13年12月定例会
■請願(主なもの)
<請願番号>
第88号
<件名>
地方税財源の確保・充実等を求める意見書提出の件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に賛成(採択)
<会派としての考え方>
1 地方交付税は地方固有の財源であり、地方固有の財源を国の政策目的達成の手段とすることは極めて不適切であり、二度とあってはならない。
2 地方分権改革が進む中、毎年自然増となる医療・介護などの社会保障費の問題や地域の経済・雇用対策など、これまで以上に、地方自治体の役割は増大しており、そのためには地方税財源の確保・充実は不可欠である。
3 多くの地方自治体にとって、地方税をはじめとする自主財源の確保が十分でないことから、増大する行政需要について必要な財源総額を確保するためには、地方交付税の安定的な確保と一層の充実が求められる。
4 今年度の地方交付税においては、地方の財源不足の状況を踏まえて、別枠加算として9,900億円措置されているが、本県としても、国に対して、引き続き、財源不足が解消されるまでの間は、別枠加算を維持するよう要望している。
5 また、現在、国では、都市と地方の税収格差を是正するため、法人住民税の一部を国税化して地方交付税の財源とすることが検討されており、本県としても、地方法人課税の見直し等、偏在性の小さい地方税体系の構築について国に要望している。
6 一方で、地方分権改革については、地方分権一括法による国からの権限移譲や義務付け・枠付けの見直し等の取り組みをさらに進めていくために、本県としても、国に対して要望を行っているところである。
7 その他、財政需要への適切な積み上げや適時適切な国と地方の協議の場の開催などについても十分に理解できることから、請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。
<請願番号>
第92号
<件名>
県立こども病院のポートアイランド移転の説明責任を果たすことを求める件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に反対(不採択)
<会派としての考え方>
1 県立こども病院の建替整備は、基本構想時に実施したパブリックコメントの意見を踏まえ、ポートアイランドへの移転を明記した基本計画を策定するとともに、県民の代表である県議会で十分な審議と予算の議決を行った。
また、ポートアイランド移転による診療機能面のメリットや、病院整備地の地盤高と津波高の関係、液状化対策などの災害リスク対策等について、県のホームページや広報誌などで今後も情報発信している。
2 患者家族への説明会は、これまで平成24年8月と25年2月の2回実施し、新病院の診療機能の拡充をはじめ、神戸中央市民病院との連携、災害対策、現在の院跡地の活用方策などに関して意見等を伺っており、今後も必要に応じて実施するとしている。
また、こども病院の移転について、県ホームページのさわやか提案箱や、現病院内に設置しているご意見箱など、様々な手段や機会を通じて広く意見を聴いている。
3 以上のことから、こども病院の移転に当たり、県ではさまざまな手段を通じて患者をはじめ県民から広く意見を聴取しているところであり、移転に際し説明責任を果たすことなどを求める本請願には賛同できず、「不採択」を主張する。
<請願番号>
第94号
<件名>
食材の偽装表示の再発防止に向けた食品等の表示対策の強化を求める意見書提出の件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に賛成(採択)
<会派としての考え方>
1 消費者庁においては、各府省庁等と連携し、メニューの不適切表示問題に係る相談窓口の設置や相談員の配置、景品表示法説明会の開催など、相談・情報提供体制を強化するとともに、食品表示問題に係る関係団体への要請及びその表示適正化の取組結果を踏まえて年内にガイドラインを策定するとともに、食品偽装事案への厳正な対処を表明している。
2 県においても、県内のホテル、旅館等のメニューの不適切表示のあった事業者について、景品表示法に基づき、実際のものよりも著しく優良であると誤認させる表示、いわゆる優良誤認表示に該当するか否かの事実確認等を行うとともに、県内関係団体を通じ注意喚起や講習会を行っている。
3 さらには、平成26年度国の予算編成等に対する提案において、事業者に対する迅速な措置を可能とするため、景品表示法第6条に規定する国の措置命令権限及び同法第9条第2項に掲げる都道府県知事の報告徴収及び立入検査を必要に応じて行うことができる権限を都道府県知事に付与することを、必要な人員や執行に係る新たな財源の措置とともに掲げている。
4 その他、請願の要望項目である罰則規定の強化についても理解できることから、請願の趣旨に賛同し、採択を主張する。
<請願番号>
第97号
<件名>
教育予算を増額し豊かな障害児教育の実現を求める件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に反対(不採択)
<会派としての考え方>
1 障害児教育については、県では、平成19年3月に策定した「兵庫県特支援教育推進計画」に基づき、順次県立特別支援学校の整備を推進するなど、障害児が安心して学べる施設の充実に努めてきた。
2 小・中30人学級の実施については、全体的な方向性として理解できるが、当面、35人学級を小学校4年生から中学校3年生まで拡充することは、現時点の厳しい財政面では困難と考える。なお、本県では、新学習システムを推進する中で、小学校4年生までの35人学級編成を実施している。
