議会の動き

小池 ひろのり議員が質問( 公安委員会)を実施

質問日:平成29年10月12日

質問者:小池 ひろのり 委員

1 歓楽街緊急対策への取組について

平成27年8月に六代目山口組と神戸山口組が分裂し、対立抗争状態にある中、今年4月に神戸山口組から一部勢力が新団体の結成を表明して以降、三つどもえの状態となりました。

そのような中、9月12日神戸市内において、同勢力の関係者が銃撃され死亡するという拳銃発砲殺人事件が発生し、未だ検挙に至っていないなど、県民の不安が高まっています。

県民の安全と安心を確保するためには、暴力団の抗争事件を未然に防止することが大変重要であることは言うまでもありません。このような時だからこそ、暴力団排除の機運を高めるとともに、暴力団の資金源を遮断し、壊滅に向けた取組を強力に進める必要があると思います。

私の選挙区である中央区には、県下最大規模の歓楽街である三宮地区があります。そして、県警察は、同地区の暴力団追放の一環として、今年5月に「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊を発足させました。歓楽街からの暴力団追放を掲げ、パトロールや不当要求の実態把握、違法風俗店の摘発などの強化に取り組んでいると聞いています。

そこで、これまでの歓楽街緊急対策の効果を伺うと共に、今後の県警察の取組について伺います。

2 児童虐待に対する県警察の取組について

昨今、親や保護者から、児童に対する虐待が増えています。実際に、今年上半期に児童虐待の疑いがあるとして、全国の警察が、児童相談所に通告した児童数(18歳未満)は、昨年同期比23.5%増の3万262人にも及んでいるとの報道がありました。

ここ数年は、この数は増加傾向にあり、本県においても同様で、昨年同期比で約73%増加の1,273人が通告されたと聞いています。

通告が増加した背景には、社会の児童虐待に対する関心の高まりから、警察に対する通報が増加したのが要因と考えられます。

今年5月に、姫路市において次男に暴行し、意識不明の重体となる夫婦による痛ましい児童虐待が発生しました。この事件は、長男に対する虐待歴を把握している中で発生しており、このような事件を未然に防ぎ、児童の安全を確保するためには、警察を含めた関係機関の連携が今まで以上に重要となるのではないかと考えます。

そこで、県警察においては、児童虐待事案に対してどのような方針で臨まれているのか伺うとともに、児童相談所などの関係機関との連携状況について伺います。

3 少子化等の情勢を踏まえた警察官募集について

最近の治安情勢で、刑法犯認知件数は、ここ14年間減少し続け、治安が回復されている傾向と言えます。しかし、市民生活に大きな不安と脅威を与える事件や凶悪犯罪が、相次いでいるほか、特殊詐欺やサイバー犯罪等、新たな形態の犯罪や、暴力団山口組の分裂に伴う抗争事件への対処等、取り組むべき課題は山積しております。

こうした中、県警察は慢性的な欠員状態にあると聞きます。一時と比べ幾分は改善されたとは言え、本年4月現在で、未だ約210人の欠員を抱えています。先程申し上げました治安情勢に的確に対応するためには、人的パワーを確保する必要があり、早急に欠員を解消することが重要であると考えます。

そこで、警察官の採用についても、更なる検討が必要であると思います。少子化による就職適齢人口の減少や、民間企業の採用活動の活発化により、警察官採用の応募者数は伸び悩んでおり、平成23年以降、競争率は10倍を下回り、また募集数に対して合格者が下回っている年もあるなど、非常に厳しい情勢となっていると伺っています。

小学生の時の「将来なりたい職業のランキング」では、警察官は常に上位に位置しているものの、実際には警察官募集につながっていません。「正義の味方」である警察官という職業に憧れを抱いていたものが、大人になり、その仕事の厳しさを知るにつれ、応募を躊躇している面があるのではないかと思います。

このような近年の厳しい採用情勢を踏まえ、県警察として警察官募集のあり方について、見直す必要があると考えます。そこで、これまでの取り組みと併せ、少子化等の情勢を踏まえた警察官募集について所見をお伺いします。