見直し作業が行われています。

社基プロは、地域の課題や県民ニーズに的確に対応することは言うまでもなく、公正・公平性、透明性を持たせることも重要な目的であると考えます。

今回の見直し作業については、既に見直しのタイムスケジュール等が示されており、前述の観点からも的確に作業が進められていると感じています。しかし、前回の見直しでは、地域の意見を聞く機会が十分でなかったと認識しており、今後の見直しに当ってはこのようなことがないように強く指摘しておきます。

そこで、この度の見直しに当り、地域の課題や県民ニーズを的確に把握するために、具体的にどのような方法を考えておられるのか、ご所見をお伺いします。

(2)社会基盤整備プログラムに記載されない事業について

社会基盤整備プログラムに記載をされない1億円未満事業については、主に県単独土木事業で実施されていますが、県民の地域の課題やニーズに的確に、且つ、緊急に対応する必要から、柔軟に対応することが必要であると考えます。

平成25年度の県単独土木の事業量は、10県民局と本庁の県全体で264億42百万円であり、私が初めて議員となりました平成19年度の約6割となっており、しかも維持費を含めての264億42百万円ですので県民ニーズに十分応えることが困難のように考えますが、どのように認識しているのかお伺いします。

2.国道、主要地方道、一般県道整備の基本的な考え方について

県土整備部の管理する国道は、他府県あるいは広域の市町に跨る路線であり、行政需要の大きいものであると考えます。主要地方道は、広域の市町に跨る県道であり次に需要の大きいものであると考えます。一般県道は、2つ以上の市町に跨る路線であります。このことからも、県土の骨格をなす国道や主要地方道の整備が優先されるとともに、交通需要に応じた整備が行われるべきだと考えます。

しかし、限られた予算の中で住民ニーズに対して、その整備が十分に応えられていないのも実態だと思います。また、整備が遅れている現状は、県下の多くで共通したところがあると思います。そこで、神崎郡内での具体的な事例をあげてお伺いします。

(1)西脇八千代市川線の整備状況について

主要地方道西脇八千代市川線の整備状況についてお伺いします。

道路整備については、地元市町等の要望などを加味しながら進めることは当然ですが、地形的な要件や家屋の連担、地権者等の協力体制等々によっても進捗の度合いが違ってくることは認識をしています。

西脇八千代市川線の市川町域における整備の現状は、全長11kmのうち2車線改良済は5.4km、49%で、歩道設置延長は3.6km、33%と整備が遅れている感があります。

交通量は、西脇市野村町では11,179台/日、西脇市平野町で9,550台/日、多可町八千代区下三原では、1,872台/日、市川町下瀬加では、4,478台/日で通行量としては決して少なくなく、さらには、船坂トンネルが開通してから、姫路港から丹波市へ木材チップを積載した多数の大型ダンプトラックが通行しており大変危険な状況となっています。しかし、市川町側では家屋が連担しており、早期の全線整備は困難であることは明らかなことは理解をしています。

そこで、当道路の市川町側を3箇所に分けて整備方針をお尋ねします。1箇所目は、前回の社基プロの見直しで見送られた下牛尾地内忍辱橋から河内口の間についてでありますが、重大な人身事故も発生している箇所であります。当然のことながら2車線歩道付きで整備すべきと考えます。2箇所目は、保喜から上田中の間についてであります。特に上田中公民館前は、狭隘で非常に危険であります。3箇所目は、上田中から上瀬加の、人家の連担する間についてどのような整備方針をお持ちなのかお伺します。その上で、西脇八千代市川線のバランスのとれた全線改良に向けてお答えください。

(2)甘地福崎線の整備状況について

一般県道甘地福崎線は、全長4.1kmの内、平成6~21年に福崎町と市川町の町境から福崎町側1. 6kmと甘地駅前0.2kmが歩道付2車線で改良済となっています。一方で、福崎町境からの市川町地内1.1kmについては、特に狭隘で、JR播但線と市川に挟まれた地形的な制約の問題もありますが、地元の多くの人たちは放置されているのではないかと感じています。通行量は、3,840台/日で決して少なくありません。道路構造令を満たす綺麗な線形での改良では、市川左岸の国道312号まで影響することになり、費用対効果を考えた場合には、なかなか出来得ることではないと考えます。そこで、構造令基準に強く捉われず、道路に隣接する農地や用水路部分を活用して、できるところから改良するべきと考えますが、まず、今後の整備方針についてお伺いします。

次に、福崎駅は福崎町の玄関口だけでなく神崎郡の玄関口であります。過去から何回か駅前整備の機運が起こりましたが、残念ながら現在に至っています。

しかし、今回福崎町は、平成26~30年度の5年間で駅前広場の整備とそれに伴い当県道の付替えが必要となる区間の拡幅整備を行うこととしており、その支援もよろしく願うところですが、その付替え区間から北側の未改良区間の拡幅整備を一体的に合わせて県が行うことが、より効果的と考えます。また、そのことにより、人家が連担した福崎駅より東600mを介せずに、改良済の町道駅南幹線を通じて県道三木宍粟線へのアクセスが向上します。