3 知的障害者特別支援学校の新設、過大・過密・長時間通学の解消については、現在策定に向けて取り組んでいる、「兵庫県特別支援教育第二次推進計画」の中で検討することとしている。
4 スクールバスについては、児童生徒数の増加に伴い増車を行うとともに、介助員の添乗についても、必要に応じ複数添乗で運行するほか、バス介助業務の民間委託については、児童生徒への適切な対応など安全面での条件を附して委託している。
5 その他の請願事項についても障害のある児童生徒の現状を考えると、請願の趣旨や必要性は理解できるが、これまでも国・県において一定の取り組みが行われてきていることに加え、現在の財政状況や社会経済状況からは、請願内容の実現は困難と考えられることから、「不採択」を主張する。
<請願番号>
第98号
<件名>
借り上げ復興公営住宅問題の抜本的早期全面解決を求める件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に反対(不採択)
<会派としての考え方>
1 本年3月27日に発表した「UR借上県営住宅における住み替えに配慮を要する方への対応方針」では、「現在居住する住宅から転居したときに従来培ってきた地域コミュニティやかかりつけの医療・介護機関などとの社会関係性を絶たれることによって、日常生活に支障が出ることが想定されるなど、住み替えが困難な高齢者等がいる世帯について、継続入居を認める」こととした。
2 継続入居を認める際の判定方法としては、効率的かつ客観的、中立公正な審査を行うため、継続入居判定基準を設定し、その基準に基づいて、県が継続入居の可否を決定している。
4 また、基準に該当しない世帯については、従来から、借上げ期間の満了に向けて、住み替えについての相談窓口の設置や、住み替え先県営住宅の斡旋、住み替え支援金の支給、他の県営住宅に住み替えたときに家賃が増加する場合の激変緩和措置、他の県営住宅への応募や市営住宅一般募集に応募できるための市との調整など、円滑な住み替えに向けたさまざまな支援策を実施している。
5 その他要望する項目はあるものの、希望者全員の継続入居を求める本請願の趣旨には賛同できず、不採択を主張する。
意見書(主なもの)
<意見書案>
第63号
<件名>
奨学金制度の充実を求める意見書
<会派態度(委員会での議決結果)>
賛成
<会派としての考え方>
1 独立行政法人日本学生支援機構が所管する大学生等への奨学金制度は、いずれも貸与型の奨学金で、無利息の第1種と上限3%の利子付きの第2種がある。奨学金を利用している約4割の学生が同機構の奨学金制度を利用しており、平成24年度の貸与実績は、第1種が約40万2,000人、第2種が91万7,000人となっている。
2 しかしながら、近年、第1種、第2種とも貸与者及び貸与金額が増加する中、長引く不況や就職難などから、大学等を卒業しても奨学金の返還ができず、たとえ返還ができていても貯蓄にまで手が回らず結婚を先延ばしにする例もあるなど、生活に苦しむ若者が急増しており、24年度の返還滞納者数は約33万4,000人、期限を過ぎた未返済額は過去最高の約925億円となっている。
3 同機構は、返還が困難な場合の救済手段として、返還期限の猶予、返還免除、延滞金の減免、減額返還などの制度を設けるとともに、平成24年度からは「所得連動返還型無利子制度」を導入している。しかし、これらの救済制度は要件が厳しく、通常の返還猶予期間の上限が5年間であったり、精神障害による具体的な免除基準が示されていなかったりといった、さまざまな制限があるなどの問題点が指摘されている。
4 よって、大学生等が安心して学業に専念できる環境を作るため、無利息奨学金を拡充し、返還猶予期間の上限や所得制限の緩和など救済措置を実態に合わせて見直すとともに、欧米のような低所得者向けの給付型奨学金の創設に向けた検討を進めるよう国に求める意見書案に賛成する。
<意見書案>
第64号
<件名>
介護職員の処遇改善を求める意見書
<会派態度(委員会での議決結果)>
賛成
<会派としての考え方>
1 我が国の人口は、平成16年12月の1億2,783万人をピークに、平成62(2050)年には9,203万人にまで減少すると見込まれている。一方で、高齢 化率は上昇し続けており、昭和25年の5%から平成24年には24.1%となっている。これに伴って、要介護高齢者の増加や介護期間の長期化等により介護ニーズが増大しており、介護サービスの役割がますます重要となっている。
2 さらには、認知症高齢者の増加や障害者の高齢化などにより、介護が多様化する中で、サービスの高度化が求められていることからも、介護人材の確保だけにとどまらず、質の高い人材養成にも取り組む必要がある。
3 しかしながら、業務の内容に対して賃金が低い、あるいは労働時間や勤務体制に不満があるといった処遇の問題、さらには、介護利用者やその家族等からサービスの範囲を超えた要求を強いられる場合もあるなど労働環境の問題等から、他の業務と比較して介護職員の離職率は高い傾向にある。
4 よって、将来にわたって安全で安心な介護を国民が受けられるよう、国庫負担の引き上げ等による介護職員の適切な賃金水準の改善や質の高い介護人材の養成・確保、さらには労働条件の改善等に取り組むことや、介護保険制度の趣旨や仕組み、サービスの内容について、利用者やその家族を初め広く国民に周知を図り、介護職員が働きやすい環境づくりに努めることを国に求める意見書案に賛成する。
県議会ホームページでは、すべての議案に対する会派態度をご覧いただくことができます。(別ウィンドウが開きます)