議会の動き

黒田 一美議員が質問(予算審査・農政環境部)

質問日:令和3年3月11日(木)

質問者:黒田 一美 委員

1.生物多様性ひょうご戦略について

2009(平成21)年3月に策定された「生物多様性ひょうご戦略」は、2014(平成26)年3月に改定され、環境課題の変化に適切に対応し、生物多様性の保全と持続可能な利用に向けて計画的かつ重点的に取り組むべき施策を明らかにするために、平成31年2月に改定されました。兵庫5国、多様な自然、多様な動物を大切にして、豊かな県民生活を送るための重要な戦略と考えます。

(1)豊かで美しい瀬戸内海の再生について

3月6日にイカナゴ漁が始まったところですが、今年も昨年度と同様に漁獲量は少なく、値段も高く、ますます庶民の魚から高級魚になってしまうのではないかと心配しています。

また、兵庫のりの収穫も最盛期で自然の恵み、黒いつやのある美味しい兵庫のりを食べ続けたいと願っております。

そのためには、豊かで美しい瀬戸内海の再生が必須です。そこで、県行政として、水産振興、漁業振興だけでなく、まさに「生物多様性ひょうご戦略」にあるように、環境保全、森林・里山保全、ため池に携わる部局、さらに、河川、港湾等に関わる県土整備等、「豊かで美しい瀬戸内海」再生に向けた実施計画の実現のため、関係するすべての県関係部局の一体化した取組が大切であり、部局横断的な体制を確立すべきだと考えますが、当局の所見をお伺いします。

(2)レジ袋有料化の状況等について

同戦略に「海ごみ対策」の取組が挙げられております。近年、海洋に流出するプラスチックごみが問題視されています。プラスチックは自然の中で分解されにくく、海の生き物が誤って飲み込んだり、体に絡まるなど、生態系に悪影響を及ぼします。また、プラスチックごみは焼却処理しても、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出します。

これらの問題の解決に向けた第一歩として、2020年7月1日よりレジ袋有料化が開始されました。大手スーパーやコンビニでは無料だったレジ袋が2~5円で販売されるようになりました。

そこで、レジ袋有料化の県内での状況、効果、そして課題についてお伺いします。

(3)自然、海に優しいバイオプラスチック等新素材の普及促進について

高砂市に事業所を置くカネカなどの企業で、海水中で微生物によって生分解される環境配慮型のプラスチック素材が開発されています。これらの素材を使用したプラスチック製品は一部のコンビニで採用されたり、化粧品の容器として開発が進められています。

県でも、海洋生分解性プラスチック等への素材転換の促進に取り組んでいます。ただ、これらの素材には用途によって適さないものもありますので、正しい知識を持ってもらい活用してもらう必要があると思います。

プラスチックごみを削減していくために最も効果的なのは、プラスチックごみ自体を発生させないことだとは思います。そのためには、さらなるリデュースやリサイクルへの促進とともに、バイオプラスチックの普及促進について取り組むべきかと考えますが、当局の所見を伺います。

(4)アライグマ・ヌートリア等外来生物への対策の強化について

同戦略に「アライグマは農業被害や人畜共通感染症の媒介のおそれ等の影響が大きいため外来生物法により特定外来生物に指定されました」とあります。

アライグマは本当に増えており、私の住んでいる垂水区でも垂水駅前の区役所周辺という街の真ん中で毎年5~10頭捕獲されています。私の家の近所でも、庭の池のりっぱな錦鯉が5匹全て襲われていました。また、同じ垂水区の下畑、名谷地区では、タヌキがいなくなり、アライグマがうろつくようになりました。アライグマは気性が粗く危険なことに加えて、感染症が心配です。

また、ヌートリアは、地元垂水区の山田川に数頭現れ、一気に数が増え、地元の方が捕獲しましたが、また一頭現れ、今数頭に増えています。

住宅街など都市部で増え続ける外来生物、特にアライグマ、ヌートリア対策の強化を提言しますが、所見をお伺いします。