予算特別委員会(予算審査・企業庁)
質 問 者 小池 ひろのり 委員(民主党・県民連合)
1 県営水道事業について
(1)水道施設の老朽化対策について
以前、NHKで、「押し寄せる老朽化、水道クライシス」という報道番組「クローズアップ現代」が放映されました。高度成長期に作られた全国各地の水道管が、一斉に耐用年数を迎え、老朽化した水道管の破裂や、水が漏れ出す事故が増え、その応急措置に追われている自治体の状況が映されていました。
水道は、県民生活や事業活動のライフラインであり、施設の老朽化による事故や故障で断水するような事態を避けるため、適切なメンテナンスや、施設ごとの寿命に応じた計画的な対策を行っていくことが重要です。
ところが、番組では、施設の修繕や更新には、多額の費用がかかるため、対策がうまく進んでいないと、苦悩する自治体の様子が描かれていました。
本県の企業庁が経営する県営水道は、県下の17市5町と淡路広域水道企業団に対し給水しています。利用している市町の人口は合計で493万人に達します。そして、これら市町が供給している上水道のうち、約18%が県営水道の給水でまかなわれており、県民の重要なライフラインであります。
この県営水道は、昭和46年度の事業着手以来、40年以上の歴史があります。県営水道が整備した水道管の延長は約260キロメートルで、県下5ヶ所に浄水場があり、これらの施設も更新時期を迎えていくことになります。
最近のいわゆるインフラの老朽化問題としては、本県でも「長寿命化」も含めた対策を講じているところです。そして、県営水道では、平成20年度に「アセットマネジメント推進計画」を策定し、水道施設の計画的な修繕・更新を進めておられます。
そこで、アセットマネジメント推進計画では、県営水道の水道管などの施設の老朽化対策について、どのような考え方で進められているのか、その計画内容と、取組み状況についてお伺いします。
(2)水道における災害時の対応について
本日、東日本大震災からちょうど5年を迎えました。お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈りしますと共に、被災地の懸命のご努力が実を結び、着実な復興を成し遂げられることを心より祈念するところであります。
本日は、阪神・淡路大震災を経験した本県として、改めて災害への備えを考える日とすべく、県民生活や事業活動のライフラインである水道の災害への備えという観点から質問をさせていただこうと思います。
本県と県内全ての市町(水道事業者)は、阪神・淡路大震災を教訓に震災時の応急給水対策として「兵庫県水道災害相互応援に関する協定」を締結しています。平成26年8月に発生した丹波水害においても、この協定に基づき支援活動をされたと聞いています。
今後、これらの経験を踏まえて、南海トラフ地震や内陸直下型地震への備えを万全にしていくため、県と市町とで協力しながら実効性のある対策を講じる必要があると思います。
そこで、災害訓練なども含めた応急時の安定的な給水対策をどのように実施しているのかについてお伺いします。
2.住宅用地の分譲の推進について
(1) 住宅分譲の取組状況について
企業庁が分譲する住宅用地としては、潮芦屋では31.4ha、三田フラワータウンでは124ha、三田カルチャータウンでは30ha、播磨科学公園都市では36haの、合計221.4haの規模となっています。
これら住宅用地の分譲については、第3次行革プランにおいて、平成25年度末時点の分譲済み面積177.9haから、平成30年度末には210.6haへと32.7haの分譲を行うことにより、分譲進捗率95%を目標とされています。
一方、平成26年度の分譲済み面積の実績は、7.4haであります。その内6haは、メガソーラーの整備に活用されたもので、実質的な住宅用地として分譲した面積は1.4haということで、目標とはまだ大きな差があります。
そこで、現在までの分譲の進捗状況をお伺いするとともに、今後、それぞれの地区で、どのような具体策を講じていこうとされているのか、合わせてお伺いいたします。
3.淡路夢舞台国際会議場の利用促進について
昨年11月、私は、兵庫県との友好提携25周年記念事業等に参加するため、政務活動として中国海南省を訪問しました。海南省の面積は、本県の約4倍もある大きさの島で、全島が中国の経済特区、国際観光島に指定され、年間5,000万人近い観光客が訪れています。
海南省では、国際会議等に関しても、アジア版ダボス会議のボアオ・アジアフォーラムを始め、1,000人以上の規模の会議、展示会が年間800件程度開催されています
また、経済特区として、農業、健康、医薬、教育、文化、スポーツ、映画、インターネット、不動産等、様々な産業の発展を、観光にプラスするという形で取り組んでいます。その結果、様々な分野での会議、展示会等の誘致につなげ、最近、急速に発展してきている省でもあります。
そこで、このような中国海南省の積極的な観光産業としての取組を、淡路夢舞台国際会議場の利用促進の参考にすべきではないかと考えます。
淡路夢舞台の施設群の一つである淡路夢舞台国際会議場は、(株)夢舞台が一体的に管理運営し、利活用促進をはじめ施設群全体の活性化に取り組んでいます。平成27年度の会議場利用日数は、前年度比で10%程度上回る見込みとなっており、引き続き利用促進に取り組んでおられると聞いていますが、現状で、来年度以降予定されている大型会議の誘致状況については、医療関係の学会が多いとお伺いしています。
中国海南省のように、観光と絡めて会議の誘致を図るなど、豊富な観光資源を有する淡路島を活用し、県内成長産業等とタイアップして研修会、展示会等の誘致に努めるなど、様々な分野での積極的な会議誘致に取り組み、利用促進を図っていくべきではないかと考えます。
そこで、淡路夢舞台国際会議場の利用促進を、どのように取り組んでいこうとしているのかお伺いします