質問日:平成29年10月12日
質問者:小池 ひろのり 議員
1.国際交流の推進について
本県においては、アメリカ・ワシントン州やロシアのハバロフスク地方、
中国の広東省ほか、いろいろな地域との国際交流に努めておられますが、私は特に、インド・グジャラート州との交流について、より力をいれていくべき、という観点から、ご質問させていただきます。
グジャラート州との交流については、昨年度の一般質問でお尋ねしました。
その時には、知事から、2001年のインド西部大地震で被災したグジャラート州支援のために友愛基金を設立し、倒壊した学校の再建や耐震化の支援を行って以来の交流が続いていること、ビジネスミッションを派遣し、関係者の協力のもとに、本県とグジャラート州との間で、学術、教育、ビジネス、文化、防災、環境、食、の英語Academic、Business、Culture、Disaster Education、Environment、Foodを推進していくことなどのご答弁がありました。
ここで、なぜ私がグジャラート州との交流促進を促進すべきかを考えてみたいと思います。私は、昨年8月に高橋・向山議員ら6名で、インド・グジャラート州を視察しました。その時の主な目的は、2010年に井戸知事が同州を訪問された時に、本県と同州の友好交流の実施について確認されたのを受け、具体的な交流推進について詰めを行うための訪問でした。
私は、インドには、12年前にも経済の中心地ムンバイ市を訪問した事があります。当時の日本の大都市では、サラ金の看板が林立していた時代に、ムンバイ市ではやたら英会話とITの看板が目に入りました。そして、この看板だけでも、これからどの様に発展して行こうとしているのかが見えたような気がしました。そして、今回の訪問では、まさにこの10年間のインドの成長ぶりの裏付けを確認することが出来ました。
現在のインドは、日本より20年ほど遅れた発展途上中の国です。それでも、教育に大変力を入れていると実感できました。勉強することで貧困やカースト制から脱出できるかもしれないという夢や希望を抱いて、目を輝かせている多くの小・中・高校生と出会うことが出来ました。
実際に、そこから育った若者が、国の支援を受けながら、しっかりした学力や技術を身に付け、大学を卒業した後、社会で活躍しているそうです。そして、最近のインドは、世界のIT産業をリードする国にまで発展しているとも言われており、その基盤作りの一役に、このような教育施策が大きな成果を挙げていると思われます。
インドを訪問した私たち一行は、インド・グジャラート州との意見交換を通し、両県・州との交流の必要性をお互いが確認し、大きな意義があったと思っています。更に、昨年11月に、インドのモディ首相が来日し、わざわざ兵庫県にも来て頂きました。そして、モディ首相・安倍首相立会いの下、兵庫県とグジャラート州の相互協力に関する覚書を締結することが出来ました。
これからは、その中身を更に充実させていくために、具体的な行動を起こす必要があると考えます。
こうした13億を超える民を有するとともに、発展への意欲に充ち満ちたインドと日本の交流無くして、我が国はもとより、アジアの経済発展、そして平和への道はない、と私は思っています。そして、両国間の友好交流、特に若い世代の交流から経済発展へと結びつけることが、これからの日本が進むべき道だと考えています。
このような観点から、今後、グジャラート州と経済分野等の交流に関して、先の知事のご答弁にあった取組には、非常に期待しているところでありますが、現在、どのような状況になっているのか、お伺います。
2.観光客のインバウンド増へ向けた取組について
今、産業労働部観光交流課では、国内外からの観光客のインバウンドの増加に向けた取組として、神戸、姫路城、城崎温泉をつなぐルートをひょうごゴールデンルートとして設定し、そのPRに力を入れておられます。
しかし、私は10年ほど前から観光業者の単独的な売り込みではなく、行政が観光地を結び付け、面として売り込んでいくべきだと訴えて来ました。まさに、今、県が取り組まれようとしていることでもあります。
しかし、現在では、どの県でもモデルルートを設定して観光のインバウンド取り込みに力を入れ出しており、ひょうごゴールデンルートの紹介にそれほど新鮮味が感じられません。
もちろん、インバウンドを増やしていくことは、本県経済の活性化、地域創生の実現等に結びつく大きな要素であることは明らかです。従って、魅力的なコンテンツを多く開発していく共に、積極的にPRし、売り込んでいくこと重要だと考えています。
しかし、ここで考えて頂きたいことは、従来の観光を中心としたPRにとどまらず、付加価値を付けた、特色を持った体験型などの新しい旅を提案していくことが重要であると考えます。
具体的には、例えばサイクリングやモノづくりなどの体験型、日本文化・地域の伝統に触れあえるような旅、或いは代表的な地域の日本食を味わえるような特色のある旅が有効であると思っています。
幸い、兵庫県には、観るところも、体験するところも、味わうところも多くあります。例えば自転車で田園風景や歴史的建造物に触れながらのんびりツーリングし、ちょっとした汗をかき、五感を感じからだ全体で、爽やかさを感じられれば、間違いなく印象に残ります。また、目的地まで走り切る等で、達成感・充実感も味わえることでしょう!そして、疲れたら宿に泊まって、温泉に入り、土地のおいしいものを食べれば、幸せ感は倍増します。このように、種々の資源を有機的につなげたコースをいろいろ設定し、それを広くPRすることが必要になってきているのではないでしょうか!
更に、異文化に触れ合い、感動体験をすることで印象に残る旅も、これからの新しい型の旅として求められていると確信しています。日本文化を直接触れることで、新しい発見があり、人生観が変わることにまで発展することがあります。
今、アジアでは、かなり生活レベルも上がって来ており、特に富裕層では、レディメイドではない、このような一味違うオーダーメイドな旅が求められていると思います。
また、リピーターに焦点を合わせたインバウンドの取り込みも必要と考えます。このことは、観光庁の「訪日外国人の消費動向 平成28年年次報告書」によれば、観光・レジャー目的での来訪者の内、約55%がリピーターとなっていることからも明白です。単なる観光を乗り越え、感動を味わえ、新しい発見も生み出すような新しい型の旅の提案をしたいものです。
以上の観点からも、ゴールデンルートを超えた体験型や、日本文化・食文化と触れ合うような旅を、点から線へ、線から面へと結び付けた特色のある旅を、海外に積極的に紹介していくような取り組みが必要だと思っています。
そこで、当局のこれまでの取組について伺うとともに、今後のインバウンドの取組について基本的な考えをお伺いします。