意見書 第84号
会計年度任用職員制度の改善を求める意見書
2020年4月1日、新たな非常勤職員制度である会計年度任用職員制度が施行され、期末手当の支給を含めた処遇改善のため、2020年度予算においては約1,738億円が措置された。2021年度は制度の平年度化に伴う期末手当の支給月数の増額等のため、地方財政措置として664億円が増額された。
しかし、一部自治体では、期末手当を支給する一方で、給料や報酬をその分減額する措置を検討しているという話も出ている。勤務時間をわずかに短縮し、退職金の対象にならないパートタイムで雇うなど、フルタイムから短時間への切り換えの動きもある。
コロナ禍において、臨時・非常勤をはじめとする自治体職員が国民・住民の期待に応え、より質の高い公務・公共サービスを確実に提供していくためには、職員の雇用の安定と賃金・労働条件の改善・確保が不可欠である。制度が平年度化したとは言え、地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の趣旨に沿って更なる処遇改善を図るため、引き続き、きめ細かく実態を把握し、制度を運用していくことが求められている。
会計年度任用職員については、勤勉手当の不支給及び病気休暇の無給といった課題があり、正規・非正規の待遇格差の是正に向けて制度改善の取組を進める必要がある。
よって、国におかれては、賃金・労働条件等の調査を定期的に行い、会計年度任用職員の実態を把握するとともに、制度の改善を図られるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年10月22日