質問日:令和5年3月3日(金)
質問者:小池 ひろのり 委員
1 新生児里親制度の充実について
2018年に養子縁組あっせん法が施行され、民間事業者が養子縁組の斡旋を行う場合は、届出制から許可制になりました。それに伴い、養子縁組の仲介は営利目的ではない許可基準を満たした民間事業者と行政が行っています。
私は、全国で最も早くから里親制度に取組んでいる熊本県の赤ちゃんポストと愛知県の取組みを視察しました。
そして、両県の担当者から「里親になるのは、早ければ早いほど愛情も深まり、良い結果が出る」と聞き、愛知県では生みの親の出産時に、里親が病院に立ち会い、名前の申請も里親がする場合もあると聞きました。また、赤ちゃんポストに託された命は、一旦乳児院等の施設へ、出生5ケ月後には里親に引き継がれます。そして、施設より里親、里親より養子縁組を模索しています。
この視察から学び、私は5年ほど前から何度も、兵庫県の特別養子縁組の取組みを促進して欲しいと要望してきました。しかし、昨年度の0歳で成立した特別養子縁組は1件のみで、何ら改善されておりません。
厚生労働省も里親:グループホーム:施設の割合を、1:1:1になるように努力目標を決めています。しかし、現在の兵庫県の里親と施設の割合は、2:8と聞きます。もっと積極的に里親制度を推進しなくてはなりません。
兵庫県は、国の里親制度推進政策の面からも、極めて遅れをとっているように思われます。特に、子供にとっても良いと考えられる特別養子縁組制度を促進する必要があると思いますが、当局は現状をどのように認識し、特別養子縁組を増やすためにどのような対策に取り組もうとしているのかお伺いします。
2 県立総合衛生学院介護福祉学科について
高齢化社会に入り、介護人材不足はますます喫緊の課題となってきています。そこで、兵庫県では介護人材を確保するために、2019年に県立総合衛生学院に介護福祉学科を創設し、介護人材を育成することになりました。
しかし、2019年同学院の入学試験では、15名の不合格者を出し、定員の半数20名しか入学しませんでした。不合格の主な理由は、外国人受験生が志望動機を日本語で説明できなかったとのことでした。
その後、定員の半数しか入学していないということは、大いに問題であるという議会の指摘に対し、「受験者を増やして、定員を満たす努力をする」という回答でした。
しかし、その後の3年間、いずれも定員割れ、しかも、それでも不合格者を出し、定員の約6割しか合格させていません。議会の改善要求に対して、全く改善されていないのは、議会軽視も甚だしいと思います。
少子高齢化が進む中、都会の特別養護老人ホームでは、入所希望者や待機者が多くなっていると聞いています。需要があるのに介護人材不足の為、入所定員を増やせない現状があります。このような社会の要望に応えるためにも、介護人材の育成は県の喫緊の課題です。
県総合衛生学院介護福祉学科の入学状況は、県の方針にも合致していないと思われますが、県当局のお考えを伺います。