議会の動き

石井 健一郎議員が質問(予算審査・財政状況)

予算特別委員会(予算審査・財政状況)

質 問 者   石井 健一郎 委員(民主党・県民連合)

1 退職手当債の発行について

平成28年度当初予算では320億円の収支不足が生じているが、このうち100億円を退職手当債で充当することとしている。

退職手当債は、そもそも退職手当の支払いのピーク時にその財源を補うために発行すべきものであり、国の当初の予定では、平成27年度で退職手当債の発行は終了するとのことだった。それが退職手当の負担が引き続き大きい地方自治体があることを理由に、さらに10年間、発行が延長されることになった。

とは言え、そもそも退職手当債はインフラ整備等、次世代の財産になる債務ではなく、負担を残すものでもあり、収支不足対策として、制度として利用できることを理由とした退職手当債の発行は、県民にとっては分かりづらく、また理解も得にくいと考えるが、そのような懸念がある中での退職手当債発行の必要性について、当局の所見を伺う。

2 行革プランにおける職員定数の削減について

県の一般行政部門の職員数は、平成11年4月に9,413名であったが、行革を経て、平成27年4月1日現在では、6,156名と、3,257名、34.6%の定数削減を行っている。また今年の4月1日にはここから80人、1.3%を削減する見込みであり、行革の終了する平成30年度までには、平成19年度比で3割を削減する目標を掲げている。

昨年12月に総務省が公表した、平成27年地方公共団体定員管理調査結果の概要によると、全地方公共団体の傾向として、平成26年から27年にかけ、一般行政部門では子育て支援、防災、地方創生等への対応のため、職員数を0.1%増加させている。また都道府県職員数の増減状況では、本県は同じく26年から27年にかけ、1.7%の削減を行っているが、これは青森県の2.8%、宮城県の1.8%に次ぐ削減率であった。これだけでは行革の着手時期が各都道府県によって多少異なると思われるため、一概に単純比較をすることはできないと思うが、本県は4%台の職員削減を行った平成21年度前後に比べ、緩やかな削減率である行革プラン後期において、全国第3位の削減率であるということは、これまでも、そして現在も全国トップクラスの職員削減を行っていると言えるのではないか。

来年度に向けては95の事務事業数を減少させるとは言え、行政サービスの多様化が求められる中、サービスの水準を実際に維持できるのかと私は懸念している。しかし一方でサービスを維持できるということであれば、県職員に過剰な負担を強いてるとも考えられるし、そうでなければ、やはりこれまでの職員数が多すぎたのではないかと、県民から批判を受けることにもなる。

そこで、適正な職員定数の考え方について、当局の所見を伺う。

3 地域整備事業の新規開発について

企業庁の地域整備事業については、第3次行革プランで今後の人口減少、経済情勢等を踏まえて、新しい地域での開発は抑制することとされているが、今年2月に新規開発の抑制という方針を変更し、小野市市場地区の先行取得用地を含む約40haについて、小野市との共同による産業団地の整備の着手を公表した。

一方で、播磨科学公園都市やひょうご情報公園都市には、未だ土地造成を行っていない、いわゆる進度調整地を多く抱えており、その処理が大きな課題となっている。

産業団地の整備を、三木市のひょうご情報公園都市ではなく、小野市市場地区で実施することで、ひょうご情報公園都市内の進度調整地は県有環境林となる可能性が高まるのではないかと懸念している。

そこで、地域創生の見地があることも一定理解するものの、第3次行革プランが最後の詰めを迎えようとしている中、地域整備事業の新規開発の抑制という大方針を何故ここで変更するのか、当局の見解を伺うとともに、多くの進度調整地を抱える中、何故新しく小野市市場地区で開発を行うこととしたのか、あわせて伺う。

4 先行取得用地の地元負担について

昨日、県有環境林として三田市酒井畦倉用地と淡路市石の寝屋用地、淡路市江崎汐鳴山用地の新たな取得について議決した。

これまでゴルフ場の乱開発防止をはじめ、様々な理由から土地の先行取得を行っていることは理解しているが、先行取得用地の中には、利活用につながらずにそのまま環境林として塩漬けになるものもあると考える。今後こういった土地の利活用を進めていくことは大きな課題である一方、中には地元市町の要望により県が先行取得している土地もあると認識している。

今回私が指摘したいのは、地元市町の要望で県が先行取得した土地については、環境林となっているものも含め、地元市町にも何らかの負担を求めていく必要があるのではないかということであるが、当局の所見を伺う。

5 公共施設等総合管理計画について

公共施設等については将来的に老朽化が進むことから、人口減少社会におけるその管理や更新は今後ますます重要な課題となる。

本県においては橋梁やトンネル等のインフラを対象とした「ひょうごインフラ・メンテナンス10箇年計画」を始め「ひょうご21世紀県営住宅整備・管理計画」「アセットマネジメント推進計画」等、各施設分野での各々の課題を検証して、それぞれ計画的な取り組みが進められていると承知している。

そうした中で、国から28年度末までに策定を求められている公共施設等総合管理計画については、出来る限り次世代に負担を残さないという共通の視点をしっかりと持っておく必要があると考えるが、現在どのような方針で策定されようとしているのか、当局の所見を伺う。