さらには、当道路は、県立福崎高校、福崎小学校等々の通学路でもあり、通学路の安全確保からも重要と考えますがご所見をお伺いします。

3.河川整備計画、地域総合治水推進計画と「自然災害に備える」の視点について

市川水系流域の河川整備計画では、姫路市飾磨区阿成地区などの市川本川の改良と市川町谷地区などの市川支川の振古川の改修計画しか上がっていません。また本年、地域総合治水推進計画の策定が予定をされていますが、主旨は、なかなか追いつかない河川整備・改修の現状で、県・市町・県民が協働して、ため池や水田、遊水地、家庭の貯留施設の設置などで一気の出水を防ぎ、自らの命は自らで守ることの認識の再確認を行い、そのうえで公は公として防災インフラを進めていくことと理解しています。そのうえで、「自然災害に備える」の視点から、道路整備と同じく神崎郡内の具体的な次の3箇所についてお伺いします。

 (1)市川支川七種川の河川整備について

1箇所目ですが、福崎町では、昭和38年6月3~4日の集中豪雨で、家屋半壊3戸、床上浸水90戸、床下浸水723戸の甚大な被害があり、市川支川七種川沿川でも大きな被害が発生しました。それに対して、昭和41~55年にかけて小規模河川改良として左岸900m、右岸1,035mのブロック積護岸が整備されました。しかし、それからの上流部分は80~100m間隔でコンクリート帯工と護岸の補強として蛇籠が設置されただけでありました。現在では、当然、蛇籠はなくなり、帯工の前後は洪水のたびに洗掘されるなど危険度が増しています。そのなかでも、民家が密集しており、しかも天井川状態に近い福田橋下流部左岸は特に危険度が高いと考えます。

そこで「自然災害に備える」の視点から、また、住民の方々の安心度を高めるためにも必要な対策を講じる必要があると考えますが、ご所見をお伺いします。

(2)神崎橋下流右岸の整備について

2箇所目は、神崎橋下流右岸であります。福崎町の中心部で人家も密集したところであるにも関わらず護岸が築堤されていない箇所があります。おそらく、市川本川の平地部で築堤がされていないのはここだけだと思います。遊水地であったと思いますが、見様によっては霞堤とも思える部分ですが大変危険な箇所であり、環境的にも問題の大きいところであります。そのため、平成11年2月には、県と福崎町が協議を行い、町は市川河川環境整備計画報告書を作成しました。しかし、その報告書から14年が経過をしようとしていますが未だ整備の見込みは立っておらず、新町地区の住民の方々は、町の要請のもとに何度か地域としての取組もされてきましたが、現在に至っています。元来、当箇所は県の河川管理区域であり、県が築堤などの護岸整備を行う箇所であります。また、報告書作成の経過の中では、基盤整備について県が相当に相応な支援を行うはずであったと聞いていますが、改めて県の取組方針をお伺いします。

(3)福崎町高橋地区内の国道312号等の冠水対策について

3箇所目は、姫路市との境界に位置する福崎町高橋地区内の国道312号等の冠水対策についてであります。

高橋地区には、姫路市溝口地区のため池、栃羽ハス池と栃羽新池、高橋地区の高橋ハス池があり、その集水面積は約160,000㎡と大きく、豪雨の際には高度の高い栃羽ハス池と栃羽新池の洪水吐から、高度の低い高橋ハス池に流れ込みます。そして、高橋ハス池の洪水吐から用水路を通り、国道312号沿いの運送会社2店舗の駐車場内の水路を通り、国道312号をφ500,600,400,450のヒューム管4本で市川に排水しています。

しかし、洪水時には、高橋ハス池の洪水吐から排出された水は用水路から水田に溢れ、水田から民間事業者の駐車場に流れ込みます。それに加えて、市川の水位が国道312号を横断するヒューム管よりも高くなった場合には駐車場に流れ込んだ水が市川に排水されず、道路が冠水することになります。過去にはその水位が道路天よりも高くなったこともあります。

また、他の要因として市川の少し上流には、姫路市溝口地区及び香呂地区へかんがい用水を導入する大妻井堰が考えられます。その導水路は、河川に対して約45度の角度で延長160mに渡って横切っています。このため、上流からの水心もその導水路に沿っていると見えます。私は、これも市川の水位上昇の一因ではと感じています。

先日、9月9日に私と、姫路土木事務所福崎事業所、姫路土地改良センター、福崎町農林振興課で対策会議を持ちました。

総合治水条例の趣旨を弁えながら、何点かの確認を行い11月にもう一度それぞれの課題検討について持ち合うとしています。

これまでも、高橋地区の区長さんからの要請で町は、個別に福崎事業所、あるいは土地改良センター等と協議をされてきましたが、解決には至っていません。

直接的に被害を受けているのは、高橋地区の皆さん、2つの運送事業所、国道312号の利用者と道路管理者であります。福崎町、姫路土木事務所、土地改良センター、また姫路市は、それぞれ持ち場の範囲でしか対応できてなかったのが、これまでだったと思われます。

この冠水を解決するためには、洪水時にも高橋ハス池から市川に排水できるよう、水路を整備することが必要です。高橋ハス池の上流にあるため池なども視野においた対策も重要でないかと考えます。

そこで、この高橋地区の冠水対策に今後どのように取り組まれるのか、総合治水の観点も含めてご所見をお伺いします。