質 問 日:平成25年10月17日(木) 質 問 者:前田 ともき委員
1 ICTを活用した教育について
(1)ICTを活用した授業の実績と評価について
平成23年4月、文部科学省は、教育の情報化に関する総合的な推進方策である「教育の情報化ビジョン」を策定し、2020年までに電子黒板を1クラスに1台整備、タブレット等の情報端末を児童・生徒に1人1台整備としている。本年6月に閣議決定された世界最先端IT国家創造宣言でも、2010年代中には、全ての小学校・中学校・高等学校・特別支援学校等で教育環境のIT化と、学校と家庭がシームレスでつながる教育・学習環境の整備を目指すとある。
文部科学省の平成24年度の学校における教育の情報化の実態に関する調査結果によると、ソフトでは、ICT活用指導力研修を受講した教員の割合は、全国平均は28.2%で、兵庫県は全国平均を上回っている。一方で、教員のICT活用指導力が全国で30位台と低迷している。ハードは、校務用PC配備や電子黒板など7項目のうち5項目が全国平均を上回っている。
そこで、教員のICT活用指導力が全国で30位台と低迷している理由と、また、ICTを活用した授業のあり方について、教師側及び生徒側の評価をどう捉えているのか、当局の所見を伺いたい。
(答弁①)
(2)MOOCS(大規模公開オンライン講座)への参加
MOOCSはMassive Open Online Courses の略で、「大規模公開オンライン授業」の意味で、インターネットを通じて全世界どこでも、無料で、いつでも授業を受講できるサービスである。
スタンフォード大学の教授によって創立されたコーセラは、世界有数の大学90大学で約500講座、全世界500万人が登録しており、スタンフォード大学やイエール大学、東京大学も講義を提供している。
また、カーンアカデミーは初等教育から大学レベルの講義まで、物理、数学、生化学から美術史、経済学、ファイナンス、さまざまな科目のビデオ教材が4,200本もアップされて、世界中で月間600万人が学習しているとされている。
そこで、本県のMOOCSへの参加を提案したい。例えば、日本史の安土桃山時代の授業。MOOCSで教える教師を、自薦・他薦で募集し、選考委員会で教師を選定し、MOOCSプラットフォームで授業を無料配信する。
どんなメリットがあるのか。教師のメリットは、授業の教材開発やノウハウ共有化がより低コストで、より多くの教師が、より便利に可能となる。スーパーティーチャー派遣事業で約23百万円、約1,000回の模擬授業や研修派遣を実施しているが、ネットを活用すれば、授業を欠席した場合の代替授業や復習への活用、別の教師の授業を見ることでセカンドオピニオン的な活用、更には経済的に塾に通えない生徒の支援にもなる。他にも、県はインスパイアハイスクール71百万円や特色ある教育課程で約5.2億円などの多様な授業の提供に努めている。約6億円の費用をかけているが、ネットを活用すれば、無料で特色ある授業を県下の高校生はもちろん、全国の人々が生涯学習としても受講できる。このように教師・生徒の双方に大きなメリットがある。
そこで、本県においてもMOOCS活用によるオンライン授業配信を実施すべきと考えるが、当局の所見について伺いたい。
(答弁②)
2 スポーツ振興について
「兵庫県スポーツ推進計画」は重点目標を5項目定めているが、私が特に重要視している成人のスポーツ実施率と手軽に参加できるスポーツ環境の整備について伺う。
私はこれまでスポーツ振興を掲げてきた。それは、単純にスポーツって素晴らしいというだけではない。スポーツ・運動の実施率向上により、本県財政の改善に寄与すると考えているからだ。
高齢化により、介護費・医療費が増加している。先日の財政状況決算委員会でも平成20年度から24年度の5年間だけで、介護費・医療費等の社会保障関係費が計画よりも645億円増加していることが判明した。
この増加をできるだけ緩やかにしなければならない。そのためには、健康寿命の延伸と延伸のための認知症・メタボ・ロコモ3大対策。その解決策が運動実施率の拡大だ。
では、なぜスポーツか?この会議室の中にいる人に、毎日1万歩歩けというと地獄やーと声があがる。しかし、ゴルフを毎日1ラウンドしろといったらどうか。天国やーという人も出てくる。
つまり、同じ運動強度METS数でもスポーツを通すことで、運動が無理なく楽しくできる。だから、スポーツ強化を訴えており、県民アンケートでもスポーツ振興のために県に求める事業のトップはスポーツ環境の整備だ。
そこで、以下2点について伺いたい。
(1)スポーツ施設の整備と民間施設の誘致について
兵庫県スポーツ推進計画では、平成33年度の最終目標として身近に利用できるスポーツ施設数を1,900としているが、直近の整備の進捗状況と今後、どのような施設を強化していくのか当局の所見を伺いたい。
また、行政中心のスポーツ施設・サービスでスポーツ実施率向上に向けた取り組みが十分と考えるのか、民間のスポーツ・運動施設の誘致のための支援制度の創設をスポーツ×健康寿命の延伸、スポーツ産業振興の観点からも健康福祉部や産業労働部と連携して、すべきと考えるが当局の所見についてあわせて伺いたい。
(答弁③)
(2)スポーツ部局の組織強化
兵庫県スポーツ推進計画に基づき、平成33年度までの10年をかけて、ハード・ソフト面でスポーツを推進しているなかにあって、生涯スポーツ関係の24年度決算額は僅か8,356千円であるが、他方で組織を強化することにより、スポーツを推進していく体制も必要と考える。
そこで、スポーツ振興課をスポーツ振興部への格上げやスポーツ監の設置をすべきと考えるが当局の所見について伺いたい。
(答弁④)