議会の動き

黒田 一美 議員が質問(企画県民①)を実施

企画県民①(黒田議員 決算委員会、1011)

1 安全安心な消費生活に向けた取り組みについて

(1)近年の消費者トラブルの現状について

1960年代の高度成長期の大量生産・大量消費に伴い、商品の安全や不当表示など、消費者に対する被害が社会問題化しました。これら消費者を取り巻く問題に対応するため、本県では、約50年前に、全国で最初に消費生活センターを設置し、先駆的に消費者トラブルの防止に取り組んでこられました。

平成21年9 月には、消費者の視点から政策全般を監視する消費者庁が発足し、各省庁で行われていた対応の一元化が図られ、体制が強化されました。一方、本県においても、平成22年12月には、消費生活センターが全市町に設置され、市町とも連携した迅速なトラブル解決にあたられています。このような取り組みもあって、消費生活相談の件数は近年減少傾向でしたが、平成25年度から、相談件数は増加に転じています。

急速な高齢化や核家族化、情報化など、私たちを取り巻く社会経済状況が大きく変化したことにより、インターネット情報サービスの不当請求トラブルや、高齢者をねらった投資関連のトラブルなど、消費者トラブルはますます複雑化・多様化しています。また、悪質業者や詐欺的な手口は、複雑かつ巧妙化しています。

そこで、まず、近年の消費者トラブルをめぐる現状について、お伺いします。

(2)高齢者の消費者トラブルの防止について

近年、高齢者からの消費生活相談件数が増加傾向にある。また、情報化の進展により、インターネット情報サービスに関する相談が突出して多い。さらに、年代が上がるにつれて支払金額が高額になるとのご答弁がありました。

高齢者を取り巻く状況を見ますと、従来からある投資商品や工事・建築といった訪問販売や電話勧誘によるトラブルに加え、最近では、スマートフォンをはじめとするモバイル機器が広く普及し、新たな形でのトラブルが多発しています。

また、独り暮らしの高齢者が増加傾向にあり、問題が発生したとしても、身近に相談できる人がいないケースも多いようです。さらに、相談する人がいる場合でも、人に知られたくない等の理由から隠す高齢者も少なくないとのことです。

今後、高齢者人口が増加するにつれ、トラブルはさらに増加することも危惧されますが、高齢者の消費者トラブルを防止する取り組みについてお伺いします。

(3)多重債務者対策について

本県の消費生活相談窓口には、平成27年度に1,224件、1ヵ月100件程度の多重債務相談が寄せられ、近年、ほぼ横ばいで推移しています。平成22年6月に改正貸金業法が施行され、金利規制と貸金業規制が大幅に強化されたこともあり、一定の改善が図られていますが、高齢者の割合が増えてきており、また、生活費を補うため、借り入れを繰り返すうちに債務額が増大し、返済が困難になったケースなども見受けられます。

多重債務問題の解決のためには、問題を抱えている本人が相談に来やすい環境づくりに力を入れるとともに、国、県、法律専門機関、業界団体、支援団体等の関係機関が一体となって取り組むことが必要であると考えますが、昨年度の評価と今後の取り組みについて、ご所見をお伺いします。

2 全県ビジョンの取組成果の点検評価について

21世紀兵庫長期ビジョンは、2040年の兵庫の未来像として「創造と共生の舞台・兵庫」を掲げ、4つの社会像のもと、12の将来像を提示しています。この将来像の実現に向けて、地域の特性を活かした取り組みが県内各地で行われています。

そして、これらの取り組みの実現状況や取組成果を点検・評価するため、2つの指標を設けています。

一つ目は、「兵庫のゆたかさ指標」です。県内に住む20才以上の男女5,000人を対象に毎年行われる「県民意識調査」を分析する、いわゆる主観指標です。

今回の県民意識調査では、例えば、最高ポイントは「ごみの分別やリサイクルに取り組んでいる人の割合」が91%、最低ポイントは「自分にあった職業への就職や転職がしやすい社会だと思う人の割合」が7%で、この結果から、しごと支援や経済対策への県民ニーズが高いことが把握できます。

そして、この県民意識調査を点数化し、将来像、地域ごと、世代ごとの「ゆたかさ」を把握・評価しています。例えば、地域ごとでは、但馬、丹波の点数が下落したものの、他の8地域では点数が上昇しており、都市、都市近郊の上昇幅が大きくなっています。

二つ目は、「全県ビジョンフォローアップ指標」です。1,280の指標の毎年度の進捗状況を点検・評価するものです。指標には、例えば、「防犯カメラ設置補助箇所数」「介護福祉士登録者数」「障がい者雇用率」などがあります。

私は、この2つの指標を様々な角度から分析・評価して、その結果を県民と十分に情報共有するとともに、評価が低い事業については、今後の取り組みに積極的に活用していくべきだと考えますが、昨年度の全県ビジョンの評価とこれら指標の活用についてお伺いします。